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ほぼ日刊イトイ新聞

2020-02-19

おしらせ

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・三年先の勝ち星のための稽古。

 千代の富士さんが全盛期に、
 「明日勝つための稽古と、3年先に勝つための稽古と、
 両方やってなきゃだめなんだ」と言ってたそうです。
 明日勝つだけでもたいへんなのですが、
 さらに三年後に勝つための練習が必要だとしたら、
 それは矛盾することだってあります。
 三年先の白星を得るための稽古は、
 今日や明日に実るわけではないので、無駄にも見えます。
 休ませておいたほうがいい筋肉とかを、
 その稽古のせいで疲れさせてしまうかもしれません。
 そうしたら、明日の勝ちが取りにくくもなります。
 いま現在の利益と、未来への投資と両方やれ、
 ということは、そうそう簡単なことではないはずです。

 三年先とは言わないまでも、いまうまく行っていること、
 あるいは、いま足りないなぁと感じていることは、
 たいていは去年の準備や用意という活動の結果です。
 お相撲さんでなく、会社をやっている人たちでも、
 自由業で仕事をしている人たちでも、学生さんでも、
 いま現在の、目の前のことだけを、
 日毎に片付けているわけではないんですよね。
 文字にすれば「イノベーション」とかね、
 さらっと書けちゃいますが、実際のところは、
 「ちょっとましにする」とか「合理的そうにする」とか、
 登場してくるのは、そういうことばかりですよね。
 そういうのは、だいたい「明日勝つための相撲」です。
 次の場所ではもう見切られているようなことでしょう。

 それでも、三年先の相撲のことばかり興味を持っていると
 今場所に負け越したりもしますし、番付も下がります。
 どっちもやるというのが、いかにむつかしいことか。
 だけどねー、「だからおもしろい」んですよね。
 賭け事じゃないのだけれど、
 「ちょっと勝つ×たくさん集める」みたいなことは、
 図体の小さな人や会社には勝ち目もないはずです。
 ここのところ、インターン募集に関わることで、
 若い人の顔を見ることも多いのですが、
 「夢ってなにかね?」とか、本気で聞きたいんですよね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「おまえはどうなんだ?」と言われてもいいように、ね。


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