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ほぼ日刊イトイ新聞

2019-11-21

おしらせ

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・ぼくは、だれにも頼まれてない絵本を
 つくったことがある。
 娘がそろそろおむつをやめるころ、
 『おねえさん』という題の手書きの絵本をつくった。
 もちろん、主人公は、幼い娘だ。
 その主人公は、「もう、おねえさん」なので、
 じぶんでトイレに行っておしっこができる。
 だから、おむつがいらなくなりました、という内容だ。
 手のひらほどの大きさで、ほんの8ページほど。
 主人公本人に読んでやると、とてもよろこんだ。
 なんども読んでもらっているうちに、
 本人から、おむつはもうしないと言い出した。
 なんだか娘をだましたような気もしたけれど、
 本人がよろこんでいるのだから、いいかと思った。
 こんなにすっきりと、トイレットトレーニングが
 できるとは思わなかった。
 こころからの創作意欲があってのではなく、
 娘をよろこばせる「道具」として描いた文字と絵だった。

『世界はデザインでできている』という本が、
 アッキイ(秋山具義)から送られてきて、
 それを読んでいるうちに、思い出したことだった。
 この本は、秋山具義がデザインについて
 どんなことを考えて、どんなふうにやってきたかの
 経験を語り、コツを教えてくれる本である。
 ことばがわかりやすくて、ぴしっとしている。
 彼のデザインのような本ができたなと思った。
 読み終えて、思い出したのが「子守唄」だった。
 こどもを寝かしつけるために歌う子守歌のように。
 いつも、アッキイのデザインセンスは、
 だれかをよろこばせるために使われる。
 さまざまな食材を使って似顔絵を描いた弁当箱を、
 ぼくはSNS上で、なんどか見せてもらったことがある。
 歌の得意なおかあさんが子守唄を歌うように、
 アッキイおとうさんは、おもしろい弁当をつくっていた。
 みなぎる情熱とかではなく、いっしょに遊んでいる感じ。

 「世界はデザインでできている」ことは、ほんとうで、
 それは、人間が人間をよろこばせるという意味でもある。
 なんだか、今日はアッキイをほめたくなってしまった。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
思えば、世界中の人を安らかに寝つかせる子守歌もあるね。


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