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じぶんの変化と、ほしいものの変化。
- 伊藤
- 岡戸さんこんにちは! ごぶさたしています。
あら、今日は、いつもの
タイトスカートじゃないんですね。
- 岡戸
- なんの話でしょう(笑)。
- 伊藤
- だって岡戸さんといえば、
ギャルソンの黒のタイトスカートの丈を
ご自分で勝手に短くカスタマイズしたのが定番でしたよね!
なのに今日はパンツ!
- 岡戸
- いやだ、もう(笑)。
最近はもっぱらパンツです。
それよりも「weeksdays」、
すごいですね。毎日、毎週でしょう。
どうやってつくっているのですか。
- 伊藤
- 商品担当者とデザイナーの
チームがふたつあって、
隔週ですすめているんです。
- 岡戸
- 週ごとにアイテムが違うっていうことですね。
お忙しいですね。
ページを見て、すごい量で、
びっくりしました。
チームもすごいし、
まあちゃん(伊藤さんのこと)もすごい。
- 伊藤
- そうかなぁ。
- 岡戸
- アイデアは、
「これが欲しい」の繰り返し?
- 伊藤
- そうなんです。
でもほら、歳をとるじゃないですか。
そうすると、老眼鏡が欲しいな、とか、
以前は思わなかったものが出てきたりして、
意外と尽きないものなんです。
- 岡戸
- 欲しいものが変わっていくのですね。
- 伊藤
- 変わります!
- 岡戸
- でも変わりませんね、まあちゃんは。
ちっとも、変わらない。
毎週、新しいものを出すということは、
毎日、書くことがあるわけでしょう。
その他に、先々の商品をつくるわけじゃないですか。
それはどんなふうに進めているのですか。
- 伊藤
- これが気になる、と思ったら、
すぐメールやLINEで共有します。
「買ったら良かった!」とか。
- 岡戸
- 3年目でしょう、
楽しい、楽しいで、やって来られましたか。
- 伊藤
- 楽しいです!
- 岡戸
- 売る数は、どういうふうに調整しているんですか。
- 伊藤
- 数は、基本的に「ほぼ日」に判断をゆだねています。
きっと、わたしが数を提案しても、
とんちんかん過ぎる(笑)。
思い掛けない人気のアイテムは、
「もっと作っておけば良かったね」ということは
あるんですけれど。
- 岡戸
- すぐに完売してしまう商品も、あるでしょう?
- 伊藤
- なにが売れるか、1回、出してみないと
分からないところがあるんですよ。
- 岡戸
- 以前作って、売り切れずにあるものは、
売り続けるっていうことですね。
- 伊藤
- だから、なかでも、
服づくりが難しいんですよね。
流行もあるので。
実はタオルは、
「weeksdays」で
かなり初期に作ったものなんですよ。
- 岡戸
- 前身の「&」のときから、
ありましたものね。
- 伊藤
- はい。「&」では「ほぼ日」の
「やさしいタオル」をベースにしたんですが、
「weeksdays」では
あたらしいものをつくったんです。
ところが、販売してみて、
いろんな反省がありました。
まず、当時、単純にこういうのが作りたい、
つくりました、いくらかかりました、
と積み上げていったら、
かなり高価なものになってしまった。
- 岡戸
- じゃあ、今度で二度目ですか?
- 伊藤
- 二度目です。
そして種類。
最初は、自分のようなゴワゴワ派向けのものと、
柔らかいのが好きな方向けに
フワフワのものをつくったんですけれど、
長持ちするのはゴワゴワだったんですよ。
これは、タオルの構造上、仕方のないことで、
無撚糸っていう撚ってない糸でつくったフワフワは、
強度が落ちてしまうんです。
- 岡戸
- 使ってみて分かったっていうことですね。
- 伊藤
- そうなんです。
岡戸さん、ゴワゴワ派じゃないですか?
- 岡戸
- そうです!
- 伊藤
- わたしも自分がゴワゴワ派なので、今回は、
そちらだけに集中することにしました。
ちがいは、いままで白一色だったところに、
色のタオルを加えたことです。
あるとき、娘が髪にカラーをする用に、
茶色のタオルを買ってきて使っていたんですね。
「ああ、これで気兼ねなく使える!」と言って。
染めたばっかりのときって、
タオルに色が移っちゃうんですよね。
- 岡戸
- カラーリングをするとね。
- 伊藤
- 掛かってる姿とか、娘が干している姿を見て、
「あれ? 色付きのタオルも、けっこうかわいい」と。
ちょっとこげ茶のプードルみたいな感じで。
- 岡戸
- こげ茶のプードル(笑)。
- 伊藤
- そう思い直したんですよ。
わたしもそういえば、白いタオルを使って
カラーリングした髪を洗ったとき、
こわごわ、「あ、つかなかった‥‥!」と
思っているなぁって。
そこから「weeksdaysのタオルにも、
色付きのものがあっていい」と思ったんです。
さきほど話した、加齢と共に変化する物欲(笑)。
- 岡戸
- 加齢と共に(笑)!
- 伊藤
- あと軽い服もそうですよ。
自然素材がいい、とか。
やっぱり、肌が敏感になるじゃないですか。
- 岡戸
- いいですね。自分の加齢と共に、
欲しいものが変化していくのって。
- 伊藤
- (笑)「変化と共に」
って言ったほうがいいのかな?
- 岡戸
- そう、加齢じゃなく、変化と共に、ね。
欲しいものは、なくなることがない、
っていう感じでしょう?
- 伊藤
- それに気づいたのが、
うちの母がル・クルーゼの鍋を
「もう重いからいらない」って言ったのが
きっかけなんです。
それでアルミの鍋をあげたんですが、
「そっか、歳と共に欲しいものって変わるんだな」
「それで全然いいじゃん」と思って。
- 岡戸
- じゃあ、「weeksdays」でそのうち
アルミの鍋を出すかもしれませんね(笑)。
- 伊藤
- そうかも? でも市販されているもので、
これが好きっていうものがあるなら、
それで満足しているんですよ。
だからわざわざつくる必要はなくって。
- 岡戸
- そうですね。
「これにこうすればいいのにな」とか
「こうしたいな」っていうのが
入っていると、いいわけですね。
- 伊藤
- そう!
- 岡戸
- 飽くなき追求ですね、それは。
- 伊藤
- そうですね。そして、
最初の話にもどると、だからこそ
チームで動くことでできるんです。
いままでひとりで仕事をするのが基本でしたから、
すごく楽しいですよ。
岡戸さん、ずっとチームのお仕事でしたでしょう。
編集部の、長(おさ)として。
- 岡戸
- 長として(笑)!
長なんかじゃないのよ、もう、ほんとに(笑)。
でも確かにチームでしか動かなかった。
だからこうしてひとりになったのは、
けっこう心地いいんです。
- 伊藤
- 今はじゃあマイペースに?
- 岡戸
- すごーく、マイペースです。
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
3月25日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
シルクのワンピース
「着ていてこんなにストレスのない服があるんだ! と
驚くばかりのワンピース。
シルクってすごいんです。
(できれば部屋の中でもずっと着ていたいくらい。)
素材感のすばらしさにくわえて、
首をすっきり見せてくれる襟の開き具合や、
足さばきのよいスリット、
体が自由になるほどよいゆとり‥‥と
ふつうに見えてふつうではないいろいろな工夫が
ひとつのワンピースに込められています。
一枚でさらりとはもちろん、
薄手のニットを下に着たり、
上にニットを重ねたりと、様々な着こなしがたのしめます。
色は『ブラック』と『ネイビー』の2色です。」
(伊藤まさこさん)
白の日も、白じゃない日も。
1年くらい前に、
娘が買ってきたのは
チョコレートみたいな色合いのタオル。
タオルは家にたくさんあるのに、
どうして? と聞いたら、
「(髪の)カラーの色落ちが気になるから」
という答えが返ってきました。
なるほど、
わが家のタオルはすべて白。
私もカラーした当日、
タオルに色がうつりしやしないかと、
ヒヤヒヤしながら使っていたことを思い出しました。
白以外のタオルが
バスルームにかかっているのを見るたびに、
おおっ! とびっくりしていたのだけれど、
目が慣れてくると、
なんだか新鮮。
そうか、
「タオルは白」と決めてかかっていたけれど、
そうじゃない日があったっていいんじゃないの、
と大らかな気持ちになったのでした。
今週のweeksdaysは、
以前販売して好評をいただいていた、
「さっぱりタオル」。
白にプラスして、
グレーの登場です。
今日は白。
明日はグレー?
その日の気分で使い分けて。
コンテンツは、
編集者の岡戸絹枝さんをお招きして、
タオルについてのあれこれをお話ししました。
どうぞおたのしみに。
バッグもつくりました。
- 伊藤
- 今回の服はフォーマルとしてつくりましたが、
「きれいな黒い服」としても着られますよね。
そのことが、岸山さんのスタイリングでわかりました。
足の肌が見えたりするだけで、
喪服が普通の服になるんだ、って。
- 岸山
- はい、着られますよ。
- 伊藤
- でも、黒いストッキングを合わせると、
ちゃんと喪服になる。
そして、さきほど、いろんな体型の人に、
という話が出ましたけれど、
ふだん、フェミニンだったり、
メンズライクだったり、
カジュアルだったりする趣味のかたでも、
この喪服は違和感なく着られると思うんです。
- 岸山
- 私もフェミニンな服が好きなんですが、
今回はそこに寄せすぎず、
いろいろなかたが、
この喪服だったら着られるように、と
意識しました。
- 伊藤
- サイズは、36、38、40。
- 岸山
- そう、いつもは38までですが、
今回は40まで用意しました。
- 伊藤
- そして、よかったと思ったのは、
バッグも作ったことですよね。
- 岸山
- あ、ね!(笑)
- 伊藤
- これも「分からない」から始まりました。
いざ、というときに、
何を選んでいいか分からないって。
そのときのために、パールのネックレスを
持ってる人は多いかもしれないけど、
バッグって、どうしたらいいのか悩むんです。
だから、御作法がよく分からなくても、
これさえ持っておけば、っていうものがほしかった。
- 岸山
- このレース、かわいいでしょう?
- 伊藤
- ほんとう。フランスのレースでしたね。
- 岸山
- 1850年創業の「DENTELLES ANDRÉ LAUDE」
(アンドレ・ラウド)社という
リバーレースメーカーのものです。
長い歴史があるんですよ。
このレースを選ぶときは、
伊藤さんを意識したんです。
- 伊藤
- どういうところを?
- 岸山
- このレース、近くで見ると、
丸くふくらんだフレンチノットステッチがあるんです。
昔から伊藤さんは、レースの、
そういった感じが好きなのを知っていたし、
私も個人的に好きなんですよ。
フランスらしいレースですよね。
しかも、あんまり目にしないタイプのレースだから、
持っていて嬉しいと思いますし。
もちろん喪服に合わせるのが基本ですから、
派手さがあるわけじゃないんですけれど。
- 伊藤
- バッグのおもて生地は、下地にポリエステル、
上にリバーレースを張った二枚仕立て。
口には板状のマグネットを入れて、
大きく開く仕様に。
これはわたしからも
「のし袋がすっと入るように」と
リクエストをしました。

- 岸山
- 裏地をつるりとした
ポリエステルシャンタンにして、
するっと出せるようにしています。
- 伊藤
- ほんとう、バッグもできたことで、
より、いいセットができましたね。
皆さんに受け入れられるといいな。
- 岸山
- はい。こういったものは、ほんとうは、
ずっと定番で置いておきたいですね。
- 伊藤
- 「突然」ということもありますから、
いつでもご用意できる数がつくれたらいいんですが、
まずは始めてみようということで、
今回は限定数になるんです。
でも、先々、考えていきたいですね。
岸山さん、わたしたちのリクエストを
こんな素敵なかたちにしてくださって、
ほんとうにありがとうございました。
- 岸山
- いえいえ、こちらこそありがとうございました!
いいものができて、ほっとしています。
キモノ・スリーブ。
- 伊藤
- ロングジャケットも、
すごく、凝ったパターンですよね。
- 岸山
- おそらく、なかなか喪服でないと思うんです。
あんなふうにキモノ・スリーブで、
マチが入ったジャケットって。
- 伊藤
- これ本当に、すごく素敵です。
- 岸山
- 嬉しいです。
喪服のジャケットというのは
シンプルなものだけに、
パターンを凝りたいという気持ちがありました。
キモノ・スリーブにすると、
アームホールに切り替えがないから、
肩まわりがきれいに見えるんですよ。
そのアームホールも大きめにとっているので、
たとえば下にワンピースを着て、
上から羽織るときに楽なんです。
- 伊藤
- 確かに、喪服にありがちな、
窮屈な感じが全くしなかったです。
- 伊藤
- そうなんですよ!
あのパンツやスカートで
サルティの生地のよさを体感したかたは、
きっと納得してくださると思います。
- 岸山
- 写真もすごくかわいく撮っていただきましたが、
実物はもっと素敵だと、
みなさんが驚いてくださるといいな。
- 伊藤
- 絶対、びっくりしますよ。
仕立ても、すごくきれいでした。
なんていったらいいのかな、
いつもsaquiの服はそこがいいのだけれど、
今回、さらに、という印象で、
本当に上質な服なんだな、
っていうのが分かるんです。
- 岸山
- そうなんですよ。
実は、そうそう、今回、お願いした縫製工場は、
都内にある、とても品質のいい
高級婦人服を縫っているところなんです。
「この服!」っていうときにだけ
お願いをしてきたんですが、
今回がまさにそのときでした。
ほんっとに腕がいいんです。
- 伊藤
- へぇ!
- 岸山
- 見学をさせていただいたんですが、感動しますよ。
裁断から違うんです。
まず生地を全部広げて、一晩蒸気をかけて
生地のテンションを整えるところから始めるんです。
そうするとクリーニングなどで
型崩れしないことも立証されているようで。
B品が1枚も出ないような丁寧さで、
とてもきれいなんですよ。
- 伊藤
- 「ここにお願いしてよかった」と感じる
具体的なことはありましたか?
- 岸山
- ロングジャケットもスリーブジャケットも、
ノーカラーのシンプルなホックのない服は、
衿ぐりのところって、
着ると外側に開いてしまうことがよくあるんです。
でも今回はフォーマルということもあって、
広がらずに抑えられる衿ぐりにしたかったので、
パターンのときから、
工場のかたといっしょに考えたんですね。
結論は、肩線を中綴じしたり、
内側の見返しを若干小さくすることで、
外側の生地をキュッと中に引っ張るようにして、
衿ぐりが浮かないようにしました。
そういうことが相談できたのもよかったです。
- 伊藤
- なるほど! 細かな調整をしていたんですね。
そういえば、ジャケットも、
スリットスリーブから見える裏地を、
サンプル段階から変更したのをおぼえています。
- 岸山
- そうでした。1回目、仕立てたとき、
裏地が見えたその印象が、美しくなかったんです。
これはよくない! と思い、変更をしました。
あたらしい裏地は、シルクレーヨンツイルで、
表地のサルティの濃い深い黒に合うような色です。
袖だけ、その裏地に変更をして。
- 伊藤
- うん、うん。
- 岸山
- その裏地は、
表地と同じくらいの仕入れ価格でしたが、
ここは大事なところだぞ、って。
細かい調整はいろいろしましたね。
スリットをちょっと小さくしたり。
- 伊藤
- 着るとわかる動きやすさに、
デザインだけじゃないということが、
すごく分かりました。
ロングジャケットを重ねたときに、
ワンピースの丈がちょっと見えるっていう、
そのバランスもかわいいですよね。
- 岸山
- ありがとうございます。
あんまりワンピースが長すぎてもかっこよくないので、
ちょうどいい感じで、ホワッと出る長さにしました。
短か過ぎるのも変ですから。
そのあたりは、ジャケットとワンピースの
サンプルを作りながら調整しました。
- 伊藤
- 単品でもいいし、
合わせていいっていうところが、
いいですね。
- 岸山
- ロングジャケットは、コートのように、
おばあちゃんが着ててもかっこいい、
という姿を想像して。
- 伊藤
- そう、確かにそうですね!
- 岸山
- ジャケットといっても暑苦しいわけでもなく、
サラッと着れますし、
お尻が隠れる丈って、妙に安心しますし。
ゆるやかなラインで。
- 伊藤
- 岸山さん、こんにちは。
スタイリングしていただいて撮影した写真、
とても素敵に仕上がりました。
ありがとうございました。
- 岸山
- よかったです!
- 伊藤
- 当然かもしれないんですが、
デザイナーが自ら手がけるスタイリングには、
つくり手の意図がはっきり見えるんですね。
今回のフォーマルは、
とても上質な感じが伝わってきました。
私がずっと思っていたことを
岸山さんが実現してくださって。
- 岸山
- 伊藤さん、ずいぶん前から、
喪服がつくりたいとおっしゃっていましたよね。
- 伊藤
- そうでしたね。
それで、saquiで
Faliero Sarti(ファリエロ サルティ)の
生地に出会って、
ぜひそれでつくってほしい、と。
伊藤さんが着ているのがsaquiの「スリークォーター スリーブ ワンピース」。
ここではサイズ38のサンプルを着用していますが、
身長156センチの伊藤さんが購入時に選んだのは36だそうです。
- 岸山
- そう、サルティありき、でした。
- 伊藤
- どうしてそう思ったかというと、
「黒」が“こっくり”しているんです。
- 岸山
- ただ濃いだけではない、
奥行きの深さがあって、
うつくしい光沢、
いい感じの風合も兼ね備えていて、
同じ黒でも「漆黒」という印象ですよね。
- 伊藤
- それに、フォーマルは、家から着ていく、
というシーンだけじゃなく、
遠方に持っていって、そこで着替えることもある。
移動するのに、シワにならないこの生地は、
フォーマルに向いているなぁと感じたんです。
遠くのかたが突然、ということもあるので。
- 岸山
- そうですよね。
その意味でも、サルティの黒は
フォーマルに向いている素材だと感じます。
- 伊藤
- しかも、スタイリングによって印象が変わる。
岸山さんとの撮影で、あらためてそれを感じました。
おそらく、フォーマル‥‥喪服というものを
はじめてつくられたと思うんですけれど、
いかがでしたか?
- 岸山
- つくってみて‥‥、想像以上に
いいものができたと感じています。
でも最初は、伊藤さんとふたりで、
勉強しようということで、
デパートのフォーマルを訪ねてみたり、
試行錯誤をしましたよね。
- 伊藤
- そうそう、そうでした!
- 岸山
- そうしたら、
「なんとなく、自分たちのものじゃない」
という感じがしてしまって。
- 伊藤
- もちろん流行を追うものではない、
「一生もの」の可能性がある服なんですけれど、
だからといって‥‥と、悩みましたよね。
デザインを進めるにあたって、
岸山さんが考えたのは、どんなことでしたか?
- 岸山
- いろいろな体型の方に合うように、ということです。
そうすると、いくらデザインとして美しくても、
ウエストをキュッと絞ることはせず、
I(アイ)ラインの方向に、と。
- 伊藤
- でも、あんまりズドーンとしていると‥‥。
- 岸山
- そうなんです、なのでワンピースは、
ほんの少しだけ、
ウエストをシェイプさせています。
そして、ワンピースって、大抵は、
前身ごろと後ろ身ごろの2枚でパターンを組むんですが、
このワンピースは脇にマチが入ってるんです。
つまり、4枚の布で接(は)いで、
さらに後ろにファスナーを付けたので、
結局5枚、必要としているんですよ。

- 伊藤
- そんなに手間のかかるつくりかたを!
- 岸山
- 脇にマチが入っていると、
シルエットが立体的に、
丸みを帯びるんです。
- 伊藤
- なるほど。それが、
いろんな体型の方に合うように、
という服づくりの秘密だったんですね。
- 岸山
- そして、わたしの挑戦でもあるんです。
「サルティで作るなら、パターンも凝りたい!」
って(笑)。
saquiのフォーマル
いつかの日のために
長い間、どうにかしなくては‥‥
そう思っていたにもかかわらず、
なんとなく、
買いあぐねていたのが、
フォーマルなシーンで着るウェアです。
人生の節目や、
大切な人とのお別れの時に着る服ですもの、
きちんとしたものをえらびたい。
そんな風に思っているのは、
どうやら私だけではないみたい。
「フォーマルな時の服、どうしていますか?」
じつは、よくそんな質問をよくされていて、
みんな困っているんだ‥‥
ということを実感していたのでした。
今週は、
weeksdaysをはじめた当初から、
「いつか」と思っていた
フォーマルウェアをご紹介します。
私の想いを形にしてくれたのは、
saquiのデザイナーの岸山沙代子さん。
悲しい時も、うれしい時も。
私たちの気持ちに寄り添ってくれる、
一生もののsaquiのフォーマル。
岸山さん、ご本人によるスタイリングも
どうぞ参考になさってください。
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
3月18日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
カトラリー

「カジュアルに使えて、
お値段控えめ。
かつ使い心地よく、見た目も美しい。
そんなカトラリーって、
あまりないものだなぁ‥‥と思っていたら、
そのすべてを満たしていたのが、
この「LUCKYWOOD」(ラッキーウッド)の
カトラリー。
オールステンレスなので、
食洗機にも入れられるところがうれしい。
忙しい朝、
こんなカトラリーがあると、
とっても助かります。」
(伊藤まさこさん)
ストレートスカート
「ぴったりしすぎず、
離れすぎず。
体にほどよく馴染むシルエットが心地いい。
魅力はイタリア・ファリエロ サルティ社の素材。
weeksdaysでは、今まで同素材のパンツや
ワンピースをあつかってきましたが、
その気持ちよさに、すっかり心をつかまれた、
という方も多いのではないでしょうか?
上質で着心地がよく、
シワになりにくい。
真夏をのぞいて、ほぼ通年で着ている、
saquiのサルティのアイテムにくわわったのが、
今回ご紹介するスカートです。
Vネックのニットに華奢な靴を合わせれば大人っぽく、
タートルニットにタイツ、スニーカーでカジュアルに。
‥‥と、この秋冬、とても活躍したアイテムですが、
白いシャツやTシャツとの相性もよさそう。
今の季節から夏にかけても活躍してくれること、
まちがいなしです。」
(伊藤まさこさん)
あのひとに 着てもらいました。その2 SHOZO COFFEE STORE 松本海央さん
松本海央さんのプロフィール
まつもと・みお
栃木県那須塩原市に拠点をおく
SHOZO COFFEE。
東京・北青山には、そのコーヒーや
お菓子がたのしめる
SHOZO COFFEE STOREがあります。
海央さんは、そのスタッフです。
■SHOZO COFFEE STOREのウェブサイト
■以前のインタビュー
・あのひとと、コンバース。
・カフェオレベースのこと。
(身長152cm・サイズ1着用)
「このコート、フォーマルな場面でも、
カジュアルに日常でも、
どちらでも使えるのが良いなと思いました。
一着持っていれば、どんな時も安心!
というアウターだなと。
まるで、おまもりのような‥‥」
と、海央さん。
たしかに「安心感」がありますよね。
「軽めでシワにもなりにくそうだったので、
旅行に持っていきたいな、とも思いました。
‥‥もちろん、旅行ができるようになったら!」
ほんとう、そうですよね。
洋服を選ぶときって、
日常で着たいなという気持ちと、
「いつか旅先で着たいな」という気持ち、
両方の思いがうかんできます。
海央さんのブラックのコーディネートは、
ちょっとフォーマルな雰囲気。
シワになりにくく、いつも旅行の時に持っていくという
dosaのワンピースを合わせています。
「全身黒でまとめるのも好きなので、
黒のローファーと黒いバッグ、
スカーフで少し色を入れました。
スカーフって、好きでけっこうたくさん持っていて、
旅先でよく買っちゃうんです」
いつもお店でお見かけするためか、
わりとカジュアルな印象の海央さん。
こんなふうにフォーマル感のある着こなしに、
大人っぽさを感じました。
コートひとつでこんなに印象が変わるんですね。
ブラックのコートを着ていたら、
パリにいきたいな~という気持ちになったそう。
行けるようになったら、ぜひこのコートを
着ていってくださいね!
いっぽう、グレージュのトレンチコートは、
海央さんの普段のコーディネートに近い感じ。
春先のカジュアルというテーマで、
ピンクと白に合わせています。

「ちょっと引き締まるかな? と、
ベージュのスカーフにしてみました。
このコートは、晴れた日に限らず、
雨の日も安心です」
あわせたかごバッグは
長年愛用しているものだそう。
「ああ、晴れた日に、
どこまでも街を歩きたい! そう思いました」
同じかたちなのに、グレージュを着たとたん、
とっても春らしい着こなしに。
ピンクのトップスとスカーフの色合いも相まって、
ふんわりとした海央さんの雰囲気にピッタリでした。
海央さん、どうもありがとうございました!


あのひとに 着てもらいました。その1 イラストレーター 平澤まりこさん
平澤まりこさんのプロフィール
ひらさわ・まりこ
東京生まれ。
セツ・モードセミナー卒業。
装画、広告、商品ロゴやパッケージのほか
版画や絵本の制作など、多岐に渡る分野で活動。
国内外を旅して記したエッセイも。
著書に『イタリアでのこと』(集英社)
『紅茶の絵本』『コーヒーの絵本』
『チーズの絵本』(いずれも共著/ミルブックス)
『旅とデザート、ときどきおやつ』(河出書房新社)など。
■Instagram
(身長166cm・サイズ1着用)
「トレンチコートは春先などによく着るアイテムで、
自分でも持っています」と平澤さん。
いつもはピタッと
ジャストサイズで着ることが多いといいますが、
ちょっとオーバーサイズのHonneteは、
サイズ1がしっくりきたそうです。
おお、すごくバシッときまる感じ!
「トレンチコートは、襟が大きく見えてしまうと、
お父さんのトレンチコートみたいに
見えてしまう気がするので、
今回は襟を立てて、
襟が小さめに見えるように着てみました」
なるほど、襟の見せかたで、
印象も変化するんですね。
「このトレンチコート、
襟のうしろのところのボタン使いが
すごく丁寧できれいですよね」
そうでしょう、そうでしょう!
Honneteのミリタリーはかなり本格的で、
その襟裏に収納されている小さなベルトを
「スロートラッチ」って言うんですが、
ほかにもエポレット(肩章)や
ガンフラップ(右肩から肩にかけての共布)など、
クラシカルでマニッシュ、
すべて、本格的なミリタリーに由来しているんです。
平澤さんがこのコートに合わせた小物は、
メンズサイズの時計。かっこいい!
「この腕時計は父からのお下がりで、
ちょっと大きめなんですけど、
サイズは直していないままなんです。
なので私の手首にはゆるっとしているんですが、
ブレスレットのような感覚でつけています」
バッグや靴も、コートに合わせて。
「ブラックがかっこいい感じだったので、
このシックなクラッチバックを合わせてみました。
靴はちょっと質感を変えてパテントにしています」
普段のコーディネートも、
わりと落ち着いた色味を着ることが多いという平澤さん。
どこかにポイントを作って
色をいれるようにしているそうです。
「今回も、モノトーンだけにしちゃうと、
全体が暗くなりがちなので、
全体の色味は抑えつつ、
ネイルだけ色をいれてポイントにしています」
おお、トレンチコートをとても着慣れている
コーディネートという感じがします!
髪型と襟の感じもピッタリですよね。
アイテム自体はユニセックスだし、
あわせているのはメンズの時計なのに、
腰の紐を絞って、袖のところもキュっと絞って、
手首を出している全体のバランス感や、
時計をブレスレットのようにつけていることで、
全体のコーディネートとしては、
より女性らしく見えて素敵でした。
めちゃめちゃかっこよかったです。


「グレージュは、愛犬とお散歩に行くときに、
着ていくイメージでまとめました」
さっと羽織って、歩ける、
動ける感じのコーディネートです。
かなりカジュアルに着られるカラーですから、
デイリーに着やすいアイテムですよね。
「淡くて、春っぽい感じの色ですから、
全体的に明るい着こなしを考えました。
眼鏡も薄めのカラーにしているので、
そこでヌケ感が出たかな?
お散歩は1時間ぐらい歩くので、
靴は白のスニーカーを。
アクセリーもカジュアルな感じのものにしています」
ネイルは、ブラック着用時と同じですけれど、
今回は、バッグにも色味を。
「いつもは荷物が少ないので、
小さめなバッグが多いのですが、
犬のお散歩のときには、
お散歩グッズがあるので、エコバッグが必須。
全体のトーンにあわせて、白にしています」

前を開いてバサッとカジュアルに着る感じが
とてもお似合いでした。
平澤さんがグレージュを着ると、
一気に春っぽいイメージになって、
同じコートでこんなに印象が変わるなんて。
ネイルとバッグの色味をあわせるのも、
じょうずにマネしてみたいところですよね。
平澤さん、ありがとうございました!
グラストンベリー・内田起久世さんにきく 「本格的なつくりだけれど、 ちゃんとレディース仕様なんです」
Honneteのトレンチコートは、
クラシカルでマニッシュな
ミリタリーのディテールが施されているのが魅力です。
たとえばエポレット(肩章)、
ガンフラップ(右肩から肩にかけての共布)、
スロートラッチ(襟裏に収納されているベルト)。
ディテールが、クラシカルでマニッシュでしょう?
これらはすべて、本格的なミリタリーに
由来するものなんですよ。
とはいえ、わたしたちが展開しているHonneteは
レディースブランドです。
軍もの特有の、タイトで肩肘の張った、
重くて、着るだけで肩が凝る、なんていうのでは、
ちょっと困ってしまいますよね。
シルエットや着心地は、現代の日本の女性たちに
合うものでなくてはいけません。
そこで、全体のシルエットは、
オーバーサイズでトレンド感のあるものにしています。
そうすることで、
ドルマンスリーブのインナーでも楽に着られますし、
たっぷりした袖を
袖口のアームベルトでギュと絞って
シルエットを楽しむ、
なんていうこともこともできます。
オーバーサイズといっても、
肩のラインはスッキリしていますから
ダブルブレスト+マキシ丈のボリューム感がありながら、
全体がシャープな印象になっているんです。
素材は、イタリア・
Olmetex(オルメテックス)社のもの。
1954年に設立されたイタリアのメーカーで、
綿やナイロン、ポリエステルなど
高機能なファブリックを主力としている
世界的な生地メーカーです。
今回使っている素材は、
高密度のコットンナイロンに
PUコーティングをほどこしたギャバジン。
撥水性が高く、しっとり滑らかな質感が特徴です。
ほのかな艶感や程良いこしなど、
絶妙な仕上がりとなっていますよ。
わたしは、スウェットやブルゾンに、
羽織るように着て、スニーカーを合わせたり、
コートの上から、あえてボアのベストを着てみたり。
そんなスポーティーなコーディネートもしています。
もちろん、白シャツやハイゲージのタートルに
デニムなどのトラッドな合わせをして、
スカーフでアクセントをつけたり、
また、春夏には強めのプリントドレスに羽織ったり‥‥。
長年の着用でもくたびれにくく、
3シーズン、デイリーユースで使用することにも
適している生地ですから、
長く、愛用いただけたらと思います。
(談)
Honneteのトレンチコート
今の気持ち。
10年ほど前、
「一生もの」と思ってがんばって買った
トレンチコートに袖を通してみたら、
あれ? なんだかちょっと違和感。
身頃の幅や裾丈、
あとは‥‥どこだろう?
とにかく“今の気持ち”にしっくりこないのです。
「定番」と呼ばれるものでも、
やっぱりその時々の形はあるもの。
そうか、男の人のスーツやネクタイだって、
少しずつだけれど、変わっていっているものね。
流行りは巡るというし、
ひとまずそのトレンチコートは
クローゼットの奥にしまうことにして、
今年、私がえらんだのはHonneteのトレンチコート。
全体的にゆったりしていて、
軽やかな着心地。
少しだけ長めな丈もいいかんじ。
袖を通した瞬間に、
そうそう、これこれ!
と、ピーンときたのでした。
色は2色。
明日のlookbookをどうぞおたのしみに。
春にはこんな コーディネート。 伊藤まさこ
その3 カーゴパンツ
この春夏が私の
あわいピンクデビュー記念日。
今年の気分は、なんだかピンク!
目につく服にピンクが多いのです。
でもあわいピンクは、
ちょっと勇気がいるなぁと、
ためらっていました。
肌の色や質感などで、
人にはそれぞれ似合う色と
そうでない色があると思うのですが、
悲しいことに私の場合はあわいピンクが似合わない色。
でも、試着をして気づいたんです。
苦手としている色を顔まわりに持ってこなければ、
全然へっちゃらなんだ! ってことに。
‥‥というわけで、
この春夏が私のあわいピンクデビュー記念日。
ピンクのパンツには、
白のTシャツとサンダル。
それからいつものかごバッグを合わせます。
また、着たことがない色でも、
ボトムスに持ってくると、
あんがいすんなりと馴染むことがある。
(私のように)似合わない! と決めつけないで、
まずは挑戦してみて。
全身黒、だけど、
重たく見せない工夫を。
カーゴパンツというと、
ごつっとした男っぽいイメージがあるのですが、
こちらの素材は「ドライツイル」なので、
上質感があり、履き心地もなめらか。
こんな大人っぽいカーゴパンツなら、
ぜひ履いてみたいな、
展示会で見たときにピンときたのでした。
合わせるのは、黒のニットにスニーカー、
白いバッグ。
全身黒ですが、
重たくならないように靴やバッグに気を使って。
春にはこんな コーディネート。 伊藤まさこ
その2 フリルブラウス
黒×黒、だけど、
ちゃんとかわいい。
黒のブラウスには、
黒のストレートスカートを合わせました。
シンプルですが、
たいくつな着こなしにならないのは、
胸元にたっぷり寄ったフリルのおかげ。
このフリルがアクセサリーの代わりになるくらいの
存在感なので、
耳元に小さなピアスをちょこん、
がちょうどいい。
足元は、シンプルなサンダルや
少しヒールのある靴がぴったりですが、
まっ白スニーカーで、
ちょっとラフにしても。
ブラウスを
ジャケットみたいに。
このブラウス、
張りのある素材でできているので、
下にTシャツを着て、
前ボタンをすべてあけて、
ジャケット風に着てもいいんです。
ボトムスは黒のパンツと、
シンプルな靴を合わせ、
フリルを引き立たせて。
もちろん、第一ボタンまでしめて
きっちり着こなしてもすてきです。
1日の中で、
しめたり開けたりして、
雰囲気を変えても。
印象がずいぶん変わりますよ!
春にはこんな コーディネート。 伊藤まさこ
その1 プリーツワンピース
華奢なサンダルや
小さなバッグと。
ふわりと着心地のいいワンピースは、
一枚で着ることが多いのですが、
そんな時は、華奢なサンダルや
小さなバッグを合わせて、
気分を盛り上げます。
襟元は第一ボタンまできちんとしめ、
髪は小さくまとめるとバランスよく仕上がります。
シンプルなスタイルだけに、
足元のネイルやピアスなどに、
ちょっときらりとするものをくわえたい。
オレンジ系のリップなども似合いそうです。
また、秋冬、私は上にロングカーディガンを羽織って、
タイツやブーツと合わせて着ていました。
このワンピース、
年中着られるうれしいアイテムなんですよ。
ニュアンスを重ねて、
ワンピース・オン・ワンピース。
シルクのワンピースの上に、
t.yamai parisのプリーツワンピースを重ねました。
軽やかな素材同士の組み合わせは、
重ねても重たくならないところがうれしい。
色はまったくの同色ではなく、
ちょっとニュアンスを変えると、
着こなしに奥行きが生まれます。
足元は黒でひきしめて。
シックだけれど、
大人っぽくなりすぎないのは、
歩くたびに揺れるプリーツのおかげ。
出かけるのが、たのしくなるワンピースなのです。
t.yamai paris 春の服
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
3月4日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
チョコプレッツェル(ダーク)
「一口食べるとチョコのあまさが。
そのあと、プレッツェルの塩気がふわり。
最初のひとつが喉を通り過ぎる頃には、
次のひとつに手が伸びる。
これにコーヒー(それもたっぷり入れた)があれば、
この上ないおやつタイムとなります。
私がニューヨークで食べた記憶をもとに作ったのが、
このweeksdaysオリジナルのチョコプレッツェル。
おいしさはもちろんですが、
赤いパッケージもかわいいでしょう?
自分のために、友人に。ちょっとしたお土産にも。
気になるあの人へのおくりものにも、
いいかもしれませんよ。」
(伊藤まさこさん)
コートをしまって。
2月の終わりの週末は、
ブーツをしまって、
冬の間、お世話になった厚手のコートや、
ニットをクリーニングに出すのが、
ここ数年の習慣。
3月も寒い日(時には雪が降ることだってある!)が
あることは重々承知ですが、
おしゃれは時にはがまんがつきもの。
重ね着してなんとかしのぎます。
草木が芽吹きはじめるこの季節、
気持ちもなんとなく、
ふわっと明るくなってくる。
日差しがあたたかい朝はとくに、
「ああ、早く春の服が着たいなぁ」
なんて思うのです。
今週のweeksdaysは、
t.yamai paris(ティー ヤマイ パリ)の春の服。
ふわりと軽くて、
明るくて。
新しい季節にぴったりな、
かわいらしい服をご紹介します。
ブレンドエッセンシャルオイル、 わが家の使いかた。 伊藤まさこ
その2 あたためて使う。
お湯を張って。
フィンランドの蚤の市で手にいれた器は、
やや大きめ。
精油を数滴垂らしたら、
お湯を張って香りを立たせます。
器や石に直接もいいけれど、
お湯にたらすとまた香りの質が変わる感じ。
気分や時間で使い分けてはどうでしょう?
茶香炉で。
デザイナーの猿山さんから
「こんなの作ったんだけど」といただいたのは、
茶香炉。
「茶香炉」として売っているものだけれど、
使い方は自由と言うので、
さっそくお湯を少し張ってオイルをたらしてみました。
下に置いたキャンドルが、
オイルを温めてくれて、
じんわりと香りが広がります。
シックな見た目もいいではありませんか!
男の人の部屋にあってもよさそうです。
(小さなお子さんがいるおうちでは、
手の届かないところに置いてくださいね。)
●茶香炉
kouro#01/MABOROSHI(まぼろし)
[お問い合わせ先]
info@maboroshi54.com
ブレンドエッセンシャルオイル、 わが家の使いかた。 伊藤まさこ
その1 そのまま垂らして。
うつわを使って。
ひとつめは、
ちょっと欠けてしまったり
ひびが入った小皿に数滴たらす方法。
その場合、磁器よりも、
精油がしみこみやすい土っぽい器がおすすめです。
部屋に置いて目にするものなので、
もちろん欠けた器ではなく、
気に入ったものを使うという手もありです。
(ただ、その後は食品を盛れなくなるのでご注意あれ。)
ベトナムで買った10枚で数十円の小皿、
作家の作った盃、古い豆皿などなど、
食器棚から精油用に見繕ったのがこちら。
部屋の片隅にちょこんと置いて姿ごとたのしみます。
ふつうの石でも。
精油用の石を使っていて、
ふと思いました。
「ふつうの石でもいいんじゃない?」って。
集めた石がいくつもあるんだから、
それを使わない手はない!
今日は古いボウルに好きな石を集めて、
精油をたらしてみました。
テーブルの上や床、
日の当たるところ・・・
置く場所によって、
香りの感じ方が変わるのも興味深い。
食後、お茶を飲む時に気分を変えたい時は、
こんな風にダイニングのカウンターに置くことも。
ふたつの香り。
- 伊藤
- 今回、ひとつはローズ、
もうひとつは針葉樹という
「核となる香り」があって、
わたしのイメージを、
茂田さんがブレンドして
足したり引いたりしながら、
サンプルをつくってくださいました。
- 茂田
- かなり、時間をかけましたね。
- 伊藤
- そうですよね。
どうですか? できあがり。
- 茂田
- ローズ中心の“Bonne nuit”は、
香りが時系列的に変化していくのが、
すごくいいですよね。
トップにオレンジなどの柑橘系が香り、
その次にローズゼラニウムがきて、
最後、ダマスクローズがしっかり残る。
- 伊藤
- こうして使っていても、
最初と、後半で、香りが全然違います。
- 茂田
- そうでしょう? いっぽう、針葉樹系の
“Bonjour”のほうは、
あんまり時間によっての変化は強くありません。
トップにセージ、クスノキ、
続いてシダーウッド。
安定していい香りができました。
- 伊藤
- 印象をいえば、
ローズ中心の“Bonne nuit”が「ととのえる」、
針葉樹系の“Bonjour”は「しずめる」ですね。
- 茂田
- 伊藤さんは、じっさい、針葉樹系を朝に、
ローズは夕方以降に使っているというから、
まさしく、そうですよね。
- 伊藤
- はい。来客はうんと減りましたが、
それでも自宅で撮影をすることもあって、
それが10時に始まるとしたら、
9時半には準備を終え、
玄関に置いている器に“Bonjour”を2、3滴。
針葉樹系の香りで、
これから人を迎えるぞという気分になるんです。
そんなふうに、香りが、
区切りや気分展開になるって、
とてもいいなって思っています。
夕方は、仕事を終えたら“Bonne nuit”で、
そのあとは、ごはんをつくって食べて、
お酒もちょっといただいて、
使った調理道具や食器をすべて洗って片づけて、
台所を掃除して、なにも置かない状態にして、
一日が終わるんです。
- 茂田
- お掃除の仕上げに排水溝に垂らすのもいいですよ!
匂いって排水溝から出てくるので、
それこそウォッカで希釈しておいたものを、
おちょこ一杯ぐらい排水溝にかけてあげるとか。
- 伊藤
- へぇ! おもしろい。
- 茂田
- アルコールが入ることによって、
雑菌が抑えられて変な匂いがしてこない。
さらにエッセンシャルオイルの作用と香りもあるので、
ぼくはけっこう排水溝に使っています。
そうだ、伊藤さんと同じで、ぼく、最近、
お掃除にハマってるんです。
するのは、朝なんですけれど。
- 伊藤
- そうなんですか! いいですね。
- 茂田
- 5時半に起きるのが習慣で、
30分くらい散歩して帰ってきて、
6時にコーヒーを飲んで、
6時半ぐらいから家の掃除を、
30分、ガッツリ、するんです。
- 伊藤
- あら! わたしもほとんど同じルーティン。
- 茂田
- 最近、そのモーニングルーティンにハマってます。
で、掃除が終わったら、香りをたのしむ。
それはブレンドエッセンシャルオイルにかぎらず、
お香だったりするんですけれどね。
- 伊藤
- やっぱり、気持ちいいなって感じるから、
掃除をする習慣が続いているんですか?
- 茂田
- 安心するんです。
どこに何があるか分からないことへの不安があって、
片づけ、掃除を始めたんですよ。
夜寝る時に、ふと、
「あれ、どこにあったっけな?」って
思うようになって、それはまずいなって。
- 伊藤
- わたしは、ないけど(笑)。
- 茂田
- それは伊藤さんの家が片づいているからですよ(笑)。
だから、片付けることによって、
自分の生活に必要なものを可視化しようと。
どこに何があるかが把握できることって、
ぼくは精神的に安定するんです。
それで、毎朝、掃除をして、
捨てるものや処分するものがないかと
選択をするのが、すごくいいんですね。
いらないものは家に残したくないって。
- 伊藤
- わかります。これは人に譲ろう、とか。
じゃあデスクの上も、きちんと?
- 茂田
- ぼく、デスクを持たないんです。
紙の資料は全部スキャンして捨てる。
- 伊藤
- 社長室は、ないんですか?
- 茂田
- ないんです。
- 伊藤
- 「ほぼ日」はリモートワーク推奨で、
出勤時もフリーアドレスになったんですって。
ロッカーに荷物や資料はまとめて、
毎日席がかわる。
- ──
- 自分の机があったときは、
あんなにものが多かったのに、
いざ、やってみると、
ひとつも要らなかったんだって思いました。
茂田さんのように紙の資料は
スキャンをして捨てる習慣をつけると、
さらに減るでしょうね。
- 伊藤
- 請求書まわりも郵送ではなく
メール添付で送れるようになったので、
もうほんとうに紙のやりとりがなくなりました。
でも逆にパソコンがなくなったら
どうしようと思っちゃいますけれど。
こんなにたくさんの変化が
いちどに起こるって、すごいなって思います。
- 茂田
- 「風の時代」ですから。
- 伊藤
- ん? なんですか、それ?
- 茂田
- 占星術です。
200年ぐらい続いた「土の時代」から、
これからの200年ぐらいは
「風の時代」になるんですって。
ぼく、そんなに詳しくはないんですが、
ちょっと聞きかじったら、
たしかにいまの状況とシンクロすると
思ったものですから、気になって調べたんです。
例えば、家を持たず、
自由に風のように行き来するみたいなこと。
仕事も永久就職とか、終身雇用を考えないとか、
そういうニュアンスが強いみたいですよ。
- 伊藤
- へえ!
- 茂田
- このコロナ禍でリモートワークになって、
定点で仕事をする必要はないと
感じた人も多いわけですよね。
連絡や移動の安全さえ考えれば、
遠隔地で仕事をしてもいいわけですし。
- 伊藤
- ニューヨークの友達が3月に帰国して、
東京以外の場所に住むことを考えているというんです。
ずっと住む勢いだったので、
どうしたの? って聞いたら、
この1年で、ニューヨークでも
リモートワークが当たり前になって、
友達がメキシコやハワイに帰ったり、
移住するのを見ていたら、
「あれ? どこでも仕事ができるんだ!」と、
逆に自由になったと。
最初のロックダウンでは
堅苦しさばかり感じていたのが、
自分の時間があることこそが自由なんだ、って、
そんなふうに思えるようになったそうです。
- 茂田
- 関東でも、長野の軽井沢と佐久の間の御代田や、
鎌倉あたりに移住人口が増えてるらしいです。
「東京にいなくてもいいんじゃない?」と。
とはいうものの、東京へのアクセスも大事だから、
鉄道で1時間半くらいだといいんでしょうね。
- 伊藤
- そんな暮らしかたのなかで、
このブレンドエッセンシャルオイルが
受け入れられたら嬉しいですね。
そうそう、茂田さん、
今回、2種類のブレンドエッセンシャルオイルを
つくりましたが、
価格がずいぶん異なるんですよね。
“Bonne nuit”が高価なんです、比べると。
- 茂田
- それは、使っているローズの、
いいエッセンシャルオイルが、
そもそも、とても高価だからなんです。
基本的にローズって、油がほとんど採れないんですよ。
蒸留しても、0.02%くらいの油分しか採れない。
それは、100キロのローズを蒸留して、
20グラムしか採れないっていうことですね。
例えばラベンダ―だと、
エッセンシャルオイルの収率が1%ぐらいですから、
100キロのラベンダーから
オイルが1000グラム採れるわけです。
そういうことが、価格に反映してくるんです。
ご理解いただけたらうれしいです。
- 伊藤
- はい、それが希少価値の理由なんですね。
完成して、よかったです。
茂田さん、今回もいろいろとわがままを聞いてくださり
ありがとうございました。
お話もよく理解できました。
- 茂田
- こちらこそありがとうございました。
開発も含め、たのしい時間でした。
環境もかわるし、自分も変化する。
- 伊藤
- 茂田さんこんにちは。
よろしくお願いします。
いま、どちらですか?
- 茂田
- 僕は東京のオフィスです。
わりと、普通に出社しているんですよ。
ただ、OSAJIは高崎と東京の2拠点なので、
ぼくが感染したらどちらの同僚にも、
高崎に住んでいる家族にも迷惑ですから、
まめに検査をして移動しています。
伊藤さんは?
- 伊藤
- 誰かにお目にかかるのは最小限にしよう、
というのは、昨年から変わらないですね。
だからほとんど家にいるんです。
- 茂田
- むしろおうちの生活を楽しんでいるようですね。
- 伊藤
- そうなんです。家にいる時間が長くなったことで、
「香り」について意識することも増えましたよ。
今も、うしろに見えるかな、
今回のサンプルの“Bonjour”を使っているんです。
- 茂田
- あ、いいですね!
- 伊藤
- 香りをたのしむのに、
いろんな方法がありますよね。
わたしは垂らしておくだけ、なんですけれど、
焚くとか、加湿のときに足すとか‥‥。
- 茂田
- う~ん、垂らしておくだけでも
いいんじゃないかなってぼくは思います。
- 伊藤
- どんなふうにアドバイスしていますか、茂田さん。
- 茂田
- 「このくらいの強さの香りがほしい」という感覚は
人によって違いますから、一概には言えないんですが、
たとえばゆっくりとリラックスされる時間のお供や、
ベッドサイドなどに置いてお休みいただくとき、
ほのかに香っていてほしいなという希望に対して、
個人的におすすめなのが、
耐熱のグラスなどに熱めのお湯(70~80℃)を入れ、
ブレンドエッセンシャルオイルを1、2滴垂らす方法です。
火などを使わず安心ですし、
ホテルなどの出先でも手軽ですよ。
ただ、グラスに入れるときは誤飲に注意することと、
使用後はグラスを
きちんと洗っておくことが必要ですけれど。
- 伊藤
- なるほど!
- 茂田
- 最近、溶岩に垂らしておく人もいますよね。
通販で、まとまった量の溶岩を安く買って、
器にガサッと入れて、垂らしておくんですって。
溶岩って、けっこう精油を吸ってくれるんですよ。
だから、「垂らすだけ」派の人にはいいかも。
- 伊藤
- 今回の撮影では、もう使わない器や、
いっそヒビが入っちゃったお皿などを使う、
そういう提案もしています。
- 茂田
- そうだ、小っちゃい器なら、
消毒用のアルコールや、香りのないウォッカに、
エッセンシャルオイルを垂らしてもいいですよ。
- 伊藤
- えっ、え? ウォッカ?
- 茂田
- アルコールの揮発と共に
香りが飛んでくれるんです。
- 伊藤
- 少量でいいんですか。
- 茂田
- 少なくていいです。
エッセンシャルオイルは
そんなに短時間で揮発しないけれど、
アルコールに入れることで、
リードディフューザーといって、
ちょっと揮発のスピードが早まるんです。
すると、エッセンシャルオイルそのままに比べて、
香りの立ち方が変わりますよ。
- 伊藤
- じゃあ、手指消毒用のサニタイザーに
エッセンシャルオイルをちょっと入れておくと、
ローズの香りのサニタイザーができるってことかな?
- 茂田
- ぼくらメーカーは、
それを推奨することはできません。
法律違反になっちゃいます。
- 伊藤
- あっ! そうですよね。
- 茂田
- アルコールに垂らしたものは、
直接手指につけるのではなく、
大きめのスプレーボトルに入れて
ファブリックミストとして布に吹きかけるとか、
小っちゃいスプレーボトルに入れて、
ピローミストとして寝室で使うとか、
そんな使いかたがおすすめです。
寝る時に、シュッシュッと、
枕のまわりにかけるといい香りですよ。
column
ブレンドエッセンシャルオイルを
スプレーで使うとき。
用意するもの
・50mlのスプレー容器(アルコール対応のもの)
・アルコール 30ml
・精製水 10ml
・アロマオイル 5滴程(お好みで調整して下さい)
つくり方
① スプレー容器にアルコールを入れ、精油を垂らします。
② ①の蓋をしっかり閉め、振ってしっかり混ぜます。
③ ②に精製水を加え、さらにしっかり混ぜて出来上がり。
使い方
布に吹きつけて香りをお楽しみください。
色落ちが心配な布には、
目立たない部分につけて
変色や色落ちがないか確認してからご使用下さい。
枕など、肌に触れる部分に使用される際は、
お肌の弱い方はアルコールや精油に
反応してしまう恐れがあるため、ご注意下さい。
- 伊藤
- 知り合いのかたが、
ローズの香りが好きで、
枕の近くにエッセンシャルオイルを
数滴垂らして眠ったら、
あまりに濃厚な香りで、
とっても不思議な夢を
見たって言っていました。
男性のかたなんですけれど。
- 茂田
- (笑)ローズやゼラニウムの香りは、
女性ホルモンであるエストロゲンの
活性を高めると言われているんですよ。
医学の研究論文で、
更年期障害を緩和するという報告もあるようです。
女性のための香水にローズの香りが多いのは、
そんなことと関係しているかもしれませんね。
あるいは生理前の不調、だるさを和らげるとか。
枕にというのも、意味があって、
ホルモンバランスって睡眠中に整うんですね。
- 伊藤
- なるほど。ローズを使った
今回の“Bonne nuit”は、
仕事が終わって、パソコンを閉じて、
一日の気持ちが解放された時や、
夜、眠る前の時間に使ったら
いいな、って思っています。
そこに、本能的な理由があったのかもしれないですね。
逆に、朝いちばんで使う気分ではないので、
朝のために、別の香りがほしいとお願いをして、
今回もうひとつ“Bonjour”をつくっていただいて。
- 茂田
- それ、すごく正しいと思います。
“Bonjour”は針葉樹系の香りですが、
これは、朝、自律神経を整えてくれると言われます。
朝、倦怠感や憂鬱さが来る人にも
効果があるという報告がありますよ。
- 伊藤
- やっぱり気分としては、朝は針葉樹系ですね!
わたしは朝から元気なんですけれど(笑)、
カラダが求めているのかな、
「よし!」って起動する、みたいな印象です。
- 茂田
- 実際に、朝の森林浴って、気持ちいいですもんね。
ところで女性って、
香りの感じ方、好きな香りが
1カ月のなかで変わるんだそうですよ。
そんな研究もあるんです。
- 伊藤
- へぇ!
- 茂田
- 生理周期の中で、女性ホルモンがリッチになったり、
逆に男性ホルモンがリッチになったりする。
そうすると香りの感覚も変化するんですって。
だからいいと思っていた香りが、
とつぜん、好きじゃなくなることもある。
味もそうだと言われます。
しょっぱさとか、甘さの感じ方が変わるんですって。
- 伊藤
- そういえば、妊娠中、
自分が犬になっちゃったのかな、
っていうぐらい、香りに敏感になりました。
こんなに家の中や、外にも香りがあったんだって、
その変化にびっくりしました。
やっぱり妊娠っていう、
極端にホルモンバランスが変わる時だから、
起きたことなんですね。
- 茂田
- そうかもしれないですね。
- 伊藤
- ところでこの企画は、
コロナと関係なく進めてきたことですが、
いま、できあがって、販売できることが、
よかったなって思います。
わたしもそうですが、
お家にいる時間が長いから。
- 茂田
- 家で食事をとることも多いですよね。
料理をすることも、配達で届けてもらうことも増え、
以前より、家でごはんを食べるようになった。
だから、より、部屋に独特な匂いがつくんです。
なかには部屋で焼肉をやる人もいるくらいですから。
- 伊藤
- そっか、そっか。
- 茂田
- 以前より、家に食べ物臭がついて、
気になるという方が増えているんです。
食べ物の匂いって、その日は気にならなくても、
翌朝残っていると、不快だったりするでしょう?
- 伊藤
- 嫌ですよね。
- 茂田
- そんなとき、家の香りの調整をするという意味でも、
香りは重要だと思います。
もちろん換気も大切ですけれど。
OSAJIの精油
見えないものなのに。
「日々、どんな風に気持ちを切りかえていますか?」
先日、取材でこんなことを聞かれました。
家にいることが多くなり、
時間をうまく使いこなすことができずに、
なんとなく過ごしてしまったという人が多いとか。
私はもともと仕事場と家が一緒ということもあって、
働くときと、そうでない時の区切りは
つけている方かもしれません。
1日のはじまり、
モップがけをする。
お茶を入れる。
窓を開けて空気を入れ替える。
書き出すと、
まあふつうなのですけれど、
するとしないのとではやっぱり違うものです。
その中で最近、
「おお、これは‥‥!」と感心しているのが、
香りがもたらす効果です。
朝、掃除とストレッチが終わったら、
オイルをたらして、
部屋にすがすがしい香りを行き渡らせる。
夜、眠る前のひととき、
気持ちを落ち着かせるための、
ちょっとぜいたくなオイルを石に2、3滴たらす。
よしがんばるぞという気分にしてくれたり、
リラックスさせてくれたり。
見えないものなのに、
その効果のすごいことったら!
今週のweeksdaysは、
OSAJIと作ったふたつの精油、
BonjourとBonne nuitをご紹介。
イラストレーターの山本祐布子さんが、
それぞれの名前にぴったりな文字を描いてくれました。
OSAJIの代表、茂田さんとの対談も
どうぞおたのしみに。
わたしがミモザを飾るなら。[3] 春の報せ。 岡宗真由子
岡宗真由子さんのプロフィール
おかむね・まゆこ
ライター。
1975年東京生まれ東京育ち、
小学生と高校生の娘の母。
夫は「weeksdays」で
「男子について。あるいは愛についての鼎談。」に
山本康一郎さんとともに登場した
フリーランステレビディレクターの岡宗秀吾さん。
ミモザはなんといっても春を告げる花。
あたたかくなる予感がする季節、
桜の一歩先に咲くのです。

▲壁紙を剥がし、
コンクリート打ちっぱなしのままにしている寝室。
ミモザは、原色使いの油絵とも意外に好相性でした。
リースは程よく小さめなので、
ドリームキャッチャーに見立てることもできます。
10年ほど前、
植栽ボランティアをしている公園の花壇に、
ミモザの木を植えました。
30センチくらいの小さな苗が、
あっという間にすくすく大きく育って
たくさんの花を咲かせてくれました。
公園の規則で2メートルまでに
高さをおさえなければいけなくて、
気の毒に思いながらも、
“強剪定して大丈夫”というネットの情報をたよりに、
枝をたくさん落としていました。
それでも毎年元気だったミモザですが、
素人剪定のやり方が間違っていたのか、
病気にかかってしまったのか、
5年目の冬に枯れてしまい、突然のお別れ‥‥。
そういえば近隣でも、
去年まで見事だったミモザが伐採されたり、
忽然といなくなったりしているの
をちょくちょく見かけます。
日本古来の植物ではないから、
やはり長年元気でいてもらうのは難しいのかもしれません。
公園のミモザが教えてくれたのは、
「黄色の花の美しさは遠くまで届く」ということ。
育てるのが難しいミモザのことは諦めて、
今ではその場所に“ゴールドバニー”という
黄色のバラを育てています。

▲観葉植物をたくさん育てています。
西側を向くベランダにはモンステラ、
ピレア・ぺぺロミアオイデス、トックリラン。
華やかなリースが、
観葉植物に花が咲いたような印象をもたらしてくれました。
ミモザは、ユーカリなどと同じく
オーストラリア出身の植物。
オーストラリアンプランツは今の流行で、
セロリア、ピンクッション、プロテアなど
乾いた葉や独特の珍しい花形がどれも魅力的です。
人気ゆえなのか、
オーストラリアンプランツの生花は値段が高い。
植物は大好きなのですが、
ものぐさな私は生花にプレッシャーを感じてしまう。
毎日水を替えて、水切りをして、
1日も長く持たせなければいけない、と。
手間もかからない上、気長に家を彩ってくれる
生花リースは、ありがたい存在でした。

▲白いタイルと生花の組み合わせも新鮮でした。
無機質なキッチンに瑞々しい明るさをもたらしてくれます。
リースは軽いので、
簡単なテープでつけたフックにかけることができました。
食べるもので生き返るように、
視覚からも元気付けられることがあります。
ミモザの黄色は、見るだけで人を覚醒させる色。
「春だ」と直感させる色です。
そしてこのリースは、目に鮮やかなだけでなく、
箱を開けたとき、
閉じ込められていたフィトンが揮発して立ちのぼり、
一足早い春を、なお一層感じさせてくれました。

▲麻紐のマクラメハンギングやドライフラワーなど、
乾いた自然素材とも生花リースの相性はいいようです。
わたしがミモザを飾るなら。[2] 花瓶にいけられた花よりも。 長田佳子
長田佳子さんのプロフィール
おさだ・かこ
foodremediesという屋号で活動する菓子研究家。
パティスリーやレストランで経験を積んだ後、
YAECAのフード部門、PLAIN BAKERYを経て独立。
心と体に優しく寄り添うお菓子は、
ひと口食べるとほっとする味わい。
著書に『季節を味わう癒しのお菓子』(扶桑社)、
『全粒粉が香る軽やかなお菓子』(文化出版局)
などがある。
「weeksdays」では
「あのひとのかごのつかいかた。」にも登場。
私のもとにやってきたミモザのリースは、
どんなふうに手にとろうか、
すこし戸惑うくらいの、
ふわふわの赤ちゃんのような印象でした。
普段、黄色という色は華やか過ぎて
すこし遠い存在に感じていたのですが、
コロナ禍で、春を待つ気持ちも先走るのか、
黄色をはじめ赤やピンクなどの明るい色に
心が動くようになっているようです。
箱の中で輪を描くミモザを隅々まで眺めて、
両手でゆっくり取り上げました。
一日励ましてもらえる場所に居てほしいと思い、
アトリエの風が抜けるすこし大きなドアや
ガラスの前に飾ることに決めました。
リースが届いた時は
ちょうどアトリエのリフォームの際中で、
空間も訪れる人々も、
すこし緊張しながら時間を過ごしていました。
しかし、不思議なことに花瓶にいけられた花よりも
人々の心を惹きつけおしゃべりにさせるのか、
ミモザを通して会話をする機会が増えたのです。
花がやわらかい時期は光のぬける低い位置に飾り、
ドライになるとすこし日陰の高い場所へ飾り、
距離を楽しみました。
まっすぐに伸びる健やかなミモザも良いけれど、
輪になっていると
さらにあたたかなエネルギーを感じられるもの。
今回は私に送っていただきましたが、
私からは、妊婦の友人やレストランで働く友人など
誰かの思いに応えようと頑張っている人たちに
プレゼントしたいと思いました。
わたしがミモザを飾るなら。[1] 神棚とケーキ 鶴見 昂
鶴見 昂さんのプロフィール
1986年神奈川県生まれ。パティシエ。
東京・Café Lisette、
大阪・ELMERS GREENなどのカフェをプロデュース。
2016年熊本市で地元の果物を使った
ジャムやパフェのお店
「FLAVÉDO par Lisette」
(フラベド パー リゼッタ)をオープン。
現在熊本に暮らす。
著作に『Café Lisetteのお菓子』
(エンターブレイン)がある。
「weeksdays」ではエッセイ
「あなたには赤が似合わない。」を寄稿。
生活に花があってよかった。
自粛期間中に気分が滅入ったとき、
一人で暮らしていてふと寂しくなったとき、
何度となく自分の家に飾った花を見てはそう思った。
頑張って難しい理由を探さなくても、
花はそこにあるだけでただただ可愛いから
眺めていると気持ちが解(ほぐ)れる。
ただし、リースとなるとまた話は別。
正直に言うと花のリースを愛する自信が無い。
なんとなくクリスマスと同じように
幸せなファミリーの象徴のような気がして、
一人暮らしの我が家にミモザのリースが届いたとき、
生活に取り入れることができるのか不安になった。
自分の店にリースを飾ることはあっても、
家に飾ったことは殆どないし、
お正月にしめ縄も飾らない。
とはいえ、折角リースを飾る
素敵な機会をいただいたのだ。
全力で愛してみたいと思う。
「さて、何処に飾ろうか」と考えても、
手狭な(それでいて断捨離ができない。
ときめくものしかない)我が家である。
さっそく飾る場所に困った。
リースが際立つようなプレーンな壁もなければ、
目立つところに飾るのも気が引ける。
そんなこんなで両手にリースを抱えて
右往左往しているうちに
あっという間に日が暮れてしまい、
初日は諦めて大人しく寝ることにした。
翌朝ふたたび飾る場所に悩んでいたら、
ふと、もしかしてリースって
壁にかけなくてもいいんじゃない?
と思いたち、棚に置いてみることに。
我が家には「神棚」と呼んでいる
棚の無駄遣いスペースがある。
神棚といっても神様を祀っているわけではない。
何か特別役に立つこともないけれど、
私の心を和ませてくれる間抜けなものを
飾っている場所があるのだ。
少し勿体ないかなと思いつつ、
この場合、自分が毎日リースを目にして
気持ち良い状態にすることが大事だから、
この神棚に平置きしてみることにした。
ポンポンと小さな黄色い花が連なり、
まるで作り物のようにファンシーなミモザの花。
家に飾っていると日に日に
ビビットなレモンイエローから
落ち着いたトーンに退色して、
棚の上で朽ちていく様子が美しい。
リースの前を通るたびに
青い果物のような甘い香りが漂ってくるのにも
気分がアガる。
プラスチックや金属の無機質なものに囲まれていて、
それだけが有機的な香りを発し、
時間と共に当たり前に変化していくのだ。
家の中にこもっていると、
そうした自然の姿に癒されている自分に気付く。
花器を探したり水を換えたりしなくても、
ただ棚にリースを置いただけで
自然と生活のシーンに溶け込んでくれる
懐の深さに驚いた。
今まで変なイメージを抱えていてごめんよ。
先日までの苦手意識はどこへやら、
手のひらを返したようにリースの魅力を語っている
自分の軽薄さにも驚愕した。
平置きにするときはリースの奥を少し持ち上げてやると、
あまりのっぺりとせず静かにその存在感を放ってくれる、
と私は思う。
ミモザといえば、3月8日の
「ミモザの日」はスルーできない。
この日は1975年から「国際女性デー」
(女性の地位向上と差別撤廃を訴える記念日)に
制定されていて、同じ時期にミモザの花が咲くことから
イタリアでは「ミモザの日」と呼ばれている。
「ミモザの日」には、
女性へ感謝の気持ちを込めてミモザの花を贈り、
家庭ではミモザケーキを焼くのが習わしなのだそうだ。
ミモザケーキ。
サフランで黄色く着色したスポンジ生地と
カスタードのケーキ。
仕上げに細かく砕いたスポンジ生地で
表面をフワフワと覆って、ミモザの花を表現する。
あぁ、スポンジケーキとカスタードの組み合わせって
なんであんなに魅力的なのだろう。
萩の月やかすたどん‥‥
地方の銘菓でもおなじみの組み合わせだが、
ミモザケーキほどフワフワで
心を掴む見た目のものを他に知らない。
何より家庭で作るフレッシュなケーキの味わいには
お店で買えない格別の温もりと美味しさがある、
と私は信じている。
3月といったら露地物のイチゴも安く出回るから、
小ぶりのイチゴを少しの砂糖でマリネして香りを立たせ、
ミモザケーキにたっぷりと添えて食べるともう最高なのだ。
こうやって好きな果物を食べたいだけ
ふんだんに添えることができるのも
家庭のお菓子ならではの魅力だと思う。
恋人や友人に直接会う機会は減ってしまったけれど、
今年の春は暫く会っていない大切な人を思って
気軽な気持ちでミモザの花を贈ってみてはどうだろう。
花を贈るのに記念日である必要はないが、
照れ臭い男性諸君のために
「ミモザの日」という口実もあるのだし。
もしかしたら美味しいミモザケーキにありつけるかも。
ミモザのリース、 こんなふうにつくられています。
春を告げると言われるミモザは、
ヨーロッパでとても人気がある花のひとつです。
主要産地であるフランスのニース近郊の町、
マンドリュー = ラ = ナプール
(Mandelieu-la-Napoule)では、
1931年にはじまったといわれるミモザ祭りが
毎年2月に開かれます。
その頃は、町のいたるところにミモザの花が飾られ、
ミモザの女王投票や山車、
パレードで盛り上がるのだそう。
またイタリアでは3月8日の
Festa della Donna(=女性の日.国際女性デー)を
別名「ミモザの日」と呼び、
男性が女性に敬意と感謝を込めて
ミモザの花を贈るのがならわしです。
パートナーだけではなく、
母親や祖母、友人、仕事仲間など、
自分にとって大切な女性に贈るのだそう。
そんな、ロマンティックで愛にあふれる花を
インテリア性の高いリースに仕立てました。
秋あじさい、2度のクリスマスのときと同じように、
「weeksdays」が日比谷花壇と組み、
オリジナルで制作をしました。
リースの材料となるミモザは、
静岡県浜松市の湖北地区と呼ばれる、
水はけがよく、傾斜地が多い、
みかんの生産にも適している土地で生産されました。
ほかの地域と比べ、冬も気温が高めで、
ミモザのような「枝物」(えだもの)の生産も、
古くから行われてきたのだそうです。
生産者は、JAとぴあ浜松、アカシア分科会に所属する
山村敬一さん。
もともとはみかん農家で、現在も続けていますが、
今からおよそ50年前、みかんとともに管理がしやすい
作物として、ミモザに着目したそう。
みかんの収穫は10月下旬から1月下旬ですから、
1月下旬から3月にかけて収穫するミモザは、
作業時期としてもぴったりだったのだといいます。
山村さんの畑が傾斜地であることも、
ミモザの栽培に味方しました。
原産は温帯から熱帯の、感想した場所ですから、
湖北地方のこの場所はぴったりだったのです。
栽培のスタートは、春先に行われる種の採取から。
山村さんは「どの木から種を取るか」を
注意深くえらびます。
ポイントは、葉がきれいに揃っていること、
枝がすらっと、長く、しっかりしていること。
採取した種は、入梅の頃に播種(はしゅ=種まき)、
秋のはじまりに定植を行ないます。
長いあいだかけて丁寧に育てると、
リースに使う切り枝の収穫ができるようになります。
枝の収穫のめやすは、
蕾がうっすら黄色く色づく頃。
花を手で揉むと粉になる、
つまり花粉ができているタイミングを選びます。
すこしでも早いと、その後、きれいに開花しないのだそう。
収穫後は、枝を束ねて作業場へはこび、
下葉を取り、長さを揃え、
葉の状態や花つきのわるいものを省いたら、
枝をそろえて束ね、水にいける作業です。
この作業、とても手がかかるので、
山村さんだけではなく、奥さま、娘さんの3人で
行なっているんですって。
収穫のピーク時は、とても忙しく、
午前中に収穫~選別をしたのち、
午後もういちど収穫、夜に選別、
というふうに、1日2回、
作業をくりかえすほどだそうですよ。
そうしてたっぷり水を吸わせたミモザの枝の束は
「室」(むろ)へ運ばれます。
1月でも、湿度と室温がコントロールされている中で、
花を開かせるんです。
これを「蒸らし」と呼び、ここで失敗すると
きれいなミモザの花が咲きません。
事前にしっかり水を吸わせ、
葉がパリッと水を蓄えた状態にしておくのは、
ここで花を散らせてしまうことがないようにするための
作業だったんですね。

※こちらは今回のリースに使う品種とは異なります。
そうして愛情ぶかく山村さんのもとで育てられたミモザは、
出荷され、リースづくり専門の
チームのもとへと運ばれます。
作業場では、1点ずつ、手作業でリースに。
葉と花のバランスをみながら、
まるいリースに編んでいく作業は、
たいへんですけれど、とてもたのしいものだそう。
「香り豊かな黄色いリースですから、
お届け先で、目を向けるたび、
お部屋に太陽の光が降り注いでいるかのような、
そんなイメージで受け取っていただけたらいいなと
考えながらつくっています」
と、チームのかた。
ちなみに、このリース、生花をつかっていますが、
保水はしていません。
ドライフラワーになりやすいのがミモザの特徴ですから、
自然に乾燥した状態で、
長くおたのしみいただけたらと思います。
飾る場所は、直射日光や、
暖房などの強い風が直接あたらない、
けれども風通しよく湿気の少ないところがおすすめ。
ミモザの特性上、こまかい葉や花、花粉が落ちますので、
日常的によく開閉するドアなど、
衝撃の多い場所はさけてくださいね。