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ホーチミン 田中博子さん[1] この国の強さ、 忍耐強さとあっけらかんさ、 不思議なバランス。
登場するみなさま
(登場順)
ストックホルム‥‥明知直子さん
ロンドン‥‥イセキアヤコさん
ホーチミン‥‥田中博子さん
パリ‥‥鈴木ひろこさん
ハワイ‥‥工藤まやさん
ミラノ‥‥小林もりみさん
メルボルン‥‥田中博子さん
ニューヨーク‥‥仁平綾さん
ヘルシンキ‥‥森下圭子さん
田中博子さんのプロフィール
たなか・ひろこ
ベトナム手刺繍コーディネーター。
洋書の表紙に写る生春巻きに感動を覚え、
現地に行き、見て、食べて確かめるべく
1996年サイゴン(ホーチミン)旅行を決行。
1999年7月に移り住むまで、
休暇を使って北から南まで何度も旅をする。
住み始めてからは、ベトナム語を学びながら、
現地案内、職人探しをはじめ、
現在は手刺繍を絶やさないよう奔走中。
刺繍以外にはホーチミン近郊でのかご作り、
水牛の角や木製の小物などの手仕事にも携わる。
オンラインショッピングサイト
「Costa-Japan」の刺繍製品全般を担っている。
「ほぼ日」では、伊藤まさこさんとつくった
「ベトナム手刺繍の服。」を、
「weeksdays」では、
「ベトナムのかご」「ベトナム手刺繍のハンカチ」
の製作を担当している。
私の住むサイゴンは昨年同様、
一年で一番暑い時期をむかえています。
マンゴーの美味しい季節です。
▲2020/5/6 16:30
サイゴン川沿いのマジェスティック ホテル前。
この時間帯にしてはバイクもまだまばらです。
今は新型コロナウイルス感染拡大前と同じくらい混み合います。
(動画を再生すると音が出ます。ご注意ください。)
あれから1年経った今も、
ベトナムの新型コロナウイルス感染症対策は変わらず、
「人命最優先」の措置が取られています。

▲マスクをしてでも将棋をしたいおじさんたち。
伊藤さんとお話しした少し後に
社会的隔離も徐々に解除され、
その後2020年7月下旬までの99日間、
海外からの入国者を除き市中感染がゼロでした。
しかし、みんなの努力の甲斐も虚しく、
不法入国者がウイルスを持って来てしまい、
中部の都市ダナンとホイアンが
再びロックダウンとなってしまいました。
亡くなられた方が急に増えたのも
この頃と記憶しています。

▲旅行客で賑わうBến Thành市場。今は活気を失い静かです。
その後も11月末、1月末と
市中感染が確認されては抑制するのくりかえしで、
今現在は北部の一部地域で感染者が残っているくらいで、
感染拡大は食い止められています。
ワクチン接種も徐々に始まっています。

▲カフェに活気が戻ってきました。(2020/5/31)
数回に渡る市中感染から抑制を通して感じたことは、
社会主義国のすごさで、
みんなで同じ山を登るときは登るんだ! ということを、
当然のように成し遂げたこと。
私自身もみんなと一緒に山を登った一人になりますが、
いち外国人として
特等席でこの国の真の強さを見ました。
忍耐強さとあっけらかんさ。
不思議なバランスを感じた1年でもありました。

▲公園の中にもマスク着用義務、手洗い消毒の
スローガンが掲げられていました(2020/8/17)。
現在は別の内容に変わっています。

▲ベトナム政府が掲げる新しいルール「5K」。
①Khẩu trang マスクをしましょう。
②Khử khuẩn 手洗い、手指の消毒をして常に清潔にしましょう。よく触るドアノブ、携帯電話、テーブルや椅子も清潔に保ちましょう。
③Khoảng cách 適切な間隔を保ちましょう。
④Không tụ tập 集まらないようにしましょう。日本の密を避けるにあたります。
⑤Khai báo y tế 健康申告アプリをインストールしましょう。
あれだけの期間閉じ込められていたエネルギーは、
社会的隔離解除後、
思い切り弾けてあっという間に元に戻るかと思いきや、
意外や意外、慎重でゆっくり発進でした。
特に私の周りのベトナム人は、
先ずは何でも疑ってみる。
少しでも不安要素があれば、橋を渡らない。
想像していたよりも長い期間、静かでした。

▲新学期は、直接授業になるのか?オンライン授業になるのか?
慎重に審議が進められていました。(2020/9/4)
ベトナムは3つの国
(中国、ラオス、カンボジア)と地続きで、
道なき道から勝手に入って来てしまう人がいるんですね。
今このコロナ禍に始まったわけではありませんが、
長細い国土の国境警備の大変さは想像もつきません。

▲マスクをしてエアコン掃除に来てくれました。
ロンドン イセキアヤコさん 王や女王の棺に囲まれた接種会場、 個人にできる治験登録、 パンデミック終息後の働きかた。
登場するみなさま
(登場順)
ストックホルム‥‥明知直子さん
ロンドン‥‥イセキアヤコさん
ホーチミン‥‥田中博子さん
パリ‥‥鈴木ひろこさん
ハワイ‥‥工藤まやさん
ミラノ‥‥小林もりみさん
メルボルン‥‥田中博子さん
ニューヨーク‥‥仁平綾さん
ヘルシンキ‥‥森下圭子さん
イセキアヤコさんのプロフィール
いせき・あやこ
京都出身。2004年よりイギリス、ロンドン在住。
アンティークやヴィンテージのジュエリーを扱う
ロンドン発信のオンラインショップ、
「tinycrown(タイニークラウン)」
を運営している。
■Twitter
■Instagram
■「イセキアヤコさんのジュエリーのお店」(ほぼ日ストア)
この原稿を書いている4月4日現在、
イギリスは3回目のナショナルロックダウン、
そしてイースターホリデーの真っ只中です。
スーパーマーケットには春らしい水仙の花束や、
イースターを祝う卵の形のチョコレート、
うさぎの人形などが並んでいます。
私の住むロンドンの街は、
今はレストラン、小売店、ホテル、
文化施設などは閉まったままで活気はありません。
できてしまった空き店舗も目立ちます。
それに、どうしても出勤しないといけない職業以外は
まだ家でリモートワークを続けているひとが大半です。
けれども、新規感染者数が大幅に減ったことを受けて、
3月上旬から全国の子どもは
オンライン授業から登校に切り替わりました。
我が家も12歳の息子と6歳の娘がそれぞれ学校に戻り、
すこし日常が戻ってきてホッとしています。
今後イングランドは、4月12日、5月17日、6月21日と
3段階をへて徐々にロックダウンが緩和される予定で、
順調にいけば、6月21日には人と人との接触を
制限する法的な規制は全て解除されるとのことです。
感染者がまた増えれば、昨年の12月のように
政府が予定変更に踏み切ることもあり得るでしょうが、
今は国民へのワクチン接種も
どんどん進めているので、うまくいくと信じたいです。

▲散歩には人の少ない森へ家族でよく出かけました。
これは『クマのプーさん』のモデルになったという
ロンドン郊外のアッシュダウンフォレスト。
我が家にはまだワクチン接種のお知らせはきていませんが、
周りから、接種を終えたという話を
ぽつぽつ耳にするようになりました。
たとえば高齢である友人の両親、
基礎疾患のある50代のご近所さん、
妻が妊娠中の30代の友人、などです。
とくに、Covid-19のワクチンによる
胎児への影響はまだ明らかになっていないため、
妊婦はワクチン接種を受けることができず、
かわりに、一緒に住む配偶者/パートナーが接種をして、
ウィルスを家庭内に持ち込むリスクを減らす、
という対策がとられています。
とても理にかなった配慮だと思います。
ちなみに、ロンドンのワクチンの接種会場はさまざまで、
荘厳なウエストミンスター寺院の中で、
英国史の名だたる王や女王の棺に囲まれて
ワクチンを打ってもらったひともいれば、
公園の仮設テントで打たれたひともいます。
私はいったいどんな会場にあたるんだろう、
と、ちょっとドキドキ、期待半分です。
昨年の3月以降、イギリス政府が国民に向けて
新しいルールを発表するたびに、
世の中がどんどん変わっていくのを感じていました。
何度も押し寄せてくる大波に揺られる舟のような
気持ちでした。
12月には1日の新規感染者数が6万人を突破。
息子が以前通っていた小学校の先生、
同級生の家族、夫の友人。
だんだん知り合いがコロナウィルスに感染していくにつれ、
自身も感染の危険ともう隣り合わせだという実感と、
ベストを尽くして予防をしても
患ってしまうことがある、
そんな諦めの気持ちが湧いてきました。
けれども、できるだけ心を平静に保ち
日々の生活を粛々と続けるしかない、と
自分に言い聞かせました。それは今も同じです。
一方で、いち個人にできることは何か考えた末に、
私は昨年治験に登録しました。
イギリスは、オクスフォード大学の
ジェンナー インスティテュートという研究所で
製薬会社アストラゼネカと
Covid-19のワクチンの開発を進めてきました。
ジェンナー インスティチュートはイギリスに住む
健康な男女の治験参加者を募集しています。
治験登録者はまず最初にオクスフォード在住者から
お呼びがかかるそうなので、ロンドンにいる
私のところまではまだ連絡が来ていませんが、
ワクチンの製造と普及が始まった今も、
もし要請があれば協力するつもりでいます。

▲アッシュダウンフォレストは、
12月に訪れたので寒かったですが、
新鮮な空気を吸うことができて気分転換になりました。
夫が勤めているロンドンの会社は、
社員全員がもうかれこれ1年
自宅からリモートワークを続けています。
そして、そのリモートワークが当初の
想定以上にうまく機能しているそうで、
先ごろ、会社からある発表がありました。
パンデミック終息後もリモートワークは継続、
ひとりひとりのデスクは撤去して、
今後、社屋は予約制の
打ち合わせスペースとして使用する、
というのです。
つまり、もう必ずしも通勤に便利な場所に
住まなくてもよくなるわけで、
インターネット環境さえ整えられるのなら、
カントリーサイドへ引っ越してもOK、という
選択肢ができました。
こうした事例は日本でも起こっていると
想像しますが、ほんとうに、
場所に縛られずに仕事ができるというのは
ストレスの大きさが全く違います。
この点は、コロナ禍によってもたらされた
ポジティブな変化でした。
まだ先が不透明な部分はありますが、
イギリスは7月末までに成人の国民全員に
ワクチンを打ち終わる、とアナウンスしています。
科学の進歩のおかげで、
数百年前の疫病と比べると
パンデミックは驚異的なスピードで
終息へと向かっているように見えます。
早くまた、誰もが気軽に
国々を行き来できる日が来るよう祈っています。
ストックホルム 明知直子さん[2] おうちレストラン、深くなる生活圏、 「Här och nu」のこと。
登場するみなさま
(登場順)
ストックホルム‥‥明知直子さん
ロンドン‥‥イセキアヤコさん
ホーチミン‥‥田中博子さん
パリ‥‥鈴木ひろこさん
ハワイ‥‥工藤まやさん
ミラノ‥‥小林もりみさん
メルボルン‥‥田中博子さん
ニューヨーク‥‥仁平綾さん
ヘルシンキ‥‥森下圭子さん
明知直子さんのプロフィール
あけち・なおこ
1979年生まれ。
フォトグラファー、コーディネーター、
ライター、通訳・翻訳。
千葉大学美術・図工教育課程終了。
その後、IDEEにてインテリアコーディネートに携わる。
2007年渡瑞。北極圏の街キルナに語学留学し、
スウェーデン最古の街シグチューナで写真を学ぶ。
現在、ストックホルムを拠点に
北欧の魅力を伝えるプロジェクト
「Handcrafteriet」(「手でつくる」の造語)にて、
幸せは自分たちで作る北欧のライフスタイルや
暮らしを彩るヒントを探っている。
「ほぼ日」では
2012年のほぼ日手帳springの限定カバーで
「ダーラナの春」を販売したさい、
ダーラナ地方と、ダーラヘスト(木彫りの馬)の
魅力を伝える写真のコンテンツに登場。
「weeksdays」では2019年11月に
冬支度のコラム「冬の愉しみ」を執筆。
著書に、『北欧スウェーデン 暮らしの中のかわいい民芸』(パイインターナショナル)がある。
■明知直子さんのInstagram
■オオロラ手帖のInstagram
「公共交通機関は必要な時以外は使わない」
というお達しとともに
生活圏が住んでいる島中心になり、
市内中心部にいくのは激減。
外食をしたのは1年間に数える程度になり、
代わりに子どもと一緒にパンケーキの朝食や、
おうちレストランごっこを楽しむ
時間の余裕が生まれました。

▲子どもはみんな大好きパンケーキの朝食。
朝からご機嫌になってくれます。

▲夕食後は「架空のアイス屋さん」のデザートという設定で
メニューを作ってデザートをサーブします。
感染者が一気に増え、外出もままならなかった12月、
助けられたのは「日々を楽しむクリスマスカレンダー」。
「クリスマスのパンを焼く」
「ドライオレンジの飾りを作る」
など、小さなお菓子や
いろいろな楽しいミッションが入ったプレゼントを
日替わりで開けていくもの。

▲11月末に準備したクリスマスのお楽しみカレンダー。
もともとは子どものために小さなお菓子を入れるもの。
クリスマスを心待ちにする日々も愛おしくなる
素敵な伝統でした。

▲クリスマスに焼くサフランのパン「ルッセカット」と
棚やツリー、プレゼントをデコレーションする時に使う
クリスマスのオレンジの飾り。
オーブンで低温で7時間じっくり乾燥させた後に完成。
出来上がりは部屋がクリスマスの匂いに満たされます。
毎日の暮らしの中にはお金をかけなくても
楽しいことがたくさんありました。
仕事や日々の暮らしの中でみつけたことを
オオロラ手帖に綴りはじめました。
狭くなった生活圏は、だんだん深くなり
住んでいる島の集落では地元のつながりも強まりました。
家の整理整頓をする人が増え、
不用品を譲りあう機会も増えました。
今年に入って決めた目標のひとつが
「新しいものをなるべく買わない」こと。
まずは中古で探して、どうしてもなければ、
長く使えるものを、可能な限り作り手から直接買うこと。
すぐに壊れてしまうものより、
ちゃんとした作りの長く使えるものを、
自然と選ぶようになりました。

▲ダーラナ地方はレクサンドに牧場を構える、
羊を育ててこの道30年のマリアさん。
羊たちの毛並みはふわふわ&艶々。
SNSでご自宅にアトリエ&ショップがあるのを知り、
直接譲っていただきました。
作り手の顔が見えると物への愛着もさらに増してきます。

▲地元の農家から直接食材を購入出来るシステム
「REKO Ringen」はコロナ禍で全国的に広がりました。
コロナ禍でいくつかの新聞メディアを購読はじめたのも、
変化のひとつ。
いろいろな場所で見かけた言葉の一つが
「Här och nu(今この瞬間を生きる)」ということ。
「こんなに自分や身のまわり、
そしてスウェーデンのことを見つめた年はない」
「幸せは何気ない日々の暮らしにあった」
そんな言葉をいろいろなシーンで耳にしました。
ワクチンは出来たものの、
まだまだ落ち着くのは先の見通しの中で
多くの方が亡くなったり、
仕事を失ったり大変な状況に変わりはありませんが、
でも、こんな事態であっても、
何か得るものがあったと思いたい。
「Här och nu」で感じたことや考えたことは
危機が去っても忘れたくない、と思ってしまうのです。
自分と自分をとりまく小さな世界の中で
揺るがずに地に足をつけて暮らすこと。
自分の目と耳、足で集めた情報が、真実であること。
世界はつながっていることを感じること。
日々のひとつひとつのささやかな出来事が幸せであること。

▲セーデルマルム島の晴れた日の公園。
カフェやレストランのテイクアウトやピクニックを楽しむ
ストックホルムっ子たち。

▲すぐ前にある人気ジェラート屋さんのおじさんも
お元気でほっとしました。
スウェーデンの暮らしは
大きく変わることはありませんでしたが
ここは自由と個であることを尊重する国。
規制は厳しくなったものの、
最初から今まで人々の暮らしはそれほど変わることもなく
だんだんと暖かくなってきたストックホルムの公園では
アイスを買ってのんびりする地元っ子達が
春の日差しを楽しんでいる
いつもの風景があります。
また季節はめぐっていきます。

▲いつもより待ち遠しい春。
黄色いイースターリリーや青いムスカリなど
色鮮やかな春のお花の寄せ植え。
ストックホルム 明知直子さん[1] 必要なものと不必要なもの、 スウェーデンの人々を支える自然。
登場するみなさま
(登場順)
ストックホルム‥‥明知直子さん
ロンドン‥‥イセキアヤコさん
ホーチミン‥‥田中博子さん
パリ‥‥鈴木ひろこさん
ハワイ‥‥工藤まやさん
ミラノ‥‥小林もりみさん
メルボルン‥‥田中博子さん
ニューヨーク‥‥仁平綾さん
ヘルシンキ‥‥森下圭子さん
明知直子さんのプロフィール
あけち・なおこ
1979年生まれ。
フォトグラファー、コーディネーター、
ライター、通訳・翻訳。
千葉大学美術・図工教育課程終了。
その後、IDEEにてインテリアコーディネートに携わる。
2007年渡瑞。北極圏の街キルナに語学留学し、
スウェーデン最古の街シグチューナで写真を学ぶ。
現在、ストックホルムを拠点に
北欧の魅力を伝えるプロジェクト
「Handcrafteriet」(「手でつくる」の造語)にて、
幸せは自分たちで作る北欧のライフスタイルや
暮らしを彩るヒントを探っている。
「ほぼ日」では
2012年のほぼ日手帳springの限定カバーで
「ダーラナの春」を販売したさい、
ダーラナ地方と、ダーラヘスト(木彫りの馬)の
魅力を伝える写真のコンテンツに登場。
「weeksdays」では2019年11月に
冬支度のコラム「冬の愉しみ」を執筆。
著書に、『北欧スウェーデン 暮らしの中のかわいい民芸』(パイインターナショナル)がある。
■明知直子さんのInstagram
■オオロラ手帖のInstagram
「もう」なのか「やっと」なのか、不思議な1年でした。
ちょうどコロナの感染が広がった3月には
旦那さんはテレビ撮影チームとともに
スウェーデンの北から南まで撮影で移動しており、
クルーをデンマークのコーディネーターさんに
バトンタッチした直後、
イタリアがロックダウンを宣言。
その後ヨーロッパの国々が次々と封鎖されていきました。
危機を迎えた世界は、
必要なものと不必要なものがはっきり見え、
不思議な静けさがありました。
そしてその中では危機に立ち向かうある種の一体感も
人々のあいだに生まれていたように思います。

▲セーデルマルムでバスを待つ人々。
日本からクライアントが来る仕事案件は
すべてキャンセル・延期になりました。
時間だけはたくさんあり、
ちょうど季節は白夜が進んでいく時期。
「人と会う時は外で」という公衆衛生局の推奨もあり、
一気に盛り上がったアウトドアブームに便乗し、
夏は自宅の庭にテント泊。
季節を問わず焚火で沸かしたコーヒーで、
隣人や友人家族と自然の中で会うのが日常になりました。



▲この一年で揃ってきたアウトドアグッズ。
焚火で使える柄が長いフライパンやワッフルを焼く道具、
粗く挽いたコーヒーを煮出すケトルや
サーミの人々が使う木をくりぬいたコップ(コーサ)など。
自然から得られるものに助けられた一年でもありました。
自分が直接の恩恵を受け、
自然がより身近なものになると
この森がどのように守られているのかが気になりました。
そんな時ふと見つけたのが、
環境保護団体Fältbiologernaが作った
森林伐採のドキュメンタリー映画。
スウェーデンの森も
アマゾン原生林のように伐採されている現実があり、
生物多様性のある原生林が
失われつつあることを知りました。


▲家から歩いてすぐの自然保護区の森。
植林された森と違い「原生林」には生まれたての木も
年老いた木も共存しています。
朽ち果てた木にしか生息しない
珍しい虫やキノコなどもいるそう。

▲枝についているのはトナカイ苔。
冬の間のトナカイの貴重な食料です。
日本に住んでいた時は、
「自然にゴミを捨ててはいけないのはマナーだから」
と教えられましたが、
ここでは夏はベリー摘み、秋にはキノコ狩り、
冬は凍った湖でスケートを楽しみ
春がきたら刺草の葉でスープを作る。
自然は自分の暮らしの一部で
みんなの共有財産という認識です。
このスウェーデン人独特の肌感覚は、
自然に親しむ時間がなければ、わからない感覚でした。


▲寒いスウェーデンでゆっくりと育った木から、
伝統的なかごや木工作品を作る職人ビョルンさん。
彼の作品販売のイベントお手伝いで得た利益の一部を
団体に寄付しました。
▲環境保護団体のFältbiologernaが作った
森林伐採のドキュメンタリー映画のトレイラー。

▲ビョルンさんと柳の木。
柳は森の中で春一番に花を咲かせる木なので、
森の昆虫達が必要な春先は
この木を採らないようにしているのだそう。
そうだよ、私もへこたれない。
友だちとごはんを食べるとか、
旅に出るとか、
大声でゲラゲラ笑うとか、
‥‥あとはなんだろう?
今までふつうにできたことが、
できなくなってしまって、
私たちの暮らしは、
この先いったいどうなるんだろう? と、
不安を抱えながら、
じーっと過ごしたのが、
ちょうど1年前。
その頃、weeksdaysでは、
「いま、どんな風に過ごしていますか?」
と題して、
ロンドン、ハワイ、
メルボルン、ニューヨーク、
パリ、ヘルシンキ、ホーチミン、
ミラノ、ストックホルム。
9都市の友人たちと、
オンラインで対談し、
現地の様子をうかがいました。
見えない不安を抱えながらも、
「今」をしなやかに受け入れて、
たくましく暮らす彼女たちに、
私はずいぶんささえられ、励まされました。
そうだよ、私もへこたれないぞってね。
ゴールデンウィークの2週間、
weeksdaysは、1年経ったその後のみんなの暮らしを、
綴ってもらいました。
STILMODA、2021年のコーディネート。 伊藤まさこ
その3 BLACK
素肌とのバランスをチェックして。
ベーシックな黒は一足持っていると、
とても重宝します。
白いシャツに黒いパンツ、
耳元は大きめのパールのピアス。
私の仕事の時の定番コーディネートにも、
黒は大活躍。
「きちんとして見える」というところもいい。
また、思い切った色の服を着る時は、
足元を黒にすればすっきり、すんなりまとまります。
黒のワントーンでまとめる時は、
肌の見える分量を、鏡でよくチェックして、
重たくならないように。
フラットシューズがいいなぁ、と思うのは、
素足で履くと足の甲が見えるところ。
このちょっとした素肌の露出が、
全体を軽やかに見せてくれるのです。
STILMODA、2021年のコーディネート。 伊藤まさこ
その2 SILVER
ワントーンのなかに、きらり。
ボーダーニットに、デニム。
ふだんはスニーカーを合わせるところに、
キラリと光るシルバーを持ってくると、
これだけで、ちょっと洒落た感じになる。
靴の存在感って、すごいなぁと思うのです。
合わせるアクセサリーは、
同じシルバーで。
または、ノーアクセサリーで
靴だけで勝負! でもいい。
今回は、明るい色合いのニットと
コーディネートしましたが、
たとえば服はネイビーだけ、
黒だけ、なんてワントーンにすることも。
そんな時は、足元だけシルバーにして、
軽さを出すようにします。
また、
フラットなので、かさばらないのもいいところ。
出張の時の行き帰りは、黒のStilmoda、
食事に出かける時は、
スーツケースにしのばせておいたシルバーで。
そんな使い方もよさそうです。
STILMODA、2021年のコーディネート。 伊藤まさこ
その1 WHITE
白い靴は、全体のバランスを軽くします。
白い靴は、汚れが気になるからと
躊躇してしまう人も多いけれど、
私は、声を大にして
「それはもったいない!」と言いたい。
(専用の汚れ落としのクリームを使えば
お手入れも簡単です。)
だって、足元に白を持ってくれば、
一瞬で全体のバランスが軽くなること
請け合いなのだから。
今回、合わせたのは
白いリネンのブラウスに、
ワイドなパンツ。
どちらともに、シルエットはたっぷりしていますが、
靴がすっきりした形なので、
バランスよくまとまる。
ロングのギャザースカートや、
太めのデニムなどとコーディネートしても、
重たくならないところが
Stilmodaの白い靴のいいところです。
靴下を合わせるとこんな感じ。
素足とはまた一味違う雰囲気に。
ショッキングピンクや、ペパーミントグリーンなんて
明るめの色も合いますよ。
Stilmodaのフラットシューズ
ちょっと気がはやいけれど。
3月も終わりに近づいたある日のこと。
待ち合わせにあらわれた友人は、
春色のワンピースに素足にスニーカーという
軽やかないでたち。
わぁ、すっかり春だね、
と言うと、
「人のこと言えないじゃないの」とその友人。
そう、その日、
じつは私も春もののワンピースに、
かご、足元は素足。
おたがい気がはやいね、
と顔を見合わせて笑ったのでした。
暑がりなことも幸いして、
春先は我先にと素足になる私たち。
ブーツやタイツのおしゃれも大好きだけれど、
気持ちは春に向かっているし、
何より気持ちがいいじゃない?
今週のweeksdaysは、
去年、ご紹介し、好評いただいた
Stilmodaのフラットシューズ。
軽くて歩きやすくて。
今の季節にぴったりな一足をどうぞ。
chisakiのあたらしい帽子、 それぞれの「似合いかた」。その3 統一された美意識。 森 祐子さん
森 祐子さんのプロフィール
もり・ゆうこ
出版社勤務、アパレルブランドのプレス業を経て
2019年に独立。
担当しているブランドのPRでは、
作り手の想いやその良さを伝えることで、
ターゲットをセグメントすることなく、
広い視野で共感できる人たちに届けることを
モットーとしている。
フリーランスのエディターとして、
雑誌やWEBなどの編集業や執筆業も行う。
プライベートでは7歳の娘の母。
植物染めのスカートや、繊細なアンティークレースの襟、
刺繍が施された古着のワンピースなど、
美しく、物語を感じさせるような洋服を
さらりと着こなしている森 祐子さん。
「私は”男顔”だから、それを中和したくて
女性らしい服やアクセサリーを
選ぶことが多いんです」
帽子も好きで、
夏ものだけでも7つほど持っているとか。
そのなかにはchisakiの帽子も。
「chisakiの帽子は、
カジュアルからエレガントまで
作風の幅はかなり広い。
だけどどのアイテムも、とても好みなんです。
統一された美意識のなかで
いろいろな表現ができるブランドなんだと思う」
今回、かぶっていただいたKAKIは
chisakiのなかでもメンズライクなタイプ。
「普段は選ばない形だけど、
かぶってみたら、やっぱりchisakiらしい
柔らかさが感じられて、とても好きです。
きりっとしていながらも、えんじ色のリボンとか
リムの自然なカーブとか、
顔に落ちる編み目の美しい影とか、
キュンとするポイントがたくさんある。
ほら、内側もすごく素敵なの」
台座を囲むグログランリボンの絶妙な色合いや、
ロゴテープの形、サイズ調整用のゴムの色、
そのゴムの先についた小さなチャーム‥‥。
胸をくすぐるディテールばかりです。
この帽子だったら、と森さんが考えてくれた
コーディネートは3つ。
ふわっとしたブラウスと
白いウールカシミアのニットパンツは
間違いのないシンプルなコーディネート。
そして植物で鮮やかなグリーンに染めた布を
たっぷりと使ったロングスカートとの組み合わせは、
小学2年生の娘にも大好評。
「ちょっとメキシコっぽい雰囲気になりますね。
リボンを片方だけ肩に垂らしてもいいかも」
ざっくりとした織りの古着のワンピースにも
相性抜群です。
夏はほぼ毎日、帽子をかぶるという森さん、
帽子と相性のいいコーディネートも手慣れたもの。
「娘が小さいときは、両手を塞がないようにしたくて、
日傘を使えなかったんです。
だから夏の日差しを避けるのに、帽子が定番になりました」
玄関にはよく使う帽子をいくつか出しておき、
コーディネートの最後に選んで出かけるのだそう。
「どんなスタイルにも合う万能なもの、
毎日の服装のすべてに合う帽子っていうものは
ないと思うんです。
私だったら、少しメンズっぽかったり、
スポーティーだったりするものを一つと、
女性らしくエレガントなものを一つ。
その2種類を持っているのがいいと思う。
それらを日々の服装に合わせて選べば、
毎日、困らないんじゃないかな」
chisakiのあたらしい帽子、 それぞれの「似合いかた」。その2 はじめての帽子。 小堀紀代美さん
小堀紀代美さんのプロフィール
こぼり・きよみ
料理家。
東京・富ヶ谷にあった人気カフェ
「LIKE LIKE KITCHEN」を経て、
現在は同名の屋号にて料理教室を主宰。
大きな洋菓子店である実家をルーツとし、
世界各地への旅で出会った味をヒントに、レシピを考案。
著書に、「予約のとれない料理教室
ライクライクキッチン「おいしい!」の作り方」
(主婦の友社)、
「フルーツのサラダ&フルーツ」(NHK出版)など多数。
気になるけれど、仲良くなれない。
小堀さんにとって帽子は長年、そんなアイテムだったそう。
リゾート先でかぶる麦わら帽子や、
防寒対策のニット帽は持っているけれど
日常的にかぶるとまではいかず。
本当はもっとおしゃれなアイテムとして帽子を選びたい。
そんなふうに思いながらも、
なかなか手を出せなかったのだと言います。
「帽子って、それ一つでおしゃれ感が出るというか、
素敵な人だな、おしゃれな人だなっていう印象になる。
だけど、私がかぶると
どうにも借りてきたみたいな、
頑張った感じになっちゃうのが
気になってしまって」
アートに関わる仕事をしていた若い頃は、
ハイヒールにスーツという
かっちりした格好が多く、
ルールがわかりやすいファッションだったけれど、
今は迷ってしまう、と小堀さん。
「体型も変わったし、仕事も変わりました。
料理人として仕事をしている今は
リラックスできるシンプルな服装が多いから
おしゃれの基準に迷うことが増えたような気がします」
あらためて、自身のファッションについて
考えてみたところ、
肌触りのよい服が好き、という
自分なりの基準は見えてきました。
だけどやっぱり帽子となると、
どんな服に合わせていいのかわからない、と不安な様子。
そこで、最近、好きな洋服たちと合わせて
いろいろ挑戦してみることに。
まずは淡いパープルがきれいなセーターと
幅が太めのホワイトのコットンパンツという
春らしいコーディネート。
「帽子のボリュームには
ふわっとしたボトムが合うのかなと思って。
服装がシンプルな分、
帽子がポイントになってる気がします」
気負っていたけれど、
かぶってみたらすんなり馴染んでいる様子。
「最初はカジュアルなKAKIが
かぶりやすそうと思っていたけれど、
かぶってみたらSOWAのほうが大人っぽくて
私の年齢に似合うのかも」
シルクやカシミアといった、
小堀さんが好きな上質な素材には
SOWAの緻密で繊細な素材感がよく合っているようです。
そして、案外、帽子は難しくないと感じた小堀さん、
帽子の色に合わせたホワイトコーデにも挑戦。
「実際にかぶってみたら、帽子のボリュームを
そんなに気にしないでいい気がしました。
それで細身のパンツを合わせてみたけれど
大丈夫そうですね」
シルク素材のTシャツに、細身のスラックス。
そして帽子のリボンに合わせて、
黒いレザーバッグをセレクト。
「帽子だけが浮かないのは
リボンが洋服との繋ぎになってくれているからかも。
服によっては、髪をおろしたままだったり
結んでからかぶったりというアレンジで
似合うように調整するのも大切ですね」
愛犬とのお散歩に大活躍という
weeksdaysのサロペットにもよくお似合いです。
「帽子の白と黒に合わせて
こんなモノトーンコーデもいいですね。
帽子って新しいチャレンジでドキドキしていたけど
やってみたら楽しい!
いろいろ試してみたくなりました」
chisakiのあたらしい帽子、 それぞれの「似合いかた」。その1 こどもといっしょに。 西原 章(ゆき)さん
西原 章さんのプロフィール
にしはら・ゆき
出版社にて女性ファッション誌の編集部に所属。
現在は退社し、4歳の娘の育児をしながら、
「子をもつ親である女性のための、
そのまわりで共に生きるすべての人のための、
”得意”で繋がる」参加型コミュニティメディア
「good at MAGAZINE」を
インスタグラムにて、
友人のライターと一緒に主宰している。
161cm。
幼稚園に通う娘との公園通いが
毎日のルーティンだという西原 章さん。
だから日ざしが強くなってくるこれからの季節、
帽子は必須アイテムなのです。
「かぶらないと頭がカンカンに焼けてしまって
本当に大変!
だから毎年、春になると
好みの帽子を探しているんです」
そんな西原さんのアンテナに
chisakiの帽子も引っかかっていたけれど、
かぶってみるのは今回が初めて。
「すごく素敵だなあと思いつつ
カジュアルな私の服装に
似合うか考えていたんです」
わんぱく盛りの娘との生活に合わせて
気兼ねなく洗濯できる服が西原さんの普段着。
今回のchisakiの3タイプの帽子から選ぶときも
最初はカジュアルなKAKIかな、と想像していたそう。
「一目惚れしたのはLALAだったけれど、
エレガントな形だから緊張するかなと。
ところが3つともかぶってみたら、
LALAがいちばんしっくりきました」
目立つかな?と思っていたリボンも
垂らしてかぶってみたら
なんとも自然な雰囲気。
「ブリムを自分の顔に合わせて調整できるからか、
見た目より馴染みやすいんですね。
これなら普段の服装にも合わせやすそうです。
リボンを垂らしてかぶるのが好きだけど、
自転車に乗るときはリボンを結べば
飛ばされる心配もなく安心です」
娘と一緒だとショッピングも至難の技。
おかげでオンラインショッピングが得意になりましたが、
ご主人の休日に娘を預けての
ひとり気ままな自由行動はたまの楽しみ。
「でもそんなときに出かける場所には
chisakiの帽子がなかなか見かけられなくて。
ずっとかぶってみたかったんです」
とにかく娘との時間が慌ただしくて、
自分のおしゃれなんて二の次! と笑う西原さんですが、
実は娘に影響されて好みが変化した部分も。
「昔はコンサバティブなテイストの雑誌の
編集部で働いていたということもあり、
好みも黒を始めとしたシックな服ばかりでした。
だけど娘を育てているうちに、
自分の服の色みが子ども服と似てきたんです」
赤ちゃんのときは、
ベビー服に多いベージュや白っぽい服を。
娘がピンク好きになった頃は、ピンクや明るい紫などを。
いろいろな色の服にチャレンジできるようになったのは
娘のおかげなのだとか。
「今日の服も、以前の私からしたら
ちょっとしたチャレンジなんです。
知人のブランドで
見つけたお気に入りなんですが、
明るいパープルは派手かなあと迷いました」
でも着てみたら娘も喜ぶし、
西原さんの心もなんだか晴れやか。
おしゃれの楽しさを改めて感じているよう。
「今の私にとっては、
おしゃれって特別な機会のためのものではないし、
普段着でも好きな服を着て、
こんな素敵な帽子をかぶっていたら、
きっとすごく楽しいですよね」
娘と一緒の日常を楽しみつつも
自分好みのおしゃれもちゃんと楽しみたい。
chisakiの帽子は
そんな頑張るママの気持ちにも寄り添ってくれるようです。
chisakiの帽子
夏はもうすぐ。
3日ほど、家を留守にして帰ってきたら、
辺りはすっかり春になっていました。
そういえば、
起きる時間も日ごとに早くなっている。
太陽の活動時間がぐんぐん長く、
そして強くなっているんだなぁと感じる今日この頃です。
そこで気になるのは紫外線。
フランスのマダムのように、
そばかすやシミたっぷりの、
日焼け姿に憧れつつも、
自分にはどうにも似合いそうにはない。
そんな勇気もないんです。
でも、せっかくなら、
夏のおしゃれをたのしみたいとも思う。
だから私は帽子をかぶります。
去年、好評をいただいたchisakiの帽子。
今年は3つの形をえらびました。
日差しをよけつつも、
けして実用本位にはならない、
洒落たたたずまい。
かぶるだけで、夏のおしゃれがぴたっときまりますよ。
モードな洋服も大好きだけど。 森内敏子
森内敏子さんのプロフィール

もりうち・としこ
ユナイテッドアローズのプレスを経て、
ドゥロワーの立ち上がりより参加。
代官山にあったセレクトショップのラスティーク、
マディソン・ブルーを経て、
SLOANEのプレスを担当。
初めてSLOANEのニットを見たのは、
カタログ撮影のスタジオでした。
そもそも、私が“プータロー”の時に
ディレクターの小峰から
「新しいニットブランドを立ち上げるので、
展示会だけお手伝いをして欲しい」と
声をかけてもらったのが
SLOANEに入るきっかけです。
小峰とは以前の仕事での付き合いがあり、
OKしたものの、変なニットだったらどうしよう? と
内心ほんのちょっとだけ不安もありましたが、
同じく付き合いのある夫が
彼がつくるものならば
絶対にオシャレにちがいないと太鼓判。
撮影にのぞんだところ、
そこにはドが付くほどのベーシックなニットが
ずらりと並んでいました。
小峰が着ていたSLOANEのニットを見て、
「パリのハイブランドのスタッフが制服として着ていた、
ネイビーのクルーネックニット」を連想。
ハッキリと、わたし好みで、
一目でSLOANEのファンになりました。
名前の由来を聞くと、
ロンドンのスローン・ストリートから付けたそう。
ロンドンがファッションの原点である私にとっては
馴染みも深く、
展示会後もSLOANEのPRが出来たらいいのにな、
とひそかに思いました。
そうしてSLOANEで仕事を始めて約5年、
トップスはもう他のブランドを買ったことがないくらい、
あらゆる場面にも対応できるので、
公私共に、本当に重宝しています。
ディレクターの小峰が日々言うのは、
SLOANEのニットはコーディネートの名脇役であり、
どんなボトムにも合わせやすく、
合わせるアイテムを引き立たせる存在である、と。
今回ご紹介いただくシルクのワイドリブもその一つ。
ボトムにキレイ目なアイテムだけでなく、
デニムや、短パンも相性は抜群で、
ビーチサンダルでさえ、上品にまとまります。
また、さらにSLOANEのカットソーと重ね着をすると、
コーディネートがパキっと引き締まります。
同じサイズのニットを合わせることによって、
衿元と裾にTシャツが程よく覗くんです。
もし、今回のシルクのアイテムを
気に入って頂いたお客様がいらしたら、
さらにお勧めしたいのは、
次のシーズンで展開する予定の
30ゲージのウールのシリーズです。
春夏の30ゲージのコットンのニットも、
ウルトラハイゲージで目がぎゅっと詰まっており、
ハリがあり、
非常に非常に、毛玉になりにくく、
キレイが永く続くお値段以上の商品です。
SLOANEのニットはしっかりしているから、
あんまり買い足さなくても何年も着れるのよね、と
言ってくださるお客様も沢山いらっしゃいます。
嬉しい限りです。
モードな洋服も大好きだけど、やっぱり
トラディショナルなスタイルが私流なので、
時代に左右されないSLOANEのニットを皆様にも
是非試して頂きたいと願っております。
日常着はスタンダードがいい。 草場妙子
草場妙子さんのプロフィール
くさば・たえこ
ヘアメイクアップアーティスト。
熊本県出身。サロンワーク、アシスタントを経て
2006年に独立、雑誌や広告、CMなどを中心に
幅広く活躍している。
著作に『TODAY’S MAKE -UP
──今日のメイクは?──』がある。
みずから香りの監修を行なった
OSAJIのヘアケア製品とボディゲルのシリーズ
「kokyu(呼吸)」が好評を博している。
■kokyuのページ
■「weeksdays」の草場さんのコンテンツ
■草場さんのインスタグラム
出会いはある女性編集者からの勧めだった。
当時、彼女は細かいディテールや
ブランドヒストリーを大切にする
ファッション誌の編集担当、
オタク気質的に服を愛する姿勢は私も好みだったので、
スタンダードなニットが欲しいのだけれど、
と彼女に聞いてみた。
どこにでもありそうなのに、
いざ探してみると自分の基準には一長一短で、
欲しいと思えるものにはなかなか出会えない。
それで勧めてもらったのがSLOANEだった。
まず、私の思うスタンダードとは何か、
今回の原稿を書きながら考えてみた。
言葉にするならば、
それは自分が意識しないで着られるものだと思う。
持っているパンツやバッグに合う、
サイズは少しゆったりしている、
動きが制限されない、
そして着ていることを特に気にしないで着られる、
そんなところだろうか。
デザイン性が高く普段着慣れないものは
持っている服に合わせづらく、
日々のローテーションの中には入らないし、
ウエストがシェープされていたり丈が短かったりすると、
いちいち気になってしまう。
仕事に着て行かれるというのは重要なことだし、
いつもと違う雰囲気を出さないことも
自分らしくいられる要素の一つのように思う。
メンズライクなスタイルが好きな私にとって、
ユニセックスでサイズ展開がちゃんとあることは
特に重要で、メンズの型をそのまま
自分好みのサイズで着られることはすごく嬉しいことだ。
自分の日常着はスタンダードがいい。
仕事でも休みでも、いつもの私のスタイルで。
そしてたまにスパイスのように特別な服を着てみたり。
そんな日々に欠かせない存在。
いちど着ると、「次も!」。
- 大貫
- 伊藤さんは、いつから
SLOANEを着てくださっているんですか。
- 伊藤
- 私が最初に買ったのは、3年ほど前、
半袖のニットの色違いでした。
着ていて自分でも気持ちがいいし、
会う方に「どこのですか?」と聞かれることも多くて。
- 大貫
- ありがとうございます。
きれいに着てくださって。
- 伊藤
- わたしは自分の判断で水洗いをしていますけれど、
ほんとうは、ドライクリーニング推奨ですよね。
- 大貫
- はい、そうなんです。
SLOANEが使う素材は、検査した結果、
水洗い可のものが非常に多いんです。
でも、洗うこと自体は大きな問題じゃないんですが、
水から出したあとが非常に難しいところで。
- 伊藤
- そうですよね。干し方であったりとか。
- 大貫
- 手洗いをするか、
ネットに入れて洗濯機でやさしく洗うという
ところまではいいんですよ。
でも脱水してちょっと置いておくとシワになりますし、
干すときにパンパンと叩かない方もいらっしゃるから、
「干したらしわしわになりました」ということだって
起こりえるんです。
「平置きで干して下さい」と言っても、
その環境をつくるのが
難しいというかたもいらっしゃいます。
- 伊藤
- みなさんの状況が違うので、
なかなか難しい問題ですよね。
- 大貫
- 今着ていただいてるシルクの商品も、
手洗いすることは可能なんですが、
30度を超える湯温で洗ってしまうと、
色が抜けちゃうことがあります。
だから、できるだけ最初の
きれいな状態で着ていただけたらと思い、
ドライクリーニングでとお願いをしています。
伊藤さんは、一年を通して
SLOANEを着てくださっているそうですね。
- 伊藤
- はい。たとえばSLOANEの
シルクのリブニットは何枚か持っていて、
娘と共有して着ているんです。
夏にもちょうどいいんですよ。
ちっちゃくなるし、着ていて気持ちがいいし、
ちょっと体温調整が必要なときに便利。
シルクってすごいですよね。
- 大貫
- そう、すごい糸なんです。
シルクというのは、一瞬、
肌触りが冷たく感じると思うんです。
けれども保温力は比較的強く、
冬用のシルクのマフラーが存在するほどです。
風を通しにくいというところもありますし、
なのに通気性が悪くない。
天然素材ですので、肌触りも柔らかい。
程良い季節感で、春夏秋はとくに対応しやすい
アイテムだと思います。
- 伊藤
- あと、直接触れていると、肌がツルッとしません?
シルクの靴下を履くと、かかとがツルッとするように。
- 森内
- そういいますね。
- 伊藤
- アミノ酸なので、第2の肌だとも。
シルクの枕カバーは
顔にも首にも髪にもいいと聞いたことがあります。
- 森内
- 本当ですか。すごいですね。
- 伊藤
- シルクというとテカテカしているものがありますが、
そういうものは繊維にコーティングをしていると。
- 大貫
- そう、シリコン加工をしているシルクも多いんです。
そうすると、シルクの良さが半減してしまう
可能性がありますね。
- 伊藤
- SLOANEのお客様はどんな反応を?
1回着ると、私みたいに
「次も!」という方が多いんじゃないかなって
想像しているんですけれど。
- 大貫
- そう、とくにシルクを買ってくださるお客様は、
リピートなさることが多いですね。
- 伊藤
- すっごくよく分かります!
- 大貫
- 色もそうですし、サイズを替えて、
「サイズ2を持ってるけれど、
なんとなく気分は3」と買ってくださったりとか。
- 伊藤
- そして、すごくたくさんの色をおつくりですよね。
次は違う色にしようかなという方も多そう。
どんなふうに色を選んでいるんですか。
- 大貫
- 森内が何を着たいかとか、
そんなふうに感覚的に決めています。
お客様も、思い切って違う色を、
というケースが非常に多いですよ。
- 伊藤
- なるほど。基本のかたちは定番なんですか。
- 大貫
- 素材によって若干サイズ感を変えています。
たとえば、シルクの商品っていうのは、
ウールのものに比べ、滑るので、
少し小さくしましょうとか。
ただ今回のシルクのリブに関しては、
もともと、あまりタイトにはしていません。
体に付かず離れずで、すっきりと見えますよ。
- 伊藤
- そう、すごくきれいなんですよね。
Tシャツ1枚だとなぁ、みたいなときに、
すっごく重宝するんです。
- 大貫
- 衿幅を狭めに設定しているので、
上品に見えるんだと思っています。
「上品」というのはね、笑い話なんですけど、
僕と小峰の2人のコンセプトで、
僕らみたいなおじさんでも、
ちゃんと品良く見えるように、って(笑)。
- 伊藤
- そんな!(笑)
- 大貫
- 先ほども言いましたが、
歳を取ってきますとね、
首まわりがだらしなくなるんですよ。
- 伊藤
- そんなこと‥‥でもたしかに、
着ているものによっては、
男の人の首周りが気になることはありますね。
首の大きく開いたTシャツとか。
- 大貫
- ある程度年齢を重ねて、
首周りがカジュアルすぎると、
ヨレヨレとした印象になるんです。
男性はね。
- 伊藤
- 女性もですよ。気をつけます。
- 大貫
- その辺を自分が気にしているものだから、
ものを作るときにも、最初のサンプルで
「なんか変だよね」と感じる部分を、
徹底的に考え、議論するんです。
そういうことって、皆で話し合わないと
気が付かないんですよね。
だからよくありますよ、
「今年は、あと5ミリ細くしよう」って。
- 伊藤
- 5ミリ!
- 大貫
- 次の冬に向けてつくる
ローゲージのニットもそうなんですけど、
世の中に少しルーズに着る洋服が多かったのが、
段々、きちんと目になりつつあると感じているので、
前回と同じモデルでも天幅を少し狭くしようかとか。
そういうことも、多々あります。
- 伊藤
- じゃ、定番的なアイテムに見えても、
少しずつ変えているんですね。
- 大貫
- はい。糸を変えることもあるんですよ。
シルクは変えてないですけれど、
コットンに関しては、縒(よ)りの違いで
柔らかいコットンと硬いコットンがある。
ベーシックなものでも、
今年、硬いコットンでベーシックなものを作ろうか、
っていう年もあれば、柔らかいもので、という年もある。
微妙なことなんですけれど、
でき上がってくると全然表情も違うんです。
- 伊藤
- SLOANEのものづくりが、
とてもよくわかりました。
「weeksdays」を通して、
この気持ちよさが伝わるといいなって思います。
大貫さん、森内さん、
どうもありがとうございました。
あっ、そうそう、ニットの糸が
ピッと出ちゃったときのためにと、
森内さんが教えてくださった「ほつれ補修針」、
すごく活用しているんですよ。
- 森内
- 良かったです。
ニットは引っかけたりすると
ほつれが出ますから。
- 伊藤
- 愛用品がほつれると残念な気持ちになりますが、
かなり気持ちがらくになります。
だいじょうぶ、直る! って。
- 大貫
- 僕はもうしょっちゅう引っ掛けるので、
引っ掛かる前提で、気にしないで着ていますけれど(笑)。
日本人の体型に合ったニットを。
- 伊藤
- 「weeksdays」では「はじめまして」ですね。
個人的にずっと着ているニットなので、
こうして紹介させていただけることを
とてもうれしく思っています。
ブランドの立ち上げは
2016年秋冬と聞きました。
- 大貫
- はい、この秋冬でちょうどまる6年です。
- 伊藤
- 会社は、もっと長いんですよね。
- 大貫
- そうなんです。SLOANEは
ヴェンティウーノという
ニットの会社が母体のブランドですが、
その会社自体は28年目になるんですよ。
- 伊藤
- その会社を、大貫さんがなさっているんですよね。
- 大貫
- はい、12年前に、先代から引き継ぎました。
その歴史を考えると、
SLOANEは日の浅いブランドなんです。
- 伊藤
- SLOANEを立ち上げた経緯は
どんなことだったんですか。
- 大貫
- 当時、6、7年前、特にメンズのニットは
クラシコ・イタリアのブランドや
英国のものが主流で、
自分たちもよく着ていました。
けれども、ヨーロッパのものは、
タイトめに作られてるというか、
身体へのフィット感がかなり強いんです。
そこで、今もSLOANEのデザインをしている
ディレクターの小峰明彦とふたりで立ち上げました。
ふたりとも比較的、
ピタッとした服があまり得意ではなかった。
そこで、日本人の体型に合ったニットをつくりたい、と。
- 伊藤
- たしかにヨーロッパのデザインって、
スタンダードな男性服、シャツやニットなどは、
ぴったり目のものが多かった気がします。
- 大貫
- そうなんです。ですから、背が低い人も、
ぽっちゃりした人も、大きめの人も、
着て、すっきり見えるようなシルエットを考えようと。
それから、自分が歳をとってきて、
首周りの開き具合なども気になり始めました。
たとえば衿が詰まっていると、品が良く見える。
そういう要素を取り入れて、
自分たちで作れたらいいよねという話が、
SLOANEの立ち上げにつながっていったんです。
- 伊藤
- もともとニット専業の会社ですから、
立ち上げはしやすいですよね。
- 大貫
- そうなんです。でも、じゃあどんな工場と組む?
という話になり、僕らは国内生産にしようと決めました。
日本の工場、海外の工場ともに
長いお付き合いがあるんですけれども、
SLOANEは国内でものを作りたいと。
- 伊藤
- そうお考えになったのは‥‥。
- 大貫
- ニットって、工場の方と
こまかなニュアンスを共有することが
とても大事なんです。
イタリア、フランス、中国、タイ、
世界の各地に工場があるわけですけれど、
どうしても言葉の壁がありまして。
ニュアンスを丁寧に、細かく伝えることが難しい。
たとえば裾のゴムのテンションを、
もう少しだけ強くしたいんだよねっていうのも、
日本語なら、その言葉の強弱で、
「もう少しだけ」っていう言葉に
どのくらいの意味があるのか、
なんとなく伝えることができるんですね。
でも、それを英語で伝えるにしても、
現地の言葉に翻訳して伝えるにしても、
語学力の壁が立ちふさがるんです。
SLOANEの、ほんとうに細かなところまで
丁寧に気を配りたいというつくりかたは、
日本で、日本語でやりとりをするほうがいいな、と。国内の工場、ニットだけでも7つのところに
お願いをしているんですが、
皆さん個性があるんですよ。
同じデザイン、パターンの仕様を出したとしても、
表情がすべて異なります。
- 伊藤
- そうなんですね。
- 大貫
- 衿は丸が得意か、台形っぽいほうが得意かとか。
また、きれいめなものが得意なところに、
カジュアルなものを依頼しても違うんです。
- 伊藤
- 尚更、国内ですね。
そんなに微妙なニュアンスの違いがあるのに、
海外で意思の疎通ができないと困っちゃいますよね。
- 大貫
- そうですよね。
だから国内の工場に依頼をするときには、
必ず直接出向いて話をしています。
細かな共有をしたいということに加え、
編んでいる人たちの顔を見ながら
ものを作るっていうこともすごい大事で。
その商品に意思が入る、とまでは思わないですけど、
やっぱり作ってくれる人が喜んでくださるような
僕らの会社でなければいけないなと思っています。
だから、意思疎通ができる工場と
取引をしているということが大事だと思います。
- 伊藤
- 工場といっても、
きっと、手作業の部分も多いんでしょうね。
- 大貫
- そうですね。編むのは機械なんですけど、
前身ごろ、後ろ身ごろ、アーム、衿と、
パーツごとに編んだものを、
リンキングっていう手作業で、
針を目の穴に刺して繋げていくんですよ。
大変な作業なんです。
そのリンキングの糸の刺し方を、
テンションを甘くしてくれる方と
きつめにする方がいたとしたら、
仕上がりの印象や着心地が変わります。
いろんなニュアンスがあるので、
ニット製品づくりは
一筋縄じゃ、なかなかできない。
編み時間もかかるし、
でき上がる時間がかなり長い商品なんです。
- 伊藤
- なるほど。細かな提案を、直接、工場のみなさんに。
- 大貫
- 商社を入れて依頼する方法もあるんですが、
そうすると、細かな指示も伝言になるし、
そもそもどんな工場に依頼しているのかすら
わからないことがあるんです。
僕らの場合、糸屋さんも直接やり取りをしています。
だから比較的細かなところまで、
直接伝わるのかなと思ってます。
- 伊藤
- おもしろいですね、
男性ふたりでスタートした
ニットのブランド。
まず最初は男性目線だったということも
ユニークだと思いました。
- 大貫
- 小峰はもともと、ピレネックスのダウンや、
クロケット&ジョーンズの靴、
皮小物のホワイトハウスコックスなどを扱う会社の人間で、
数年前に日本でカナダグースに火がついたとき、
世界に向けてのデザインに関わっていた、
メンズ業界では有名な人なんです。
その小峰と組むことも含め、
SLOANEは自分たちが着ることを考えて、
男性目線の発想で始まったと言えますね。けれども、実際立ち上げることになって、
もうひとり、ちがう目をもつ人がほしいと思いました。
それで、小峰が知り合いだった森内に声をかけたんです。
- 伊藤
- 森内さんは、もともとは?
- 森内
- ずっとアパレルのプレスで、
ユナイテッドアローズには
20年近く在籍していました。
その前はBEAMSにちょこっとだけ。
その後、マディソン・ブルー、ラスティークを経て、
SLOANEに来たんです。
- 大貫
- せっかく来てもらったのに
SLOANEがちゃんと育たなかったら、
森内のキャリアに傷が付いちゃうと、
ぼくも緊張して(笑)。
そうしたらひとめで気に入ってくれて。
- 伊藤
- それで、いまのようなユニセックスの服の
展開の基盤ができていったんですね。
- 大貫
- はい。男性目線でものを作るけれど、
男性にも女性にも
着ていただけたらいいなっていうところから
スタートしたブランドです。
当時はユニセックスのニットって、
ほぼ、なくて。
- 伊藤
- そうですよね!
今でこそちょっとずつ
増えてきたような気がするけれど。
- 大貫
- 今も多くはないですよね。
- 伊藤
- わたしがSLOANEをいいなと思うことのひとつが、
「こんなふうに着たい」と思うときの
サイズの選択肢があること。
でも今回は「はじめまして」ですから、
ネットで買うお客様が迷わないよう、
「サイズ2」のみを取り扱わせていただくことにしました。
5つある中で2を選んだのは、チームの皆で着て、
2がベストだねっていうことになったからなんです。
お店では同じかたち・色で5つのサイズがあるんですよね。
- 大貫
- はい。毎年、お客様の気分であったり、
バイヤーさんのニュアンスも変化するなかで、
どのサイズがいいかということも変わると思うんです。
ブランドをスタートした頃は、
サイズ1~2を女性にお買い求めいただいて、
3、4、5というのは男性向けの展開ですということで
説明していたんですよ。
僕らもそのつもりでしたし、
バイヤーさんからも
それで発注をいただいてたんですけど、
いまはビッグシルエットを着られる女性も多いですし、
合わせるボトムスであったり、髪型も含めて、
そのときの気分によって着方を変えますよね。
だから1人のお客様でも、
いくつかのサイズをお持ちというケースも。
- 伊藤
- 私も、2がベースなんですけれど、
3・4も持っているんです。
このデザインだったらたっぷり目に4でもいいかなとか。
つくりもしっかりしているし、ほんとうによく着ています。
SLOANEのシルクのニット
シルクをまいにち。
袖を通すと、
一瞬ひんやりするのに、
その後は、体を守られているような安心感。
「あったかい」とはまた一味ちがうこの感じは
なんと説明したらいいんだろ?
一度着たら、また明日も、そのまた次の日も‥‥と
繰り返し着たくなってしまうのです。
「着ると自分がやわらかくなる」とでも
言ったらいいのかな。
年を重ねるごとに、
素材に対するジャッジが厳しくなっているのですが、
このシルクのニットは二重丸。
いえいえそれどころか三重丸。
ここ数年、
私のワードローブになくてはならない存在になっています。
今週のweeksdaysは、
毎年、少しずつ買い足している、
SLOANEのシルクのカーディガンと
クルーネックをご紹介します。
春はもちろん、
真夏も、一枚持っているととても重宝。
一度着たら、きっと気に入っていただける、
そんなアイテム。
weeksdaysだけの別注カラーも、
とてもすてきですよ。
スタイリスト川上薫さんにきく2021春夏のMOJITOのスタイリング。その3
川上薫さんのプロフィール
かわかみ・かおり
服飾スタイリスト。
東京生まれ。
2009年竹淵智子氏より独立。
レディスウェア、メンズウェアをとわず、
雑誌を中心に、広告やCMなどで
スタイリングを手がけている。
その3 おすすめ小物、
そして男性が着るなら?
「どれもベーシックカラーで、合わせやすそう」
というのが、今シーズンの
MOJITOの印象だという川上さん。
今回のスタイリングに
小物を追加するなら、何がおすすめでしょう?
「ゴールドやシルバーのアクセサリーや、
発色のよいミニバッグなどとあわせても
かわいいなと思います。
weeksdaysの、
TEMBEAのDELIVERY TOTEとも
相性が良さそうですね」
なるほど。
ところで、このアイテム、
もともとは男性用のデザインで、
サイズLは一般的な男性でも使えるんです。
男性が着る場合、
女性が着こなすときとは違うポイントはありますか?
「そうですね、男性はジャケットの
紐の部分をリボンに結ぶのは、
やや抵抗があると思いますので、
片結びにするなど
ラフに着ていただいたら良いのかなと思います。
あまり深く考えず
薄手のジャケットを羽織る感覚で着てほしいですね。
小物づかいは、バンダナを巻いたり、
大きいトートバッグなどとあわせたり。
何にでもあわせやすそうですよ」
川上さん、ありがとうございました!
MOJITO山下裕文さんの、おすすめスタイリング
[3]PILAR SHORTS編
●トップスは?
COOL MAX を使用することにより
MOJITO史上最も快適な穿き心地のショートパンツです。
「PILAR SHORTSを穿いて家から出るのは、
ちょっと‥‥」と考えがちですが、
全くそんなことはありません。
着こなしのポイントは、
GULF STREAM PANTSと同様に、
トップスのボリュームと色数。
ややボリュームのあるサイズ感のアイテムで、
ホワイトか、ジャケットと同系色の
スウェットシャツやフーデットパーカーがおすすめです。
以前のコンテンツのタイトルにもあった
「ひざ小僧を出そう」の、
元気な姿勢も重要なポイントだと思います。
スタイリスト川上薫さんにきく2021春夏のMOJITOのスタイリング。その2
川上薫さんのプロフィール
かわかみ・かおり
服飾スタイリスト。
東京生まれ。
2009年竹淵智子氏より独立。
レディスウェア、メンズウェアをとわず、
雑誌を中心に、広告やCMなどで
スタイリングを手がけている。
その2 意外な着こなし、定番の着方。
ネイビーのPINKY JACKETを、
ケープふうに。
かわいらしくなりやすいネイビーは、
あえてオーバーサイズを選んで、
コート感覚であわせてみました。
写真のようにケープづかいをすると
(ジャケットの一番上だけを留めて、
ケープのように着る)、
がらりと雰囲気が変わってみえます。
ジャケットが引き立つように、
他の色はワントーンに抑え、
ロゴTで遊び心をプラスしてます。
オーバーサイズを選ぶことで、
男女兼用で着ていただけてオススメです。
PILAR SHORTSを
より夏らしく。
カジュアルなショートパンツは、
デザイン性のあるブラウスや
ボリュームのあるもの、
色味のあるものと合わせると
取り入れやすいかと思います。
ここでは、イエローとグレーの組み合わせ。
透け感のあるシャツに
ショーツ、スニーカーとボーイッシュにまとめました。
MOJITO山下裕文さんの、おすすめスタイリング
[2]GULF STREAM PANTS編
●トップスは?
GULF STREAM PANTSを中心に
コーディネートする場合には、
このパンツが持つ少し独特な
シルエットをカバーするために、
トップスにややボリュームのあるサイズ感の
アイテムで合わせた方が、
まとまりのあるバランスになります。
コーディネートプランとしては、
ホワイトか、ジャケットと同系色の
スウェットシャツやフーデットパーカーがいいですよ。
このパンツにシャツを合わせたい時は、
少し大きめのサイズを選ばれると
タックイン・アウトのどちらでも
バランスがとりやすいと思います。
今回のGULF STREAM PANTSは、
COOL MAXという高機能素材を使用しているので
真夏や蒸し暑い日にも着用可能です。
ポロシャツやTシャツと合わせたい時は、
前記の通り少し大きめのサイズ選びがポイントです。
スタイリスト川上薫さんにきく2021春夏のMOJITOのスタイリング。その1
川上薫さんのプロフィール
かわかみ・かおり
服飾スタイリスト。
東京生まれ。
2009年竹淵智子氏より独立。
レディスウェア、メンズウェアをとわず、
雑誌を中心に、広告やCMなどで
スタイリングを手がけている。
その1 PINKY JACKET、
ボトムスを替えて。
PINKY JACKETと
GULF STREAM PANTS、
グレーのセットアップ。
メンズライクになりがちな
パンツのセットアップは、
ジャケットのサイズをジャストに選ぶことで
フィット感を大事にしました。
インナーにピンクを取り入れて
フェミニンさもプラスしています。
トレンドカラーのピンクと
相性の良いグレーをあわせることで
軽さをだしました。
一見難しい色に見えますが、
顔まわりがあかるくなり、
肌馴染みも良い色なんです。
PINKY JACKETと
PILAR SHORTS、
ブラックのセットアップ。
オールマイティーに使えて、
着るひとを選ばないのがブラックコーデ。
普段はあまりショーツをはかないという方でも、
ジャケットと合わせることで
履きやすくなるかと思います。
きちんと感の中にアクティブさがプラスされます。
どんなコーデにもマッチするので、
ノールールで自分流に着こなしてみてほしいです。
MOJITO山下裕文さんの、おすすめスタイリング
[1]PINKY JACKET編
●インナーは?
このアイテムはMOJITO流のコーチジャケットで、
いわゆるウィンドブレーカー的な
立ち位置のアイテムとなります。
展開している3色に共通した
(少し肌寒い時の)スタイリングとしてのお薦めは、
スウェットシャツやフーデットパーカーです。
色は、グレー、ブラック、ネイビーに共通して
「ホワイト」のインナーが気分。
あるいは、PINKY JACKETと同系色もおすすめです。
無地じゃなくても、ロゴが入ったものや
フォトプリントなどもいいですよ。
●ボトムスは?
ボトムスは、GULF STREAM PANTSだと
“間違いない”のですが、
5ポケットのホワイトデニムとの相性もいいですね。
●男性が「きれいめ」に着たいとき。
このジャケットを使って
少しだけ綺麗な雰囲気に着こなしたい時には、
インナーに上質なコットンのモックタートルや
タートルネックを着て、
グレーのトラウザース(サマーウール素材)を穿き、
PINKY JACKETと同系色の
スニーカーのコーディネートがお薦めです。
この場合、シューズやソックスも入れて
全体の色数を3色以下にすると
素敵なスタイリングにまとまります。
当然ですが、ボトムスは
GULF STREAM PANTSだと間違いないですね!
MOJITOのジャケットとパンツ
貸したり借りたり。
私が住んでいる街は、
どうやら若い子に人気みたい。
休日ともなると、
どこからともなく人がやってきて、
ウィンドウショッピングをする姿を見かけます。
女の子の3人組。
さっきからキャッキャしていて、
なんだかたのしそうだぞ、とか、
ふーん、
最近のメイクの傾向はこんな感じなんだな、
なんて、
買いものかごぶらさげた私は、
チェックに余念がありません。
いつ頃からかな、
デート中の男の子と女の子が、
よく似た格好をしていることに気がつきました。
一度、意識し始めると、
あ、あそこにも! ここにも? という感じ。
貸したり借りたりしているのかな、
「男」とか「女」とかの境界線を超えて、
「好きなものを着る」って感じ、
なんだかいいなぁと思ったのでした。
今週のweeksdaysは、
MOJITOの服。
メンズ中心のブランドですが、
私にもしっくりくる服を見つけました。
もちろん男の人も大丈夫。
ご夫婦やカップルで、
貸したり借りたり。
そんなこともできちゃいます。
フワフワにしたい人は。
- 岡戸
- うち、使わなくなったタオルは、
全部、猫のものなんですよ。
3年前、両親の猫を預かることになって。
- 伊藤
- そうなんですね!
- 岡戸
- 猫はベッドとソファが好きらしくて、
私の使わなくなったタオルを敷いておくことにしました。
特に洗いたてだとものすごく喜んでね(笑)。
- 伊藤
- ええっ! わかるんですね。
- 岡戸
- 猫の寝床にタオルを入れるじゃない?
そうすると洗った日に限って、
すんごく早い時間にそこに入る(笑)。
- 伊藤
- かわいい!
- 岡戸
- よく、乾きたての洗濯物に
乗るっていうじゃないですか、猫って。
あの気分なんじゃないかな、とは思うんですけど。
- 伊藤
- ゴニョゴニョして、
自分の匂いを付けるのかな?
おもしろいです。
- 岡戸
- だから、タオルが捨てられないのは事実だけど、
猫を含めて「わが家では長く使ってる」でしょうか。
- 伊藤
- ほんとう、みんな替え時、どうしてるんだろう。
- ──
- 「やさしいタオル」も長持ちするタオルなので、
買い替え頻度が低いんです。
だから、程よく、適宜クタってなってくれる
タオルをつくったほうがいいなんて
言われたこともありますよ。
そして「weeksdays」のタオルも
同じタオルメーカーでつくっていますから、
長持ちすると思います。
- 岡戸
- 長持ちしそうですね。
洗えば洗うほどキュッと詰まってくるような。
- 伊藤
- はい。それでもフワフワが好きな人は、
乾燥機を使うとふんわりしますし、
外に干していると硬くなっていくんだけれど、
干す前にぱんぱんと振って
うんと空気を含ませると
パイルがふくらみつつ、
ほどよいゴワゴワ感も出ていきますよ。
- 岡戸
- フワフワにしたい人は、
乾燥機、それから柔軟剤?
- 伊藤
- うーん、柔軟剤は使わないほうがいいかな。
- ──
- タオルは水を吸わせたいのに、
柔軟剤を使うと、コーティングしちゃうんです。
たしかにツヤツヤ、フワフワになるけど、
「やさしいタオル」もそうですが、
このタオルも、柔軟剤を使わないでね、
って言ってます。
- 伊藤
- 岡戸さんは柔軟剤、そもそも使っていますか?
- 岡戸
- わたしは使っていないです。
ところで、どうして色はグレーにしたのですか。
- 伊藤
- 娘が買ってきたカラーリング用は
こげ茶色だったんだけれど、
なんでだろう、わたしがグレーが好きだからというのと、
カラーリングが黒系だからですね。
- 岡戸
- 「weeksdays」の商品群は、
まあちゃんの好きな色ばかりですよね。
- 伊藤
- 部屋の中で使うものはとくにそうですね。
もともと、あんまり「かわいい」部屋じゃないんですが、
気持ちがどんどん中性的になって、
選ぶものもそうなっている気がします。
男性の部屋? と思われそうな。
- 岡戸
- ファンシーじゃないものね。
- 伊藤
- これなら、いろんな人に
使ってもらえるなと思って。
ちなみに紺も好きなんですが、
洗濯を繰り返すと白っぽくなるかもしれない、
という心配が。
それに、このグレーは、
白と一緒に置いても違和感がない。
- 岡戸
- ほっこりしない、冷たいグレー。
- 伊藤
- うちにあるものって、
こういう色が多いんですよ。
鍋とかも。
- 岡戸
- そうだと思います。
部屋の一部なんでしょうね。
- 伊藤
- 全然タオルの話と関係ないんですけど、
岡戸さん、こんなものがあったらいいのに、
っていうものはありますか?
- 岡戸
- えっ、タオルじゃなく? どうでしょう?
- 伊藤
- 私は、最近、鏡を買ったんですけど、
拡大鏡があるといいなって思いました。
- 岡戸
- 鏡の一部が拡大鏡になっているってこと?
- 伊藤
- ううん、裏、表、みたいな。
- 岡戸
- 裏面が拡大鏡になっているのね。
なるほど。それはいいですね。
- 伊藤
- 壁に取り付けて伸縮させられる鏡を
以前、フランスで買ってたんですけれど、
洗面所に自然光が入らないので、
付けても暗いかな、と思ってそのままなんです。
- 岡戸
- たしかに自然光で見たいですよね。
ふだん鏡はあまり見たくないけれど、
ちゃんと見るなら自然光で。
- 伊藤
- たまに、ホテルの明るい洗面室で
拡大鏡を見ると、うわって思っちゃう。
- 岡戸
- はははは。
- 伊藤
- ほかの例だと‥‥服でも、
これで真っ白があったらなとか、
そういうの、あるじゃないですか。
ありませんか。
- 岡戸
- そうですね。
でもね、けっこう妥協してるのよ(笑)。
- 伊藤
- ええー。妥協? 岡戸さんが?!
すごく、しなさそうなのに!
- 岡戸
- いや、そうでもないですよ。
タオルも、銭湯で売ってたり
工務店がくださるタオルも、
わりといいんじゃないかなと思って、
使う時もあるんですよ。
あのタオルはね、薄くて、
使うとちょっとだけゴワッてしてくるんだけど、
洗うのも簡単で、
ヨレヨレになっても、雑巾にできるじゃない。
- 伊藤
- そうですね。たしかに、
日帰り温泉で売ってますね。
- 岡戸
- そう! 温泉タオル。
- 伊藤
- これ、いいなって思う時、あります。
うちの母も、同じもので揃えたいって
ずっと言っていたのに、
何気に温泉タオルも使ってるんですよ。
「けっこういいのよねぇ」とか言って。
- 岡戸
- もしかしたら、重い琺瑯鍋ではなく
軽いアルミ鍋がいいって思うように、
これから先、そんなふうに、自分の変化とともに、
ものが手強(てごわ)くなっていくのよ。
- 伊藤
- 重いものが、苦手に!
- 岡戸
- そんな気がします。
温泉タオル派になるかも(笑)?
- 伊藤
- そうかも! その販売をする時は、
岡戸さんを引き合いに出させていただいて、
「重いものが手強くなると言っていた
人生の先輩がいました」って書きましょう。
- 岡戸
- いやだ(笑)。
- 伊藤
- (笑)岡戸さん、とっても楽しかったです。
またぜひ、おしゃべりさせてくださいね。
- 岡戸
- もちろん、また、ぜひ。
タオルの替えどき。
- 伊藤
- 岡戸さんは、
どれくらいの頻度で
タオルを替えられますか?
- 岡戸
- タオルの‥‥うーん?
- 伊藤
- 訊かれても分からないですよね。
- 岡戸
- タオル、いつ替えるかという問題は‥‥。
- 伊藤
- 「ほぼ日」の武井さんなんて、
上京した時に持ってきたタオルを
いまも持っているって。
- 岡戸
- の、まま? 使っているのですか?
- ──
- (笑)いや、使ってはいないんですよ。
もうボロボロなんだけれど、
捨てられないタオルがあって。
37年前、大学に入るとき
実家から持ってきたんです。
- 岡戸
- 捨てられないでしょう?
- ──
- 捨てられないんですよ。
幾度かの引っ越しを経て、まだ持ってます。
- 岡戸
- なんで、タオルって捨てられないんでしょう。
- 伊藤
- 娘の友達が、もうほんとに子どもの頃から
使っているタオルケットがあって、
その家族と一緒に台湾に行った時、
彼女、それを持って来ていました。
17歳とかだったのに。
もうね、引き裂かれた布みたいになってて。
- 岡戸
- あははは! わかりますよ。
現代アートみたいになっているタオルね。
- 伊藤
- 「捨てないの?」と訊いたら、
「もう絶対ダメ」。
だから「これ、逆にカッコよくない?」なんて。
- ──
- 実家に夏休みで泊まると、
赤ちゃんの時のタオル地の腹掛けが出てきますよ。
ウサちゃんのアップリケの。
- 岡戸
- かわいいい!!
- 伊藤
- え、かわいい!!
- ──
- さすがに母が捨てているかも。
- 伊藤
- やっぱり「ライナスの毛布」じゃないけれど、
タオルが手離せない感覚ってありますよね。
姪っ子も寝る時にタオルを掴んでました。
タオルって言えなくて、
「タントン、タントン、タントン」。
- 岡戸
- かわいい!!!
捨てられないですね。
- ──
- でも、それって、ある意味変化したことで、
「ほぼ日」で「やさしいタオル」をつくった頃
(開発は2000年から、発売は2003年から)、
タオルってお中元などで貰うものが多く、
自分の気に入ったデザインや品質のものを
選んで買うということが少なかったんです。
いまはタオルって選んで買うものになったので、
愛着がまた違うのかもしれませんよ。
それまではワンポイント刺繍のついた
ブランドのライセンス品が多かったですよね。
- 伊藤
- 当時、うちの母は、
「貰ったタオルじゃなくて、いつか、
自分の決めたタオルで全部を揃えるのが夢なの」
って言ってました。
- 岡戸
- へぇぇ。
まあちゃんが小さな頃から
お母さまはそう言ってらしたんですね。
- 伊藤
- そうですね。そういえばね。
そっか、昔はタオルは貰うものだったのね。
- 岡戸
- まあちゃんは、ひとり暮らしを始めたとき
タオルはどうしたの?
- 伊藤
- 初めてひとり暮らしをした時は、
コンランショップで、だったかな。
ホテル仕様の大きな
白いタオルを揃えたんですよ。
そのときの幸せたるや!
- 岡戸
- はははは。
- 伊藤
- ハァー! って、深く息をつくくらい、
うれしかったのを覚えています。
- 岡戸
- 乾きにくいって言ってましたけど(笑)。
- 伊藤
- 当時は、そんな、
乾きづらいなとかよりも。
- 岡戸
- 重たいな、というよりも?
- 伊藤
- そういうことより、
自分の気に入ったもので、
全部を揃えられるうれしさ!
- 岡戸
- ひとり暮らしを始めるときって
実家からいろいろ持たされること、
多くなかったですか?
スリッパだってそうでしたよ。
タオルと同じで、
ブランドロゴの刺繍の入ったような。
- 伊藤
- そういうものでしたよね。
それで、「いつ替える?」という話ですが、
今回、この機会に、エイッて
全部替えようかなと思っているんです。
- 岡戸
- えっ、処分しちゃうの?
どうするの。足ふきマットにするとか。
- 伊藤
- 掃除に使いますよ。
母だったら、ロックミシンで縫って
ぞうきんをつくるんですけれど、
わたしはそのまま使っちゃう。
- 岡戸
- すごいお母さま。
知人に、古いタオルが捨てられなくて
足ふきタオルにしている人がいるんだけれど、
個人用にするためにわざと小さくつくるんですって。
- 伊藤
- 逆に、わたしの知り合いのご夫婦は、
バスタオルではなく
ちょっと大きめのフェイスタオルで身体を拭いて、
足も拭いて、バスマットは使わないんだそうです。
最後にバスルームを使う人は
浴槽、床、壁面を拭いて出る。
全部拭くと、掃除しなくていいでしょ、って。
- 岡戸
- タオルひとつでお風呂場まで掃除するんですね。
うん、いい。
お風呂場を身体の一部だと思って
タオルを使うわけですね。
- 伊藤
- そのかわり、そこの家では、
定期的にタオルを全部替えるそうです。
- 岡戸
- へぇ!
ゴワゴワが好き。
- 岡戸
- 仕事をマイペースにして、
身体を動かす時間を増やしたら、
タオルがすごく必要になってきたんです。
- 伊藤
- ちなみに岡戸さん、タオルはどちらで?
- 岡戸
- そう訊かれると思って、
使っているのを持ってきたんです。
- 伊藤
- きれい。
触ってもいいですか?
- 岡戸
- どうぞ。
- 伊藤
- あ、リネン?
- 岡戸
- 麻100%のパイル地のタオルです。
- 伊藤
- すごく気持ちがいいです。
- 岡戸
- ちょっとゴワゴワでしょ?
水を吸いそうでしょ。
- 伊藤
- すぐ乾きますか?
- 岡戸
- 乾きます。
このハンドタオル、ほかに緑色と茶色があります。
植物由来の染料で染めているので
色落ちしにくいそうです。
- 伊藤
- そのタオルに落ち着くまでに、
いろいろな道のりがありました?
- 岡戸
- そうですね。
持ち歩くハンドタオルも、
ちょっとゴワゴワした、
あんまり柔らかそうじゃないものを探して。
- 伊藤
- わたしもタオルはいろいろ探したんです。
以前、泊まったホテルのタオルがよかったので、
客室係の人に電話をしてたずねたら、
同じものを販売をしていますよというので、
購入したことがあります。
- 岡戸
- ホテルタオル、欲しいものね。
- 伊藤
- ところが、もう、バスタオルが厚手で大きすぎて!
娘が「これは夏掛けにする」と言うくらい大きかった。
ホテルのタオルというのは、重量感があって、
幾度もの使用に耐えられるよう丈夫にできているので、
大きくて強力な洗濯乾燥機がなければ
家庭では洗濯すらままならないんです。
- 岡戸
- そうね、たしかに。
- 伊藤
- 岡戸さんにもそういう時期がありましたか。
- 岡戸
- ホテルのタオルが一番いいなと
思っていた時期がありました。
でもやっぱり大きいし、重たいし、
乾くのに時間がかかるなぁと思います。
タオルは吸水性、速乾性、耐久性のバランスは大切ですが、
私にとって必要なのは、手触りでしょうか。
ちょっとゴワゴワが好きですね。
さらに、洗いたてであるとなおうれしい。
- 伊藤
- そういう経験から、
今回のタオルをつくったんです。
サイズはごく普通で、
バスタオルは130×68センチ、
フェイスタオルは80×34センチ。
- 岡戸
- いい手触りですね。
フェイスとバスの、2種類。
ハンドタオルはないんですね。
- 伊藤
- 企画するときは、
ハンドタオルはいらないかな?
と思って、つくらなかったんですけど、
最近は自宅で使うようになったんです。
わたしは自宅が仕事場でもあるので、
ずいぶん今は減りましたけれど、
取材や撮影などで来られるかたもいる。
手洗いも習慣になりましたから、
洗面所にハンドタオルを多めに置き、
使ったらすぐかごに入れてもらい、
二度、使わないようにしているんです。
それを考えたら、
ハンド、あったらよかったかも。
- 岡戸
- なるほどね。
このタオルは洗っていくと、
どうなっていくんでしょう。
- 伊藤
- いい感じになっていきます。
最初はちょっとフワフワなんですが、
だんだんわたしの好みのゴワゴワに。
半年ぐらい使っていると、
ギュッとしてくる感じ。
- 岡戸
- そのギュッとしてくるのがいいんですよね。
ギュッが(笑)。
- 伊藤
- そうそう!
それから、吸水・耐久・速乾・手触り、
そういうこともタオルには大事なんですが
実はそれ以外のこと、
洗濯機の中でいっぱいになっちゃうとか、
使っていくなかでのことも
大きいですよね。
- 岡戸
- そう、ね。
重点が、それぞれ違うわけだから。
- 伊藤
- わたしは、並んだ姿が好き、みたいな。
じぶんの変化と、ほしいものの変化。
- 伊藤
- 岡戸さんこんにちは! ごぶさたしています。
あら、今日は、いつもの
タイトスカートじゃないんですね。
- 岡戸
- なんの話でしょう(笑)。
- 伊藤
- だって岡戸さんといえば、
ギャルソンの黒のタイトスカートの丈を
ご自分で勝手に短くカスタマイズしたのが定番でしたよね!
なのに今日はパンツ!
- 岡戸
- いやだ、もう(笑)。
最近はもっぱらパンツです。
それよりも「weeksdays」、
すごいですね。毎日、毎週でしょう。
どうやってつくっているのですか。
- 伊藤
- 商品担当者とデザイナーの
チームがふたつあって、
隔週ですすめているんです。
- 岡戸
- 週ごとにアイテムが違うっていうことですね。
お忙しいですね。
ページを見て、すごい量で、
びっくりしました。
チームもすごいし、
まあちゃん(伊藤さんのこと)もすごい。
- 伊藤
- そうかなぁ。
- 岡戸
- アイデアは、
「これが欲しい」の繰り返し?
- 伊藤
- そうなんです。
でもほら、歳をとるじゃないですか。
そうすると、老眼鏡が欲しいな、とか、
以前は思わなかったものが出てきたりして、
意外と尽きないものなんです。
- 岡戸
- 欲しいものが変わっていくのですね。
- 伊藤
- 変わります!
- 岡戸
- でも変わりませんね、まあちゃんは。
ちっとも、変わらない。
毎週、新しいものを出すということは、
毎日、書くことがあるわけでしょう。
その他に、先々の商品をつくるわけじゃないですか。
それはどんなふうに進めているのですか。
- 伊藤
- これが気になる、と思ったら、
すぐメールやLINEで共有します。
「買ったら良かった!」とか。
- 岡戸
- 3年目でしょう、
楽しい、楽しいで、やって来られましたか。
- 伊藤
- 楽しいです!
- 岡戸
- 売る数は、どういうふうに調整しているんですか。
- 伊藤
- 数は、基本的に「ほぼ日」に判断をゆだねています。
きっと、わたしが数を提案しても、
とんちんかん過ぎる(笑)。
思い掛けない人気のアイテムは、
「もっと作っておけば良かったね」ということは
あるんですけれど。
- 岡戸
- すぐに完売してしまう商品も、あるでしょう?
- 伊藤
- なにが売れるか、1回、出してみないと
分からないところがあるんですよ。
- 岡戸
- 以前作って、売り切れずにあるものは、
売り続けるっていうことですね。
- 伊藤
- だから、なかでも、
服づくりが難しいんですよね。
流行もあるので。
実はタオルは、
「weeksdays」で
かなり初期に作ったものなんですよ。
- 岡戸
- 前身の「&」のときから、
ありましたものね。
- 伊藤
- はい。「&」では「ほぼ日」の
「やさしいタオル」をベースにしたんですが、
「weeksdays」では
あたらしいものをつくったんです。
ところが、販売してみて、
いろんな反省がありました。
まず、当時、単純にこういうのが作りたい、
つくりました、いくらかかりました、
と積み上げていったら、
かなり高価なものになってしまった。
- 岡戸
- じゃあ、今度で二度目ですか?
- 伊藤
- 二度目です。
そして種類。
最初は、自分のようなゴワゴワ派向けのものと、
柔らかいのが好きな方向けに
フワフワのものをつくったんですけれど、
長持ちするのはゴワゴワだったんですよ。
これは、タオルの構造上、仕方のないことで、
無撚糸っていう撚ってない糸でつくったフワフワは、
強度が落ちてしまうんです。
- 岡戸
- 使ってみて分かったっていうことですね。
- 伊藤
- そうなんです。
岡戸さん、ゴワゴワ派じゃないですか?
- 岡戸
- そうです!
- 伊藤
- わたしも自分がゴワゴワ派なので、今回は、
そちらだけに集中することにしました。
ちがいは、いままで白一色だったところに、
色のタオルを加えたことです。
あるとき、娘が髪にカラーをする用に、
茶色のタオルを買ってきて使っていたんですね。
「ああ、これで気兼ねなく使える!」と言って。
染めたばっかりのときって、
タオルに色が移っちゃうんですよね。
- 岡戸
- カラーリングをするとね。
- 伊藤
- 掛かってる姿とか、娘が干している姿を見て、
「あれ? 色付きのタオルも、けっこうかわいい」と。
ちょっとこげ茶のプードルみたいな感じで。
- 岡戸
- こげ茶のプードル(笑)。
- 伊藤
- そう思い直したんですよ。
わたしもそういえば、白いタオルを使って
カラーリングした髪を洗ったとき、
こわごわ、「あ、つかなかった‥‥!」と
思っているなぁって。
そこから「weeksdaysのタオルにも、
色付きのものがあっていい」と思ったんです。
さきほど話した、加齢と共に変化する物欲(笑)。
- 岡戸
- 加齢と共に(笑)!
- 伊藤
- あと軽い服もそうですよ。
自然素材がいい、とか。
やっぱり、肌が敏感になるじゃないですか。
- 岡戸
- いいですね。自分の加齢と共に、
欲しいものが変化していくのって。
- 伊藤
- (笑)「変化と共に」
って言ったほうがいいのかな?
- 岡戸
- そう、加齢じゃなく、変化と共に、ね。
欲しいものは、なくなることがない、
っていう感じでしょう?
- 伊藤
- それに気づいたのが、
うちの母がル・クルーゼの鍋を
「もう重いからいらない」って言ったのが
きっかけなんです。
それでアルミの鍋をあげたんですが、
「そっか、歳と共に欲しいものって変わるんだな」
「それで全然いいじゃん」と思って。
- 岡戸
- じゃあ、「weeksdays」でそのうち
アルミの鍋を出すかもしれませんね(笑)。
- 伊藤
- そうかも? でも市販されているもので、
これが好きっていうものがあるなら、
それで満足しているんですよ。
だからわざわざつくる必要はなくって。
- 岡戸
- そうですね。
「これにこうすればいいのにな」とか
「こうしたいな」っていうのが
入っていると、いいわけですね。
- 伊藤
- そう!
- 岡戸
- 飽くなき追求ですね、それは。
- 伊藤
- そうですね。そして、
最初の話にもどると、だからこそ
チームで動くことでできるんです。
いままでひとりで仕事をするのが基本でしたから、
すごく楽しいですよ。
岡戸さん、ずっとチームのお仕事でしたでしょう。
編集部の、長(おさ)として。
- 岡戸
- 長として(笑)!
長なんかじゃないのよ、もう、ほんとに(笑)。
でも確かにチームでしか動かなかった。
だからこうしてひとりになったのは、
けっこう心地いいんです。
- 伊藤
- 今はじゃあマイペースに?
- 岡戸
- すごーく、マイペースです。