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ほぼ日刊イトイ新聞

2022-07-06

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「パンダはかわいい」と言うのは、
 なんとも平凡な感性だ、とか言う人もいるけれど、 
 ぼくは、パンダってかわいいと思っている。
 「パンダはかわいい」と思わない人の、
 「これこれこういう理由で」という説明についても、
 まぁだいたい見当もつくような気がしている。

 それはそうと、どうして「パンダはかわいい」のか。
 その説明はあんまり聞いたことがない。
 よくあるのは、まるくてふかふかしてるからとか、
 目のまわりが黒いからとか、動作がおもしろいとか、
 そこらへんは「かわいいから、かわいい」
 と言っているにすぎないのではないだろうか。
 実際、「かわいい」の理由って説明できるのかなぁ。

 ぼくは若くて青いころは、パンダのかわいさは、
 世界的にも少なくてめずらしいから、つまり、
 希少価値があるせいではないかと思っていた。
 世界中で、数えられるくらいしかいないから、
 ダイヤモンドが美しく見えるように、
 パンダもことさらにかわいく見えているのではないか。
 夕焼けの町に野良パンダがうろうろしていて、
 ゴミ箱をひっくりかえして残飯なんか食べてたら、
 それはかわいいと思わないのではないか。
 そんなふうに考えてみたこともある。
 しかし、それはないよなと、やっぱり思うのだ。
 そういう状況にあっても、きっとパンダはかわいくて、
 人は、野良パンダをなんとか助けようとするだろう。
 家で飼える人はいませんかだとか、
 行政はなにをしているんだとか立ち上がる気がする。
 どうしてかというと、かわいいから。
 大きくて目立って、しかもかわいい。
 それに、あんまり噛み付いたりもしなそうだ。

 「パンダはかわいい」と、いまではぼくは言える。
 理由はよくわからないけどかわいい、と感じる。
 たぶん、パンダに殴られても、かわいいと言いそうだ。
 「かわいい」とか「きれいだ」とかって、
 ほんとに、なんなんでしょうかねーー。
 「Don't think, Feel 」でありますなぁ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
説明より、なにかの比喩を重ねて表現するしかないもの…。


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