関係者に聞きました。
自分で使いたい手帳カバーは
どれですか? [前編]
2008.10.19
ほぼにちわ、です。

毎日、「届きました!」のうれしいメールを
たくさんいただいています。
ありがとうございます。
こうしてみなさんのお手元に
ほぼ日手帳2009をお届けするまでには、
実にさまざまな分野の方々が
携わってくださっています。
それぞれの専門分野において、ほぼ日手帳2009を
いちばんよく知っている人たち、といえるかもしれません。
では、そんなみなさんは、
自分で使う手帳のカバーには、どれを選ぶのでしょう。
手帳に携わる方々に聞く「自分で使いたいカバー」、
選んだ理由と、おすすめコメントなどを交えながら、
前後編にわけてお送りします。

まず本日ご登場いただくのは、
グラフィックデザイナーの佐藤卓さんと日下部昌子さん、
革カバーの製作担当、伊勢丹・外商統括部
籠浦兵衛(かごうらひょうえ)さんです。


アートディレクション担当
グラフィックデザイナー 佐藤卓さん




ほぼ日手帳2009のすべてのデザインを
ディレクションしてくださった
グラフィックデザイナーの佐藤卓さん。
選ぶのはもちろん、革カバーの「TSブラック」。
「卓さんが自分で使いたいカバーを、
オリジナルで作りましょう」
とご提案して誕生したカバーです。
佐藤卓さんのもうひとつのおすすめは、
SPRINGバージョンでお目見えする、
プリントカバーのアロハ柄。
発売開始が2月1日予定と、しばらく先になりますが
サーフィンを愛する卓さんの、オリジナルのアロハ柄です。


TSブラック


オリジナルのデザインといえば
いくらでも考えようがあるのですが、
手帳となると毎日使うものですので、
オリジナル性よりも、
自分が実際に長い間使えるものを想定して考えました。
ごくプレーンな黒革の、オーソドックスな形です。
あまり奇をてらったデザインにすると、
自分でも使わなくなってしまいそうな気がしました。
これまで20年間使いつづけてきた
システム手帳があるのですが、それも黒革。
保守的だなぁ(笑)。
でも自分で使うものは、どちらかというと、
周りに溶け込んでしまうようなものが好きなんですよ。

SPRINGバージョン限定
プリントカバー:アロハ柄
*
*正式な名称は発売時に発表します。



波が葉っぱのパターンと同化している、
オリジナルのアロハ柄です。
その中に、クラシカルでとても難しい
ライディング「ハングテン "Hang Ten"」を
しているサーファーがいます。
「ハングテン」とは、
両足の指10本をボードの先端に引っかけて乗る、
高度で、しかも最もスタイリッシュな
ロングボードならではのライディングです。
このライディングには私も憧れていますが、
とても技術が及びません。
(体をS字型にして、力を抜いた形で乗るそうです)


デザイン担当
デザイナー 日下部昌子さん
(佐藤卓デザイン事務所)




佐藤卓さんの右腕として活躍する日下部さん。
2009年版のカバーの開発には、
打ち合わせや新しい素材の視察、リサーチにと、
深くかかわってくださいました。
どのカバーにも思い入れがあるゆえに、
自分で使う手帳のカバーは、ずっと迷っていたそうです。
ようやく、ふたつに絞りこんだところ、
という日下部さんのそのふたつとは?


牛革オイルコーティング・グリーン


もともと緑色が好きなのと、
いい感じに手に馴染みそうなところに惹かれてます。
自分で使うものとしては、触り心地のいいもの、
使い込むことで、味わいが出るものが好きなんです。
ファブリックのカバーもそうですが、
汚れるものなんだけど、バックや靴と同じように、
手入れをしたりすることで、
さらに愛着が増していくような気がします。
このグリーンは、革としては新しい感じの色なので、
時間が経ってどういう色に変化するか、個人的には、
ちょっと日に焼けてきたくらいのころがとくに楽しみです。


ファブリックカバー:マキノ・ヘリンボーン


カバーのそれぞれに思い入れがあるのですが、
作っていく過程で、とくに印象深かったのが、
この生地の制作者のマキノさんとの出会いでした。
(一流の)ファッションブランドというと
最終的に名前がでるのはデザイナーですが、
その手前にマキノさんのような方がいてこそ
成り立っているのだなと、あらためて感じました。
このヘリンボーンは、一見すごくスタンダードですが、
この織りの模様が、
普段目にするヘリンボーンの生地とどこか違うんですね。
もう少し大柄だとか細かいとか、そんな違いなんでしょうが、
その微妙なかげんが、手帳カバーになったときに
すごくよかったと思います。
それからこれ、バタフライストッパーの色が黒だったら、
もっとメンズっぽいものになっていたと思うんですが、
こげ茶にしたことで、女性が持っても様になるんですよ。

このふたつ、どちらかひとつに絞るのはいまも悩ましいです。
春夏には元気がでるビタミンカラー系のグリーン、
秋冬はマキノ・ヘリンボーンに衣替えをしようかな、
と思ったりしています。


革カバー製作担当
株式会社伊勢丹・外商統括部 籠浦兵衛さん




ほぼ日手帳2009の革カバーの製作は、
2007年版から引き続き、
株式会社伊勢丹・外商統括部チームと
タッグを組んでいます。
チームの代表・籠浦さんに
革カバーについて、うかがいました。


TSブラック


実は‥‥僕は2007年度のカバー
「牛革タンニン仕上げ・オリーブグリーン」
を使い続けています。
色についてもとても気に入っているのですが、
2007年度版は自分がはじめて取り組んだ商品
ということもあり、思い入れが強いんですね。
かなりハードに使用していますが、
劣化も少なく、味わいが増してきて、
これを手放せない気分なんです。
でも、新調するなら「TSブラック」ですね。
2009年版の革カバーのなかでも、とくにおすすめです。
革自体のやわらかさを活かすために、
芯材も最低限にして、手触り感を追求しました。
しっとりとしたオトナの質感、というのでしょうか。
みなさんにもきっとご賛同いただけると思います。

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先日ご紹介したユーザーのみなさんの
「カバー選びの決め手」と同じく、
選ぶポイントには人それぞれの思いがありますね。
後編は、10月26日日曜日を予定しています。
どうぞ、お楽しみに。