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有田さんは、今年(2007年版)から
「ほぼ日手帳」を使ってくださっている
そうですね。 |
有田 |
はい。
今年の夏に、ほぼ日のハラマキの
デザインを担当したときに、
「ほぼ日手帳」の存在を知って、
何か気になって使いはじめたんですよ。 |
ーー |
有田さんは、「ほぼ日手帳」を
ふだんどんなふうに
使っていらっしゃるんですか? |
有田 |
手帳なので、基本的には、
予定を書き込でいます。
予定は月間カレンダーに
どんどん書き込んでいきます。
予定が変わったら、線を引いて消して、
さらに隙間を縫って書き込んでいくので、
他の人が見ても、
何が書いてあるのかわからないでしょうね(笑)。
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ーー |
予定以外には、
何か書いていらっしゃいますか? |
有田 |
新幹線や飛行機の中で、
3、4時間くらい時間があったりするときは、
言葉のひらめきや、抽象的な図形のひらめきを描いたり、
そのとき読んでいる本の中で気になることがあると、
それについて思ったことなど、
とにかく思いつくままに、
一気にキーワードを書き出していきます。 |
ーー |
言葉だけでなく、
頭に浮かんだデザインのスケッチも、
手帳に描いたりするのですか? |
有田 |
そうですね。
いろんな絵のパターンを、
思いつくままに、描くこともありますね。
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有田 |
「ほぼ日手帳」とは別に
スケッチブックを愛用しているんです。
ほんとうは、常にこのぐらいの
A3サイズくらいのスケッチブックを
持ち歩けたら最高なんですけどね。
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ーー |
スケッチブックを拝見していると、
具体的な図柄というよりは、
抽象的な絵が描かれているようですが‥‥ |
有田 |
たしかに、デザインのラフの段階では、
具体的な図柄というよりは、
世界観といったものを
描いていることが多いですね。
僕は、新しい仕事をするとき、
まず最初に、本質や世界観を
イメージします。
このイメージを取りこぼさないための
スケッチがすごく重要で、
旅先やちょっとお昼に出たりするときに、
大きなスケッチブックを持って行けないときは、
「ほぼ日手帳」の出番です。
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ーー |
思いついたら、
とにかく、どこにでも書き込むんですね。 |
有田 |
はい。
脳や心の中で沸き起ってくるものから、
実際に、最終的なデザインの形に落とすための、
痕跡のようなものを残しておきたいんです。
たとえば、すごく素敵な夢を見たときに、
朝、夢のしっぽを捕まえておくと、
そこから連想して思い出せますよね。
反対に夢のしっぽをつかみそこねると、
全く思い出せなくなりますが、
それと同じようなことなんです。 |
ーー |
言葉や絵として残しておいたものを
とっかかりにして、
創作活動につなげていくということですね。 |
有田 |
そうです。
たとえ、他の人から見たら、
不可解なスケッチや言葉だったとしても、
自分自身では、それを見て、
描いたときの香りや空気感などが、
臨場感をもって想起されるんです。 |
ーー |
「ほぼ日手帳」は、
有田さんの頭の中を
呼び起こすためのツールなんですね。 |
有田 |
はい。
僕にとって、「ほぼ日手帳」は、
記憶を司る“海馬”のような存在です。
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ーー |
有田さんは、過去に使っていた手帳を
読み返したりすることはありますか? |
有田 |
読み返しますよ。
過去の手帳を見てみると、
その当時に描いていたビジョンを
どのくらい実現できたかなといったことを
振り返ることができますから。
だから、僕は、
何年も前の手帳も、ずっと取っておきます。
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ーー |
「ほぼ日手帳」のユーザーの方も
よく、使い終わった手帳を
取っておくとおっしゃっています。
あとで読み返したりすると面白いんですよね。 |
有田 |
そうなんです。
(ご自身が使っておられた手帳をめくりながら、)
たとえば、こういう絵も、
この当時でないと、
描けないないような視点があるんですよね。
手帳は、自分のその年の記録帳ですから、
やっぱり読み返すと面白いですねえ。 |
ーー |
最後に、今年、「ほぼ日手帳」を使ってみて、
いかがでしたか? |
有田 |
僕は、機能的で、美意識に心地よくて、
愛着を感じられる、
その3つが合わさったところに
定着するものが生まれると思うんです。
機能だけだと、機能の競争の中で
いくらでも新しいものが出てきたら
切り替えられるだろうし、
愛着だけあっても、
手帳としては不十分でしょうし、
美意識だけだと、
実際、仕事で使ったりしていると、
不都合なことが多いかもしれないけれど、
その3つのバランスがよいと、
生活の中で定番化していくと思うんです。
そういった意味で、僕にとって
「ほぼ日手帳」は、
お世辞ではなく画期的な商品でした。 |
ーー |
有田さんの中で、
「ほぼ日手帳」は定番化したということですか。 |
有田 |
はい。
「ほぼ日手帳」を持っているのは、
愛車感覚に近くて、
気がついたら、愛着が沸いていました。
鞄にしても、机にしても、
「何となくいいよね」という言葉で
集約されるようなことで、
愛着が沸くものの見えない定義があると思うんですよ。
何となくいいというのは、
多分、本当はものすごく情報量があるからこその
何となくいい、なんです。
何となくいいよね、だからまた使いたいよね、
といった感覚で、
あの店、何かいいから常連になっちゃった
といった感覚に近いですね。
「ほぼ日手帳」は、
そういう定番になるような座りの良さがあって、
馴染みが良い。
そして、自分の中で知らないうちに
定番化しているという感覚がありました。
今年使ってみて、来年も
「ほぼ日手帳」を使おうと決めました。
ちなみに、来年は「ヌメ革」のカバーを
使おうと思っています!
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