ほぼ日 |
前田さんは「ほぼ日手帳」に
予定以外にも、いろいろと
書き込んでいらっしゃるのですか? |
前田 |
もともと20代のころは、
いちいちメモをとったりすること自体が、
男として、どこかかっこ悪いな、
と思っていたんですよ。
でも、だんだんと年を重ねるにつれて、
思いついたことはメモしておいた方が、
あとで楽だなということに気がついたのです。
それから手帳にいろいろと
書き込むようになりました。
いまでは、自分の予定だけでなく、
マジックのアイデアも、
ほとんど手帳に記録するようにしています。 |
ほぼ日 |
マジックのネタも、
手帳に書き込んでいるのですか? |
前田 |
マジックのネタをしっかり書き込むというのではなく、
外出先でアイディアを思いついたとき、
まず手帳に書き込むようにしています。
手帳とは別にマジックのネタ帳を持っていますので、
手帳とうまく連動しながら、
基本的に、マジックのネタは、
そのネタ帳に書いています。
僕は、手帳のポケットの中に、
つねに、黄色い付箋と青い付箋を入れているのですが、
たとえば、マジックを思いついたとき、
「これは、世間の方たちに理解されにくいだろうなあ」
といった、即実現されないようなアイデアは、
黄色い付箋に書いて手帳に貼っています。
この黄色い付箋に書いたアイデアを、
“プロジェクト・イエロー”と呼んでいます。
そして、もうひとつは、青い付箋。
こちらは、即採用できるアイデアで、
例えば、次のテレビ番組で使うネタを考えているときに、
「これはウケる可能性が高いな!」とか、
「こういうふうにプレゼンテーションをしよう」
といった、すぐに実行できそうなアイデアは、
青い付箋に書き込むことにしています。
これは“プロジェクト・ブルー”と呼んでいます。 |
ほぼ日 |
アイデアの質によって、
書き込む付箋の色を変えて、
ご自身の中で区別しているんですね。 |
前田 |
はい。
思いついたことは、
「即採用」か「しばらく寝かせる」かを判断して、
それぞれ、黄色か青の付箋に書き込んで、
手帳に貼っておきます。
そのあとにネタ帳に清書していきます。
前田さんの「ほぼ日手帳」とマジックのネタ帳。 |
ほぼ日 |
ほかには、どういったことを
書き込まれているのですか? |
前田 |
パーティやテレビ番組で披露した、
マジックのネタを記録しています。
前回はこれを披露したから、
今回は違うネタにしようといった
ネタえらびの参考になりますので。
あと、もうひとつ大事なことは、
衣装を記録しておくことですね。 |
ほぼ日 |
なぜ衣装の記録が大事なのですか? |
前田 |
僕は、マジックをするときに、
ジャケットに仕掛けをほどこしたりせずに、
普通にお店で売っているジャケットやスーツを
着用しています。
ところが、服によって、
微妙にポケットの位置や大きさが異なるので、
実際に着る服ごとに練習を重ねる必要があります。
衣装ごとに練習が必要な分、
他のタレントさんに比べると、
衣装の数はおそらく10分の1くらいだと思いますよ。
ですので、少ない衣装の中でも、
できるかぎり、同じ衣装に見えないように、
例えば、ジャケットが同じだったら、
インナーやパンツを変えてみたりして
工夫をしています。
そんなわけで、ジャケットと、
インナーやパンツなどの組み合わせが
けっこう細かくなるので、
あらかじめ、手帳に書き留めておくことにしています。
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ほぼ日 |
お仕事以外のプライベートなことで、
なにか書き留めていらっしゃることはありますか? |
前田 |
僕は、インテリアがとても好きなのですが、
インテリアを買うときの参考に、
自宅の各部屋の壁のサイズなどを書いています。
というのも、お店で気に入ったものを見つけて、
「これは、わが家にすごく合うだろうなあ」
と思って買って帰ると、
「あれ? 思っていたイメージと違う‥‥」
なんてことがよくあるんです。
お店の中に展示されているときのイメージと、
実際に家に置いたときとでは、
壁の材質や色、部屋のスケール感が違うので
どうしても違和感が出てきてしまうんですね。
ですので、自宅の部屋の、
壁の縦横のサイズを手帳に書いておいて、
さらに、巻尺を持っていって、
お店の壁の縦横のサイズと見比べながら、
なるべくイメージが違わないように、
えらぶようにしています。
あとインテリアを買うと、必ず、
「配送日は、いつがご希望ですか」
と訊かれますよね。
だいたい数週間から1ヶ月先のお届けということが
多いので、
手帳を見ながら、確実に受け取れる日に
配達していただくようにしています。
インテリアショップに行くときは、
手帳は必需品ですね。
気に入ったものを見つけても、
万が一、手帳を持っていなかったら、
「また出直します」と言ってしまうことも
あるくらいです。
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ほぼ日 |
「ほぼ日手帳」を使っていて、
とくに気に入っておられるところは、
どういった点ですか? |
前田 |
“月の満ち欠け”があったり、
巻末には、しりあがり寿さんの
4コマ漫画があったり、
「ほぼ日手帳」には、
余裕というか、隙のようなものがあって、
そこが、とてもいいなと思います。
隙があるからこそ、
使っている僕らがあれこれ書き込んだり、
カスタマイズしたり、
自分のものにできる余地があるような気がします。
「ほぼ日手帳」は、使う人たちそれぞれが、
いろんなことを書き込んで、
はじめて完成する商品ですよね。 |
ほぼ日 |
前田さんの手帳にも、
しおりに、素敵なストラップがついていて、
カスタマイズされているようですが‥‥
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前田 |
はい。
僕のファンであり「ほぼ日手帳」ユーザーの人たちが、
カバー・オン・カバーに、
僕の写真やトランプの柄をはさんだりして、
「前田知洋バージョン」に
カスタマイズして使ってくださっているのを、
インターネット上で、よく見かけていました。
ありがたいことだなあとうれしいのと同時に、
これは「手帳文化」とも言えて、
面白いことだなあと思ったんです。
そこで、僕自身も、
ファンの人たちの手帳に触発されて、
カスタマイズをしてみました。
この黒のチャームは、僕のオリジナルのマークで、
以前、ファンの集いを開催したときに、
ファンの人たちに
特別なものを差し上げたいということで
このチャームをプレゼントしたことがあるのですが、
そのときのものです。
テレビ局に行くと、
「ほぼ日手帳」を使っていらっしゃるスタッフの方々が
とても多いので、
同じ色の手帳が現場に2冊あるということも、
よくあります。
そういうときに、このチャームがついていると、
すぐに僕の手帳だとわかるので、
カスタマイズしていることで、たすかっていますね。
しおりにつけている前田さんオリジナルのチャーム。
ポケットには、黄色と青の付箋や、
ファンの人たちにサインを書くときのトランプも常備。 |
ほぼ日 |
最後に、前田さんは、2008年版の「ほぼ日手帳」は、
どの色のカバーを使いたいですか? |
前田 |
僕が去年、この革カバー
(「牛革ガラス加工・ブルーブラック」)を
えらんだのは、
何年間も使いたかったからなんです。
ですので、2008年版は、
カバーはそのまま使って、
本体のみ差し替えることにします。
他の人にこのカバーを見せながら、
僕は、前から「ほぼ日手帳」を使っているんだよって、
ちょっと、先輩気取りで言いたいですね(笑)。
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