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海花さんって、
普段一筆せんをよく使われているそうですが、
いつもどんな時に使われているんですか? |
海花 |
そうねー、だいたいは物を送る時に、
何かひと言添えたくて使っていますね。
付箋だと小さくて、
よほど親しい人以外には使えませんし、
便せんだと書くスペースがありすぎるし、
一筆せんってちょうどいいんです。
本を出版したあとは、
その本をお送りするときに、大活躍です。
ほかには、お金を入れた封筒を人に渡す時や、
借りていたものを返す時など、かな。
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ーー |
ひと言簡単な挨拶があるだけでも、
受け取った時に、嬉しいですよね。
海花さんは、書く時のペンも
気にされていますか? |
海花 |
そうですね。
その時の相手や気分に合わせて、
筆記具は変えています。
だいたい、万年筆や
水性インキの太めのペンで
書くことが多いのですが、
この紙、どのペンでもインクの乗りがいいの。
これって、何の紙を使っているんですか? |
ーー |
「ケナフ」という紙を使っていて、
インクなどの塗料を吸収しやすいと、
一般的には言われているみたいです。
一筆せんって、相手に届けるものなので、
見た目も手触り感も上質なものにしたくて、
紙の厚さも、厚目にしているんですよ。
註)ケナフとは植物で
その繊維を紙の原料として使っています。 |
海花 |
なるほどねー。
小筆で書く時もあるんですが、
墨文字でもしっくりきますよ。
紙の色って真っ白じゃないですよね? |
ーー |
はい、そうですね。
見た目にも柔らかい印象にしたかったので、
カジュアルになりすぎない程度に、
少し黄みがかっている紙を選びました。
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海花 |
この前、文房具屋さんに行って
これと同じようなものを買おうと思って見たら、
横書きのものはあるんだけど、
やっぱり、横は横だけにしか使えないの。
縦でも横でも使えるって、
ありそうでない。
すごくいいと思いました。 |
ーー |
そうなんですよね。
自分たちで使っていて、
横の方が書きやすいけど、
縦で使いたい時もやっぱりあって。
用途にあわせて使えるようにしたいね、と。
(一筆せんを見て)
あ、英語で書いたりもされるんですね。
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海花 |
これはね、この前、
チェコの本で取材してくれた現地の人に、
ページのチェックをお願いするときに
ちょっと添えようと思って書いてみました。 |
ーー |
そういえば、海外の方って、
一筆せんってわかるんですか? |
海花 |
この間、チェコで知り合った人が
私に自分の本を贈ってくれたんですけど、
それに「洋風一筆せん」みたいなものが
添えてあったんです。
これより少し横長サイズだったけど。
気持ちを込めたいとき、
手書きのひとことを添えるっていうのは、
どこの国でも同じなんだなあ、と。
で、彼女の気持ちは、その一言で
私にとてもよく伝わってきたので、
一筆せんは小さいけど、
たいしたもんだ、と思ったの。
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