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どんなふうにも使える器を。
- 伊藤
- (リモートで)島さん!
ごぶさたしています。
- 島
- マスクをしたほうがいいのかな?
- 伊藤
- まわりにひとがいなければ、
しなくて大丈夫ですよ。
伊那は、いかがですか。
- 島
- もう、薪ストーブを焚いてます。
ここは窯のある小屋で、
家より日当たりがよく
暖かいのですけれど、
今日は寒いので。
- 伊藤
- 去年の夏に伺ったときも、
すごく涼しかったですもの。
- 島
- 夏でも冷房が要らないものね。
扇風機もいらない。
- 伊藤
- 今回は「weeksdays」のために
器をたくさんつくっていただいて、
ありがとうございました。
- 島
- よくよく考えたら、ウェブだから、
みなさんに触っていただけないのに、
いろんなものを作っちゃってごめんなさい。
- 伊藤
- いいえ、それが味ですもの。
どれもすてきでしたよ。
どんな器がとどくかを、
たのしみだと思っていただけたらいいな。
島さん、自粛が続いていましたけれど、
個展はどうなさっていたんですか。
- 島
- いつも、たくさんやらせてもらっていたのが、
今年は、9月に神戸のモリスさんで、やっと。
それも、自分は行かずに、器だけお届けして。
あとは、12月に岡山がありますが、
今年はその2つだけです。
- 伊藤
- ちょっと身動きがとれなくても、
作る手は休めず?
- 島
- そうですね。たくさん作れてよかった(笑)。
まさこちゃんにも、こんなふうに、
きっかけをいただいた。
ホントにありがとう。
- 伊藤
- こちらこそありがとうございます。
わたしも、ずっと遊びに行くって言いながら、
やっと行けたのが去年の夏でしたね。
- 島
- そうそう。遅い夏休みで。
- 伊藤
- そこから「weeksdays」で
お願いをしようということになって、
みんなで相談に伺ったのが秋口でした。
あれから1年!
こうしてかたちになって、よかったです。
途中、世の中にはいろんなことがあったけれど。
- 島
- 世の中、何が起こるか分からないね。
- 伊藤
- ホントですね。全世界でこんなことになるなんて。
でも、家にいることが多くなって、
だからこそ、家で使うものが大事だと、
みんなが考えるようになったと思うんです。
- 島
- お家にいることが多くなったから。
- 伊藤
- 私の知り合いで、台所道具を扱っているお店を
されてる方がいるんですけど、
この期間、売上げが伸びたんですって。
- 島
- あら、すごい。
- 伊藤
- 料理をするっていうだけじゃなくて、
長い時間家にいると、
家のものを目にすることが増えますよね。
例えばおろし金ひとつにしても、
「ちょっとヤだな」と思いながら使ってたことに気づき、
「いいものを使いたい」となる方が増えたんですって。
島さんの器をこうして紹介するのも、
今という時期は、よかったのかもしれません。
新米もおいしいし!
- 島
- おいしいね(笑)。
- 伊藤
- 毎日もりもり、島さんの器で食べてます。
- 島
- 食べ過ぎないようにね(笑)。
- 伊藤
- ホントですよね!
めしわんもよく使いますが、
今回、小どんぶりをつくっていただいて
よかったなって思っているんです。
私、朝、にゅうめんを
いただくことが多いんですけど、
これがちょうどいいんですよ。
あと親子丼とかにもぴったり。
まわりの人にきくと、
家でちょっとどんぶりものをつくりたくても、
いいなと思うどんぶりを持ってないんですって。
そこに島さんの器は
「ちょうどいい」って思うんです。
- 島
- わたしにしたら小どんぶりというより、
ふつうのどんぶりくらいの大きさかな?
って思ったんですけれど、大丈夫でした?
- 伊藤
- しっかり盛れば、
ふつうのどんぶりくらいありますよね。
でも、わたし、こういうところに、
ちょこっと盛るのもいいなって思います。
炊き込みご飯をすこしよそって、
上に薬味をぱらり、とか、
品良く盛るといいなと思いました。
みなさん、どんなふうにそれぞれのものを
お使いなんでしょう。
例えば、このちっちゃいお湯のみ。
- 島
- 日本茶でもいいし、エスプレッソでもいいし、
お酒を飲む方もいらっしゃるし、
小鉢みたいに、何か珍味を入れたりとか。
なんでも使えますね、いろいろと。
- 伊藤
- 島さんの小さなお湯のみをずっと使っているんですが、
6個くらい重ねてあるんです。
ひとつひとつに個性があって、
ぴったりしないから、
それが逆にこう、横から見て、
姿がいいなあって思います。
- 島
- ふふふ、ありがとう(笑)。
- 伊藤
- すごくかわいいんですよ。
- 島
- もう10年ぐらいになるのかな?
- 伊藤
- 経年変化がおだやかで、
いい感じになってきました。
それよりすこし大きめの「中」のお湯のみは、
スープにもいいですよね。
- 島
- そうですね。
アイスクリームとかヨーグルト、
デザートにもいいし。
- 伊藤
- アイスティとか、冷たい緑茶とか、
氷を入れた飲み物も。
- 島
- いろんなことに
使っていただけたらいいなと思って。
大きなお湯のみは、
カフェオレであるとか、
たっぷり飲みたいときに
使われる方もいますよ。
- 伊藤
- そうめんに薬味をいっぱい、とか、
そういうのもいいですね。
ちょっとお茶漬けとかも。
今回「お湯のみ」としましたが、
名前を限定してしまうと、
それ以外の使い方に広がらないかも、と思うので、
写真でも、いろいろ提案してみたいです。
- 島
- そのとおりね。
家族のように。
ほっかほかに炊き上がったごはん、
どれに盛ろう?
ちょっと一息入れる時のお茶、
何に入れる?
‥‥そんな時に、
私が自然とえらぶのは、
島るり子さんの粉引の器です。
使い始めて、いったい何年になるんだろう?
今では、そこにあってあたりまえ、
いいえ、それどころかなくなってしまったらすごく困る、
家族のような存在になっています。
自分をささえる毎日のごはん。
何を食べるか? というのは、
とても大切なのだけれど、
それと同じくらい
何に盛るか? ってことも大切。
器がいいと、
味がちがう。
器がいいと、
気分もちがう。
今週は、
weeksdaysでは初めてとなる、
作家の手によりひとつひとつ作り上げられた、
器をご紹介します。
どれもぜーんぶ表情がちがう粉引の器は、
持っているとうれしくなっちゃう。
だって、「私だけのもの」って気分になるもの。
「つい」手に取りたくなる、
島さんの器、どうぞおたのしみに。
みんなの かごの つかいかた。 [4]
わたしの車のトランクで。
まぬさん
編みもの、布こものをあつかうブランド
「récré」で、編みものの制作をしている、まぬさん。
家業であるお店(制服屋さん)の仕事のあいまに、
自身のクリエイティブな作業をつづけています。
仕事に行く、子どもを迎えに行く、
買い物をする‥‥と、
忙しい毎日に欠かせない相棒が、
ベトナムのかごの「大」なんですって。
「いつも、車のトランクに置いています」
というまぬさん。
出かけると、どんどん増えていく荷物を入れ、
家に着いたら、全部まとめて運んじゃう。
このかごを使いはじめて、
車と玄関を何往復もする日々から解放されました。
最初の画像は、仕事に出かけるとき。
お弁当や水筒、たくさんの荷物が必要なので、
この大きさが便利なんです。
そしてこちらは、
子どもを迎えに行って、
そのまま習い事へと送った後のようす。

▲「ランドセルやその他の荷物を
全てカバンに入れて一度に家に持ち帰ります」

▲「このカゴそのものが軽くて丈夫なので、
重たい荷物もへっちゃらです!」
そうそう、このかご、軽さがいいですよね。
しかもとっても丈夫ですし、
汚れたものを入れてもさっと拭き取れます。
それにしてもランドセルがすっぽり入っちゃうんだ!
日々、たくさんの荷物を運ぶまぬさんにとって、
この素材ゆえ、身体にすれて当たったとき、
素材が服についたりしないのも、
すごく嬉しいことなんですって。

▲荷物を運んだら、とりあえず玄関にポン。
まぬさん、日々おつかれさま。
ありがとうございました!
石けんづくりは、このかごひとつで。
Hirono Moriさん
ハーブ、日本茶、野菜。
食べることも、身体を動かすことも、
セルフケアをすることも、ぜーんぶ、
好きなことにはとことんのめりこんで、
毎日をいきいき暮らしている静岡のHirono Moriさん。
いま、いちばんはまっているのは、
手づくりの石けん、のようです。
「いつもリビングの隅に置きっぱなしで、
手づくり石けん用の道具を入れています」
というHirono Moriさん。
「出来はまだまだです」と言いますが、
最初の画像でわかるように、プロ級なのでは‥‥?!
じつは石けんづくりには、いろんな道具が必要。
ここには、そのすべてが入っちゃうんだそうです。

▲ステンレスのボウル大小、PP製のボウル大小、
計量カップやガラスのビーカー、温度計、計りなど。
「このかごには、色々な素材、大きさのものを
そのままガサッと入れておけるのが便利です。
すぼらな私には、
ドサっと入れても中身が一目でわかるのが
ほんとうにありがたい!」
置き場所は、リビングの隅。

▲置きっ放しでも、さまになります。
「まず色に惹かれました。
じつは、白とグレーも持ってます!
適度な柔らかさで、扱いやすいですよね」
Hirono Moriさん、ありがとうございました。
かわいい石けん、いっぱいつくってくださいねー。
収納のスーパーサブ的存在。
sachiさん
中古マンションを、
部分リノベーションして暮らしているというsachiさん。
シンプルで暮らしやすいくふうにあふれた部屋で、
ベトナムのかごが、活躍しているみたいです!
「家中どこでも、その時々に必要な収納量を
増やせるので、本当に重宝しています」
というsachiさん。
寝室でこどもたちのぬいぐるみを
入れていた頃もありましたが、
今は押し入れと台所で、
「収納のスーパーサブ的存在」
として活躍しているとのこと。
ホワイト2つは押し入れの中に、
赤は台所に置いています。

▲ホワイトの定位置は、押し入れの中。
手前と奥に、同じ大きさで並べています。
ホワイトには、収納場所から溢れてしまった
トイレットペーパーなど日用品のストックと、
処分を迷っているもの(例えばこども服など)を
入れているそうです。
そして、台所には赤。

▲ミニサイズの赤を、床にちょこんと。

▲今の中身は、コーヒーと、特売で買った食料品。
もちろん入れっ放しではなく、適宜入れ替えます。
「赤には、ホワイトと同じく、
既存の収納場所から溢れてしまった
食料品のストックを入れています。
緊急事態宣言中はパンパンでした」
sachiさんにとって、「weeksdays」の
ベトナムのかごの魅力は、まず色だったそう。
「空間になじむホワイト、ポイントになる赤色、
どちらも好きです。
グレーも車用に狙っていましたが、
新色があるのかもとドキドキしています」
ハイ、すぐには予定のない新色ですけれど、
今後も、定番的に、かつ、彩りがあるように、
考えてまいりますねー。
sachiさん、ありがとうございました!
家族分の冬服を。
kinariさん
えっ、そんなに入るんですか?! と、
「weeksdays」チームが驚いた、kinariさんの収納。
家族全員分の厚手の冬服が仕舞えちゃうんですって!
フリースジャケット、ベスト、パーカー、セーター。
家族の使う、8着の冬服を入れても、こんなにスッキリ。
kinariさんは、ベトナムのかごの「大」を、
クローゼットの天袋で活用中です。

▲「本当は普段目にする場所に置きたいのですが、
スペースの都合上、クローゼットの天袋にしまっています」

▲たくさん入れても形崩れせず、すっきり収納できます。
天袋って、ついつい「死蔵」しちゃいがちですけれど、
ベトナムのかごがあったら、こんなふうに活用できるんだ。
軽くて丈夫で、形崩れせず持ち運びしやすいから、
高い場所に置いても、
安心して出し入れすることができるんですね。
「見た目がシンプルでおしゃれなところも、
気に入っています」
そうですよね、こういうものって、
出したときに嬉しいって、だいじです。
kinariさん、じょうずな活用法をありがとうございました!
この冬も、あたたかくお過ごしくださいね~。
みんなの かごの つかいかた。 [3]
ランドリーには白。
かでさん
「いちばん好きなところは、視界に入った時のかろやかさ」
というかでさん。
ランドリーまわりでベトナムのかごが
大活躍しているんです。
「ランドリーには特に白がいいと思っていたところに、
理想的なweeksdaysのベトナムのかごを
見つけることができて、とてもうれしかったです。
そのうれしさは使うたびに今も感じています」
というかでさん。
全サイズを使って、
ランドリーの時間をたのしんでいます。
「大はアイロン台のホックにかけています。
中と小は洗濯時に行き来する部屋のベンチに置いて、
必要な時に必要な場所へ適宜持参しています」
ちなみに、大に入っているのは、
これからアイロンをかける予定の衣類、
シャツやハンカチなど。
中には洗濯物を干すためのハンガー、
小には洗濯物を留めるピンチを入れています。

▲大には、アイロンをかける予定のものを仮収納。

▲中にはハンガー、小にはピンチを。
「縦・横・高さの寸法が絶妙で、
中に入れているものが見渡せて、
取り出しやすく、
置いたときの安定感もばつぐん。
さらに軽くて、丈夫で、洗えるなんて!」
と、うわぁ、そこまで褒めていただいて、恐縮です。
かでさん、ありがとうございました!
そういえば「ほぼ日」のコンテンツで
「洗濯ブラザーズ」が話していましたが、
洗濯もの(とくに、これから洗うもの)を入れておく
洗濯かごは、通気がいいことが大事なんだそう。
その意味でも、この「ベトナムのかご」は
ランドリーに適しているにちがいありません。
座卓の下にスッキリと。
kintalowさん
子どもたちの絵画教室の講師であり、
6月から張り子教室に通われているというkintalowさん。
アトリエで、ベトナムのかごが大活躍しているようですよ。
絵画教室用には大きなサイズ、
張り子教室用には小さなサイズを使っているという
kintalowさん。
大きなサイズを運ぶときは車で移動、
小さなサイズを運ぶときは
交通機関で移動しているそうです。
では、仕舞うときは?
「アトリエの作業机にしている
座卓の付近に置いています。
出しっ放しでもシンプルなので部屋に馴染みますよ。
作業中は出しておいて、
作業が終了した後は、そのまま、
座卓の下へスライド収納します。
張り子は、制作途中の作品もここに入れますが、
座卓の下は、ホコリ除けにもなるので便利です」

▲仕舞うと、こんなにスッキリ!
浅めの直方体のこのかたちだから、座卓の下に
きっちり入るのですね。
「そう、浅いので、雑多な道具や小物を入れ易いし、
取り出し易いんです」
シンプル&シャープなデザインなので、
持ち歩いていても
服装を選ばないところも好き、
というkintalowさん。
ぜひ、どんどん持ち歩いてくださいね~!
ありがとうございました!
野草とハーブで魔女のくらし。
nさん
「野草とハーブに魅了され、
海と山に囲まれた田舎で
ハーバルライフと地球に優しい生活を楽しむ魔女」
と自らを語る、nさん。
インスタグラムの写真には、
石川県の自然ゆたかな土地での、
静かでたのしげな日々が綴られています。
「何でもポンポン入れられることと、
汚れても洗えるところがとても便利で好きです」
と、nさん。
大中小3つのかごをお使いですが、
大は部屋の中で使い。
中・小は、常にハサミを入れておき、外に出て、
刈り取った野草やハーブなどを入れたり
(いわく「野草がたくさん入るので摘み放題!)、
お買い物にも使っているそうです。

▲これが基本形。ハサミだけ!(魔女?)

▲「ティンクチャー」用にモミの葉を切りに行ったときのようす。
「ティンクチャー」というのは、日本語でチンキと呼ばれる、
ハーブの成分を使ったアルコール製剤です。(やっぱり魔女?)
見た目も可愛くて
インテリアの邪魔にならないところも良い、と、
おうちではブランケット入れに活用しています。

▲「いつでも出せるようソファ横にブランケットを入れて」
わぁ、なんだか気持ちもあたたかくなる写真です。
nさん、ありがとうございました!
みんなの かごの つかいかた。 [2]
こどもとピクニック。
でも使わないときは?
yumiさん
お子さんとの外遊びの時間が多い、yumiさん。
小サイズの赤いかごが、
外でも、おうちでも、
大活躍しているようですよ。
「遊び道具は、その日したい事に合わせて、
子どもたちが用意して、かごにいれてくれるんです」
というyumiさん。
外遊びグッズ、着替え、水筒、食べものなど、
必要なものをまとめて入れて持って行くそうです。

▲「この日は虫捕りがしたかったようで、
虫かご、虫取りあみ、フリスビーを用意していました。
遊びに夢中になる子供達を待つ間のおやつも欠かせません」
外に持ち出して、家族みんなで使う道具としてのかご。
底が長方形で物をきれいに入れられ、
間口が広く誰が見てもどこに何があるか分かり、
出し入れしやすいので、
家族がバッグの中をガサゴソして、
気づいたら中がぐちゃぐちゃ!
‥‥ということがなくなったんですって。
また、汚れにくく、汚れても雑巾でサッと拭けば
きれいを保てるところも有難いと。
元気いっぱいの子どもたちと外遊びをすると、
そりゃあ、汚れちゃいますものね。
でもこのかごなら、大丈夫なんです。
外に持ち出したときの「いいところ」はもうひとつ。
それは「目立つ」ということ!
「青空と芝生の緑に赤いカゴが映えて、
写真を撮るたびに嬉しくなります。
遠くからでもカゴが目印になるので、
自分たちの場所がすぐに分かるんですよ」
これは気づきませんでした。
赤、「weeksdays」でつくってよかったです!
さて、外に持ち出すことの多いかごですが、
もちろん、そうじゃない日もあります。
そんなときはどうしているかというと、
逆に「子どもたちに触られないように」
しているんですって。


▲「外で使わないときの定位置。寝室の高い棚の上に置いています。
リースやスワッグをよく作るので
ドライにした花材をひとまとめにしていれています。
先に別のカゴにドライフラワーを入れて、
カゴごとベトナムのカゴに入れています」
なるほど、中は二重に! そうすれば、
いざ、ベトナムのかごを持ちだそう、というときに、
ラクですものね。
yumiさん、ありがとうございました!
車のトランクと、
冷蔵庫の横に。
Ikumiさん
大は車のトランクで待機、
小はいつもは冷蔵庫の横においている、
というIkumiさん。
静と動、ふたつの使い分けがみごと!
「たっぷり入るところ、
丈夫なところ、軽いところがお気に入りですが、
赤を選んだので、元気が出るし、
差し色になって嬉しいです」
というIkumiさん。
冒頭の写真は、働いているカフェで使う
パンを仕入れて、持って帰ってくるところだそう。
「大きいほうは、車のトランクで待機してもらい、
こうして、たっぷりものを運ぶときなどに使うんです」
だから、たとえば、外で遊ぶときにも大活躍。


▲「敷物や飲み物、おやつ、本を入れて、外へ出たときのようすです」
Ikumiさんは、もうひとつ、
小さいサイズも持っています。
それは、いつも冷蔵庫の横に置いて、
缶瓶やペットボトルなどの空き容器を分別する、
その前の一時保管用にしているそう。
なるほど、空き容器って、
収集日が決まっているからすぐに捨てられないし、
しかも、かさばる。
きれいに洗ってから、ざっくりかごに入れておけば、
捨てる直前に仕分ければいいんですものね。
ベトナムのカゴなら、自立しますし、
くしゃっとならないし、なによりすがたがいい。
よごれても洗えばOKというところも、
その使い方に向いていると思います!
Ikumiさん、ありがとうございました!
7つのかごを自由自在に。
ベトナム料理研究所さん
堺市に拠点をおき、関西を中心に
ベトマム料理の教室やワークショップ、
イベントや食事会などを開催している
「ベトナム料理研究所」。
ベトナムのかごが、まさしくピッタリではありませんか!
なーんと、大中小あわせて
7つのかごをお使いなんです。
大3つ、中2つ、小2つ。
合計7つの「ベトナムのかご」を使っているという
ベトナム料理研究所。
個人で運営しているということですけれど、
インスタグラムやフェイスブックからは、
その元気な活躍のようすがうかがえます。
もちろんベトナム通、ですから、
いわゆるベトナムのプラかごを色々使ってきたそう。
でも、最初に一つ目が届いた時、
明らかに違う佇まいだったのにびっくり、
柔軟性と耐久性があって、
取手の編み込み部分が内側に来ている点が素晴らしい!
と、お財布と相談しつつ、
少しずつ買い足してくださったんですって。
「レッスンで生徒さんにも、よく、
いいカゴですね、と話題になるのも好きな点です」
わぁ、うれしい。
そんなふうに伝えてくださって、ありがとうございます。
さて、そんなベトナム料理研究所では、
このかごたち、どんなふうに使われているんでしょう?
「基本的には家に置いている時は
空っぽにしたいんです。
でもスペースが狭いので、
琺瑯容器とか、タッパーウェアなど、
料理のレッスンに物を持っていくときに使う容器を
白い大きいサイズのかごには入れています」

▲ベトナム料理レッスンに持っていく荷物。ふんわり持っていきたい物はかごに。

▲「出来たら、これくらい荷物をシュッとさせたい」という、理想のスタイル。
レッスン中はトランクの中のものをこっちに移したり、と、
運ぶ以外の、物の一時置き場としての活用もしているそうです。

▲食事会の時には、ぜんぶからっぽにしておいて、
お客さんの荷物入れに使うことも。
そして、冒頭の画像は、あるイベントへの出店のようす。
おわかりでしょうか、赤いかごが、
看板代わりに「いい仕事」をしていますよ!
ベトナム料理研究所では、きっとこれからも、
いろんなたのしい使いかたがされていくことでしょう。
どうもありがとうございました!
みんなの かごの つかいかた。 [1]
仕事でも、お家でも。
高橋美賀さん
以前「weeksdays」では
「わたしとカシミア」に登場してくださった
カフェオーナーの高橋美賀さん。
東京の四谷四丁目で
MOON mica takahashi COFFEE SALONを
経営しています。
「ベトナムのかごの好きなところは、
とにかく可愛いところ!」という高橋さん。
全サイズをそろえ、小中はアウター用途で、
ほぼ毎日、店の買い出しで使っているそう。
「大は、収納で使っています。
汚れても洗えるし、すぐ乾く。
軽くて見た目よりたくさん入るので、移動もしやすい。
ベトナムに行ったときに購入したくても
買って帰れなかったので、
『weeksdays』で見つけたとき、
とても嬉しかったです」
自宅の部屋のクローゼットやベッドのところには、
ニットコートストール、
かさばるふんわりした冬物アウターを入れているそう。

▲ニット類。引き出しや収納ケースだと跡がつくし、
ざっくり収納していたいので。

▲ストール、ニット帽、グローブ類。見た目も可愛い。
選びやすいし一個にまとめてストックできて嬉しい。
そして、お店ではディスプレイも兼ねて、
エントランスや椅子の上に、
りんごなどの材料のストックを入れて。


▲どの使い方よりも、このりんごが、一番可愛い、と高橋さん。
「美味しい収納」ですね!
お店の近くに新宿御苑があるという高橋さん。
おやすみの日は、お弁当や本やコーヒーを
入れていくんですって。


▲散歩で。「この日は、コーヒーとおやつ、
八竹のお寿司を持って行きました」
おうちでも、仕事でも、室内でも、室外でも!
ちなみにその「八竹」に、
ベトナムのかごを持って行くたび、
「すてきなかごね!」って、
お店のみなさんが褒めてくださるんだそう。
「かご冥利に尽きる」と言えるかも?!
高橋さん、ありがとうございました。
裁縫道具を入れたり、花束を運んだり。
03210さん
大と小は玄関の物置きスペースに、
ミニサイズ2つは棚の下段にと、
全サイズを活用している03210さん。
日々のお買い物にもお使いだそうですよ。
「いいところは、丈夫なところ!
汚れたり濡れたりした時でも拭くとすぐに乾きますし、
シンプルな見た目で持ち歩いてもかわいい。
おうちのインテリアにも馴染みます」
と、03210さん。
大・小サイズは日用品や食材の買い物に、
エコバッグのように使っているそうです。
最初の画像は、冬服をクリーニング屋さんに
持っていった時のものだそう。
ここに、かさばるアウターやニット類が
バサッと入っているんですって!
たしかにこれだけ大きいと、中がわかりにくくって、
じょうずにかくせて、良さそうですよね。
そしてミニサイズ2つは、
それぞれ刺繍・編み物道具を入れて。

▲「棚の下段に入れている裁縫道具を入れたかごです。その日の気分で裁縫道具をかごごと持ち運べるので、とても便利です」

▲「裁縫道具を入れたかごをそのまま公園へ持っていくこともあります。ミニサイズはいろんな用途があって複数欲しくなりますね!」
それから、小サイズの使い道として、
03210さんが便利だと思うのが、「お花を入れること」。

▲「習い事のお花の教室へ必ず持参している小サイズ。
花束を入れるのにぴったりなサイズです」
たしかに、お花って、買って帰るときに、
どうやって持ったらいいのか、悩むことがあります。
これだったら、持っているすがたも、さまになりますね~。
03210さん、ありがとうございました!
ピクニックに行く機会が増えました。
yukaさん
ベトナムのかごの好きなところは、
シンプルな色と形なので、飽きずに使えるところだという
yukaさん。
白の大きいサイズをお使いです。
「大きいのに、置いていても
圧迫感を感じさせないところも気に入っています。
どんな服装や場所にも合うのに、
お手入れも簡単なので、
いろいろなところへ持っていきたいです」
そんなyukaさんは、
お子さんたちとのピクニックにも
ベトナムのかごを使っています。
というより、このかごを使うようになって、
ピクニックに行く機会が増えたんですって!

▲ピクニックには、敷物やのみもの、たべものをどっさり!
「今までは、何個ものバッグに分けていれていたピクニックグッズも、
ひとまとめにできて楽になりました」
ひとつのかごを、
いろんな用途に使っていますが、
ふだんは家のなかで、布製のエコバッグと新聞紙、
手ぬぐいを入れる用に。

▲家に置いている時のカゴの中。
でも、週に一度、まとめ買いに出るときには、
いったんカラにして、このかごを持って行きます。

▲「まとめ買いに重宝していますよ。
産直でお安くgetできたスモークツリーも、
こんなふうに持って帰りました」
yukaさん、ありがとうございました。
お子さんたちが大きくなったら、
必要なものを入れる整理かごとしても、
きっと役に立ってくれると思いますよ~!
ものづくりの友。
架谷フミヨさん
旅するアトリエ「traveling studio」を主宰、
編むこと、織ることに、
ハンドステッチやハンドペイントを組み合わせ、
インテリア小物をつくっている架谷フミヨさん。
ベトナムのかごには、
糸や編む道具を入れてお使いだそうですよ。

「ものづくり」が日常にとけこんでいる架谷さん。
道具入れとなっているベトナムのかごは、
いつも椅子の上に置いて使っています。
(編まない日があれば、クローゼットの上段に
仕舞っているんですって。)
「横長のデザインで間口が広く、
深すぎないので中のものが
取り出しやすいのがいいですね。
厚手のテープでしっかり編まれていて、
ものを沢山入れても型崩れしにくく、
しっかり自立してくれるところも」
おお、ものづくりの方らしいご意見です!
「常に糸や編む道具を入れていますが、
稀に編みあがったものを
ハンドキャリーする時にも使います。
底マチが約21cmあるので、
大きなポットマットもフラットな状態で運べ、
重宝しています」
なるほど、なるほど。
安定感ばつぐんなのも、このかごのいいところですものね。
仕事柄、繁忙期は一日中
編んでいることが多い架谷さんですが、
時々、仕事部屋のデスクから
窓際やベランダに移動し、
気分転換しながら編むことも。
「そんな時、このかごを運ぶだけなので楽ちんです」
ちなみに、架谷さんがお使いなのはミニサイズ。
名前はミニですが、たっぷり入る実力派なんです。
架谷さん、どうもありがとうございました!
ベトナムのかご
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
11月19日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
ベトナムのかご
販売するたびに人気のベトナムのかご。
洗っても乾きがはやく、
気軽に使えるところも使い勝手の良さです。
11月15日からは、
Instagramからご応募していただいた、
みなさんの「ベトナムのかごのつかいかた」も
ご紹介しますのでおたのしみに。

ベトナムではおなじみの
プラスティックのテープで編まれたかご。
市場や街で使い込まれた様子を見て
「いいなぁ」と思っていたのですが、
赤に黄色にネイビーと、
ひとつのかごの中にいろんな色のテープが使われていて、
とにかく派手。
現地で持つのなら、様になっていいのですが、
もう少し落ち着いた色合いがあったらと思い、
できたのがこちらです。
間口が広く、
入れたものは一目瞭然。
丈夫なので、本や器など重いものを入れてもいいし、
大きな方には、かさばるブランケットなどを入れても。
買いものに、ピクニックに。
‥‥あらゆる場面で活躍してくれます。
(伊藤まさこさん)
少し多めの買いものには。
買いもの袋が有料になることを知った時、
ちょっと不便だなぁと思いました。
もともと買いものには、
エコバッグやかご持参で行くことを心がけていたけれど、
不意の買いものもあるもので、
そんな時にお店がくれる袋には、
ずいぶん助けられていたのものですから。
そして、
買いもの袋の有料化がはじまった7月、
私は思い立ちました。
今まで当たり前と思っていた「便利」は、
当たり前ではない。
どこまで、袋を使わずにすむか
試してみようではないか、って。
バッグにはいつもエコバッグをしのばせ、
少し多めの買いものには、
weeksdaysのベトナムのかごを持っていく。
八百屋で大根を一本。
その後、パン屋に寄って、
明日の朝の食パンを一斤買う。
そうだ、花屋にも寄ろう!
夕暮れ、かごをぶら下げながらの買いものが、
今ではすっかり習慣づきました。
今週のweeksdaysは、
再販するたびに、反響をいただいているベトナムのかご。
コンテンツは、
今までに買ってくださった方々の使い方をご紹介します。
おおー、こんな使い方あるんだ!
なーんて新しい発見がたくさん。
どうぞおたのしみに。
「メリー・クリスマス・ショー」のこと。
僕は今年で25年目になるテレビマン。
まぁテレビマンと言っても局員でもなく
フリーランスでフラフラやっている間に
四半世紀が過ぎていったのだが、
例えばスポーツだって、下手でも
25年毎日やっていれば
インストラクターとか有段者になってるし、
喫茶店でも、ちょっとした名物がある老舗
ってとこだろう。
ふと自分の人生を振り返ってみると、
高校も辞めちゃったし、
長く続いたバイトも趣味もなかったんだから、
テレビの世界は僕に合っていたと言える。
だからここ10年はネットの世界に押されまくり、
息も絶え絶えになっているテレビを間近で見ていると、
やっぱり寂しい。
「あんなに元気だったのにねぇ‥‥」
なんて思いながら
世話になった先輩の病床で見舞いをしている気分だ。
だって僕は80年代の本当に
「キング・オブ・メディア」として君臨していた
テレビを観て育った。
莫大な金が動き、派手で面白い
「ギョーカイ」だったテレビ界のキラキラに
吸い寄せられるように、
生まれた神戸から東京にやってきたんだ。
そんな僕が中学生だった頃、
夢中になったテレビの1つに
「メリー・クリスマス・ショー」がある。
86年と87年のクリスマスイブに2年連続、
日本テレビから生放送された。
吉川晃司さんが桑田佳祐さんに
企画を持ちかけたことから始まったといわれ、
クレジットこそされていないが
山下達郎さんがブレーン的に参加した伝説のテレビ番組。
まず出演メンバーがエグい。
桑田さんを中心として、
司会の明石家さんまさんをはじめ、
松任谷由実さん、アン・ルイスさん、
鈴木雅之さんに中村雅俊さん。
吉川さんはもちろん、チェッカーズ、アルフィー、
忌野清志郎さん、鮎川誠さん、
BOØWY、ARBにCharさん、
山下洋輔さん、小泉今日子さん、
米米クラブにバービーボーイズなどなど‥‥
(86年・87年併記)
ここに書ききれないほどのアーティストが集まった。
またそのキャスティングは
テレビにほとんど露出しないロックスターから、
テレビで見ない日はないアイドルまで幅広く、
近年だと音楽とお笑いという違いこそあれど
「笑っていいとも!」最終回で、
タモリさん、さんまさん、とんねるず、ダウンタウン、
ウッチャンナンチャン、爆笑問題、ナインティナインの
奇跡の共演があったが、
あの熱気のまま一緒にネタをやっちゃうような興奮が
「メリー・クリスマス・ショー」にはあったのだ。
またそのパフォーマンスや演出も凝りに凝っていて、
出演者全員のメドレーによるビートルズの
「カム・トゥギャザー」に始まり、
クリスマスソングのスペシャルアレンジや、
今でいう「マッシュアップ」の手法で
クールファイブとビーチボーイズの曲をミックスさせたり、
ピアノにバケツで水をかけちゃったり、
演奏中にプロレスが始まり、
古舘さんが実況で煽る!
普段交わることがないビッグアーティストたちが
クリスマスを祝って一堂に会し、
目を見張るようなカッコいいお祭り騒ぎを
2時間たっぷり魅せてくれる。
「これがテレビだ!」と見せつけるような迫力を放った、
文字通り「特別番組」だった。
イブの夜、母の作った手巻き寿司を食べながら
ブラウン管から目が離せなかったことを思い出す。
「こんな楽しいことが東京にはあるのか‥‥
絶対に行きたいな」
あれから30年以上の月日が流れた。
そして現在、こんなテンションの番組はもうない。
紅白や音楽祭的な番組はあるけれど、全然違う。
ネットシーンにもない。フェスにもない。
時代の流れだと思う。抗えないとも思う。
でもどこかで、テレビじゃなくてもいいから、
あの興奮の当事者になりたい。
その情念が今日も僕を現場に向かわせるんだ。
クリスマスが近くなると
「メリー・クリスマス・ショー」が
脳裏にフルカラーで再生される。
幕が上がるのはいつだ?
餃子屋のトナカイと、かわいいコックさん。
台湾に長くいると、
日本では大騒ぎしていたクリスマスも
緊張感はかなり緩んでくるものです。
台湾では、デパートの立ち並ぶ商業エリアか
公共仕込みの広場の派手なイルミネーションが
ザ・クリスマスな感じなのですが、
それも春節まで2ヶ月近く使われ続けます。
他には、台北の路線バスの運転手が
会社支給のヨレっとしたサンタの衣装を身につけ、
チェーンの餃子屋では、餃子を焼くおばちゃんが
頭にトナカイの角をつけていますが、
自分がトナカイやサンタになっているのを忘れ、
いつもとわからないガサッとした接客をしています。
周囲がこの適当なクリスマスなので、
私もいつからか気合が薄れ、
人ごみのイルミネーションより
餃子を焼く台湾らしいトナカイに出会うことを
楽しみにするようになりました。
それでも子供の頃は
クリスマスが一大イベントでした。
クリスマスと言うと必ず思い出す、
毎年父が私をからかっていた出来事があります。
特にクリスマスの準備に張り切っていたその年。
部屋もツリーも一人で飾り付けをし
家の中にクリスマス会の目次を作って貼り出し、
母に好きな料理をオーダーしました。
自分で書いたその目次には、プレゼント交換もあって
母からプレゼント代をせびり
自分の欲しいものを家族4人分買い
インチキなプレゼント交換の準備も万端です。
父の帰りを待って会が始まるとすぐに
目次にある【みんなでクリスマスの歌を歌う】の通り
私はピアノのある部屋に移動し、
ジングルベルを弾き始めました。
「1、2の3、ハイッ!」
でも、誰も歌いません。
私は、寒い隣の部屋で
何度も「1、2の3、ハイッ!」と伴奏をやったのですが、
誰も歌わず、みんなは喋って食事を始めています。
やがて私は声を上げて泣き始めてしまいました。
「何日も前から張り出していた目次をなぜ見ていない!」
という私の言い分に対して、家族は
「突然ピアノを弾き始めたと思ったら、
急に一人で泣き出した。変な奴」と、
泣いて怒る私に大笑い。
それからクリスマスと聞くと、
父は「面白かったなぁ」と
他界するまで40年近く、毎年、私をからかいました。
ここにこうして書いていますが
今でも私にとって、全く面白くない話しであります。
そして私も親になり、今度は自分が
クリスマスというと息子をからかう思い出ができました。
息子が幼稚園で初めてのクリスマスのお遊戯会。
小規模な普通の幼稚園なのに
お台場みたいな都会エリアの会場を貸し切って、
子供が出し物ごとに貸衣装に3回も着替える
謎にビッグなイベントでした。
初参加だし、餃子屋のトナカイさんがいる世界から
誰がこんなに気合の入った会を想像しましょうか。
その時、直前まで日本に帰っていた息子はもちろん踊れず、
人生初のステージは、仁王立ちの大泣きで終わったのです。
当時の息子はデブで三頭身。
コックさんの衣装を着させられたら
絵描き歌の【かわいいコックさん】にそっくりでした。
舞台上で、困ってただ泣く息子の姿が可愛くて、
毎年思い出してはからかうようになりました。
これも、あまり長く言い続けると再来年くらいには
「そもそも練習させずに休ませたのは誰だよ」と
反撃されそうですが、私の答えはもう決まっています。
「ごめん、ママもこんな適当じゃない台湾初めてだった」
というのです。
再入荷のおしらせ
完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。
11月12日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。
BAGUETTE TOTE ENAMEL
持ち手はひとつ。
肩かけできるすっきりとしたフォルムが美しいバッグです。
ちょっと深めなこういう形ってなかなかない。
持っていると、
「どこの?」なんて聞かれることまちがいなしです。
エナメルの持つ、
上質で、軽やかな質感をたのしんでください。
(伊藤まさこさん)
DELIVERY TOTE ENAMEL(SMALL,MEDIUM)
白いシャツにデニムもいいし、
コットンのワンピースもいい。
これからの季節は、
ちょっとざっくりしたニットと合わせても‥‥。
一年を通して持てる、こんなバッグが欲しかったんです。
weeksdaysオリジナルは、
持ち手の端を内側にし、よりシンプルに。
それから、
バッグ本体と持ち手を留める金具を
シックなゴールドにして、
大人っぽい仕様にしました。
トートの大きさはふたつ。
用途に合わせておえらびくださいね。
(伊藤まさこさん)
洋菓子店のクリスマス。
私の実家は町の洋菓子店。
クリスマス、私もこの時期は手伝いに帰り、
チームコボリの一員になる。
まずは苺切りからスタート!
真っ赤な苺は、数えきれないくらいの箱が積み上げられ、
床に置き切れない分は階段を赤い絨毯のように彩っている。
町の洋菓子店としてはやや大きい方、
友人、知人、親戚も交えて総出で30人ほどで
作るケーキは、クリスマス前後の3日間で4500個を超える。
腰に背中にと、カイロを貼りまくりウルトラダウンを着て、
首には巻物をして出勤。
「おはようございまーす」
と、私が店に入るのは7時半くらい。
すでにスタッフのみんなは仕事を始めている。
工場の温度計は外とそう変わらない4度を示し、
吐く息は白い。
一日中、生クリームや苺を扱うので暖房は入れられない。
コンクリートの床にはダンボールが敷かれ、
少しでも暖をと。
当日の朝からでは間に合わないスポンジは
前日から焼き始める。
ケーキを入れる箱は、
数日前から天井まで届くような高さに
サイズ別に山積みになっている。
仕事は、普段からも分業で、
それぞれに持ち場があり、流れ作業となる。
早朝から苺を切る、クリームを立てる、
スポンジのスライス、クリームを塗り苺を挟む、
ナッペする(ケーキの表面にクリームを塗る)、
クリームを絞る、飾りをつける、箱に入れる、
冷蔵庫または店頭に並べる、
それぞれが一日中同じことをひたすら続ける。
時に集中力が途切れて、
苺やお菓子に手が伸びるけど(笑)。
最初の集中力が切れる頃、父がやってきて
炊き立てのご飯でお茶碗一杯のおにぎりを
スタッフの数だけ作り、朝早くからみんなに
「お腹、空いただろう」と配って歩く。
クリスマスに限らずの父の習慣で
家族のようなスタッフへの愛情なのだ。
ラジオからはクリスマスソングが流れ、
誰かが口ずさんだり、大笑いしたり、、、
手は止まることなく動いているけど、
和気あいあいな職場でいつもケーキを作っている。
この時期は、時折、
外からクラクションを鳴らす音が聞こえてくる。
店の前のバスも通る一車線ずつの道は、渋滞になり、
警備員の人が交通整理をしながら駐車場を振り分ける。
店頭では、開店から閉店まで
自動ドアはほぼ閉まることなく、
途切れることなくお客様へケーキのお引き渡しが続く。
そんな中、毎日何かしら差し入れをいただく。
「寒いからあったかい汁物持ってきたよー」と
炊き出し?! というくらい大きなお鍋にけんちん汁。
「風邪ひかないようにみかん食べてね」、
ケースでお茶や栄養ドリンクなどがどどどんと。
ありがたい。
そして工場はその日のケーキを作り終わると
窯にスイッチを入れ、翌日のためのスポンジを焼き始める。
ようやく背中に暖かい空気を感じる。
甘い香りに包まれながら早朝から夜遅くまで
ひたすらクリスマスケーキを作る。
喜んでいただけることを喜びとして。
父と今は亡き母が開いた町の洋菓子店は
一歩ずつあゆみ、弟夫婦の代に替り、
おかげさまで創業52年目となりました。
たくさんあるお店の中から、
クリスマスは「コボリ」のケーキだよね、
といつまでも町の人々に愛される洋菓子店であるように
苺たっぷりのクリスマスケーキに心からの感謝を込めて。
メリークリスマス!
25日の閉店後、家族揃ってケーキを囲み
ローソクを吹き消す。
これが、私のクリスマス!
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraのパネットーネを紹介します。
LESS by Gabriele Riva
& Kanako Sakakuraのプロフィール
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakura、
通称「LESS(レス)」。
東京の恵比寿に拠点をもつペストリーショップ。
ふたりのオーナーシェフ、
Gabriele Riva(ガブリエレ・リヴァ)さんと
坂倉加奈子(さかくら・かなこ)さんがタッグを組み、
2019年9月にオープン。
主軸とするパネットーネのほか、
見た目もうつくしいタルトも人気が高い。
●LESSのウェブサイト
●LESSのオンラインショップ
「どうしてこんなにおいしいの?!」
パネットーネを食べたことがある人も、
はじめて食べるという人も、
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraの
味にはびっくりします。
(じっさい、伊藤まさこさんもそうでしたし、
「weeksdays」のスタッフも、そうでした。)
たっぷり大きめのそのかたちは、
イタリア本国ほどじゃないにしても
(とっても大きいのがイタリア式なのです)、
むしろちょうどよくって食べやすく、
かつ「本場っぽさ」もある。
すっとあけやすいパッケージを開くと、
ぱっと立つあまい香り、
そして乳酸菌に由来する、自然で、
ふくいくとした醗酵の香り。
カットして口にふくむと、
しっとりとした質感と、複雑な柑橘のテイスト
(日本の柚子と、イタリア産のオレンジピール、
レモンピールを組み合わせているんですって!)。
表面にはアーモンド生地やあられ糖の、
ミラノ発祥といわれるクラストがちりばめられ、
サクサクと口のなかで、たのしい食感ではじけます。
そんなLESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraの
パネットーネを、「weeksdays」で
紹介できることになりました。
季節のいろいろな素材を使っているLESSですが、
今回、お届けするのは、
いちばんプレーンなタイプである、
「アグルミパネットーネ」。
イタリア産オレンジピールのほか、
レモンピール、日本の柚子ピールの
3つのフレーバーを使った、LESSのオリジナルです。
伝統的なパネットーネには
オレンジとレーズンが入っていますが、
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraでは
柑橘のみに絞り、常に3種類を合わせ、
爽やかさ・ビター感・果肉感のバランスを
考慮しながらつくっています。
そもそもパネットーネは、イタリアで食べられる、
クリスマスシーズンの発酵菓子。
その昔、祝日に食されていた“パン・デル・トン”という
リッチな配合のパンから来ていると言われ
(由来には、ほかにも諸説があります)、
飲み物との組み合わせは、
午前中ならエスプレッソやカプチーノ、
午後はシャンパンやプロセッコで、
そして夜はウィスキーやブランデー‥‥と、
シチュエーションによりアレンジしてたのしむ、
ということからもわかるように、
ホリデーシーズンを彩るのに欠かせないものなんです。
東京・恵比寿に店舗をかまえる
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraは、
一年中、おいしいパネットーネを提供するお店。
ふたりのオーナーシェフ、
Gabriele Riva(ガブリエレ・リヴァ)さんと
坂倉加奈子さんがタッグを組み、
2019年9月のオープン以来、
とても人気の高いペストリーショップです。
店名の由来は、
建築界の巨匠、ミース・ファン・デル・ローエの言葉
「LESS IS MORE」
(少ないことは、より豊かなこと)から。
無駄のない建築の美しさをかたる、このことばは、
「不必要なものを削ぎ落とし、
質の高い仕事を行い、提供する」という、
お菓子の世界でふたりが大切にしていることと
同じであるという考えから名付けたといいます。
このパネットーネは、
ミラノの郊外で町いちばんの人気店だった
パスティッチェリア(菓子店)出身の
ガブリエレさんが製造を担当。
生きた酵母のみで、
添加物や保存料・香料を使用しない
本物の発酵菓子です。
その酵母は、ガブリエレさんの生家から受け継いだ
パネットーネ専用の酵母。
ロンドン、ニューヨークと海外で経験を積んだ
ガブリエレさんとともに旅をし、
現在、日本で「醗酵」を続けているんです。
ここで、ガブリエレさんと坂倉さんのことを、
もうちょっと詳しくご紹介しましょう。
ふたりが最初に考えていたのは、
じつはパネットーネではありませんでした。
坂倉さんが考えていたのはジェラート専門店、
ガブリエレさんが考えていたのは
自身が得意とする、チョコレートの専門店でした。
ちなみにふたりの出会いは「先生と生徒」として。
ラスベガスのペストリースクールで教えていた
ガブリエレさんのもとで、
ジェラートの研修をうけたのが坂倉さんでした。
ジェラートだけでなく、
チョコレート、パネットーネ、
ペストリーにおける全ての分野で
高技術を持ったガブリエレさんの研修は
坂倉さんにとってすばらしい経験となり、
また、菓子作りに対する姿勢や哲学が
とても似通っていることから、
一緒に店をやらないかという話が上がったのだそう。
坂倉さんが、ふたりが繋がるきっかけになった
「ガブリエレさんのジェラート」でお店をやりたいと
考えたのも、自然な流れでした。
「それなら、夏はジェラート、
冬はチョコレートのお店をつくるのはどうだろう?」
と、最初は、そんなふうに計画をしていたんですって。
でも、日本の市場を考えてみると、
ふたり合わせて50年、という製菓の経験と知識をいかし、
日本にすでにあるジェラートや
チョコレートの専門店ではなく、
「これまで存在しなかったペストリーショップ」を
オープンしたいと考えるようになりました。
そこでメインのお菓子に
位置づけることになったのが、パネットーネ。
なにしろガブリエレさんには、
ミラノの生家から受け継いだ
パネットーネの酵母がありました。
ロンドン、ニューヨークと、
海外で経験をつんだ長い旅の途中にも
手放さなかったその酵母を、
日本でいかそう、ということになったのです。
生きた酵母のみで添加物や保存料・香料を使用しない
本物の発酵食品である
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraの
パネットーネ。
日本ではポピュラーなお菓子とは言えません。
でも、日本にはすでに発酵文化が根付いている。
きっとパネットーネは受け入れられられる!
とふたりは考えました。
そのアイデアはみごとに成功、開店1年で、
お菓子の好きな人のあいだでは、
“パネットーネと言えばここ!“
というイメージがうまれるまでになっています。
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraでは、
ほとんどのクリエイションは
ガブリエレさんの発想から生まれます。
パネットーネも彼だけの仕事。
(でももちろんテイスティングは共同で行ないます。)
坂倉さんは、ジャムや皿盛りのデザート、
イートインのドリンクのアイデアを担当。
また、できあがった作品を、販売する商品として
どのような形に仕上げていくか、
ポーションや価格、パッケージなども
坂倉さんが手がけます。
届いたとき、きっとびっくりしていただけると思いますが、
このパネットーネの箱は「発明」!
箱の中で傾いたりしないジャストなサイズ感で、
北海道のエゾマツの間伐材を使用した
100%の再生紙を使い、
しかも、高いデザイン性を持っています。

さて。
LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakuraの
パネットーネの特徴は、まず、
素材に、可能な限り、国産かつ旬のものを使うこと。
ただしナッツ類やチーズなど、
手に入りにくい素材はイタリア産を中心にしています。
冷凍フルーツやピューレは素材を補う役割程度にとどめ、
極力使用しません。
旬の国産の素材を使うことは、
自分達が今いる場所や国、
アイデンティティへの尊敬をもつことであり、
サスティナブルで、自然で、
質の高いものを使いたいという製菓職人としての思いから
選んでいるということです。

▲しぼんでしまうのを防ぐため、焼き上がったパネットーネは専用の機械で天井から逆さまに吊るす。この機械はLESSがはじめて日本に導入したのだそう。
パネットーネの良し悪しは、
酵母の健康状態が大きく関わるそう。
そのために、酵母に最適な温度や湿度を整える
毎日の種継(リフレッシュ)作業が必要です。
酵母は、人間のように温度変化に敏感ですから、
時には赤ちゃんのように
適温の温水に入浴させるんですって。
焼き上がったパネットーネは、
時間の経過と共に生地の中の素材同士が馴染んできます。
発酵過程で酵素の働きにより複雑な風味が生まれますが、
最初のフレッシュな状態では、
浅煎りコーヒーや紅茶、プロセッコ
(イタリア・ヴェネト州のスパークリングワイン)が
合う、といわれます。
すこし時間が経つと生地の質感に締まりが出て、
一体感が出ますから、
ブランデーやウィスキー、グラッパなどの
強めのアルコールと相性が良くなります。
ちなみに、クリスマス休暇のとき、
イタリアの人々は、パネットーネと合わせる飲み物を
1日のなかでも変えるそう。
午前中ならエスプレッソやカプチーノ、
午後はシャンパンやプロセッコ、
夜はウィスキーやブランデー。
そんなふうに楽しんでみるのもいいかもしれません。
ガブリエレさんと坂倉さんに、
お互いの「ここがすごいな」と思うところを
きいてみました。
「彼女のすごいところは、味覚。
そして即興でお菓子のプレゼンテーションを考え、
仕上げられることですね。
それから、唯一無二のオリジナルジャムを作ること。
製造からパッケージまで
オールマイティに仕事をこなすこと」(ガブリエレさん)
「毎日のように新しい商品作りをしていることです。
仕事の正確さ、清潔さ、
納得がいくまで何度も試作を繰り返すのも、
かなわないな、って感じます」(坂倉さん)
今の恵比寿のお店は、
最初のスタート地点だと思っているというふたり。
今後は製造とクリエイションだけに集中できる
ラボ(研究所)兼アトリエをつくるのが夢だそうです。
ガブリエレさんは、パネットーネだけじゃなく、
チョコレートも得意としているので、
そちらでも展開していきたいということでした。
クリスマスリースの 生産者のみなさんを紹介します。
ヒムロスギ
生産者|藤田英男さん
藤田さんの農園は
茨城県の北西部、
福島県との県境に位置する
久慈郡大子町にあります。
ヒムロスギは苗を作る段階で、
1メートルほどに生長するまでは畑に置いておきます。
それよりも短い状態で植えてしまうと、
冬場、食べるものがない野うさぎに
食べられてしまうから。
植林をして10~15年すると、
3メートルほどにまで生長します。
色は寒くなって霜が当たるまでは緑色で、
肥料も必要がなく、
「基本的にはほったらかしでOKなんですよ」。
でも、陽が当たらず密になってしまうと、
中の方が枯れてしまうので、
時折手入れをしてあげるということです。
藤田さんのところでは、現在5~6人で
栽培を行なっていますが、
需要がクリスマスのある12月に集中してしまうため、
全ての注文に答えきれないこともしばしばなのだそうです。
ブルーアイス
生産者|長山文男さん
長山さんは茨城県の常陸大宮市で
ブルーアイス、ブルーバード、
ロシアンオリーブなどを栽培しています。
ブルーアイスは12月に特に人気の植物ですが、
シルバーグリーンの細い枝は
シーズンを問わずアレンジに最適で、
一年を通して出荷を行なっています。
ブルーアイスは、3年で1メートル50センチくらいまで
生長する植物。
病害虫もなく、肥料も必要なく、
とても育てやすい木だそうです。
色は年間を通じてグリーン。
長山さん曰く
「ひなたよりも、ひかげのほうが
生育に向いているんです」。
たいへんなのは、植えたばかりの小さいものが、
土中のミミズを食べにくるイノシシに
堀り返されてしまうこと。
2011年の東日本大震災以降、
このあたりに猪が増え、
その対策がいちばんの手間だということでした。
自分をもてなす。
今年は、
旅に出ることもほとんどなかったし、
人と会うことも少なかったけれど、
でもその分、自分にじっくり目を向けることができた。
仕事の仕方や、
人づきあい。
家の中のことや、
家族のこと。
これからのこと。
窮屈な思いもしたけれど、
今まで立ち止まって考えることなど、
ほとんどなかったから、
それはそれでよかったこととしよう、
そう思っています。
早いもので、
もうすぐ12月。
ツリーを飾ったり、
チキンを焼いたり。
娘が小さな頃は、
そんなクリスマスっぽいこともしたけれど、
この頃は、年々ひそやかになってきています。
今年はさらに‥‥
と思うと、やっぱりちょっとさみしい。
今週のweeksdaysは、
おととし好評いただいたクリスマスリースに、
赤い実を足して、
かわいらしいリースを作りました。
それとともに、
私の大好物のお菓子もご紹介します。
いつもよりひっそり過ごす今年の冬。
リースとお菓子で、
自分をもてなそうではありませんか。
saquiの冬のコレクション、 岸山沙代子さんが解説します。 [3]
[3]ビッグスリーブブラウスと、
キャロットパンツ。
かわいいでしょう? このブラウス。
透け感がありますが、袖以外には裏地がついているので、
1枚で着ても問題ありません。
逆に、袖がほのかに透けることで、
かたちのかわいらしさに、大人っぽさが出ているんです。
実は袖のふんわり感を出すために、
ちょっとだけテクニックを使っていて。
それは、袖の内側の縫い目に沿って、
紐を通して、脇から吊るようにしているんです。
それで、ちょっと「つれる」感じで、
くしゅくしゅっと引っ張られ、袖がふんわりとなる。
それで立体的な印象を、強く生んでいるんですね。
この服、リモートに便利なんですよ。
モニターに映るとき、上半身に、
ちょっとした華やかさが欲しくなりますよね。
お客様のなかにも「リモート会議のときに着られる、
ちょっとあでやかなデザインのものがほしい」と、
そんなリクエストをいただくこともあって、
そんなとき、このブラウスはぴったりだなって思います。
私も最近、オンラインで英会話を受けていて、
先生に見えてしまうので、
それなりにきちんとするんですが、
コーディネートに気をつけているつもりが、
結局Tシャツしか映っていない、ということも。
アナウンサーのみなさんも同じかなって思うんですが、
このリモート時代、上半身にポイントがある服って、
とても便利だと思っています。
デザインの原点は、私が、
こういうクラシックなフワッとした
デザインが好きだということ。
しかも、そんなに派手ではなく、
“お嬢様”ぽくもならないよう、
ポッコリ膨らむ場所を、袖に近くすることで、
大人が着られるものにしています。
袖をきゅっと肘のほうに上げると、
また印象がかわって、かわいいですよ。
ボタンはくるみボタン、後ろはファスナー。
生地の素材は、綿56%・ナイロン31%・シルク13%。
着やすく、軽くて、気持ちのいいブラウスができました。
「ウールブレンドデニム」
という、経糸にウール、緯糸にポリエステルを使った
デニム生地でつくったキャロットパンツです。
いわゆるジーンズのデニムの印象とはちがうでしょう?
私は「きれいめデニム」と呼んでいるんです。
形状記憶をしているわけじゃないのに、しわになりにくく、
タックがなかなか消えないこともあって、
「きれいさ」が持続するんですね。
タックがぼやけてきても、
脱いだときに、ちゃんと掛けておけば大丈夫です。
身体のラインを気にせずに
穿いていただけるように考えました。
私自身が、ヒップが大きめなので、
そんな人でも快適に、動きやすいように、
それでいて、スッキリと見えますよ。
この生地は、イタリアの有名なテキスタイルメーカー、
ファリエロ・サルティ(Faliero Sarti)社のもの。
こうして使うには高価な素材だと思いますが、
この生地のおかげで、
きっちりと、メンズライクな印象を残しつつ、
レディースとしての機能性、うつくしさを保った
1本になったと思います。
(おわります)
saquiの冬のコレクション、 岸山沙代子さんが解説します。 [2]
[2]シルクワンピースと、
ツイードスカート。
絹100%の素材で、ワンピースをつくりました。
もとになったデザインは、2年前の春夏のワンピース。
今回のものは、秋冬の発表ですけれど、
オールシーズン、着られるようにしています。
丈は、長め。「長さが新鮮!」と
言ってくださる方が多いんですが、
まさしく、今っぽい感じを取り入れています。
目立つのは襟の形。
すっきり見せつつ、かわいらしい、
ノーカラーのVネックなんですが、
留めるとそのVはそんな深くないのが
おわかりいただけると思います。
前身ごろの、左右の胸と、腰につけた
4つのポケットも、デザインのアクセント。
ポケットがポイントになることで、
長いワンピースでも、間延びしない印象を生んでいます。
1枚で着てもとても気持ちのよい素材ですが、
細めのパンツを下に穿くのもおすすめです。
裾をボタン留めせず、フワッと開いて着ると、
裾さばきもよく、軽快な印象になります。
キャミソールを着て、パンツを穿けば、
前ボタンを全部開けるのもかわいいですよね。
タイツにスニーカーも合います。
寒い時季は、上にコートや
ロングカーディガンを羽織って。
ちなみに、このワンピース、
saquiでは完売をしていますので、
「weeksdays」だけの取り扱いとなります。
グリーンに、ちょっと茶色が混じった、
ツイードを使ったスカートです。
ここまで鮮やかなデザインのツイードは、
saquiでは珍しいタイプです。
英国のリントン社(LINTON)の生地で、
フリンジになっている糸や、リボンのような糸、
コードなど、いろんな糸を使って織られている、
世の中では「シャネルツイード」とも
呼ばれているものです。
見本を見たとき、クラシックなコレクションのなかに、
saquiにきっと合う! と、
かわいくキラッと光って見えたのがこのデザインでした。
デザインとしては、前身頃に大きめのポケット。
かわいいだけじゃなく、
これがあると、お腹ポッコリも目立ちにくいんです。
後ろは「riri(リリ=ハイブランドも使っている、
スイスの古いファスナーのメーカー)」のファスナーで。
かたちはストレートで、裾にはスリットをつけました。
おすすめの着方ですが、
このスカートが主役級になるので、
全体をシンプルに品良く、スッキリした感じで
まとめるのがいいかなって思います。
たとえば、タイツを穿いて、ショートブーツと合わせる。
上はグレー、黒、白などのシンプルなニット。
ブラウスでもいいと思いますよ。
靴は、小柄な方は、ヒールのある靴を。
ショートブーツや、
ロングブーツもかっこいいと思います。
私がなぜこのスカートを作りたくなったかというと、
パリに、好きなバッグデザイナーさんがいて、
その人がツイードのタイトスカートを穿いていて、
すごく、かわいかったんです。
タートルを着て、白、グレーか白っぽい感じの
ツイードスカート。
そして、ちっちゃいバッグを斜め掛けにしたスタイルで
接客してくださって、「何てかわいいの!」と。
そのとき「ツイードのストレートかタイトのスカートを
いつか作ろう! 普通なのに、かわいいものを」
って思ったんです。
それが、この生地と出会って、実現しました。
(つづきます)
saquiの冬のコレクション、 岸山沙代子さんが解説します。 [1]
岸山沙代子さんのプロフィール
きしやま・さよこ
大学の家政学部で被服を学んだのち、
手芸・服飾系の出版社へ。
働きながら「東京立体裁断研究所」に通い、
立体裁断を学ぶ。
別の出版社に転職後、伊藤まさこさんの担当に。
編集者歴10年を経た頃、
デザイナーになる夢をかなえるべく、渡仏、
パターンの学校へ通う。
パリでの3年を経て帰国、自宅をアトリエにして
「SAYOKO KISHIYAMA (サヨコキシヤマ)」名義で
自身のデザインによる服づくりをはじめる。
2016年「saqui」スタート。
そこから年に2回のコレクションを発表しつづけている。
●岸山さんについてくわしくはこちらのコンテンツをどうぞ。
[1]saquiの近況と、
フェイクムートン。
街の中にあったアトリエを、
緑の多いエリアに移しました。
都心からはすこしだけ離れましたけれど、
この環境に一目ぼれで。
内見のとき、伊藤さんに写真を送ったら
すぐに「ここに決めちゃいなさい!」って(笑)。
以前より面積が広くなり、部屋数が増え、
洋裁室、私の仕事部屋、ちいさなストックルーム、
そしてこの、すこし自由なスペースができました。
訪れたかたが「きっと創作意欲が湧きますね」と
おっしゃるんですけれど、じっさい、
以前もクリエイターの方が使っていたそうで、
たしかにそんな雰囲気を感じる空間です。
1階で、緑に囲まれていて、
晴れた日の木漏れ日が気持ちよく、
きれいな風が抜ける部屋なんです。
最寄り駅からはすこし歩きますが、
毎日、出勤するたびに
「ここに移ってきてよかった」と思っています。
saquiのチームは、ふだん、3人です。
役割分担は、私がデザイナー、
そしてパタンナーと縫製担当。
この3人で、サンプル制作からお直しまで、
ひととおりのことができます。
ブランドをつくって4年目、
会社にして2年目ですが、
やっと、そのかたちがととのってきました。
このコートは
ブランドとして「saqui」を立ち上げたとき、
最初の秋冬に作った形です。
ずっと人気で、毎冬、素材を替え作っています。
伊藤さんも、以前作った、
テディベアみたいな色の茶色いタイプをお持ちです。
この冬の素材は、フェイクムートン。
ウール72%、ポリエステル28%の混紡で、
saquiでは初めて使った素材です。
ふつうのムートンはベースが革ですが、
これはニットになっているんですよ。
だから、とっても軽い。
一見、重そうに見えると思いますが、じつは、
「saqui」のコートの中でいちばん軽いんです。
肩は、セットインスリーブではなく、
胸の切り替えのラインに揃えて、たっぷりと。
肩幅を気にせず、いろんな方に馴染みやすいかたちです。
「わたしは肩幅が広いから、着られません」とか、
「肩幅がないので、いつも、お直しをして詰めるんです」
というような方の悩みは、
このコートに関してはないはずです。
裏地は、袖口まで、総裏、キュプラ100%です。
ポケットのかたちもかわいらしく、
スナップも裏地で巻くなど、
こまかいところまで気を配ってデザインしています。
ここまでつくりこんで、
しかも珍しい素材を使っているのに、
どうしてこの価格が実現できたんですか、
という質問を受けるんですが、
最初のロットで
生地を安価に仕入れることができたからです。
今後、この価格でつくることが
できるかどうかはわかりません。
この色は「モーブ」と言います。
とても微妙な、ちょっと紫がかったグレー。
両方のいいところを受け継いだような色で、
私たちのトーンに、よく合う色だと思います。
「冬に映えそう!」という声もいただきました。
(つづきます)
saquiの秋冬の服
足どりは、いつにも増してかろやかに。
あったかいお茶がしみじみおいしいなぁ、
なんだかぐっすり眠れるぞ。
なーんて思っていたのですが、
それはどうやら気温のせい。
あんなに暑かったのに、
日に日にすごしやすくなってきて、
いよいよ、冬本番。
私の一番好きな季節がやってきました。
スープを作ったり、
本を読んだり、
ベッドの中でぬくぬくするのもいいけれど、
なんといっても一番のたのしみは、
冬ならではのおしゃれ。
この季節、
歩く足どりはいつにも増してかろやかに、
そして、気分も上々になるのです。
シルクのワンピースやカシミヤのケープ、
それからニット。
エナメルバッグに、ショルダーバッグ‥‥
weeksdaysでたのしむ秋冬のおしゃれ、
最後はsaquiのアイテムをご紹介します。
コンテンツはデザイナー岸山沙代子さんにうかがう、
アイテムごとの解説。
どれもそれぞれ魅力的で、
聞いていたらぜーんぶ欲しくなっちゃった。
じっくり読んで、
冬のおしゃれ計画を練ってくださいね。
Harrissのリバーシブルブルゾンを 着てもらいました。 [その2 母と息子編] 桑原有子さん・桑原尚朗さん
桑原家のプロフィール
お母さんの桑原有子さんは、
西荻窪で友人と「まめなとうふ店」を経営。
国産在来大豆と天然にがりを使い、
消泡剤を使わない豆腐や油揚げ、惣菜を販売している。
息子の尚朗(なおあき)くんは大学生。
「まめなとうふ店」の名前と
「まめに、まじめに。」というコピーは、
尚朗さんによるもの。
「地域の方にも親しんでいただけて、
いい店名と感じています」(有子さん)
ベリーショートがトレードマークの有子さん。
私が知るかぎり、
この髪型がこんなにも似合う人はいない!
と、断言するほどよくお似合い。
服もまたしかり。
いつもご自身にぴったりな着こなしをされていて、
会うたび、すてきだなぁ、
ご自分のことをよくわかっているのだなぁと
感心しています。
「いえいえ、そんな。
仕事柄(有子さんは西荻窪で
「まめなとうふ店」というお豆腐屋さんをされています)、
デニムとTシャツで済んでしまうから、
おしゃれをする機会もあんまりなくて」
なんだか緊張した面持ちです。
「いろいろ迷ったのですが‥‥」と、
最初に見せてくれたのが
ブルゾンにデニムのこのコーディネート。

(身長166cm・36サイズ着用)
黒のフラットシューズに赤いバッグ。
首には赤が少しきいたストールをくるり。
おしゃれをする機会があまりないとは言うけれど、
ちゃんとブルゾンを自分のものにしている!
聞けば、
「紫のキルティングのブルゾンを持っている」
とのこと。
そうか、キルティングブルゾンは
馴染んだアイテムだったのですね。

息子の尚朗(なおあき)くんは、
白のブルゾンにデニムを合わせてくれました。
「ベーシックで合わせやすかったので、
ふだんするかっこうの上に着てみました」。

(身長173cm・40サイズ着用)
ふたりで出かけることはあまりないというおふたりですが、
並ぶとさすが親子。
テイストが揃ってる。
今回、ふたりで相談したの? と聞いたら、
「ううん、あんまり。
でもかぶらないようにしようねって。それだけは死守」
ですって!

次に着てくれたのはネイビーのブルゾン。
ギャザースカートに、
襟元はパールのネックレスがちらり。
ワントーンコーディネート、いいですねぇ。

(身長166cm・36サイズ着用)
「パールはハタチになった記念に
親からプレゼントされたものなんです」
カジュアルなブルゾンが、
大人のおしゃれ着になりました。
足元はダンスコ。
「ダンスコが好きで、このパテント以外にも、
プレーンな茶色をよく履きます。
これはもう3代目」というくらい、
有子さんにとってなくてはならない
足元おしゃれの味方なんですって。
尚朗くんもおそろいのカラー。
ネイビーブルゾンに白いパンツと
白い靴を合わせました。
大学生らしい清潔感!

(身長173cm・38サイズ着用)
有子さんは、つるっとした面を、
尚朗くんはキルティングを。
こうするといかにも「おそろい」にならないのです。

最後は白のブルゾンを。

(身長166cm・36サイズ着用)
「白は新鮮でした」
という有子さんに、
「これが一番似合ってる」という尚朗くん。
(おふたりのやりとりを眺めながら、
息子もいいものだなぁ、としみじみ‥‥。)
「赤いスカートは、着物地でできているんです。
もう無くなってしまったんだけど、
西荻のお店で4年くらい前に買いました」

と有子さん。
ブルゾンから時おりのぞく、
スカートのサイドについたボタンがいいかんじです。
尚朗くんはグレーのブルゾン。
下に着るのは同系色‥‥? と思ったら、
ベージュのシャツ。
なんと撮影前にバイト先の方から
(尚朗くんは、私もふだんお世話になっている、
某男性誌でアルバイトをしているのです)
いただいたものだとか。

(身長173cm・38サイズ着用)
「これ、似合うからあげる、と言ってくれたのですが、
ブルゾンにも合うし、秋っぽい。
ジャストタイミングでした!」
千里子ちゃんのベストもそうでしたが、
安く手に入れたりお下がりを着たり。
若い子なりのおしゃれっていいものです。
ビルケンシュトックに合わせたのは、
黄色い靴下。
時々、こんな風に足元を派手にするんですって。

「バイト代は服と本で消えてしまう」という尚朗くんと、
「スカート、久しぶりに履きました」という有子さん。
おふたりに共通するのは清潔感かな。

撮影前、ふたりして髪を切りに行きました!
と聞いて、なんだかほのぼのしましたよ。
Harrissのリバーシブルブルゾンを 着てもらいました。 [その1 母と娘と父編] 「ZUBO」 カナヤミユキさん・新原千里子さん・ニイハラフクミさん
新原家のプロフィール
夫はニイハラフクミさん、
妻はカナヤミユキさん。
ふたりは1989年、ロンドンにてアートユニット
「ZUBO」を結成。
翌年帰国後、生活にかかわる全てのものをデザインし、
自ら何でもつくるべく、
イラストや木彫、家具製作などをはじめる。
娘が産まれた年の1999年、
屋号を「ZUBO D.I.Y. Laboratory」に。
店舗デザイン施工、ロゴデザイン、衣装デザイン&制作、
CDジャケットやポスターデザインなど多岐に渡る。
ふたりの娘である大学生の新原千里子さんは、
パリ留学からもどり、
現在、東京郊外で3人暮らしをしている。
●ZUBOのウェブサイト
●ニイハラフクミさんのInstagram
●カナヤミユキさんのInstagram
●新原千里子さんのInstagram
3サイズそろった
リバーシブルのキルティングブルゾン。
一番大きな40サイズは男性用です
(もちろん大きめに着たい女性にも!)。
カジュアルすぎないほどよさは、
大人の男性にぴったり。
このブルゾン、
男の人も女の人も、若い世代も‥‥
あらゆる世代の人に着て欲しいアイテムなのです。
そこで着こなしを見せて! とお願いしたのが、
ふだんから家族ぐるみでおつきあいのある新原家の皆さん。

(身長178cm・40サイズ着用/身長165cm・36サイズ着用/身長163cm・38サイズ着用)
大学生の千里子ちゃんは、
全身白でまとめてくれました。
「持っている服はほとんどが黒か白で、
あとは水色とピンクが少し。
この白いブルゾンに何を合わせようかなぁ‥‥
といろいろ考えたのですが、
全身白がいいかなって思って」
すっきり美しいコーディネートになりました。
上着を脱ぐと現れたのは、
ざっくりした網目の白いベストとカットソー。
色は1色だけれど、
素材の違いで変化をつけたんですって。

「ベストは家の近くのリサイクルショップで
300円で買ったもの」
300円?!
そういえば昨秋、
パリで(千里子ちゃんは、パリに留学していました)
会った時も、
スリフトショップなどで買ったバッグや服を
上手に組み合わせて、
おしゃれを楽しんでいましたっけ。
若い子ならではのこの感じ、好きだなぁ。

(身長165cm・36サイズ着用)
一方、母のミユキさんは黒のパンツでひきしめて。
下に着た生成りのニットは、
見ているだけで「よい素材」というのがわかる、
着心地よさげな質感。
大人のブルゾンの着こなしはこうでないと!
と思わせてくれる着こなしです。
「ふたりが全身白だから、バランスを考えてボトムを黒に」
とみゆきさん。
さすがちょっと引いた目線で見れるのは、
デザイナーならではです。
夫のフクミさんは、
ふだん内装を請け負ったり、家具を作ったり。
「着る服は基本、汚れてもいい服。
白い服を着ることはめったにないんです」
だから白はあこがれの色でもあるんですって。
今日はネイビーや黒中心のワードローブに、
少しだけまざった「白」を合わせてくれました。
キルティング面を出したり、
つるりとした面を出したり。
同じブルゾンも、着こなしによって、
ずいぶん印象が変わるもの。
ふだんはしないという、
「3人おそろい」。
すごくいいかんじになりました。
白いブルゾンを、グレーに変えるとこんなかんじ。
袖をたくしあげて、手首と白いニットを見せ、
前身頃を少し折り返して、
キルティング部分をちらり。
ニットとブルゾンの間はグレーのストールを。

(身長163cm・36サイズ着用)
「ストールで縦のラインを出すと、
全体がすっきり見えるんじゃないかな」
とみゆきさん。
なるほど!
こういうちょっとした着方、
なかなかできないものなのです。
フクミさんは、白からネイビーに。
白ではキルティング部分を出していましたが、
こちらはつるりとした方を。

(身長178cm・40サイズ着用)
合わせたのは白いニット帽。
ネイビーのジャケットを着た時のような、
ちょっときりっとした雰囲気に。
白もお似合いだったけれど、
ネイビーもいい。

3人の着こなしを見ていたら、
全部の色、欲しくなっちゃった。
税込5,000円以上配送手数料無料! 「weeksdays」は ほぼ日ストア送料無料キャンペーンに参加しています。
11月5日(木)午前11時から
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適用となりますので、
ぜひこの機会をご活用くださいね。
くわしくは、特設ページをごらんください。
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金万 今入幸江さん、多田薫さんにききました。
- ──
- 今入さんは、Harrissのデザインを
担当なさっているんですよね。
- 今入
- そうなんです。金万に入って28年になりますが、
ずっとデザイン畑です。
いまはHarrissのチームに3人いるデザイナーの、
まとめ役のような立場ですね。
ただ、金万の場合、
チームにパタンナーが不在で、
外部の人にお願いしてます。
これはこの規模のアパレルとしては、
珍しいことかもしれません。
これがなにを意味するかというと、
デザイナーとパタンナーが隣同士、
密なやりとりをして服をつくる、
というわけにいかないんですね。
つまり、わたしも、デザインに特化するわけにはいかず、
「外のかたとのやりとり」が増えます。
だからわたしは、デザイナー専任というよりも、
企画に近い立場で、外のパタンナーの方や、
通常はパタンナーが行なう、
たとえば縫製工場とのやりとりも行っています。
このやり方には、いいところがあって、
それは服作りを最初から最後まで
一貫して見られることなんですよ。
- ──
- 今入さんは、Harrissを、初期の頃から?
- 今入
- そうですね。
日本に来た時にメンズから始まったHarrissですが、
レディースもやりましょう、となったとき、
私が担当することになったんです。
- ──
- 次のシーズンはこうしよう、というようなことは、
どうやって決めているんですか。
いわゆる、デザイナーがトップにいて、
クリエイションを続けているタイプのブランドとは、
ちがうように思えるんです。
- 今入
- はい、誰かのクリエイションを尊重するというよりも、
チームでのミーティングありき、ですね。
デザインに入る前に、営業の多田と、
今シーズンどうだったか、
そういう話をしますよ。
- ──
- 多田さんはそこではどういう役割を?
- 多田
- 私は営業なので、取引先やユーザーの皆さんが
どういう動きだったか、反応はどうか、
そういったことを吸い上げて、企画に伝えます。
- ──
- なるほど、こういう色が好評だったとか、
こういう形が好まれたとか、
どういうことを期待されているとか、
そういうことを知ったうえで、
じゃ、次の展開はこうしましょう、という‥‥。
- 今入
- そうですね。
それからもちろん、リサーチも。
とくに、街を見ます。
ただ、このところ、自分で外に
ダイレクトに行くことが難しいですよね。
ですからこのシーズンは、
ネットのなかでいろんなところに出かけました。
それから、トレンドの予測も知っておいたほうがいい。
過去の予測が、いろんな国で、
どんなふうに展開をしているのかも見ます。
私の場合は日本の情報よりも、
海外のものが多いかもしれません。
ストリートの写真も見るんですよ。
- ──
- 意外! Harrissとストリートって。
- 今入
- (笑)そうですよね。でも、いろんなところを見ます。
それを知ったうえで、Harrissはどうあるべきか、
かたちをつくっていくんです。
- ──
- メンズの動向も見るんですか。
- 今入
- いまはレディースを中心にやっているので、
以前ほどはメンズの動向を見ませんね。
Harrissの商品の主流がフレンチ・トラッドだった頃は、
古い資料をふくめ、ずいぶん勉強をしましたけれど。
- ──
- そして、じっさいにデザイン画をつくるんですね。
- 今入
- はい。でも、いわゆる、
モデルが着用しているようなスタイル画ではなく、
洋服だけを、小っちゃい線画で描きます。
なぜかというと、そっちのほうが
チームのみんなに響くから。
ハイファッションではないので、
八頭身のモデルが着用しているようなスタイル画は、
なんだかピンと来ない感じになっちゃうんですね。
だから、たとえばシャツの絵を描き、
パンツの絵を描いて、組み合わせてみたり。
そうそう、顔と胴体と脚が別々になっていて、
めくって組み合わせる着せ替えの
絵本がありましたよね。
あんな感じですよ(笑)。
チームのみんなもそうです。
ただ、みんなはパソコンで描きますが、
私はいまもアナログ。手描きです。
- ──
- そうやってアイテムを決めていくミーティングは、
営業チームとデザインチームが合同で?
- 今入
- デザインチームはデザインチームで話し、
営業チームの意見は別に聞いて、
わたしがふたつのアイデアをドッキングさせ、
お客さんにフィットすることを模索しながら、
かたちに導いていく、という感じですね。
- 多田
- 営業の意見が、デザインを決めてしまう、
ということは避けたいんです。
たとえば「来季は膝は出さないのがトレンド」と、
営業が言ったら、デザイナーの創造性を邪魔してしまう。
ある程度、情報を絞って今入に伝え、
さらに今入から、みんなに伝えてもらうんです。
- ──
- Harrissには、いろんなタイプの服がありますね。
定番的に、カジュアルに使える服もあれば、
ちょっとトレンド的な、
おしゃれの部分が強い印象のものも。
- 今入
- じつは、Harrissのなかに、
いくつかのカテゴリーがあるんです。
ちょっとカジュアルで、デイリーなもの。
ちょっとメンズライクなもの。
定番的なもの。
そしてメインとなる、
ちょっときれいめのもの。
なぜそういうカテゴリーをつくったかというと、
メインのきれいめだけで合わせると、
「いったい、どこに行くの?」と言われそうな、
よそゆきすぎる装いになることがあるんです。
だから、カジュアルのものを合わせていただくことで、
全体のトーンとして、デイリーに着られるものになる。
そういうラインナップを目指しています。
- 多田
- カジュアルなラインは、ネームも変え、
ちょっとシンプルなロゴにしているんですよ。
ブランド名は同じですが、手に取るとわかります。
- ──
- 気づきませんでした!
- 今入
- 今回の、リバーシブルなブルゾンは、
ネームが表に出ていないんです。
だからわかりづらいんですが、
そんなふうに分けているんですよ。
- ──
- なるほど、こちらはブロック体のロゴ、
いつものHarrissは筆記体ですね。


- 今入
- ブロック体のHarrissは、
定番的なもの、メンズ的なもの、
ワークやミリタリーなど、
そういうキーワードで、
オリジナルのHarrissと一緒に着られるよう、
あわせてつくっているラインですね。
オリジナルのHarrissだけだと、
ちょっときれいめすぎる、
っていうお客さんもいらっしゃる。
古くからあるブランドなので、
長いお客様も多く、
そういう皆さんにも、着回しができるようにと
考えているんです。
- 多田
- なかには、ブロック体のHarrissのファン、
というお客様もいらっしゃいますよね。
ベーシックなものがお好きという。
- 今入
- そうなんです。
- ──
- さらに、HARRISS GRACEがあるんですね。
- 今入
- HARRISS GRACEは、もうちょっとトレンド的で、
楽しむためのお洋服というラインです。
- ──
- それでは、今回の、
リバーシブルブルゾンについて聞かせてください。
これは、あたらしいデザインですよね。
- 多田
- はい、今季の新型です。

- ──
- 展示会で、伊藤さんの目が、パッと留まって。
「これ、いいな」って。
- 今入
- あの時、一緒に歩いていた私もそう思ったんです。
いきなり「あっ、これ!」って。
伊藤さんって、スポーティな装いの印象が薄いんですが、
これは、スポーティなのにエレガントで、
なるほどって思ったんです。
たぶん、襟がついていたら、違ったんだと思います。
- 今入
- おっしゃった通り、襟を付けると、
スポーツのフィールドブルゾンの印象になりますね。
この襟が、ちょっと丸っこいんだけれど、
ちょっとVも意識しているんです。
角度が絶妙で、これは着用するとわかる。
抜けて着てもかわいいし、
きっちり着てもかわいい。
Vが深いとまた違うんですが、
Vだけれど優しい感じが出て、
着た時に背中にも丸みをおびて、
ちゃんと豪華にもなる印象がある。
そういうところに惹かれたのかなと思いました。
- ──
- しかも、エイジレス。
スポーティすぎると、年齢高めのかたは、
ちょっと着づらくなりますが、そうはならない。
- 今入
- 私ぐらいの年齢でも、着られます!(笑)
- ──
- しかもユニセックスのサイズ展開ですね。
- 今入
- 男の人も着られます。
- 多田
- こういう中綿ブルゾンの需要って、
すごくあると感じているんです。
暖冬の影響で着る時期が長くなっていることもあり、
薄手の防寒着が重宝する。
ちょうどいいものが作れたなと思っています。
- ──
- リバーシブルにしたのはなぜですか。
- 今入
- それはもうね、私たちも、
1つで2つの用途っていうのがすごく好きなんです。
- 多田
- そうそう、好きなんですよ。
Harrissのお客様も同じです。
- 今入
- Harrissには、リバーシブルだけじゃなくて、
前・後ろに着られるとか、ありますよ。
着方が2つあるって、やっぱりうれしい。
- 今入
- ちょっと表情が違うでしょう?
キルティングがわかる着方と、
さらっとした着方と。
しかも防寒にも着られる。
ちょっと袖も長めにつくってるので、
あえて折って着てもらうと、
また表情が変わりますし。
- ──
- だから、あえてボタンを袖に付けず。
- 今入
- 着やすいでしょう?
身頃もスナップで、リバーシブルにできます。
- ──
- リバーシブルテクニックがすごいですよね。
ポケットが両方使える!
ということは、内ポケットとしても使えるから、
便利ですよね。
手ぶらで出かけられますよ。
- 今入
- 身軽な感じですよね。
- ──
- 中綿はポリエステルで、
薄めに感じますけれど、
いま、寒いところは車移動ですし、
都市部も、交通機関はあたたかですし、
そもそも暖冬ですから、
ちょうどいいような気がします。真冬でも。
- 今入
- たとえばニットを着たいじゃないですか、冬になると。
なのに、厚手すぎるものを着ると、汗をかくほど暖い。
このブルゾンは、サイズ感がたっぷりしているので、
ニットと合わせても着られ、
暖さもちょうどよくなりますよ。
- 多田
- 首周りは、ストールやマフラーで
調節していただければすっきりと。
- ──
- 風も通しにくい。
- 今入
- 高密度の素材で、風も通しづらいですし、
弱撥水ですから、小雨ぐらいは気にせず
着ていただきたいです。
- ──
- Harriss的にはどんなコーディネートを勧めますか。
- 多田
- ちょっと女性らしく着るんだったら、
ワンピースにふわって羽織ったり。
もうちょっと動きやすく、だったら、
パンツもいいと思います。
そのときは、ブルゾンがふかっとして
シルエットの雰囲気があるので、
すっきり目のパンツがいいかも。
意外かもしれませんが、きれいめでもいけるので、
足元にパンプスでも合いますよ。
で、中にニットとか。
タートルが見えるのも素敵ですよね。
- 今入
- すっきり系のデニムを履いてもいいですよね。
- ──
- じゃ、持っている服が使えますね。
- 多田
- 使えますよ。
たっぷりしてるから、
長い丈のものを裾から出して着ても、
バランスが取りやすいです。
- 今入
- すごくベーシックだし、
サイズ感も大きいので、
ずっと着ていただけると思います。

- ──
- 伊藤さんセレクトの3つのカラーがあるのも
とてもいいですね。
どの色を選んでも、ストールやインナーで
また印象が変わるので、
いろいろ楽しめそうです。
- 今入
- 手洗い可能で、お家で洗えますから、
この秋冬から、たくさん着ていただけたらと思います。
- 多田
- 白は汚れが、と気になるかたにも安心ですよ。
春先になった時に、
ダークなコートはもう着たくないけど、
気分は春で、でも寒いのは嫌、
というときにも、ぴったりです。
- ──
- そうですね! 今入さん、多田さん、
どうもありがとうございました。
Harrissのリバーシブルブルゾン
娘とふたりで。
寝室を少し改装して、
小さなウォークインクローゼットを作りました。
そこに置いたのは、季節の服。
コート、ジャケット、ワンピースと、
見やすいようラックにかけて、
色別に(といっても、そのほとんどが
ネイビーか黒なのですが)分けて、
ああ、すっきり。
ここに新しくくわわったのは、
娘と私が一緒に着る服のラック。
あんなに小さかったのに、
今では同じ服が着られるくらい成長したのでした。
不思議なもので、
同じ服でも私が着るのと、娘が着るのとでは、
雰囲気はまったく変わる。
年も背の高さもずいぶん違うから、
あたり前といえばあたり前なのですが、
「そういう着こなし方もあるんだ!」
なんて新鮮な目で見ることができるのです。
今では服をえらぶ時、
これは一緒に着られるかな? なんて
思うようになったくらいなんですよ!
今週、weeksdaysでご紹介する
Harrissのリバーシブルブルゾンも、
私たちが共有している1着。
幅広い年代の方に愛用していただける
アイテムではないかなぁと思っています。
コンテンツは、
私の友人家族に登場していただきました。
お母さん、娘、息子、お父さん。
見ていてたのしく、
着こなしの参考にもなる、
もりだくさんの内容になっています。
どうぞおたのしみに。
カシミア。 [3]五十歳になったとき
様々なカシミア製品が、
世の中に出回るようになってきて、
選択肢が増えたのはとても喜ばしい。
五十歳になったとき、前々から欲しいと思っていた、
某ブランドのカシミアのストールを購入した。
ストールというと、定番色の他は、
チェックなどが多かったのだけれど、
着物のときに巻く無地のものが欲しかった。
あれこれ探した結果、
そこにしか私の欲しい色がなかったのである。
それはストールとしてはあまりに高価で、
気軽にほいっと買えるものではなかった。
しかし他の欲しいものをぐっと我慢して、
五十歳の誕生日に購入した。
カシミアはマフラーでもうれしいのに、
それがストールとなると、ぽーっとするほど美しかった。
私が購入したのはサーモンピンクで、それを巻くと、
老いを感じるようになった顔に元気を与えてくれた。
感触のいいものが大好きなうちのネコも、
それを取り出すとやってきて、
ごろごろと喉を鳴らしながら、
ストールに体をこすりつけようとするので、
ネコが寝ているときにこっそりと取り出しては、
眺めたり触ったりして、うっとりしていた。
カシミアのいいところは、
やはりあの品のいい艶と手触り、軽さと温かさだろう。
歳を重ねると身につけるものの重さがとても重要になる。
好きで買った洋服でも、重いと感じるようになると、
袖を通さなくなる。
その点、カシミアは最適な素材なのだ。
冷房で体が冷えないように、
夏でも薄手のカシミアの半袖セーターを
着ている人もいると聞いたことがある。
防寒用だけではなく、オールシーズンになってきたようだ。
私の持っているカシミアのアイテムは、
寒い時季のものばかりだが、
どれも購入してから十数年から三十年以上、
経っているものばかりである。
ジャケットやコートだったら、
着た後に裏返して風を通し、
しまうときに表に返して全体にブラシをかければ、
シミなどをつけない限り、クリーニングをする必要もない。
年々、カシミアからは離れられなくなっているのである。
カシミア。 [2]柔らかい光
小学生のカシミアとの出会いから、
私にとってはカシミアは憧れの素材だった。
しかしどちらかというと色合いも地味めだったし、
価格もOLにとっては高価だった。
といってもぬめるような手触り、美しい艶、
軽さはずっと頭に残っていて、
いつかはお金を貯めて
カシミアのマフラーを買おうと考えていた。
そして三十歳を過ぎたときに、
はじめてカシミアのマフラーを買った。
デパートの売り場には、
キャメル、グレー、紺、
白とベージュのチェックなどがあり、
そのなかで冬に着るウールモッサのコートと
同色の紺を買った。
紺といっても艶があるので、
コートの衿もとに柔らかい光を加えてくれた。
柄がない無地のマフラーなのに、会った人は、
「そのマフラー素敵」
と褒めてくれた。
毎日首に巻いていたので、
汚れるのが気になったのだけれど、
汚れがほとんどつかないのには驚いた。
昔、母親が、
「素材のいいものは汚れがつきにくい」
といっていたのを思い出した。
今から二十年ほど前だっただろうか、
カシミアというふれこみで、
パシュミナのマフラーやストールが
大流行したことがあった。
価格も信じられないほど安く、
すぐ皺になってしまうようなものもあった。
色もこれまでになかったパステルカラーがほとんどだった。
すると知り合いが、
「あれは厳密にいうとカシミアとは別のもので、
本当のパシュミナとは違う」
と教えてくれた。
カシミール地方云々という説明を聞いたものの、
ほとんど忘れてしまったが、
多くの女性たちはカシミアのストールを
身につけていると思っていたのだろう。
私にとってカシミアはその美しい素材感も含めて、
ふだんは手が届かないものだった。
働くのをがんばってやっと一枚、
手に入れるようなもので、
三枚いくらで買うようなものではなかった。
最近は質のいいものが
手頃な価格で売られるようになってきた。
カシミアが手に届かない時代を過ごしてきた私からすると、
とてもうらやましいのである。
カシミア。 [1]小さな玉巻の毛糸
私がはじめてカシミアというものの存在を知ったのは、
小学校の高学年のときだった。
小学校に入学する頃から、
母親に編み物を習っていたのだが、
最初に私に渡されたのは、
古いセーターをほどいて洗い、
それをまた玉に巻き直した再生利用の毛糸だった。
最初は編むのが楽しいので、
まっすぐではなく、ちりちりが残っている
ラーメンのような毛糸でも平気だったのだが、
だんだん新しい毛糸で編みたい!
という気持ちがわいてきた。
しかし母は合繊の毛糸は買ってくれたものの、
純毛の毛糸は家で再生したものしか、渡してくれなかった。
それが、私が本気で編み物をしたいとわかったらしく、
輸入毛糸店に連れていってくれたのだった。
店に置いてあったのは、
これまで見たこともない毛糸ばかりだった。
興奮しながら棚を見ていくと、
ふわふわの薄いグレーの毛糸に目が奪われた。
どうしてもその糸でマフラーが編みたくなり、
母親にそういうと買ってくれた。
そのフランス製の毛糸は、
ウールとアンゴラの混じった糸で、
その柔らかさといったらなかった。
買ってもらってうれしかったのだけれど、
店内で別格扱いで飾られている、
小さな玉巻の毛糸に目を奪われた。
茶色、紺色、グレーといった色が並んでいたが、
その美しい色と艶で毛糸が輝いていた。
私がじっと見ていると母親が、
「それはカシミアという高級な毛糸で、
私も編んだことがないのだから、
あなたが編むようなものではない」
といった。
小学生にはもったいない
フランス製の毛糸を買ってもらったので、
私は納得したけれど、
いつかはあの美しい糸で編んでみたいと憧れた。
フランス製の毛糸で私が編んだマフラーは、
五十年以上経ってもまだ手元にあって、
冬になると私の首を温めてくれている。
しかし飾ってあったカシミアの糸で編む夢は叶わなかった。
あのときの自分だったら、
小さくて美しいカシミア毛糸で何を編んだだろうかと、
この歳になってもまだ思い出しているのだ。


