きっかけは「ほぼ日手帳」
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拝見するのをたのしみにしていました。
かわいい表紙ですね! |
| 鈴木 |
ありがとうございます。
表紙は自分で刺繍したものを使ってるんですよ。

▲表紙には、海花さん手作りの羊毛ししゅうで、
擬人化された虫たちが。かわいい!
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すごい、素敵です。
じゃあまず、この本を出されたきっかけから
あらためてうかがえますか? |
| 鈴木 |
いつか自分なりの虫観察の本を
作りたいというのはずっと思っていたんです。
ただ、こういう本って、
出版にこぎつけるのはなかなか
むずかしいだろうなと思っていたので
自分では、すぐにどうしようとかまでは
まったく考えてなかったんですね。
虫観察の本といっても、
昆虫採集とか、サイエンス系の虫の本ではないですし。
それが、去年「ほぼ日手帳」に
虫の観察記録をつけはじめて、
この手帳を知り合いの編集者が見て、
これはぜひ本にしたらいいよ、って
勧めてくれたんです。
だから、きっかけといえば「ほぼ日手帳」ですね。
こうして本ができたのは
手帳につけた虫の観察記録があったから。
そのくらい「プレゼン力」みたいなものが
この手帳にはありました。
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女性がたのしむ虫の本って、
あまり類書はないでしょうか。
そもそも、虫が好きな女性が珍しい?
本の最初にある「はじめに」の文章にも、
「虫好き大人女子はけっこう孤独だったりします」と(笑)。 |
| 鈴木 |
そうなんです(笑)。
でも、よく虫の観察に
都内の植物園や公園に行くことがあるんですけど、
そうすると20代、30代の女性が
けっこうひとりでいらしてるんですね。
わたしが樹のそばで虫を見ていると、
「なにかいるんですか?」と
声をかけてくださるかたもいて。
「へえ、こんなところに
こんなのがいるんですね」って。
虫って、虫と聞いただけで「ほんとにダメ」という人と、
すごいマニアックな昆虫好きの人と、
極端にわかれていると思うんです。
でも、わたし自身は、そのあいだの層。
編集担当のかたが本の紹介文に
「文系『女子目線』」と書いてくださったんですが
珍しい虫を追いかけて昆虫採集に行くような、
がむしゃら力づく系ではないんです。
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なるほど。 |
| 鈴木 |
あくまでも、自分の回りで、
近くに寄ってみると何かが見えてきて、発見があって。
そういう喜びが自分のなかにあるので
それを表現してわかちあえれば、と思ったんです。
不思議だねとかきれいだね、とか、
ひとといっしょに喜ぶのが好きなんですね。
なんでもそう。
たとえばおいしいものがあって、
それがひとつしかなかったとしたら、
ひとつ全部自分で食べるよりも、
みんなでわけて食べるのが好きなんです。 |
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去年取材でおじゃましたときにも、
みんなで大騒ぎしてしまいましたけど、
見せていただいた虫の写真が
なんだかすごくかわいいんですよね。
近くに寄ってみたら、
虫ってこんなにかわいいんだ、
というのにまずびっくり。
しかも、都内の庭や公園に
これほどいろんな虫が来るなんて
まったく知りませんでしたし。
ご本のタイトルに「虫目」とあって、
「自然のディテイルの美しさ、おもしろさが
発見できる目のこと」
と帯に説明がありますが、
虫に限らず、「虫目」で世界を見ると、
発見がいっぱいありそうですね。 |
| 鈴木 |
そうなんですよ。
そういうたのしみって、都会に住んでいる人でも
多いにあるんじゃないかなと思うんです。
わたしの場合は、10年以上虫を観察してきたら、
なんとなくたまったものがあって、
男子の虫好きとはちょっと違うんだけど、でも
わたしとしては日常でたのしんでいて、
こういうたのしみかたもアリじゃないですか、って(笑)。 |
2010年はカズンで虫の観察日記。
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| ーー |
「ほぼ日手帳」のオリジナルに
虫の観察日記をつけはじめて、
「2010年はカズンにしよう」と、
昨年からおっしゃっていましたが、
実際に使ってみて、いかがですか? |
| 鈴木 |
もっと貼りたいなという気持ちがずっとあって
カズンならもっといっぱい書けると思ったんですね。
冬の間、虫の観察そのものは少しお休みなので
今、どんなふうに使っていこうかなと
試行錯誤しているところなんですが、
何よりカズンのこのカバー、
ほんとに気にいっているんです。
この微妙なメタリック感が、
わたしの虫の好みにドンピシャなんです(笑)。

▲一目惚れした「ゴールデンブラック」
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ちょっとお試し中のページを見せていただくと‥‥

▲2010年版のカズンと2009年版のオリジナル |
| ーー |
わぁ、やっぱり貼る量が違いますね! |
| 鈴木 |
カズンは紙面が大きいので、
いろいろ可能性があるんじゃないかなと思って
試しているところなんです。
虫に関する切り抜きとか、
植物も好きなのでその写真とか、
虫の観察以外のことも
書いたり貼ったりしたいなと。
あと、わたしの虫の観察には
おいしいものも切り離せないんですよ。 |
| ーー |
あ、それは去年の手帳にも貼られてましたね。
虫たちの写真のそばに、おいしそうな甘いものの写真が(笑)。 |
| 鈴木 |
あの、「虫養い」ということば、
ご存じですか? |
| ーー |
むしやしない? |
| 鈴木 |
小腹がすいたときにちょっとなにかお腹にいれて、
腹の虫をおさめることを、
「虫養い」というそうなんです。
関西のほうでは、今でも使われているそうなんですけど。 |
| ーー |
ああ、腹の虫!
へええ、虫養いというんですね。 |
| 鈴木 |
去年はおやつの写真も
ページのなかで遠慮しながら貼っていたんですが、
カズンには虫養いのコーナーも作ります。
虫と、おやつと、植物と‥‥。
それでね、カズンは紙面が広いので、
いろいろなことを書いたり貼ったりすると、
ごちゃごちゃしてしまいそうなので、
このハンコを使ってエリアを分けて
使おうと思っているんです。

▲写真のハンコはクモのモチーフ。
ほかにもいろいろあります。

▲内側の大きなポケットには、好きなお菓子の能書きが。
「カズンはとくに懐が深くていいですね。
手帳を開けばここにあるという安心感があります」 |
| ーー |
昨年お話をうかがったときは、
虫の観察日記をつけはじめて2カ月目くらいのころでした。
1日ページがあって、時系列に記録していけるところが
虫の観察日記にぴったりとおっしゃっていましたが
その後も使いつづけてこられて、いかがでしたか? |
| 鈴木 |
そうですね、ほんとに
この手帳のいいところって、
自分で使っていてあらためて実感することが多いです。
まさに、どこを開いてもパタンと開くところとか。
こうでなければ、写真を貼ったりしようとは
考えなかったと思いますから。 |
| ーー |
なるほど。 |
| 鈴木 |
気持ちよく開けるので、
白いページを前にして、いろいろ思い描けるんです。
ページが「ウェルカム!」って、
迎えてくれる感じがするんですよね。 |
| ーー |
考えてみれば「手帳」に何かを貼るという発想は
スケジュール管理に使う手帳だったら
あんまりないですよね。
でも「ほぼ日手帳」を使ってくださるかたは
いろいろ貼ってくださっていることがほんとに多いです。 |
| 鈴木 |
この手帳の作りが、
自然とそういう行為を呼ぶんじゃないかと思いますよ。
「こう使わなきゃいけない」ということがない、
いい意味のゆるさがあって、
でも、ベースメントがしっかりあるから、
使う人それぞれが、ここで
自分がやりたいことをできるんだと思いますね。 |
| ーー |
そうかあ。励みになります。
この手帳のよさって、使ってくださっているかたに
教えていただくことのほうが多いんです。 |
| 鈴木 |
わたしもたぶん、紙が裏写りするとか、
開きが悪かったりしたら、この手帳に
虫の観察日記をつけることはなかったと思うし。
でもやってみると、すごくたのしくて。

▲「虫の観察日記」の七つ道具。
自宅での撮影はデジタル一眼レフ、外での撮影は
フットワークのいいコンパクトカメラで。
手帳に観察日記をつけはじめるまでは、
それまでに撮りためた何万枚もの
虫の写真も整理しないままでただ保管してあって。
こうやって、出力したものが手帳に貼ってあると、
いつでも開くとそこにあるので、とても便利。
でも、貼ることだけじゃなくて、
書いておくということもそうですよね。
やっぱり書いておくことって
ほんとに大事だと思うんです。
書くことで記憶に残るし、
手帳を開けばそこにあるという安心感もあるし。 |
| ーー |
編集のお仕事をされているから、
実感される部分もあるんでしょうか。 |
| 鈴木 |
そう、取材のときとかでも、
録音しながら、かならずメモを取ります。
今、音声も写真もすべてデジタルになってますけど、
紙に記録しておくことは大事だなと思うんです。
去年の手帳を見返して、
ああ、去年のこの時期にカメムシ見つけたなとか、
あの虫はそろそろかな、とか‥‥
自分が見てきた春から秋までの虫たちが、
この1冊に記録されているのは
すごくいいなと実感しますね。
これを何年間か続けていけば、
データとしてもかなり役に立つだろうなと
たのしみにしているんです。
自然観察をしていると、
季節による変化がとっても大事なんですよ。 |
| ーー |
自然観察ではありませんが、
手帳に登山の記録をつけているかたが
去年のこの季節、あの山に登ったときは
こういう気温だったとか、
じゃあ装備はこうしようとか、
以前の記録が役立つとおっしゃってました。
それから、サーフィンの日記をつけているかたも
手帳を見返して、
去年の今ごろはこういう波だったとか。 |
| 鈴木 |
そう、自然の好きな人には
時系列の記録は役に立ちますね。 |
| ーー |
春めいてきたので、
虫の観察もそろそろ本番でしょうか。 |
| 鈴木 |
そうですね。
これからどんどん暖かくなって
たのしみな季節です。 |