ほぼ日 |
今回、先生に監修していただいた
「ほぼ日カロリーブック」は、
どういうことを意識して見ると良いでしょうか? |
竹内先生 |
やっぱり毎日の生活で
いろんなものを食べるから、
それがどのぐらいのエネルギーがあるのか
覚えていくと、
こっちよりこっちを
選んだほうがいいのかな?
という意識が自然と出てきますよね。
きっちりと1日で摂った
カルシウムの量をチェックしたりするのは
大変かもしれないけど、
こういったカロリーブックを見て、
1日分のカルシウムを摂るんだったら、
自分だったらどういうパターンで
摂ればいいのかとか、
いろいろなパターンを見ながら考えるだけでも
違うと思います。 |
ほぼ日 |
1日に必要なエネルギーや
栄養素の目安って、
年齢やどんな仕事をしているか、
あと体重との関係があると思うのですが、
何か指針になるようなものがあったら
教えてください。 |
竹内先生 |
厚生労働省のホームページで、
1日の食事の摂取基準が示されて
いますよ。
栄養素の指標は、全部の人が
それを摂れば足りるところで
決めているんですけど、
エネルギーについては平均値になっています。
1日に必要なエネルギー量は、
性別や体の大きさ、運動量でも違うし、
筋肉量でも違う。もう個人個人ですね。
だから、あくまでも摂取基準というのは
エネルギーについては目安なので、
自分がどれだけ食べたら太るのかというのを
自分で覚えることが大事になってきますね。 |
ほぼ日 |
指標の通りにしようと神経質になりすぎない、
ということですか? |
竹内先生 |
みなさんわりと、エネルギーを気にして、
食べるのを控えなきゃと
思いこんでいるところがありますが、
でも、エネルギーをとり過ぎることって、
そんなに悪くない。
もちろん、毎日毎日摂り過ぎるのは
よくないけれども、
自分の食べたいものは食べたいでしょう?
自分の食のスタイルみたいなものを
作っていくのに、やっぱり好きなものが、
どのくらいのエネルギーがあるかわかると、
じゃあ、今まで無駄にとってたものを
減らそうとか、そういう調節ができますよね。
もちろん、ほかにも
どんな栄養素が入っていて、
それを食べたときはほかに
何を摂るのがいいのか、
ということもやっていければ
一番いいんだと思うんですけどね。
人生長いから、調節しながら、ね(笑)。 |
ほぼ日 |
今、60代後半ぐらいの人が成長期だった頃と、
今まさに成長期の若者の日本人の食生活だと、
体が受けている影響もかなり違いそうですね。 |
竹内先生 |
日本の昔の食生活では、
あまり油を使ってませんからね。
タンパク質も少ないし。
だから、それが良かったということでは
決してないです。
感染症には弱かった、
という面もあります。
それに、今の簡単な食事が
悪いということでもなく、
やっぱり何をどう食べるか、だと思います。
同じ手間でも食材を選べば、
摂れる栄養素が当然違ってくるわけなので、
効率よく栄養素が摂れる食品などを
知っている必要がありますよね。
エネルギーや栄養について、
100点の食生活を毎日続けなくても、
7、80点ぐらいの食事を続けていれば、
たまにダメな日があってもいいんです。
人間の体っていうのは、
そんなことではへこたれないような
システムなので。
ダメだなっていうのを、
ずっと続けることがよくないんです。 |
ほぼ日 |
1週間のうち、
1日だけ完璧にいい食事をするより、
70点くらいの食事を毎日、ですね。 |
竹内先生 |
そう、100点は、続きませんからね。
とにかく続けないと。
健康な人が食事を意識するとき、
ほとんどの場合、
減らさなきゃ、減らさなきゃと思うから、
やりにくいんだと思うんです。
でも、自分の中で、このぐらいの食事量を
確保できなかったらいやだ、
というのがあるじゃないですか。
それを食べられるまで
やっぱり体を作らないとダメ。
だから、動いて筋肉をつけておけば、
同じ体でもたくさん食べても
太らなくなるわけだから、
もうそれ以外にないですね。 |
ほぼ日 |
年齢とともに基礎代謝が落ちてくるから、
筋肉をつけておくというのは
すごく大事なことになってくるんですね。 |
竹内先生 |
そうです。自分の体って、
体重を量らなくても太ったかどうかは大体わかるし、
食べ過ぎたかどうかっていうのは
わかるじゃないですか。
わかったときにやっぱり少し注意をして
動くとか、ちょっと減らすとか、
こまめに調節すれば、
そんなにどんどん太ったりすることはないんです。
だから、体重の管理はそんなに難しくないと思う。
でも栄養素の不足は、
すぐには表面に出てこないから、
カルシウムにしても何にしても、
摂れているかどうか
自分でチェックをしていないと、
あるとき“ドッ”とツケがまわってきます。
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