糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの

今日のダーリン

・先日、風邪気味だし休日だし、ということで、2日ばかりパジャマで過ごしていたとき、目を開けていないほうが休めるかと思って、iPhoneの、文字を耳から読めるサービスを試した。「Kindle」に持っている本を、読んでもらえる。人間が朗読をしているオーディオブックとちがって、機械的な人間の声が、テキストを読み上げてくれるのだ。いやぁ、たいしたものだなぁとも思う。小説とか味わいを感じたいものには向いてないと考えて、読みかけていたビジネス関係の本を選んだ。こりゃぁいいや、読んでくれる読んでくれる‥‥。やがて、だんだん退屈してきた。

正直に言うと、おもしろくないのだ。じぶんの目で文字を追って読んでいるときには、これほどおもしろくないとは思ってなかったのに、読み上げサービスの音声で聞くと、おもしろくない。その理由を考えてみたのだけれど、じぶんで本を読んでいるときには(特に実用書は)、つまらないところは、読み飛ばしているのである。そして、読んでおきたいところだけを拾って、読了しているというわけだ。しかし、「読み上げロボさん」は、ぜんぶ読む。生まじめに、つまらない部分も、水増し部分も読むのだ。

ぼくがいままでやっていた読書するという行為には、読み飛ばすという判断が、無意識で含まれていたのだ。人間のやってることって、たいてい価値観を含んでいる。読み飛ばしていいと判断したところを読まないから、あんまりおもしろくない本からでも、学んだりできる。そういうことなのかぁ、と思ったのだった。

しかし、俳優さんだとかナレーターが朗読している本は、これまで、さんざん耳で読んできたよなぁと気づいた。読み飛ばしというか、聞き飛ばした覚えがない。あれは、つまらないところも読み手が補ってくれていた?あるいは、つまらない部分の少ない、いい本だったのか。どちらかといえば、後者かなぁ‥‥そうとも言えないか?やっぱり「ロボさん」の声が単調すぎたのかなぁ。そのうち、またやってみて、あらためて考えてみますね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。吉本隆明さんの講演は、話し上手じゃないけどおもしろい。

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