石田 |
上田は「ほぼ日手帳」に対して、
モノとしての魅力みたいなものは感じないの? |
角田 |
そうそう。
カバーを見て物欲を駆り立てられたりとかは? |
上田 |
それがね‥‥。 |
永野 |
うん。 |
上田 |
ないんだよ。 |
土佐 |
ないんかい! |
上田 |
ぜんぜんない。 |
角田 |
「ほぼ日手帳」には
そういう魅力があるんだけどなぁ。
|
石田 |
こうやってカバー・オン・カバーを使って
好みの何かを挟んだりして
カスタマイズすることで
愛着が芽生えたりするんだよね。 |
上田 |
あ、これは自分たちで好きなものを
貼ったり挟んだりしてるんだ。 |
永野 |
そう、この楽しさって
「ほぼ日手帳」ならではだと思うよ。 |
上田 |
‥‥それはね、ちょっとうらやましいかも。 |
角田 |
おぉっ! |
土佐 |
ちょっと食いついた! |
上田 |
ちなみにこれは誰の手帳? |
石田 |
それはね、永野さんの。 |
土佐 |
永野さんはね
「『ほぼ日手帳』は自分史や!」
とまで言ってたよ。 |
永野 |
俺の「ほぼ日手帳」は自分そのものだね。 |
上田 |
それはどういうこと? |
永野 |
自分の考えや気持ちなんかを
書きとめておく場所なの。
それをずっと続けてる。 |
角田 |
まさに自分クロニクルだよね。 |
上田 |
自分クロニクルかぁ‥‥。
(永野さんの手帳をパラパラとめくって)
くつした‥‥ワックス‥‥。
これもクロニクルか‥‥。
|
永野 |
わっ! 人の手帳を見るな! |
石田 |
あはははは、
あんまり人の手帳見るもんじゃないでしょ。 |
永野 |
気持ち以外にメモくらいとるわ。 |
上田 |
その自分史っていうのは
自分で書いて自分で見るの? |
永野 |
そう。 |
上田 |
それは外部に公表することはない? |
永野 |
うーん、何かの作品を作っているときに
手帳に書いたことから
インスピレーションを受けて
作品として公表することはあるね。 |
上田 |
自分の考えていることを
断片的に公表するみたいな感じ? |
永野 |
そうそう。
自分をここに貯めているとでも言うのかな。 |
上田 |
なるほどね。 |
永野 |
だから僕の「ほぼ日手帳」は
自分の考えが詰まった脳に
スケジュール管理がついているみたいなわけ。
それこそ、ツーインワンとでも言うか。 |
石田 |
ツーインワン(笑)。 |
土佐 |
そこ、あえてそう言う? |
永野 |
あえて、ね。
でも、ツーインワンは置いておいて、
こうやって書いておくことで、去年の僕の考えが
今年の僕に何かを言うってことがあるわけ。 |
石田 |
ほら、上田に去年の今日、
どんなこと書いてあるか見せてあげなよ。 |
土佐 |
おぉ、見せてやりぃな。 |
永野 |
えぇっと、去年の今日はっと。 |
角田 |
白紙だけは勘弁。 |
永野 |
あ、ここだ。えぇっと、
「女優の京野ことみに
『九州人なのに小さいことを気にする』って言われた」。 |
一同 |
(笑)。 |
上田 |
それはのちのち自分の作品に
大きな影響を与えそうなひと言やね。 |
土佐 |
うんうん。えぇ、ページやね。 |
永野 |
よりよってこんなページとは‥‥。 |
上田 |
ページの内容はともかく、
その永野が言ってるみたいな
考えが貯めてある自分史っていうのは
いい気がする。
|
石田 |
でしょ? |
上田 |
使っていくにつれて
過去が蓄積されていくってことだもんね。
それはちょっといいなぁ。 |
角田 |
また食いついた! |
上田 |
ヨーロッパ企画だけをやってきた僕にとって、
僕の歴史=ヨーロッパ企画の歴史なんですよ。
だからヨーロッパ企画のヒストリーを見れば
ある程度自分の過去がわかっちゃう。 |
角田 |
たしかにそうかもね。 |
上田 |
でも、プライベートの記録は
まったく残ってない。 |
土佐 |
でも、ちょっと待て。
プライベートの記録がゼロなんてヤツおるか? |
石田 |
いや、上田はそうだと思うわ。 |
土佐 |
なんで? |
石田 |
いっしょにいたらそんな感じするもの。
だって、おもしろい遊びの話をしてても
それがすぐヨーロッパ企画の芝居に結びつくんだもの。 |
土佐 |
あんなに過去は振り返らないって言ってたのに? |
上田 |
たしかにそうは言ったものの、
自分の過去が残っていかないのって
案外さびしいもんですよ。
ヨーロッパ企画の活動してきた10年間、
プライベートの記録がゼロですからね。 |
石田 |
だからさぁ、ヨーロッパ企画以外のことを
「ほぼ日手帳」に書くっていうのはどう? |
上田 |
‥‥俺もいまそう思った。 |
永野 |
思ったんだ!
|
土佐 |
お、使い道が決まったんじゃない? |
角田 |
仕事のことはいっさい書かずに、
プライベートのことだけを
たくさん書くわけだね。 |
石田 |
要は遊びのことしか
書いてない手帳になるわけでしょ。
それって夢のような手帳じゃない。 |
永野 |
ホントホント(笑) |
石田 |
逆に、この手帳が白くなっているときは
悲しいけど「あぁ、働いたなぁ」と実感できる。 |
土佐 |
そんな手帳ないよ、ふつう。 |
石田 |
さぁ、あとは持ち運ぶ問題だね。 |
土佐 |
なんだったら、僕、持ち運ぼうか? |
一同 |
(笑)。 |
土佐 |
上田にくっついてって、持ってくよ? |
角田 |
付き人が持ち歩くって(笑)。 |
石田 |
でもさぁ、持ち運ばなくてもいいんじゃない?
プライベートのことなんだから、
自宅に置いておく「置き手帳」として使うとかで。 |
土佐 |
つーか、本を持ち歩くだのなんだの言ってるけど
ただ単にカバンが小さいだけなんじゃないの? |
上田 |
!!!
こんなにデカイのに! |
一同 |
(笑)。
|