ヨーロッパ企画上田さんに
「ほぼ日手帳」を
使わせる計画(後編)
2010.11.23
ほぼにちわ、です。

まず最初におことわりを。
今日の手帳クラブ、
昨日同様にかなりボリュームあります。
ですので、
時間があるときにお読みになることを
おすすめしておきます。

さて、本題です。
劇団「ヨーロッパ企画」の「ほぼ日手帳」ユーザー、
永野宗典さん、土佐和成さん、角田貴志さん、
石田剛太さんの4人が、非ユーザーの上田誠さんに
「ほぼ日手帳」の魅力についてを説いていただきました。
本日は昨日の続きをお届けいたします。

カバンは脚本を書くための本でパンパン。
打ち合わせにはスケッチブックとパソコン、
ちょっとしたメモはケイタイのメール、
という自分のスタイルを確立している上田さん。
4人の執拗なプレゼン(?)にもまったく動じず。
果たして、上田さんは首を縦に振るのでしょうか。
では、続きをお楽しみください。

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石田 上田は「ほぼ日手帳」に対して、
モノとしての魅力みたいなものは感じないの?
角田 そうそう。
カバーを見て物欲を駆り立てられたりとかは?
上田 それがね‥‥。
永野 うん。
上田 ないんだよ。
土佐 ないんかい!
上田 ぜんぜんない。
角田 「ほぼ日手帳」には
そういう魅力があるんだけどなぁ。



石田 こうやってカバー・オン・カバーを使って
好みの何かを挟んだりして
カスタマイズすることで
愛着が芽生えたりするんだよね。
上田 あ、これは自分たちで好きなものを
貼ったり挟んだりしてるんだ。
永野 そう、この楽しさって
「ほぼ日手帳」ならではだと思うよ。
上田 ‥‥それはね、ちょっとうらやましいかも。
角田 おぉっ!
土佐 ちょっと食いついた!
上田 ちなみにこれは誰の手帳?
石田 それはね、永野さんの。
土佐 永野さんはね
「『ほぼ日手帳』は自分史や!」
とまで言ってたよ。
永野 俺の「ほぼ日手帳」は自分そのものだね。
上田 それはどういうこと?
永野 自分の考えや気持ちなんかを
書きとめておく場所なの。
それをずっと続けてる。
角田 まさに自分クロニクルだよね。
上田 自分クロニクルかぁ‥‥。
(永野さんの手帳をパラパラとめくって)
くつした‥‥ワックス‥‥。
これもクロニクルか‥‥。



永野 わっ! 人の手帳を見るな!
石田 あはははは、
あんまり人の手帳見るもんじゃないでしょ。
永野 気持ち以外にメモくらいとるわ。
上田 その自分史っていうのは
自分で書いて自分で見るの?
永野 そう。
上田 それは外部に公表することはない?
永野 うーん、何かの作品を作っているときに
手帳に書いたことから
インスピレーションを受けて
作品として公表することはあるね。
上田 自分の考えていることを
断片的に公表するみたいな感じ?
永野 そうそう。
自分をここに貯めているとでも言うのかな。
上田 なるほどね。
永野 だから僕の「ほぼ日手帳」は
自分の考えが詰まった脳に
スケジュール管理がついているみたいなわけ。
それこそ、ツーインワンとでも言うか。
石田 ツーインワン(笑)。
土佐 そこ、あえてそう言う?
永野 あえて、ね。
でも、ツーインワンは置いておいて、
こうやって書いておくことで、去年の僕の考えが
今年の僕に何かを言うってことがあるわけ。
石田 ほら、上田に去年の今日、
どんなこと書いてあるか見せてあげなよ。
土佐 おぉ、見せてやりぃな。
永野 えぇっと、去年の今日はっと。
角田 白紙だけは勘弁。
永野 あ、ここだ。えぇっと、
「女優の京野ことみに
 『九州人なのに小さいことを気にする』って言われた」。
一同 (笑)。
上田 それはのちのち自分の作品に
大きな影響を与えそうなひと言やね。
土佐 うんうん。えぇ、ページやね。
永野 よりよってこんなページとは‥‥。
上田 ページの内容はともかく、
その永野が言ってるみたいな
考えが貯めてある自分史っていうのは
いい気がする。



石田 でしょ?
上田 使っていくにつれて
過去が蓄積されていくってことだもんね。
それはちょっといいなぁ。
角田 また食いついた!
上田 ヨーロッパ企画だけをやってきた僕にとって、
僕の歴史=ヨーロッパ企画の歴史なんですよ。
だからヨーロッパ企画のヒストリーを見れば
ある程度自分の過去がわかっちゃう。
角田 たしかにそうかもね。
上田 でも、プライベートの記録は
まったく残ってない。
土佐 でも、ちょっと待て。
プライベートの記録がゼロなんてヤツおるか?
石田 いや、上田はそうだと思うわ。
土佐 なんで?
石田 いっしょにいたらそんな感じするもの。
だって、おもしろい遊びの話をしてても
それがすぐヨーロッパ企画の芝居に結びつくんだもの。
土佐 あんなに過去は振り返らないって言ってたのに?
上田 たしかにそうは言ったものの、
自分の過去が残っていかないのって
案外さびしいもんですよ。
ヨーロッパ企画の活動してきた10年間、
プライベートの記録がゼロですからね。
石田 だからさぁ、ヨーロッパ企画以外のことを
「ほぼ日手帳」に書くっていうのはどう?
上田 ‥‥俺もいまそう思った。
永野 思ったんだ!



土佐 お、使い道が決まったんじゃない?
角田 仕事のことはいっさい書かずに、
プライベートのことだけを
たくさん書くわけだね。
石田 要は遊びのことしか
書いてない手帳になるわけでしょ。
それって夢のような手帳じゃない。
永野 ホントホント(笑)
石田 逆に、この手帳が白くなっているときは
悲しいけど「あぁ、働いたなぁ」と実感できる。
土佐 そんな手帳ないよ、ふつう。
石田 さぁ、あとは持ち運ぶ問題だね。
土佐 なんだったら、僕、持ち運ぼうか?
一同 (笑)。
土佐 上田にくっついてって、持ってくよ?
角田 付き人が持ち歩くって(笑)。
石田 でもさぁ、持ち運ばなくてもいいんじゃない?
プライベートのことなんだから、
自宅に置いておく「置き手帳」として使うとかで。
土佐 つーか、本を持ち歩くだのなんだの言ってるけど
ただ単にカバンが小さいだけなんじゃないの?
上田 !!!
こんなにデカイのに!
一同 (笑)。


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あぁ、よかった!
まったく使う気配のなかった上田さんでしたが、
結果「自分の遊びを記す手帳として使う」
ということになりました。
永野さん、土佐さん、角田さん、石田さん、
ナイス、プレゼンテーション!
上田さんの手帳、とっても気になります。
もし機会があったら
取材させていただこうと思います。
ヨーロッパ企画のみなさん、ありがとうございました!
最後にヨーロッパ企画から大事なお知らせです。

ヨーロッパ企画カウントダウン
2010→2011 in KBSホール
~劇ラジ生放送とその前後~


2010/12/31(金)
開場20:30 開演21:30(終演予定 26:00)
出演:ヨーロッパ企画
会場:KBSホール
料金:前売2,500円/当日2,800円(全席指定・税込)
1ドリンク500円別途要
チケット取扱:チケットぴあ、ローソン、イープラス

チケット発売中!

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~BONUS TRACK~

今回の取材は、ヨーロッパ企画の拠点、
「ヨーロッパハウス」でおこないました。
上田さんのご実家「上田製菓」を改装したその旧家は、
ひと言で言って「アジト」!
その様子を少しだけですがお届けいたします。


▲ここが上田さんのご実家「上田製菓」。またの名を「ヨーロッパハウス」!


▲ほら看板だってこのとおり。


▲上田製菓は現在、ラスクを作っています。これがそのオーブン。


▲製菓工場を抜けて恐ろしいほど急な階段を上がると‥‥。


▲そこはヨーロッパ企画の会議室。今回の取材もこの部屋でおこないました。


▲いろいろと改装をおこなって、いまの状態になっているんだそうです。


▲奥には畳の部屋が。資料本やらテレビやらゲームやら。和みスペース。


▲会議室とは別の場所には各人の作業スペースがあります。


▲でもやっぱり恐怖におののくほどの急な階段を使わないといけません。


▲端のほうに舞台や映画でお馴染みの品々が保管(?)されています。


▲裏庭のほうには離れが。現在石田さんが見栄えよくなるように片づけ中。


▲ここも作業部屋。やっぱり書籍類が多いです。


▲そんなこんなの上田製菓もといヨーロッパハウスでした。

撮影:有本 真紀


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