<番外編>
石田ゆり子さん
meets 糸井重里
2008.03.14
昨日の手帳クラブでは、
女優の石田ゆり子さんがほぼ日手帳と過ごした
この2ヵ月の蜜月の様子をお伝えしました。
本日は、その番外編として‥‥

――ガチャッ。
あ、糸井がやってまいりました。

石田さんはすごく楽しんでほぼ日手帳を
使ってくださってるんですよ、
毎日何かしら文字を書いてて‥‥ね、
カバー・オン・カバーもかけて、ね。
え? 傍聴? いえいえ、こちらに、
ホラ、石田さんのお隣に、どうぞ。


糸井 こんにちは。
今日は手帳の取材に、ありがとうございます。
石田 呼んでくださってありがとうございます。
今日、ブイヨンちゃんはいないんですね。
糸井 あ、いた方がよかったですかね。
石田 すごく会いたかったです。
『Say Hello! あのこによろしく。』
私はもう、あの本が好きで好きで。
あの本を、共演した人とかにあげたりしてます。
あと、糸井さんの『小さいことばを歌う場所』も。

糸井 そうですかー。ありがとうございます。
手帳もね、使ってくださって。嬉しいです。
しかも、カバー・オン・カバーまでかけて。
石田 便利ですね。このボールペンも使いやすい。
糸井 これから、もっとよくしますからね。
楽しみにしていてください。

仕事のこと、とか。
糸井 あらゆる仕事に言えることですが、
石田さんの女優というお仕事も、
それぞれの仕事を引き受けるかどうかって、
けっこう大きいですよね。
石田 そうですね。そこが唯一、
自分の守らなきゃいけないとこでもありますから。
糸井 なんでもOKですって言っていたら、
ある種の免疫がなくなってしまうというか、
壊れますよね、やっぱり。
そういう意味で、僕は、昔、人に習って、
人に押し付けがましく教えてることがひとつあって、
ひじょうにいいからお教えします。
まず、何か頼まれたときって、頼んできてくれた、
その人の方が頼みたいことなんですよ。
プロポーズした人が結婚したいんですよ、まずはね。
だけど、そのとき「はい」と言う状況が
いくらあったとしても、1日置いて、
同じことを自分が頼むだろうか、って
問題をひっくり返しにして考えるんです。
そうするとほんとの答えが出る。

たとえば、石田さんだから映画の話で言うと、
「釈迦」っていう映画があります、と。
仮にね。「釈迦」じゃなくてもいいんだけどさ。

石田 (笑)。
糸井 この「釈迦」っていう映画に、
あなた、出てくださいって言われたときに、1日考えて、
私はこの映画にお願いしてでも出たいだろうか
っていうふうに思うんですよ。
石田 あー、なるほど。
糸井 つまり、こちらからお願いしたいことに
チェンジして考えるんです。
そうすると、あ、是非やらせてください、
という答えが言いやすくなって、逆に言うと、
自分からこれは頼まないな、
と思ったら断っていいんですよ。
石田 はい。
糸井 僕は今、だいたいそれでやっていて、
そうすると断ることも増えるけど、
引き受けたときに一生懸命やる度合いが変わりますね。
ほぼ日を10年もたせてくれたのは、それだと思うな。
難しいんですよ、ほんとにこう、
断れないようになってるんです、あらゆる仕事はね。
石田 そうですね。
何かどこかで、やらないことを選ぶほうが、
簡単なことに思っていて、一方で
やってみなきゃわからないという思いもあるので、
私の場合、まずはやってみようかな、というのが
基本にあるんですけど、
でも結果、やっぱり共感できなかったということも
ないとは言えないんですよね。
でも、やる以上は責任があるので、
やっぱり、自分の言葉で自分がいいと思ったように
言いたいですし。
糸井 言いたいよね。
やらせてくださいと言いたいくらいのところまで
持っていけたら最高ですよ。
石田 そうですね。メモします。
今、しなきゃ。今、メモ(笑)。

糸井 「頼まれた話は、頼む話に変換して考える」。
これ、原則なんですよ。
石田 ほんとですね。

脳のこと、とか。カワイイもの、とか。
石田 最近私、ロケ先の伊豆の本屋さんで
『海馬』を買ったんです。
糸井 あ、ありがとうございます。
面白いでしょ。
石田 これ、いい本ですね。
ほんとに可能性が広がったなあと思って。
面白いですよね、脳は嘘をつくとか。
そんなふうにしか見えないと思うから見えないとか、
あと、30歳を過ぎて“海馬”が発展するなんて、
全然思ってなかった。
脳細胞は、叩いたら何万個死ぬとか言われてるから、
頭を打っちゃいけないと思って生きてきたんです(笑)。
池谷さん、若い方なのに面白いですね。
糸井 学生さんみたいな人なんです。
そのへんに、ふらーっといるみたいなね。
裸犬を飼ってるんですよ。
石田 え? 裸犬?
糸井 奥さんとどこかを歩いていたら、犬屋さんがあって、
そこに、この犬売れるのかなあって思うような
犬がいたんだって。裸の、毛のない犬。
石田 はいはい、あの、シワシワな。
糸井 ええ。それからも通るたびに見ると、売れ残ってて。
で、値段が下がってる。
石田 うーん。
糸井 で、とうとう、半値ぐらいになったときに、
買えってことかなと思って、自分が買ったって。
石田 優しい。
糸井 うん。その犬を飼ってる池谷さんって思うと
またいいでしょ。
「可愛いんですよ、飼うと。汗かくんですよ」みたいな。
石田 (笑)。
糸井 「そばにくっ付くとペタペタするんですよ。
 それがちょっと気持ち悪いんですけどね、
 可愛いですよ」ってね。いいでしょ?
石田 ほんと。私はそういう人が好きですね。
糸井 いいんですよ、池谷さんは。
池谷さんと石田さんの対談とか、いいかもしれない。
石田 (笑)是非お話したい、お聞きしたいこと
いっぱいありますね。
脳というものに、ほんとに興味があるんですよ。

糸井 そうですか、そういうご縁のある方とは
思いもよりませんでした。
石田 糸井さんは、ぬいぐるみとかあみぐるみ、
お好きなんですよね?
糸井 好きですねー。
石田 「俺は普通の人に比べてぬいぐるみが好きすぎる」って。
それを読んで、おかしいなーと思ってて(笑)。
私も、動物の形をしたヘンテコリンなものが
大好きなんです。家はすごいですよ。
小学生の部屋じゃないかと言われそうなくらい(笑)。
糸井 そうですか。じゃあですね、ちょうど今、
タカモリ・トモコ先生のあみぐるみで
準備している企画があって、ここに
先生のあみぐるみたちが一部集まってるので、
見せびらかしてもいいですか(笑)?
あの、すごいですよ。
抱っこしたりするとまた、かわいいんです。

(タカモリ・トモコさんのあみぐるみ登場)
石田 うわー、かわいい! けっこう大きいのもあるんですね。
あ、かわいい。かわいいー!
どれもかわいいですね。
この子も、これもかわいいし。これ、かわいいー!
糸井 ひとつずつ手に取ると、みんなかわいいんです。
石田 友達になりたいですね。
私、デジカメを持ってきたんですけど、
写真を撮ってもいいですか?
糸井 どうぞどうぞ。
そのデジカメ、俺と同じですね。
石田 これ、いいですよね。何かいい写真が撮れる。
(ひとしきり写真を撮りながら)
あ、この編地が見えないと‥‥
糸井 すごいツウな発言が多いね(笑)。



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あみぐるみに囲まれての石田さんとのツーショットに、
「俺、父兄みたいだね」と笑う糸井でした。

石田ゆり子さん、素敵な笑顔と楽しい時間を
ありがとうございました。
手帳チームならびにあみぐるみチーム一同、
これからもよろしくお願いします!

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