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靴のスタンダード。

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もしも家を建てるのだったら、
絵本「ちいさいおうち」に出てくるような、
切妻屋根がいい。
子どもの頃から、それはずっと変わることのない私の夢。

そういえば、
マグカップも、ティーポットも、
テーブルや椅子も、
いつも、いいなぁと思うのは、
子どもが描くような、
シンプル極まりない形。
これ以上、足しも引きもいらない、
みんなの頭の中に、
しっかり「スタンダード」として、
刷り込まれた形が、好きなのです。

今週のweeksdaysは、
Stilmodaの靴を紹介します。

むだな装飾は一切なし。
スッと履きやすく、
どの角度から見ても美しい。
これも、みんなが思う、
靴のスタンダードな形ではないかなぁと思うのです。

色はシルバー、ゴールド、ブラックの3色。
明日のlookbookをどうぞおたのしみに。

完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。

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5月21日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。


chisaki ENRIE

▶商品詳細ページへ

日本製の和紙を使用した、柔らかな被り心地の帽子です。
お届けは7月下旬頃になります。

「持つとしなやか、
かぶると額や頭に、やさしくフィットしてくれる帽子です。
つばの表情のつけ方で、
印象が変わるので、ヘアスタイルや合わせる服によって、
いろいろとたのしんでください。
色は6色。
どれもニュアンスのある色合いで、
どれにしようか迷うところ。
私は、色違いでいくつか買って、
夏のおしゃれを満喫しようと思っています
外のリボンも絶妙な色合いですが、
帽子を取ると、内側に見えるテープの色もまたすてき。
自分だけにしか分からないおしゃれって、
なんだかいいなと思うのです。」

(伊藤まさこさん)

見えない部分まで、とことん。

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伊藤
撮影に立ち合って思ったんですが、
苣木さんの帽子は、深く折り返してもいいし、
前だけ折ってもいいし、折らずに被ってもいい。
1個の帽子でいろんな表情になるんですよ。
髪形によってもいろいろ楽しめる。
すっごい面白かったです。
苣木
すっごく嬉しいです!
写真もたのしみです。
伊藤
私が苣木さんの帽子を知ったのは、
友人が被っていたのを見てでした。
「それいいね!」って。
私のまわり、結構、持っているんですよ。
苣木
えー?! なんと! 本当ですか?!
伊藤
ほんとです。編集やライターのお友達。
「知らなかったの私だけ?」みたいな。
それで、今回の帽子のことなんですが、
最初に言ったように、
麦藁帽子っていうと、割とほっこりするじゃないですか。
だからそういうタイプの帽子を敬遠していたんです。
苣木
分かります。私もそういう感じでした。
伊藤
でもこれは本当にエレガントだし、
ぺちゃんこにして持ち歩けるのもいいですよね。
麦藁帽子を旅行に持って行くのに、
スーツケースに入らないとしたら、
被って行くしかなかったから。
しかも網棚に忘れるとかして‥‥。
苣木
そうですよね。
伊藤
そして絶妙な色合い。
しかも、裏が全部かわいいです。
男性がかぶってもおかしくはないですよね。
男性は、リボンだけ、もしかしたら結ばないで、
縫っちゃってもいいのかもしれないけれど。
苣木
そうですね、縫ってあげると、
メンズの帽子ぽくなりますね。
私も「ナチュラルにかわいい麦藁帽子」が
似合う年齢ではないというか、
ちょっとくすぐったいので、
あえて、大人っぽく、
凛とした雰囲気に仕上げたいと思って
デザインをしています。
伊藤
いつから作られているものなんですか?
苣木
この形になったのは、独立して2年目ですね。
それまでも、こういう雰囲気のものを
作ってはいたんですけど、
つばが真っ直ぐで定着されてるものでした。
これは丸みがあるけれど、中折れになっていることで、
ちょっとマニッシュな感じを出しています。
最初、丸い木型を使ってクラウン
(帽子のリボンから上、頭にかぶる部分)
を成形するんですが、
そのあと、手で中折れの形にしているんですよ。
伊藤
サイズ調節紐にビーズがついているので、
ここが後ろになるんだなとわかりやすいです。
苣木
はい、よく、私の作る帽子は「どっちが後ろ?」って
聞かれることも多いのですが、
サイズ調整ができるものは
基本的にはビーズが後ろになっています。
額に当たる部分には*のマークが
ハンドステッチで入れられています。
「第3の目」って誰かが言ってました。(笑)。
伊藤
確かに! ビーズはどちらのものですか。
苣木
これはアフリカのガーナで、
リサイクルガラスで作られているビーズなんです。
伊藤
じゃあ、1点ものなんですね、全部ね。
苣木
そうですね、全部1点ものです。
どんなビーズのものが届くかは、
ぜひ「おたのしみ」とお考えいただけたら。
伊藤
かわいいです。
苣木
すごく細かいんですけど、
ゴム紐がエメラルドグリーンですが、
オリジナルで作った色なんです。
敢えて言うことではないかもしれませんが。
ありものだと、ちょっと可愛すぎたりしたので。
伊藤
内側にぐるりとついている
「すべり」というのかな、
この色の組み合わせはどうやって決めるんですか。
苣木
それはもう、感覚ですね。
伊藤
いい色ですよね。
全然見えないじゃないですか、被ってしまうと。
でも、自分には嬉しい。
着物の八掛(はっかけ)みたいな感覚ですね。
そして、熟練の職人さんにしか
できないとおっしゃっていた、
ブレードを縫うという作業。
原料が紙だとお聞きしましたけれど。
苣木
はい、ブレードは細く裁断した和紙を使って、
専用の機械で作られています。
その原料は染め分けをしていて、たとえばグレーだと、
チャコールグレーとライトグレーの濃淡2色。
それを組んで行くので、
ちょっと杢っぽい、ジラジラした色味が出ているんです。
和紙といっても、100%ではなく、素材が安定するように、
よこ糸にポリエステルを使っています。
コットンではなくポリエステルを使うのは、
コットンは経年変化していくと切れやすいから。
よこ糸をポリにして和紙を編んでいくと、
強度も増すし、しなやかさも増すので、
この独特なコシと軟らかさが出るんです。
もちろん縫製も糸調子などで風合いを調整しています。
伊藤
紐は渦巻き状にミシンで縫っていくんですか?
苣木
そうなんです、ブレードの端同士を
重ねて縫っていくんです。ミリ単位で。
伊藤
すごい!
苣木
最初の、まんなかに来る丸が、
いかにきれいにできるかが、
職人さんの熟練の技なんですよ。
逆に言うと、
丸がいかにきれいかで、
職人さんの腕がわかるから、
麦藁帽子を見るときはそこを見るといいそうです。
伊藤
1個できるのに、どれぐらいの時間を要するんですか。
苣木
19歳から始めて、今83歳の熟練の職人さんは
一人で全部の工程をされるのですが、
1時間に2〜3個作られます。
通常はなかなかできないことで、
経験がなせる技だと思います。
感覚もすごくって。
伊藤
そうですよねえ。
この微妙なカーブの調整、腕ですよね。
苣木
そうなんです。
このごろ若手の職人さんもぐんぐん腕を上げて、
頼もしく思っているんですよ。
伊藤
若い方がいらっしゃるのはいいですね。
私もやってみたい!
ミシンがけとか、好きでしたから。
苣木
ぜひぜひやっていただきたい!
気持ちのいいものですよ、
ミシンで帽子ができていくのは。
伊藤
ケアはどうしたらいいですか?
苣木
家庭でのお洗濯はできないんですが、
ドライクリーニングは可能です。
ふだんのお手入れとしては、
「すべり」の部分が汗を吸うし、
ファンデーションとかで汚れて気になりますよね。
そんなときは硬く絞ったタオルで
トントントントンって叩いて汚れを移してあげる。
何年も被って、どうしようもなくなったら、
「すべり」を交換することもできますよ。
伊藤
雨のときはどうですか?
苣木
土砂降り以外は、私は平気で被っちゃいます。
乾かしていただければ大丈夫です。
でも「雨のときに積極的に被ってください」
と言ってはいませんけれど。
あとは、埃が付くのは、
帽子用のブラシはお持ちじゃないと思うので、
お洋服のブラシで叩いてください。
そして被らないときは、風通しのいいところに。
伊藤
ありがとうございます。
たくさんお話が聞けてよかったです。
苣木
こちらこそありがとうございました!
たのしかったです!

私、帽子作りを続けていいんだ。

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伊藤
ブランドのデザイナーになり、
販路も広がっていくと、
ひとりで作っていたときのように
ぜんぶ自分で縫うわけにはいかないと思うんです。
職人さんや工場に依頼しなきゃいけないですよね。
苣木
はい。ただ、システムは変わったとはいえ、
サンプルを作って、パターンを起こすのが
自分の仕事なのは変わりませんでした。
それを職人さんに渡す、ということが変化でしたね。
すばらしいことに、職人さんが、テイストを変えずに、
ちゃんと引き継いで、作って下さった。
ただやっぱりどうしても量産となると、
効率を求められることが最初は多くて、
「そんなの手間がかかり過ぎてできない」
って言われたりもしました。
その悩みを社長に相談すると、
「本当に自分がやりたいんだったら、
職人さんなり工場の人たちを納得させるぐらい
頑張れ、粘れ」っていうふうに言われて。
伊藤
なるほど。ほんとうにスパルタ!
苣木
そうですね(笑)。
今思えば、それがよかったなと思います。
伊藤
デザインは、好きにさせてくれてたんですか。
「こういうのは駄目だ」みたいなことはなく。
苣木
そうなんです。
展示会の前に社長のチェックが
あることはあるんですけど、
「やるんだったらちゃんと結果を残せ」っていう、
ただそれだけだったと思います。
「これが君がやりたいことなんだね。
俺はちょっとこれは分かんないけど、
ちゃんとオーダーが取れるって思ってるんだろ?」
と。
伊藤
なるほど。
当時は、どういうものがお好きだったんですか。
苣木
そのときは、今よりも
ハンドクラフト的なものが好きでした。
たとえば、ニットは手編みですし、
ネーム1つ付けるのも、
普通はミシンで正確に縫い付けるのを、
ランダムにステッチを入れて付けたり。
パーツも業者に頼むわけですが、
型で抜いてもらえばいいものを、
揺らぎみたいなものを残すために、
全部手で切ってもらったり。
本当に細かいところなんですけれどね。
会社の先輩からは、
「それをやることで、売り上げが100個、
200個変わるのか?」と言われながら。
伊藤
「趣味じゃないんだからね?」
というようなニュアンスですよね、きっと。
苣木
そうですね。
もともと量産の会社なので、
効率が悪そうなものが実際売れるのか、
判断のしようがないわけですよね。
だから先輩が言われることも「その通りだな」と。
伊藤
そう言われても、へっちゃらでしたか?
苣木
いや、すっごく悔しくてですね(笑)、
「絶対結果を出してやる!」と、やり続けました。
12年。
伊藤
じゃ、その間に、
帽子作りの基本どころか、
なにもかもを習得して?
苣木
もちろん、熟練の職人さんにしか
できないこともあるんですよ。
たとえば今回のように、
1本の紐をグルグル巻いて縫っていく
「ブレードを縫う」という作業は、
特殊なので、私にはできません。
だからそこは任せて、
私は他にないもののアイディアを出すことが仕事になる。
そんなふうに職人さんとコンビを組んで、
やってきたという感じです。
伊藤
そうですよね。
その会社でブランドを担当して、12年、
そこで独立をなさったんですね。
そこで最初に作ったのは、
どういう帽子だったんですか。
苣木
独立して最初に作った帽子も、
担当していたブランドと、
大きくテイストは変わっていません。
ただ、辞めた以上、既存のお客様に私から
「新しいブランドを始めたので展示会に来て下さい」
なんていう営業はできません。
最初、とても不安で、独立したのはいいけれど、
「実際、私はご飯を食べていけるのか」と。
伊藤
どうやって広めたんですか?
苣木
すごく不思議なんですけど、
それまでのお客さんたちのあいだで
「あたらしいブランドを始めたらしいよ」と噂になり、
たくさんの方が来てくださったんです。
「私、帽子作りを続けていいんだ」って、
そのとき思いました。
頑張ろうって思った。
そうして今、5年目です。
忘れもしない、中目黒の川沿いにある展示会場でした。
お金もそんなにないし、と思ったら、
元々取引先だった社長さんが安く貸して下さって。
1人きりでは接客も満足にできないと思ったら、
友達が2人来てくれて、
展示会の設営も全部手伝ってくれて。
‥‥本当に、そうです、
そんなことがありました。
伊藤
よかった! 
じゃあ、オーダーもたくさん?
苣木
そうなんです。
伊藤
すごいですね。
苣木
本当ありがたいです。
前の会社からのお客様は、
もうかれこれ17年のお付き合いですし、
海外のお客様も、1年ほどは余裕がなかったんですけど、
自分の「chisaki」っていうブランドで、
もう1回パリに挑戦したときに、
たまたまお客さんがブースにいらして、
「え、名前が違う! どうしたの?」みたいに、
またお客さんとして戻って来て下さって。
伊藤
なるほど。不思議ですね。
苣木
不思議ですね。ありがたいです。
伊藤
最初にベレー帽の作り方を教えてくださった方が、
原点ですよね。そこからして、縁に恵まれている!
苣木
(笑)そうですよね。その方にお礼が言いたいんですが、
どこにいらっしゃるか、分からなくて。
すごく残念なんです。
中野にいらっしゃった
「ナオさん」っていう名前だけは覚えているんですけど。
伊藤
またお目にかかれるといいですよね。
海外のバイヤーの方の反応はどうですか。
「また日本と違うなあ」とか思われますか。
苣木
そうですね。反応が早いというか、ダイレクトで、
好き嫌いがすごくはっきりされている。
「これどうですか?」って営業しても、
「それはいりません。うちっぽくないから」って。
伊藤
日本は違うんですね。
苣木
そうですね、その方の判断というよりも、
気になるものはお写真を撮って行かれて検討。
伊藤
日本のお客様は、
迷う時間ごと楽しまれていると思います。
苣木
それは多いですね。
個人ではなくチームでいらっしゃることが多いので、
ワイワイと、被ってもらって。
伊藤
今回「weeksdays」で扱わせていただくのは
女性向けのものとして作られたと思いますが、
ユニセックスで使えるものも、
作られていますよね、
苣木
はい、サイズさえ合えばどうぞ、と考えています。
ブランド自体はユニセックスとは
言っていないんですけども、
木型とかパターンによっては、
性別が関係ないものもあるので。
伊藤
木型は男性、女性が別なんですね。
苣木
そうなんですよ。
すごくトラッドに言えば、の話なんですけど、
メンズは中折れのエッジがすごくきいていたり、
レディースはちょっと丸かったり。
ほんの少しの違いですけれど、
昔の木型は男女別でしたね。
伊藤
サイズの違いだけじゃないんですね。
苣木
それだけじゃないですね。ただまあ、
そこは緩やかに「サイズが合えばどうぞ」と。
伊藤
今、ビジネスマンが帽子を被らなくなりましたし、
若い男の子は、顔がちっちゃいですし、
どんどんユニセックスになっていますよね。
磯野波平さんは通勤に帽子を被っていますけれど。
苣木
(笑)波平さん、確かに!

青空市場、 お花の安売り、 きれいな空気。

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伊藤
ところで、市場も閉まっているでしょうに、
食材はどう調達しているんですか。
田中
それが、市場は閉まっていて真っ暗なんだけど、
食品のところだけは営業をしているんです。
伊藤
そうなんだ! じゃ、食品は普通に売っている。

▲食材はどこも豊富で、不安がありません。

▲買い物は、社会的距離を保って列をなす。普段は早い者勝ちで、押し合いへし合いです。こんな光景はもう二度と見られなくなると思います。(田中さん)

田中
うん。青空市場もやってるし、
スーパーと薬局、花屋さんもやっています。
お花って、すごく大きい農園で、
一年中計画的に栽培をしているので、
余ってしまうんですね。
向こう3カ月ぐらいはお花も安売りで、
ちょっとかわいそう。
伊藤
でもね、家にいる時間が長いと、
花を飾るのもいいと思う!
田中
そう。いいです。

▲週に一度、枯れそうになる前に買いに行きます。部屋が明るくなって、気分が優れます。植物の力を感じます。(田中さん)

田中
あとはね、精油をいっぱい持っているので、
気分で部屋をいろんな香りに変えて。
伊藤
確かに、香りっていいですよね。
私も毎日朝掃除して、
精油を玄関に置いている小皿に垂らしてます。
田中
香りがあるとやっぱり全然違いますよね。

▲これなしには、日々過ごせません! 本をどどーんと真ん中に置いてしまいましたが、この本に助けられています。(田中さん)

伊藤
情報はどうですか。テレビや新聞、
ネット、いろんなところから入ってくる?
田中
はい。ベトナムは社会主義なので、
一時はアクセスできないこともあった
インスタやフェイスブックも
今は自由にできるようになっていますし、
情報はちゃんと入ってきます。
でも今回、こういうことになって思ったのは、
ベトナム語を勉強しておいて良かったって。
なんでかっていうと、3月の後半、
自分が登録してるアプリからも、
毎日のように政府からのお知らせが
ジャンジャン届いたんです。
それに目を通し、
本当にザーッと、ポイントだけ読んで、
こうなってるんだ、っていうのを理解して。
大事な情報は、日本領事館も訳して、
数時間後に送ってくれたりするんですが、
刻一刻状況が変化していくなかで、
いちはやく自分で読めて良かったなと。
伊藤
どういう内容のメッセージが送られてくるんですか。
田中
今日はどこそこでこういうことがあって、
どこで何人感染者が出ただとか、
飛行機の何便に乗ってきた人に出たから、
同じ便に乗ってた座席番号何番の人を探してますとか。
伊藤
たしかにそういう情報は、急ぎますよね。
田中
それから、電車もバスも減便ですとか、
配車アプリを使って呼べる、
バイクタクシーとバイク便だけはいいですよとか。
そういうことが箇条書きで来るんです。
政府からの「外に出てはいけない、
ということではないけれど、家にいてください」
というお達しも、もちろん。
伊藤
みんなそれをちゃんと守っているっていうのがすごい。
だって、歩道までバイクで乗り上げて
通行するあの人たちが!
田中
ほんとう! 
ふだん、交通ルールがあんななのに(笑)。
でもいまは、そのバイクも走ってないですよ。

▲4月21日午前、大通りに抜ける並木道を
動画で撮ってみました。
一旦、小さな集団が取り抜けると、次がやって来ない。
普段はひっきりなしなんですけどね。(田中さん)

伊藤
じゃ、空気がきれいになっていそう。
田中
そうなの! すごくきれいになってます。
伊藤
身をもって感じる?
田中
スマートフォンのアプリでもわかるんですが、
なにしろパッと見てきれいですよ、やっぱり。
伊藤
そっか! 
心配だというご高齢の大家さんご夫婦も、
いまはお元気なんですよね。
田中
元気! 朝からビール飲んでますよ、
おばあちゃん(笑)。
伊藤
それは良かった。強い。
田中
そう、やっぱり強いんだと思う。
伊藤
いいですね。
強い人を見ると、こっちもホッとする。
田中
騒ぎが起きはじめた頃、
工場に行かなくちゃいけなくて
出かける時におばあちゃんに
ガシッて手をつかまれて。
「こういうときだから」と、
目をじっと見て言うんです。
「本当にいいときではない、いまだから、
本当に気をつけなさいね」って。
伊藤
伝わりますよね。
田中
あと、私の心配は、大家さんの猫ですよ~。
伊藤
あ、猫ちゃん飼ってるんですよね。
田中
そう。私の猫じゃないんですけれど、
大家さん、まったく面倒を見ないので、
私が面倒を見ているんです。
ハッて気づいて、「あれ? 猫のカリカリの
ストックがないんじゃない?」って。
2匹いるんですけど。
猫のために朝6時20分に起きてます。
ますます生活リズムが変わらない。
猫がいなかったら、
もうちょっと寝てると思うんだけれど。
伊藤
でも、ずっとうちにいると
メリハリがなくなるから、いいのかも?(笑)
田中
そうそう。決めた方がいいですよね。
私は寝てていいって言われたら、
本当にずーっといくらでも寝られるので(笑)。
そうならないように、
大家さんの猫がいて良かったかな。
伊藤
逆にこの機会になにかしようと
思ったことってありますか?
田中
それこそベトナム語をちゃんとやろうって。
ニュースも、ポイントはわかっても、
細かいわからない単語もあるんです。
この仕事も先が見えない状況ですから、
通訳の仕事ができるくらいに
語学を鍛えておこうかなって。
いろいろ考えるんですよ、
そろそろ日本に帰った方がいいのかなとか。
いよいよ真剣に考えるときが来ましたね。
伊藤
うんうん、そっか。
田中
でも、今年は私、もう帰れないと思って
生活したほうがよさそうです。
飛行機が飛ぶのはまだまだ先でしょうし、
飛び始めても、すぐには帰らないと思います。
伊藤
じゃあ、いまそこでできることを、
毎日おうちの中でやっているということですね。
それにしても、なんだか不思議。
街が人でいっぱいで活気があるっていうのが
ホーチミンの印象だから。
そうだ、インスタに載っていた
子犬はどうなっているの?
田中
子犬! 工場の犬なので、
会えてないんですよ~。
番犬が2匹いて、
そこに6匹赤ちゃんが生まれて、
もうかわいくって。
片手にのるくらいの小ささだったの。
でも次に行けるときが来たら、
きっと、もうほとんど貰われていった後だろうな。

▲田中さんが以前撮影した工場の犬の赤ちゃん。

伊藤
そっかあ。
田中
癒しでした、あの犬は。
伊藤
これから、解除のプランは発表されているんですか。
田中
3段階に分けて解除していくっていうことで、
ハイリスクの都市である
ハノイ、ホーチミン、ダナン、
ラオカイっていう中国国境の町、
タイニンっていうカンボジア国境の町、
あといくつか指定されていてるところは、
最後になると思います。
最初に解除されるのは全く感染者がいないところ。
既に少しずつ行動制限解除の動きがでているみたいです。
2番目はそんなに感染者がいないところ。
一気に全部解除とはしないんですね。
私の住んでいるホーチミンは、
一番最後まで行動制限があると思います。
伊藤
地方の実家に帰ってはいけません、
みたいなこともあるんですか。
田中
はい。ニュースになっていたのは、
実家に帰って、ホーチミンに戻ってきた人が、
警察に怒られたって。
1人でもそういう例を出しておくと、
みんな一気にやらなくなるので、
大きな問題にはなっていないですね。
伊藤
そっか。
ベトナムの人たち、職を失わないといいなあ。
手仕事が減っていると
田中さん、以前おっしゃっていたけれど、
こういうときこそ、手仕事って強いですよね。
田中
そうなんです。このあと、きっと、
社会が変わっていくじゃないですか。
元通りにはならないだろうし、
絶対に会社に行く必要性があるかっていうと、
必ずしもそうではないっていうことになってきたし。
そうなるとなおさら、
手仕事って変わらない、強いなあと思って。
仕事さえあれば、家でできる。
明るい時間にやればいい話だもの。
太陽のサイクルで働ける。
すごいな、手仕事の人たち、って、
改めて思っています。
伊藤
田中さんも強いですよ、
あんまり変わらない。
自分のしたいことを仕事にしてるっていう
強さもあるのかもしれないし、
やっぱり外国に住んでるって、
母国語じゃない、文化も違うわけで、
私たちのように日本にいるのとは
またひと段階身構えが、心構えが違う。
だからこういう
「えっ?」っていう事態になったときでも、
強い感じがします。
田中
普段、いろんなことが降りかかってくるので、
ちょっとやそっとではびっくりしませんよ!
確かに今回はちょっと
「これは参ったな」っていう感じですけれど、
こればっかりは本当、ベトナム人が
「受け入れろ」っていうように、
「はい、わかりました」って。
社会主義も、こういうとき、すごいなって思いますよ。
政府がことを決めるのも早いですしね。
首相は今回のことで相当株が上がったんじゃないかな。
伊藤
なるほど。
社会主義ということもあるとは思うけれど、
みんな素直に家から出ないのは偉いな。
田中
この状況なら、人に会わないのが普通ですよ~。
伊藤
ですよねえ。
でも考え方の違うひとが多いと、
日本にいると感じるんです。
夫婦間でも違うし、
自分の近い人でも自分じゃないから。
田中さん、ありがとうございました。
どうかお気を付けて。
お家での仕事が進みますように。
田中
伊藤さんもどうぞお気をつけて。
ありがとうございました。
伊藤
久しぶりに話せて良かった!
田中
私も良かったです!
伊藤
早く会えますように。
ベトナムでも日本でも!

ある日突然、帽子に魅かれて。

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伊藤
とてもかわいい帽子をつくってくださって、
ありがとうございます。
かわいいだけじゃなくて、実用的で、
麦藁帽子なのに「ほっこりしていない」、ですよね。
苣木
とっても嬉しいです。
これはずっと作り続けて来た、愛着のある形で、
特に凝ったデザインではありませんし、
デコラティブなものでもなく、むしろシンプルですが、
そこを「いい」と言って頂けるのは、すごく嬉しいです。
ちょっとした工夫が、実はいっぱい入っているんですよ。
伊藤
そうですよね! 
昨日撮影でモデルさんに被ってもらったんですけど、
「サイズ調節ができる帽子は、
その調整する紐が痛いことが多いのに、
chisakiさんのは、全然大丈夫です」って。
苣木
気づいていただけて嬉しいです。
実は自分でも何回か
いろんな素材で試してみたことがあるんですが、
最終的に、ストレッチする素材がいいと考え、
ゴム紐になりました。
最初は伸びない紐にしていたんですけれど、
紐は最初はフィット感が出ていいのですが、
締めつける部分が痛くなってしまうんです。
きつく締めたときは、半日も被っていると、
頭が痛くなってくるほどで‥‥。
伊藤
ゴム紐の太さも、絶妙ですよね。
苣木
1ミリだと弱すぎるし、
1.5~2ミリだとちょっと太すぎて跡が付くので、
1.2ミリに行き着きました。
伊藤
シンプルとおっしゃるけれど、
すみずみまで工夫が行き届いているのがわかります。
苣木さんのこと、御存じないというかたも
いらっしゃると思うので、
「そもそも」からお話しいただいてもいいでしょうか。
なぜ、帽子デザイナーになったのか。
苣木
「すごく帽子が好きだったから」
‥‥というわけでもないんです。
帽子を被る習慣も、小さい頃から、多くはなかった。
なのに帽子をつくりはじめたきっかけは、
最初の結婚をして会社を辞めたときに遡るんです。
夫と2人暮らしだったので、
家にいても、そんなにすることがなく、
「誰の役にも立てていないな‥‥」みたいに、
気持ちのふさぐ時期があったんです。
そのときにたまたま当時の夫の知り合いの方に
会う機会があって、
「そんなに落ち込んでいて、しかも暇なんだったら、
帽子を教えてくれる人がいるから、習ってみれば?」と。
それがきっかけでした。
伊藤
教室に通われたんですね。
苣木
といっても、たった半日なんですよ。
「ベレー帽を作る」というテーマで教えて下さって。
ところがそのベレー帽にはまってしまったんです。
伊藤
ベレーひとつから、始まった。
苣木
そうなんです。
帽子に出会う以前に、
洋服の専門学校に通ったんですけど、
洋服はパターンを引いて、
トワルをくんで‥‥と工程が多く、
1日で完成させることも難しく、
私にとっては長い時間がかかりました。
けれども帽子はすごくちっちゃい世界で、
作ろうと思えば1日に何個も作れる。
その手早さみたいなのも魅力でした。
伊藤
私も学校でベレー帽の作り方を習いました。
蒸気を当てながら木型にはめて。
苣木
そうです! 蒸気でかたちを作ります。
結構、力のいる作業ですけれど、面白いですよね。
伊藤
はい、面白かった記憶があります。
苣木
元々全く違う形なのに、
蒸気で伸ばしてギュって木型に入れれば、
自分が思った形になるっていうことが楽しくて。
伊藤
じゃあ、まさか専業になるとは
思っていなかったんですね。
苣木
全く思っていなかったですね。
ただ何か「すごく楽しいな」っていう思いだけで。
そのベレー帽は8枚はぎだったので、
1ミリパターンが違うだけで、
その差がすごく大きいシルエットの違いになったり。
伊藤
じゃあ「被るのが楽しい」というより、
「作るのが楽しい」。
苣木
そうですね。
「作って誰かにあげる」っていうのが楽しかったです。
そこまでがワンセットでした。
伊藤
どなたかにプレゼントを?
苣木
そうなんです。
欲されてたかどうかも分かりませんが、
「どう、どう?」みたいな感じで送ったりしていました。
伊藤
ベレーと他の帽子は
随分作り方が違うように思うんですけれど、
そこからはあらためて勉強を?
苣木
そこからは独学です。
帽子を買って来て、分解して、
どういう作りになっているのかを見ました。
「あ、この硬さはこういう芯を貼ってるんだ!」とか、
分解していくと、わかることが多いんです。
伊藤
すごい!
苣木
すごくハマッちゃったんです。
もうそれまでが暗黒過ぎて(笑)。
伊藤
あら、そうなんですか?
20代ですよね。
苣木
そうですね、それが28のときかな。
元々アパレルに勤めていたんですが、
辞めて、1年間、エスモード・ジャポンに1年通って。
本来ならそこから洋服の道に進むのが筋なんですけど、
「何かちょっと違うな」と思っていたとき、
そういう出会いがあったんです。
独学‥‥学ぶっていうよりも、遊んでいる感覚でした。
つばの形だけを1日中、引いて縫って付けて、
角度の違いでどう印象が変わるか、研究したり。
伊藤
元々「ハマる」タイプなんですか。
苣木
そうみたいです、はい。
興味ないことは「んー?」で終わります(笑)。
伊藤
プレゼントしていた帽子を、
「売ろう」って決めたのはなにかきっかけが?
苣木
たまたま自分が作った帽子を被って、
知り合いが主催していた
アパレルの展示会に遊びに行ったんです。
そしたら、そこの社長さんが
「その帽子かわいいね」って言って下さった。
「自分で作ったんです」と伝えたら、
「デザイナーを探している帽子のメーカーがあるから、
面接を受けに行ってみれば?」と勧めてくださいました。
それで、サンプルを10個作って、面接に行ったんです。
そしたら、その会社の社長面接で
「ブランドをやってみる?」と。
伊藤
うん、うん。
苣木
その時の私には、
その意味がよく分からなかったんですけど、
「何もしていないという状況から抜けたい」、
「誰かの役に立ちたい」「働きたい」
という気持ちが大きかったから、
「はい、やります」って言ってしまいました。
そこでそのメーカーに就職したんです。
伊藤
帽子のメーカーに。
苣木
そうなんです、はい。
伊藤
そこで自分のブランドを。
「chisaki」はそのとき生まれたんですか?
苣木
いえ、その会社で
暫く活動していなかったブランドがあったのを、
「自分のブランドとしてやってみる?」と
社長が言って下さったんです。
伊藤
なるほど、もともとあったブランドの
デザイナーに就任したんですね。
苣木
そうなんです。
しかも、以前のコレクションは気にせず、
自由にやってよい、というお話でした。
ところがその「自由」がわからない。
そもそも帽子を何型作って、どういうお客さんに売って、
ということも全然分からなかったんですが、
「とりあえずやってみなさい。自分で考えながら」と。
それがスパルタ帽子業界のスタートでした(笑)。
伊藤
スパルタ!(笑)
苣木
さらに「出してみたい展示会はあるか」
って言われたんです。そのとき、
「プルミエール(Premiere Classe)っていう
パリの展示会にいつか出してみたいです!」
って言ってみたんですね。
そしたら、もう次のシーズンから出すことになって。
伊藤
なんていう社長さん!

バイク便が大活躍、 強いベトナムの人たち、 バックパッカーたち。

未分類


田中さんの住むホーチミンは、
この日、午後1時の気温が
なんと37度だったそう!
(ちなみに東京は午後3時、16度でした。)
「weeksdays」のアイテムも手がけ、
ふだんは工場や工房をとびまわっている田中さんに、
ホーチミンでの今の暮らしをおききしました。


田中
こんにちは、伊藤さん。
伊藤
こんにちは! 
ホーチミン、すごく暑いんだそうですね。
田中
そうなんです。このあと午後2時くらいまで、
結構暑い時間が続きます。
伊藤
ご自宅ですよね。
元気そうでよかった! 
おうちにずっと?
田中
そうなんです。買い物以外はずっと。
こうしてオンラインでも、会えて嬉しいです!
伊藤
本当に私たちも、嬉しくて。
こうして話せるのが。
田中
手帳を見たら、この間日本でお会いしたのが
1月22日で、こんなことになるとは
思っていなかった頃でしたね。
伊藤
あっという間でした。
ホーチミンはロックダウンしてから
どれぐらい経ちますか。
田中
1カ月‥‥経たないくらいですね。
(註:対談は4/18に行われました。)

▲3月21日、中心部の交差点。夕方、こんなに空いていることはまずありません。(田中さん)

田中
3月の末に向かって、感染者数のグラフが、
今日は何人、今日は何人みたいな感じで
ギューッて急に上がっていって。
私はその頃、ちょうど
郊外の工場に検品に通っていたんです。
近くで感染者が出たら、
あたりが封鎖されちゃうので、
はやいうちにと思って。
伊藤
封鎖!
田中
そう。厳しいんですよ。
工場の向かいに大きなマンションがあって、
そこでもし1人でも感染者が出たら、
その通りごと、入れなくなるんです。
伊藤
入れなくなったとして、
そのマンションや、地区の住人の
生活はどうなるんですか?
田中
家から出られません。
すごく徹底しています。
それが2週間続くんですよ。
伊藤
買い物にも出られない?
田中
出られないんです。
全部運んでもらうしかない。
伊藤
食料を運んでくれる
政府のシステムみたいなのはある?
田中
いえ、自分で、配車アプリを使って、
頼んで持ってきてもらうんです。
友人が感染者が出たアパートに住んでいて、
出られなくなっちゃったんですね。
でも、その友人が住んでいる
マンションの管理会社がすごく良かったみたいで、
お水を1ケース、インスタントラーメン1ケース、
その他、当座必要なものを1ケース、
各家庭に配り歩いてくれたんですって。
でも毎日インスタント麺ってわけにもいかない、
とは言っていたけれど。
伊藤
ホーチミンは、市場の活気もすごいし、
路上でも、フォーが食べられたりとかしたけれど。
田中
あ、もう、屋台は一切ダメです。
伊藤
町にもちょっとお腹がすいたねって、
気軽に安く食べられるお店が多いし、
ふだんの食生活、外食する人が多いでしょう? 
だからお店の人も、市民も、
どっちも困ってるんじゃないかと思っていて。
田中
そう、みんな困っていて。
レストランは営業停止中なんだけれど、
半シャッターにしている店もあって。
中も暗いので、やっていない体なんだけれど、
厨房には最小限の人がいて、
営業をつづけているところもありましたよ。
もう諦めて閉めちゃってる店も多いと思うけれど。
伊藤
外食ができなくなって、
みんな困っていないかしら。
田中
テイクアウトの営業をしている店が多いですね。

▲本来ならば、お店の前にたくさんのバイクが並び、若者で賑わうカフェも”TAKE AWAY” のみです。必要最小限のスタッフが頑張っています。(田中さん)

田中
毎朝6時45分ぐらいに、
自転車でパンを売りに来る人はいるんですよ。
もしかしたら町でも、
路上のパン屋ぐらいはやってるかもしれない。
伊藤
そっか。パンはおうちで焼けないし。
田中
私は、サワードウのパンを売る店に
週1ぐらいで買いに行って、
薄く切って冷凍庫に入れてます。
食べるものと言えばね、
ドキッとした出来事は、
政府が「お米の輸出を禁止します」
っていう宣言をしたことがあったんです。
食料がなくなったら国民が不安だからと、
輸出するためだったものを止めた。
でも、そこまでするのって、
よほど、行く先が不安だからじゃないのかな、
このあと大丈夫かな、って思って。
でも結局解除されました。
やっぱりお米の農家は、
輸出できないと食べていけないので。
日本もそうだと思うんですけど、
ベトナム政府は経済活動をできるだけ止めないという
政策を取っていて、
輸出に関わる工場は開いているんです。
それで私も検品に行けたんです。
伊藤
輸送は?
田中
一応、貨物は全部出てるんです。
伊藤
そんななかで、動いている工場は、緊張しますね。
田中
1人でも感染者が出たら閉めなきゃいけないから、
工員さんを集めて
国からのレクチャーを受けて稼働しています。
手を洗いましょう、
間隔は2メーター空けましょう、
マスクを必ずしましょう、って。
伊藤
それも政府が派遣して?
田中
オンラインレクチャーだったそうですよ。
街にそういうポスターもあります。

▲こちらは、SNS上で出回っていました。調べてみたところ、このポスターを描いたHiệpさんは、ポスターを販売したお金で貧しい人へお米を届けたそうです。ポスターの内容は、「家にいることは、国を愛すること」。ということで、家にいて感染拡大を防ぐよう呼びかけています。(田中さん)

▲交差点に掲げられた横断幕は、「免疫力を上げる習慣をつけましょう」。ベトナムはスローガンが時節に合わせて掲げられるそうです。

▲下町のアパートの掲示板に貼られていたもの。

▲タワーマンションのロビーで配布していたもの。感染拡大を防ぐためにするべき6か条が書かれています。

伊藤
休業することになったお店などは、
国からの補償はどうなんですか。
田中
多少、あるとは思うけれど、
一律全員にとか、
そういうのはないはずです。
伊藤
そっか。じゃあやっぱり、
仕事ができない人は本当に困る。
田中
もう倒産している会社が出ているし、
倒産の手続きをしているところもたくさん。
伊藤
そうなんだ‥‥。
田中さんは、どういう感じですか? いま。
田中
忙しくしているんです。
こうなる前に、工場から
山のようにものを運びこみました。
家で検品などの仕事が出来るように
整えていたんですよ。
いまそれをこなしている感じです。
伊藤
じゃあやることがなくて、っていうよりは、
ちょっとは気が紛れますね。
田中
そうですね。ただ外に出られない。
友達にも会いに行けないですし‥‥。
この厳しさのなかにいると、
日本のニュースを見て
ちょっと心配になることもあります。
意外とみんな、動いているようだから。
伊藤
普通に会社に行っている人もいますしね。
友人に、やめなよって言っても、
それはできないって‥‥。
田中
都内に勤めている妹も、
しばらく会社に通っていました。
つい最近です、行かなくていいようになったのは。
伊藤
会社が決めてくれないと、
どうしようもないですよね。
「じゃあ辞めます」とも言えない状況だし。
田中
妹には私が怒ったんです。
「そんな会社辞めてしまいなさい」
「こんなときに会社に来させるなんて、
ちょっとどうかしてるよ」って。
妹は、毎日電車に乗って都内に行っていたから、
精神的に厳しかったみたいで、
私の言葉をうけてか、会社に言ったそうです。
「このまま続くようだったら
会社を辞めることも考えています」って。
でも、通わなくていいようになってよかったです。
伊藤
そんなふうに会社に言える人は
少ないかもしれないですね‥‥。
来月の家賃どうしよう、って思ったら、
その決断はしづらいですし。
こちらは、そこまで考えている人もいれば、
すごくのんきな人もいて、
外でマスクをせず雑談してる人もいる。
「えっ?」って思っちゃう。
私のほうががおかしいの? って。
田中
広い通りから小道に入ったところに
住んでるんですけど、
その突き当りが幼稚園だったんです。
その幼稚園を壊して小学校に建て替えて、
この旧正月の休暇が終わってから
小学校が始まる予定だったんだけど、
休みのまま、開校していないんですね。
家で検品をしてたら大家さんから連絡が入って、
そこが隔離施設になるって。
検疫隔離だから発症してる人ではなく、
濃厚接触のあった人や、
海外から帰国した人が飛行機を降りたら
有無を言わさずそこに連れて来られて
2週間いてもらうための施設です。
もし、そこで発症したら病院に搬送するための。

▲3月21日の朝刊。ベトナム入国者全員が、コロナウイルス感染拡大を防ぐため、検疫隔離が決定しました。

田中
心配なのは、
大家さんのおじいちゃんとおばあちゃんが
94歳だってことです。
伊藤
ああ、それは心配。

▲大家さんのおばあちゃん。

田中
私が検品先の工場から
ウィルスを持って帰っちゃったら大変でしょう。
だから、早いうちに商品を家に運んでもらって、
家でできるようにしていたんですけれど。
伊藤
そっか。
田中さんは、仕事先の人とのやりとりは?
田中
ふだんは製品づくりの指示書を書いて
持っていって話すんですが、
いまは家で仕様書に詳細に書き込み、
服だったら、パターンと布をセットして、
工場までバイク便に運んでもらっています。
わからないところは
Zaloというコミュニケーションツールで
連絡を取り合って確認します。

▲田中さんが刺繍製品全般を担っている@costa.japanの資料。

伊藤
いまは、写真もメモも、
すぐに撮れるし書いて送れるからいいですね。
田中
ない時代は大変でしたよね。
電話でずっとしゃべらなきゃいけなかった。
でもまあ、普段よりちょっと
やることが多いねっていうぐらいで、
そんなに基本的に変わらない生活をしてます。
ふだんの生活より、
ちょっと作り置きするものが増えたくらいで。
家中の保存容器を総動員(笑)。
伊藤
私も確かにそう!
作ったものをおすそ分けするときのための
ジップロックを、とうとう家で使い始めました。
田中
でもね、たいへんだたいへんだって言っても、
戦争のときって、
もっとすごかったんだろうなと思うんです。
それを考えたら、楽ですよ。
爆弾が降ってくるわけじゃないから。
伊藤
確かにそうかも。食べるものもあるし、
家にいれば安全なんだから。
田中
ベトナム人は強いから。
ベトナム戦争が終わったのが
1975年ですから。
伊藤
戦争が記憶に新しい人もいますものね。
田中
みんなたくましいですよ。
伊藤
どういうふうなときに、
そのたくましさを感じる?
田中
慌てずにすぐ受け入れるところですね。
言われたらマスクはみんなするし、
規律も守る。
最初の頃、私が慌てているふうに見えたのか、
「起きたことはどうにもできないから、
受け入れて、ヒロコ!」って言われましたよ。
伊藤
すごい。すごいなあ。
「受け入れて!」かぁ。
考えても仕方のないことでイライラしたり
怒ったりするんじゃなくてね。
田中
検品してる間じゅう、
毎日言われてました(笑)。
伊藤
外国から来てひとりで仕事をしているから
心配してくれたんですね、きっと。
それは年上の方がおっしゃるの? 
関係なく、みんなそういう感じ?
田中
若い子たちもそう言ってます。
伊藤
それはすごいなあ。
田中
スマートフォンをみんな持ってるから、
ニュースもちゃんとチェックして、
教えてくれるんです。
伊藤
SNSでデマが回ったりはしませんか。
田中
何回かあったけれど、
捕まった人が出て、おさまりました。
1人捕まると、次は出ないんです。
マスクを高く売ったら罰金とか、そういうのもあるし。
伊藤
なるほど。
田中
そうそう、先日、工場帰りにバスに乗ったとき、
停留所にバスが来たのに扉を開けてくれなくて。
「え?」と思ってたら、
窓からおじさんが「手を出せ!手を!」と叫んでいて、
手を出したら、
そこにポトンってアルコールジェルを乗せてくれて、
ゴシゴシしたら、バッて扉が開きました(笑)。
伊藤
へえ~!
田中
それをしないと、乗せないみたい。
伊藤
東京でもね、今日、食材を買いに出たら、
スーパーの入口にレーンができていて、
人が立って、距離を空けるように指示してました。
手のアルコール消毒はもちろん、
カートも全部消毒していて、
こんなに徹底しているスーパーもあるんだ、
って思いました。
みんなひとりで来ていましたし。
田中
こっちは検温もされますよ。
今日、銀行に行ったら、
入り口でおでこにピッとされました。
37度以上の人は帰らせるって。
そんなに感染者は多くないんですけれどね。
今日(4/18)までに、ベトナム全土で
感染者が268人です。
伊藤
えっ、すごい。
それでもロックダウンをしたんですね。
だからこそ少なく抑えられているんだと思う。
田中
そうですね。本当に厳しい。
うちの奥の検疫隔離所も、
最高で14人くらい入ってたときがあったけれど、
みんな問題ないから徐々に出て行きました。
昨日ちょっと騒がしかったから、
どうしたのかなと思ったら、
外国人が4人入ったと。
ホーチミンに、バックパッカー街があるんですよ。
そこから。
伊藤
そっか! そういう人たちって、
どうしているのかなって思っていたんです。
帰国できなかったりもしますよね。
田中
帰れなくなっちゃった人もいますよね。
結構早い段階で空港が閉鎖され、
国際線があっという間に飛ばなくなったので。
そのバックパッカー街にも隔離施設があるんですが、
そっちがいっぱいだからこっちに来たって。
「え、そっちがいっぱいって何人いるの?」
と思いましたけれど。
伊藤
確かにねえ。
外国でこの事態を迎えて、
帰国もできないと想像すると‥‥。
バックパッキングの旅は、
予算も潤沢ではないだろうし。

▲マスクをして、夕方ジョギングや散歩に出かける人々。気分転換になるでしょうけれど、見ている私の方が息苦しさを感じてしまいます。(田中さん)

FinFamiのヒント、 「ご近所さんを知っておこう」アプリ、 オンラインズンバ。

未分類

森下
昨日、仕事で日本の精神科関係の人たちと
オンラインで話をしていたんです。
精神的にちょっと苦しい、
もともとそういうところがある人の家族が、
このコロナのなかで
どうすればいいのかという話題が出て。
伊藤
ええ。
森下
フィンランドでは、FinFamiという、
精神疾患のある家族がいる人のための組織が、
この危機に際してどんなことが必要か、
発表しているんですね。
その中に「ゲーム」ってあるんですよ。
ほかにも、ユーモアは欠かせないとか、
おいしい料理を作ってみるとか、
掃除をするとか、
伊藤さんの世界につながりそうなものが
いっぱいありました。


FinFami
経験専門家たちからのヒント。
(抜粋)
(森下圭子訳)

飛行機の緊急時もそうですが、
酸素マスク装着にサポートが必要な人といる場合、
まず最初に自分の酸素マスクを装着してから
サポートします。
まずは自分のことが守れてこそです。
どんな感情がわいてきてもいい、
それを自覚できていることの方が大切なのです。
コロナのこの状況にあっては、
様々な感情を抱くかもしれませんが、
あれこれと感じていいのです。
そしてそれらの感情を怖がらないほうがいいのです。
精神疾患のある人の家族のかた、
まずは自分を大切にしてください。

1. 近所の助け(善き隣人)
2. 食事の助け(スーパーまたはレストラン・カフェで買ったものをドアの前まで届けてもらうなど)
3. ユーモアやコロナを題材としたミーム
4. ビデオ電話やネットコミュニケーションで気持ちの共有
5. ルーティンや明確な一日の時間割を作り、時間の過ごし方を楽にする
6. 外へ。森の散歩、自然観察や写真撮影
7. 読書
8. ネット上でグループを作る
9. 自分の感情を受け入れる
10. 手芸やアート:手を動かしたり、音楽、美術、文章を書くなど
11. 他者を助けること(おつかいなど)は、他者の喜びであるだけでなく、喜んでもらえることで自分にとっても嬉しいことになる
12. 十分な睡眠
13. 食事のプラン、料理、ケーキやパンなどのベーキング、健康的な食生活
14. ゲーム
15. 掃除
16. 自分の庭の庭仕事
17. テレビ鑑賞
18. ラジオを聴く


伊藤
わぁ。
森下
ね。ほんとうにシンプルなんです。
最初のメンタルヘルス・フィンランドの
16項目もそうですが、
自分の中の苦しさや不確かな感情を受け入れることも
大事だってわかったのもよかったです。
不安は隠しとこう、で終わっちゃうけれど、
受け入れていいんだよって書いてあったら、
あ、別にいいんだなって思うし。
一回自分の中で受け入れてるっていうのは、
我慢することとは違いますしね。
我慢しないっていうのも大きいでしょうね。
伊藤
うん、我慢しない。
森下
言われたから我慢して外出をやめます、
ってなってしまうと、
どこかでバーッと突っかかりたくなる。
だけど、自発的だったら、
いろんなものに寛容になれるというか。
伊藤
そう思います。
ほんとうに気の持ちようですよ。
さっきも言ったけれど、
こんなふうに世界中で同じ時間を過ごして、
それを突破したあと、
よくなってたい、自分が。
森下
いや、ほんと、そうですよね。
自分でそう信じていくしかないです。
よくなってる未来を想像するには、
やっぱり日々、前向きに生きていかないと。
伊藤
こうしてオンラインでお話しをしていると、
毎回、私が元気を貰っているんです。
森下さんにもいっぱい元気を貰っちゃった。
森下
私もそうですよ!
このごろ、友達とオンラインで
顔を見て話す機会が増えたんですよ。
これって、すごく新しい
コミュニケーションが生まれている気がします。
伊藤
うんうんうん。
森下
直に会ったり、文字だけだったときと違って、
今まで触れてなかったことを
素直に一緒に話し合える。
たとえばちょっと心にモヤモヤがあるときに、
「なんかこう、釈然としないものがあるんだよね」
って説明抜きで話を始めることができたり。
「このモヤモヤって何なんだろうね」
みたいなことを。
明確な理由なんてないことも多いから、
答えなんて出てこないんだけれども、
そういうことってあまり話してこなかった。
伊藤
おお、なるほど。
だって、今までにない事態ですもん。
会いたい人に会えない。近くにいても会えない。
森下
会えない、そうなんです。そう、近くにいても。
伊藤
コミュニケーションの仕方が変わりますよね。
森下
ほんとう、変わりましたね。
最初、散歩のときも、
2メートルぐらい離れて歩いてくださいって言われて。
ヘルシンキも人が少ないとはいえ首都です。
どうしたって人とすれ違う。
2メートル離れようって意識すると、
なぜだか知らないけれども、
目線をそらすんですよ。
それまでなら目を合わせてたはずなのに、
わざと会わなかったふりをして、
ちょっと離れていくみたいな‥‥。
伊藤
へぇー(笑)。
森下
でも、行動制限が始まって4週目ぐらいかな、
やっとお互いがちゃんと
目を合わせられるようになって。
伊藤
距離を保ちつつも、目は合わせる。
森下
人ってやっぱりそれを欲してるんだろうなって。
この前、散歩中、
立ち止まって空をじっと見上げてたら、
1人のおばさんが4、5メートルぐらい
離れたところから言うんです。
「このあたり、サギがいるのよ、サギ!」って。
「いるのよ。サギの声、聞こえる?」
伊藤
(笑)鳥のサギですね。
森下
そう突然言われて(笑)。
で、耳を澄ませるんだけど、
鳥はいっぱい鳴いているから、
どれがサギの声なのか全然わかんなくて。
伊藤
(笑)
森下
「サギがいるせいでね、カモメが驚いて、
飛び跳ねていくのを見たりしたことがあるのよ!」
みたいなことを5メートル離れたところから
おばちゃんが話しかけてきて、
そのあいだをカップルが通っていく。
何、この状況? って(笑)。
伊藤
その距離の取り方も
だんだん慣れてきそう(笑)。
森下
そうなんです。
こんな状況でも、人って、
ちゃんとコミュニケーションを
取りたくなってくるものなんだなって。
楽しいですよね。
そうそう、大半のジムが休みになっていて、
行くのも怖くなってる人たちのあいだで、
森の中にあるジム器具を使うのが人気で。
伊藤
えっ、えっ。森の中に?
ちょっと待ってください。
ヘルシンキの街中から
歩いて行けるところに森があるんですか。
森下
そうなんですよ。
私も、中央駅へ行くのに
歩いて30分ぐらいのところに住んでるんですけど、
うちから歩いて15分ぐらいのところにもう森があって。

▲「行動制限が始まってから毎日のように歩いている近所です。これらの風景が歩いて3分~30分くらいのところにあります」(森下さん)

伊藤
そうなんだ!
まさかそこでブルーベリーとか
摘めないですよね。
森下
あ、摘めますよ!
でも、街の近くの森はライバルが多いです(笑)。

▲「ブルーベリーはまだ芽が吹きだしたばかり」(森下さん)

▲「摘み頃のブルーベリー」(森下さん)

▲「森のブルーベリー(野生種ビルベリー)」(森下さん)

森下
それで、森の中にポツンポツンと
ジムのトレーニングができるような設備があるんです。
腹筋とかできる。
そういうところでトレーニングしてる人たち同士、
やっぱり2メートルぐらい距離を取りながら
話してる人がいたりとか、
前の人が終わるまでちょっと離れて
立って待ってる人とか。
言葉を交わさなくても、
人はなんとなくコミュニケーションを取るんですね。

▲「モダンな器具の場所は人気で、ついに、ソーシャルディスタンスや衛生面での注意事項の貼り紙がありました。私が愛用しているのは誰も使ってない丸太のリフティング場。これを肩にのせてお神輿担ぎの訓練も始めました! ときどき地下足袋をはいて気分をもりあげて行っています」(森下さん)

伊藤
森の話でいうと、
大好きな法律がフィンランドにあって。
どこの森に入ってブルーベリー取ってもいい、って。
森下
そうなんですよ(笑)。
誰の所有でもいいんです。
でもね、ここもやっぱり信頼がベースにあって、
法律で禁止はされていないんだけれど、
フィンランドの人たちは、そこに家が見えたら、
そこから先のブルーベリーは摘まないんです。
家の人たちが夏の朝、
外の森でささっとブルーベリーを摘んで
朝ご飯にできたらいいじゃないですか。
だから、バカンスを過ごすサマーハウスでも、
森でブルーベリーを摘んでいて、
視界に家が入ったらもうそこから先に進まない。
それは、そこのおうちの人たちの
ブルーベリーだからね、って。
伊藤
すごく素敵!
やっぱり自立してますよね。
森下
そうかもしれない。
最初にコロナの感染者が出て、
すぐさま自宅隔離あるいは自宅待機を
言い渡された濃厚接触者たち、
それから外国から帰ってきた人たちは
なるべく外に出ないでくださいと言われた時、
もし食べ物に困って、
スーパーとかご近所さんの助けが
得られないようだったら、
市からちゃんとワーカーさんを派遣しますと。
家の玄関前に物資を置いておくので心配要りません、
みたいな発表がすぐにあったんですね。
でも、それと同時期にフィンランドでは
あるアプリが立ち上がって。
それはご近所お助けアプリみたいなものなんです。
伊藤
うんうんうん。
森下
たとえば、私はここに住んでます、
ここの地区からこの地区ぐらいのあいだだったら
おつかいとか犬の散歩ができるので、
いつでも言ってください、
ということが登録できるんです。
伊藤
へぇ!
森下
一応セキュリティはきちんと、
フェイスブックで連携して、
怪しいものじゃないですよと、
ちゃんと身元が割れるような形で登録して、
助けが必要な人がお願いをするんです。
市からも援助するという発表があったけれど、
自分たちも自発的にお手伝いするようなサイトが
同時に上がったというのは、大人ですよね。
自発的に自分たちのできることを、と。
伊藤
うんうん。やっぱり自立してるから
人にも優しいというのがあると思う。
自分がちゃんとあるから、人に優しくできる。
自分に不安があったら、ねえ、やっぱり‥‥。
森下
自分のことで精一杯ですもんね。
伊藤
そのサイトを立ち上げたのは
どういう人たちなんですか。
森下
「ご近所さんを知っておこうアプリ」
みたいなのをもともと作ってた人たちが、
その仕組みを使って即・立ち上げたみたいです。
私が住んでるところって
高齢者が多いエリアなんですけど、
チェーン展開しているスーパーのオーナーも、
すぐさま自発的に、オープン前の時間を
高齢者のために開けようと。
だからこの時間からこの時間は
70歳以上の人のみの入店にします、
みたいなのをやったりとか。
レストランとかカフェも大変なんですが、
ミシュランの星を獲ってるレストランがつくった
フィンランドの家庭料理や、お寿司なんかを、
スーパーと協力しあってスーパーに置いたりとか。
そういうことを、みんな自分たちで工夫しながら
やってますね。
伊藤
なるほど。
私たちも、やれることはまだありそう。
そのお話を聞くと。
森下
フィンランドも、もっといろいろ
アイデアを出してくるような気がします。
ここに来て想像力って言葉が
私の中で大きな価値になっています。
伊藤
想像するっていくらでもできますもんね。
森下
そうなんですよね。
いいなと思ったら、失敗を考えなくても、
こんなときなんだから「やってみようよ」、
うまくいかなかったら、
「うまくいきませんでした」でいいんだなって。
伊藤
じゃ、私は手芸に挑戦してみますよ、ひさびさに!
‥‥でもでも、最近、目が。
森下さん、私たち同い年なんですよね。
森下
そうなの!
伊藤
最近針仕事がつらくって。
森下
今までと違いますよね、作業の進み方がね(笑)。
伊藤
そう。もう夜の針仕事なんかできないし(笑)。
森下
夜の読書もつらい(笑)!
伊藤
だから、明るいうちに、ね。
これを読んでくれた人が、
自分だったら何できるかなって
考えるきっかけになってくれたら、
すごいうれしいですね。
いつもよりきれいにごはんを盛り付けるとか、
ちょっとしたことからでもいいし。
森下
使ったことのなかった調味料を使ってみるとか!
伊藤
森下さん、ありがとうございました。
あっという間に1時間!
そうだ、最後に、森下さん、
いまもズンバはやってらっしゃるのかなあ。
みんなでダンスするエクササイズの。
森下
やってますよ! オンラインズンバ。
もう何が楽しみって、
私は、1週間に何回でもズンバができるぐらい
ズンバが好きだったんですよ。
でも10人以上の集会がダメになった段階で、
ジムのグループレッスンもなくなって、
どうしようと思ってたら、
オンラインでズンバができると知って。
インストラクターとZoomでつないで、
レッスンを受けられるんです。
やってます。

▲オンラインズンバ。「いろんな国のインストラクターたちのクラスに参加できるのが楽しくて。いま一番好きなのはこちらのルーマニアのインストラクターたちのズンバです」(森下さん)

伊藤
楽しそう!
森下
フィンランドってやっぱり
ITを使い慣れてるんだと思ったのが、
けっこう高めの年齢層のみなさんが、
ほとんどトラブルなしに
オンラインズンバに参加できてるのですが、
これも各国のズンバを体験すると、まちまち。
参加してる人たちで助け合うところもあるし、
ああ、場合によっては
次々と問題発生をコメントしてくるんだけれど、
放置みたいな。
でもそんなZoom使用におけるカオス状態も含めて、
面白くって仕方ないんです。
伊藤
ハプニングが!
森下
私も散歩とジョギングだけだと吐き出せなかった
ストレスがあったんでしょうね、
オンラインズンバで
音楽を聞いてガーッと踊ることで、
ずいぶん気分が楽になりました。
伊藤
いいですね~。
よかった、元気なお顔が見られて、
ほんとうに元気になりました! 
森下さん、ありがとうございました。
またぜひお目にかかりましょう。
森下
ありがとうございました、こちらこそ。


対談のあと、送ってくださった
森下さんのメール

そうだ、忘れてました!
テレワークで、衝撃的にぶっ飛んでいながらにして、
かつ最高に人を幸せにさせる方法を
編み出した人がいました。
フィンランド国税庁のインスタアカウント!
@verohallintoです。

ここが平日毎日犬の赤ちゃんの
インスタライブをやってくれるのです。
テレワークのなせるわざ! ですね。
自分ちの犬の赤ちゃんたちを映してるという、
ただそれだけなのですが、これが大人気。
私はほぼ毎日チェックしています。

そして行動制限がはじまって5週目。
ついに犬の赤ちゃんの名前募集大会がはじまりました。
皆がコメントで犬の名前を応募して、
そこからさらに2つに絞り、
みんなの投票で名前を決めるのです。

話を戻しますが、これ、
フィンランドの国税庁のインスタです。
ただ、このインスタアカウント、
もともとから斜め上をいっていて、
Veromeditaatio(税瞑想)なる、
不思議な動画も流しています。
たとえば移動費に関する減税の案内とか、
税金に関するものを、
瞑想の「吸って~吐いて~」みたいに語るのです。
日本だと炎上案件になりかねないこの世界が、
大いにウケているという。
まだインスタライブを見ている人が
それほど多くなかった頃は、
こちらがハート目のメッセージを送ると
犬とハートのスタンプを
送り返してくれたりしていました。
国税庁ですが。(森下圭子)


chisakiの夏の帽子

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出かける日を待ちながら。

未分類

丸襟のワンピースに、
三つ折り靴下、
ワンストラップの靴。
仕上げに、麦わら帽子をかぶったら、
したくは終了。
子どもの頃の夏のお出かけ着は、こんな風。

どこに出かけたのかは、
あんまり覚えていないのに、
家を出る前の、この時間は記憶にしっかり残ってる。

ふだんは、オーバーオールやジーンズなどの、
カジュアルなかっこうが多かったからかな、
「おしゃれをする」っていうのが、
うれしくってたまらなかったからかもしれません。

大人になってからは、
どうだろう? 
そういえば、最近あんまり帽子をかぶっていない。
どうも、自分にしっくりくるものが
見つからないでいたのです。

シックで、大人っぽくって、
きちんと日よけもしてくれて、
たためると、なおうれしい。
そんな帽子はないものか?
‥‥と探して探して出会ったのが、
chisakiの帽子です。

形、色合い、つけ心地。
どれをとっても、なんだかいい。
大人のおしゃれにぴったりな、
夏の帽子はいかがですか。

会わないことが思いやり、 楽しもうという想像力、 スウェーデン語の勉強。

未分類

伊藤
それにしても、自分の国と、
その国の人を信じているって、
すばらしいことですね。
森下
フィンランドの社会は、
信頼をベースにしているんです。
最初のうち、行動制限が始まったばっかりのときって、
やっぱり守れない人が大勢いて。
とくに高齢者とか、
ネットで人とコミュニケーションとる術が
あまりない人はついつい、ね、
やっぱり実際に会うしかないというか。
まだ飲食店で飲食ができていた時期でもあり、
70歳以上の人がそういうところに集まっていました。
そのとき、首相が強く訴えたんです。
「私たちはあなたたちを信頼している」と。
「あなた方を信頼したい。
だから、禁止せずに済むように、
みんなで集まったりしないでください」って。
それでずいぶんと変化しました。
いまは行動制限がかなり厳しくはなっているけど、
日本で報道されている
西ヨーロッパの都市ほどではありません。
伊藤
感染者はどれくらいですか。
森下
ヘルシンキは意外と多いんですよ。
10万人あたりで感染者が何人か、
という計算があるんですけど、それだと、
首都圏で126.5人なんですね。
東京の世田谷区でも4月上旬で
10人以下じゃないかと思うんですが、
そう考えるとすごい数字です。
それでもヨーロッパの中では少ないほうです。
──
4/17のデータでは、
フィンランド全土の総感染者が3369人、
死亡72人。これはヨーロッパの中では
桁が2桁、3桁違うくらい少ないですね。
森下
そうなんですよね。
でも、人口も少なく、550万人ですから。
伊藤
みなさん、首相の言葉のあとは、
守るようになったんですね。
森下
そうですね。言われたときから、すぐに。
若い人もそうです。
ある人のフェイスブックを読んでいたら、
高齢の両親のところの食材を届ける時、
ドアの前に置いてピンポンダッシュをしたと。
2メートル離れてなきゃいけないから、
やっぱり会ってしまうとつらい。
だからピンポンダッシュして、階段のかげから、
親がドアを開けて物を取っていく音を聞く、みたいな。
最初は、そんなふうなことがみんな辛そうだったけれど、
少しずつ、そうすることが
この国でみんなで一緒にやっていくことなんだから、
っていう感じになっていきましたね。
伊藤
ほんとう、今、会わないことが思いやり。
会社勤めの人は、リモートワークですか。
森下
私の周囲は、完全リモートワークです。
ただ、できてない人もいます。
夏休み気分でいる人もけっこう多いし、
子どもが家の中にいるので
仕事がはかどらないしっていう人もいる。
あと、シビアにレイオフ、休暇を出されてしまって、
失業の手続きを取っている人もいます。
お店の人に多いかな。
また営業が再開したら戻れるんでしょうけど、
そういう意味で仕事をしていない人もいます。
伊藤
フィンランドは夏休みをとても大事にしていて、
テレビ番組すら夏休みになるんですよね。
日本の人ってほんとうに勤勉だし、
オンオフの切り替えが苦手というか、
いつも動いていなくちゃ、というところがあるけれど、
フィンランドの人って、
オフのときはすぐに切り替えられるし、
じっとしていることもできそうだし、
自分の時間を持て余すこともなさそう、
っていう印象なんです。
それもやっぱりお国柄なのかなと
思ったんですけど。
森下
確かに、もともと、
こうしなきゃいけない、
ああしなきゃいけないって中に
生きてきてない感じはしますね。
なにをするにも自発的。
働かないときは働かないときなりに、
すごく自発的に自分の時間を使います。
伊藤
自分の時間も、
休暇をあえて静かに過ごすのと、
今のように「動かないで」って言われている時で、
心の持ち方が違うじゃないですか。
それでもみんな、そんなに変わらず、
自分の時間をマイペースに?
森下
深刻にしてることはあんまりないですよ。
みんないろいろ不安だと思うんですけれども、
その中で一所懸命楽しもうという想像力はすごくて。
だから、本気で大人が遊んでたりしますね、室内で。
伊藤
どういう遊びを?
森下
たとえば、フィンランドの
有名な絵画を使ったりして、
その絵を真似するのがSNSで流行してます。
自分でメイクしたりコスチュームを考えて、
絵になり切って遊ぶんです。
伊藤
あのシャイな人たちが!
森下
そうそうそう(笑)。
それで写真を撮って載せるの。
伊藤
1人だからできちゃうのかな(笑)。


「フィンランドの人がやっている、
絵画を真似する人たちの
インスタを集めているアカウントはこちらです。
@karanteenitaidetta
アカウントをやっているのは
フィンランド全国の博物館や美術館で使える
ミュージアムカードを出しているところ。
Tussen Kunst & Quarantaineの
「世界の名画のパロディ」を見て始めたとのこと。
そうそう、この
@tussenkunstenquarantaineも爆笑です」(森下さん)


森下
私が今、友達とハマってるのは、
新しいコミュニケーションの取りかた。
メッセージでやりとりするんですけど、
小さな仮装をして自撮りをして、
自分で考えた呪文を発表しあったり(笑)。
伊藤
かわいい(笑)!
森下
そういうことをみんなで考えて遊んでいるんです。

▲「イースター用に友人たちに自撮りメッセージを送るときも手軽な仮装をしてから。イースターと言えば、魔女と黒猫。黒猫がいないので、ムーミンのご先祖さまぬいぐるみを。すっぴんの顔にこんなことばかりしてるので、この日もなんとなく鼻の先っぽが赤く染まったまま一日を過ごしました」(森下さん)

森下
最近すごく思うのは、
フィンランドの人たちの想像力って
ほんとうに素敵だなということ。
自分たちで楽しむために何ができるかなって考えて、
ちょっと面白そうだからやってみようって、
なにかしら、やるんですよ。
だから、あんまり深刻なことは聞かないです。
みんな怖さはあると思うけれども、
あまりそれを表には出さずに。
伊藤
すごく大人ですね。
みんな自立した大人だって感じます。
森下
そうかもしれない。
誰に言われたからじゃなく、自発的で。
でも、そんなフィンランドにも、
だんだん若い人たちが我慢できなくて、
直接会ったりしちゃうという話も聞きます。
だからといって、それを痛烈に批判する世論よりも、
今、自分たちがどうやってこの状況を
気持ちよく過ごすことができるかっていう
アイデアを出し合うほうが建設的だって、
多くの人が思っているんだと感じます。
伊藤
今、東京都も「お願い」なんですよね。
でも、こういうことって、
お願いされるのではなく、
自分でって思うこともあります。
日本では「お願い」としか
言えないみたいなんですけれど。
だからこそ自発的なこと、大事だなって。
フィンランドの人たち、前向きですね。
森下
そうなんですよ。
家の中を楽しむことを考えるほうが
前向きになれる気がして。
伊藤
今、自分だけ出るなって言われてるんじゃなくて、
一つの地域でもなく、全世界が同じなんだから、
ちょっと気持ちを変えればいいのにって
すごく思うんですよね。
森下
伊藤さんも、室内で遊ぶのは得意そう。
多分いろいろとなさっているでしょう?
伊藤
うん。私、もうほんとうに
一生いられるかもって思うくらい(笑)。
森下
(笑)どうやって時間を過ごしてますか。
伊藤
昨日からはNetflixでエリザベス女王の
シーズン3ぐらいまである連ドラを見始めました。
森下
『ザ・クラウン』ですね!
伊藤
もう、ヤバーい! と思うくらい面白いです。
あとは、たまっていた本を読んだり、
家の片付けをしたり。
早起きして仕事して、朝ご飯食べて、
またちょっと仕事して、
「あ、もう昼ご飯だ」と準備して、
食後ちょっと仕事すると、もう夕方。
「また1日終わったね」みたいな感じです。
森下
どうやったら見つけられるんですかね、
みんなね、自分で。
伊藤
パリのお友達と話していたときに思ったんですが、
自分の中を豊かにできることを知ってる人が
今、強いなって。
人任せではなく、受ける楽しさだけじゃなく、
自分の中でどう過ごそうかっていうことを、
ちょっと噛み砕いて、
楽しくできる方法を知ってる人が強いです。
森下
フィンランドにも私が見えてないところで
いろんな人がいると思うんですけれど、
自分が何をしたいか知ってる、
自分自身で自発的にいられるって、
やっぱり大きいのかもしれない。
最近思うのは、自分の頭の中で
どれぐらい想像力で広げられるかって大事だなって。
少なくとも私の周りで前向きでいる人たちを見ながら、
何が大きいのかなと思ったら、
やっぱり想像力かなと。
それと、自分にちゃんとビジョンがあるかどうか。
日々の暮らしの中でも、こうやってみようかな、
ああやってみようかなっていうのは、
想像力がないとできないんですよね。
伊藤
そうですね、うん。
森下
受け身で生きてると、
誰かの言葉や外からの情報がないと何もできない。
そういう状態で今、家の中に1人でいなきゃいけない、
っていうのはとても苦しいかもしれない。
けれども、想像力が一つあると、
空を見上げてるだけでもいろいろ生まれてくるんですよね。
作ったことのなかった料理をしてみよう、というときも、
いろんなものを見たあとで、
じゃあ私はどういうことができるかって考えていけば、
今は時間に余裕があるから、ものすごく時間をかけて
自分で工夫することもできるし。
レストランのシェフが契約農家の食材を売って
レシピを公開してくれているのを参考にしたり。
10分ごとにオーブンの中のものをひっくり返したり
しなきゃいけない料理なんて、
普段はやろうとも思わなかった。
そういう料理も、時間があるので
やってみようって。

▲「使ったことのなかった食材を初めて使ってみたり、いままでやったことのない調理法を試してみたり、初めての料理にトライしています。サーモンスープとシナモンロールは普段もよく作るのですが、今回は時間をかけていつもと違う作り方で作ってみました。」(森下さん)


「フィンランドでじわじわ注目され人気になっているのが『お花のフォカッチャ』。フォカッチャ生地の上にお花を描くように、いろいろトッピングするんです。季節的にもぴったり」(森下さん)

伊藤
そう思う。行動できる範囲が広いからといって、
心の中が広いわけじゃないんですよね。
この騒動が明けたときに、
どう過ごしたかによって
今後の自分が変わりそうですよね。
森下
私も最初のうちはどうしていいのかわからなくて、
むやみやたらに散歩したりとか、
ただダラダラ過ごしていたんです。
でもダラダラ過ごすって、
決して自分の気持ちにとって
いいことにならない。
メンタルヘルス・フィンランドが書いていたように、
「新しい習慣が作れないか、考えたり計画してみる」、
これはとても大きなことでした。
伊藤
森下さん、それで考えた新しいことはありますか。
森下
私はね、スウェーデン語を
もう一回やり直してます(笑)。
伊藤
へぇー!
森下
続々と仕事がなくなっていってしまって、
この夏、すごく暇そうだなと思ったんですね。
ふと、夏の季節労働者としてベリー摘みとか、
海外からやってくる労働力の代わりに
バイトしようかなとも思ったんですが。
でもフィンランド国内で、
もし自由に行き来できるようになるのだったら、
スウェーデン語しか話さない地域に行ってみようと、
トーベ・ヤンソンが大好きだった群島のエリアで、
ひと夏、ずっとスウェーデン語で
暮らしてみようかなと思って(笑)。


▲「私のスウェーデン語の教科書。通常の練習帳(行動制限が始まる前に図書館で借りてきました)と、トーベ・ヤンソンの『島暮らしの記録』、おばあちゃんたちのとっておきのお菓子のレシピを集めた本です」(森下さん)

伊藤
それ、いいですね。私、何やろうかなあ。
森下
(笑)伊藤さん、忙しそうじゃないですか。
いまはどんなふうに過ごしているんですか?
伊藤
雑誌の連載に、
よそのお家の食器棚を見に行く企画があって。
いつもだったらカメラの人と編集の人と行くんですが、
今は、取材に行けない。
だから、2号にわたって自分の食器棚を
レポートすることになったんです。
それで切り抜き用の写真をiPhoneで撮ったり、
食器棚の見取り図を娘に描いてもらったり、
超家内制手工業をしてます。
森下
わぁ、見たい!
私ね、初めてお仕事をご一緒するとき、
「伊藤まさこさんってこういう方なんですよ」
と見せてもらった資料におどろいたんです。
そこには、ちょっと刺繍を入れるだけで、
布一枚がすごく変わることだとかが載っていて。
なんてのびのびしていて、
自由で素敵なんだろうと。
センスを真似るのは至難の業だけれども、
すごく楽しさが伝わってきました。
だから、今こそ、伊藤さんの秘密を
もっと知りたいと思いますよ!
伊藤
もうないですよ~、秘密。
全部明かしたもん。
でも、そうか、私は最近手芸を
全然やってなかったから、
やってみようかな?
そういえば森下さんに初めてお会いしたときって、
『かもめ食堂』の撮影の直前でしたね。
森下
そうです、そうです。
すごくよく覚えてるのが、
当時まだ6歳くらいの娘さんと旅をなさっていて、
長旅の中で彼女がちゃんと楽しんでいられるように、
伊藤さんが手作りでいろいろ考えてきていたことです。
伊藤
えぇ? とんと記憶にないです!
森下
ないですか。私はすごくよく覚えてますよ。
ノートを横に3分割で切ってあって、
頭、胴、足が何ページも描いてあって、
めくると着替えができるんです。
ティアラをかぶったお姫様なのに、
ハラマキしてるおじさんになっちゃう、とか、
自分で組み合わせて遊ぶんです。
覚えてないですか(笑)。
伊藤
すごいじゃん、私!(笑)
もうまったく覚えてない~。
森下
ああ、この人はほんとうに
こうやってフッと思いついたことを形にできて、
それがすべてのびのびして楽しそうだなって、
そう思ったんですよ。
で、ここがポイントなんだけど、
「あれ私もやってみようかしら!」
って思うんですよ。
で、やると、玉砕(笑)。
でもその「やってみようかしら」って
思わせる感じが、今まさに必要ですよ。
これまでうまくいかなかったけど、
その中から自分らしさを見つけられたら、
きっとその人なりの物の作り方とか工夫のし方とか
発想とかもアイデアが浮かぶ。
何もないところから想像力って言ったって
どうすればいいの? かもしれない。
最初の、何かきっかけになるものを
伊藤さんは持ってらっしゃるような気がするの。
着せ替えブック、最高でしたよ(笑)。
波平さんみたいな頭の人がドレス着てたりとか(笑)。
伊藤
そうなんだ! ほんとうに覚えてない‥‥。
森下
それでずっと遊んでて、
みんなで一緒にやったりしましたよ。
伊藤
そうか。紙さえあれば、
ゲーム機を買わなくてもね!

16の対策、 ソーセージを焼くのはやめましょう、 クマのいる窓辺。

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時差は6時間、
東京が夕方4時、ヘルシンキは朝10時に
この対談は行われました。
いつも元気で活動的な森下さん、
春が来てキラキラと
陽光がふりそそいでいるはずのフィンランドで、
ずっとお家にいて退屈してないかな‥‥というのは杞憂。
フィンランドのひとびとのように、
あたらしいたのしみを、たくさん見つけたみたいですよ!


伊藤
森下さーん! お元気そう!
後ろにかわいいぬいぐるみが映ってますね。
タカモリ・トモコさんのあみぐるみかな?
森下
そうですそうです。
黄色いのは私が自分で作ったんです。
フェルトで。
コーイチも映ってますか。
これコーイチって呼んでて。
伊藤
妖精?
森下
それが、何だかわからないんですよ。
妖精なのかな(笑)。
佐藤浩市さんに似てるのでそう呼んでるんです。
伊藤
似てる、似てる(笑)! 
ああ、いきなり、可笑しい。
ほんとうに元気そうでよかった。
どうですか、そっち。
まだ寒いんでしょう?
森下
昨日も雪が積もったんですよ。
(註:対談は4/17に行われました。)
まあ、春の雪なので、
1日で溶けてしまうんですけど。
伊藤
前に森下さんにお会いしたときに、
冬が長いから、鬱になる方が多いんだけれど、
それも冬から春に変わるときが多いんですよって。
森下
そうなんです。鬱というか自殺なのですが。
春になるときに自殺が多いのは、
みんなが欝々としているときよりも、
一気に明るくなった今ぐらいのとき、
周りの人は明るいのに、
自分だけ明るくなれない人がいて。
伊藤
まさに今ですよね。
森下
そういう国なので、
今回のコロナも社会がざわつき始めた時期に、
メンタルヘルス・フィンランドという半公的機関が、
16項目、対策を発表したんです。
すごく普通のことなんですよ。
でも、意識してるかしてないかで全然違うと。


メンタルヘルス・フィンランド
コロナ危機時のこころの健康、
心がけたい16のこと。
(抜粋)(森下圭子訳)

1. 日々の規則正しい習慣を守ろう。
2. 新しい習慣が作れないか、考えたり計画してみる。
3. 外に出よう。野外で散歩したり、運動する。
4. ひとり取り残されないよう。誰か信頼できる人と話をする。
5. 子どもたちと話をしよう、子どもたちの話を聞こう。
6. 様々な方法で気持ちを落ち着けよう(運動、音楽を聴く、手芸など、自分にあったものは何か。時には何もしないことも良いこと。自分に対して肯定的であること、優しくあることも忘れずに)
7. 自分の中の苦しさや不確かな感じを受け入れる。
8. 自分にとって何が精神状態を崩しかねないのか(今のような状況は、積極的なくらいで自分を守る必要があります)、あらかじめ考えておく。
9. アルコールなど依存しがちなものを控えよう。これで気を紛らわそうとしても、結局のところ、不安を増長させることになります。
10. 信用できる情報源をチェックする(フィンランド保健福祉研究所THLや自分の自治体のサイトなど。リアルタイムの情報、予防するための方法、日常の具体的な指示があるもの)。
11. 情報に溺れないよう距離をとり、特にSNSの使用は自分で分量を決める。
12. 政府や自治体の指示に従って行動しよう。
13. 手は清潔に。
14. 感染した人たち、濃厚接触した人たちに対しての配慮(誰にでも起こりうることです。感染や濃厚接触した人たちが罪悪感を抱かなくて済むように)。
15. 自分に余力があれば、他の人たちの助けになろう。
16. 心配事をひとりで抱え込まない。


伊藤
コロナに限ったことではないと思える、
大事なことが書かれていますね。
森下
はい。
今まであんまり精神疾患とか、
心の苦しさを体験したことのない人も、
そうなる可能性があるということで、
国や諸メディアがすぐに発信したんです。
伊藤
へぇー!
森下
冬の鬱もそうですけれど、
みんな、そういう構えはありますね。
で、そのせいもあるのか、
フィンランドは、外出はOKなんです。
お店は全部閉まっちゃってるんですけど、
外に出て適度な散歩をすることや、
運動は推奨されてるんです。
伊藤
なるほど。
森下
だから、みんな森へ行ったり、
海辺のきれいなところを歩きましょう、って。
伊藤
人と人との距離は?
森下
もうみんな、2メートルぐらい
離れるのは得意だから(笑)。
伊藤
そうか、もともと人が少ないし、
1人でいるのが好きな感じですもんね。
森下
そうなんですよ。
もともとバス停でも、
1メートルぐらいずつ空けて
立ってるような人たちなので(笑)、
あんまり違和感を感じない。
伊藤
ほんとうに国民性というか、その国らしさがありますね。

▲「これがバスを待つようす。これは行動制限が始まってすぐの頃。笑っちゃったのが、前と景色が変わらない!以前からこうなんです。もともとフィンランドの人たちって1mは空けておきたい国民性で。」(森下さん)

森下
フィンランドのお国柄だと思ったのが、
いきなり、森に人がいっぱいいて(笑)!
伊藤
へぇー。
森下
フィンランドの人たちって規則正しいというか、
やっちゃダメだって言われたら
やらない人たちなんです。
フィンランドの人は
国のこともフィンランド人のことも
すごく信頼してるんです。
伊藤
素敵ですね。
森下
それがベースにあるの。
ところが、おかしかったのは、
行動制限が始まった最初の週末に、
森が大混雑してしまったんです。
散歩はむしろ推奨されてるし、じゃあと。
みんなこぞって森に行ってしまい、
行くとソーセージを焼きたくなるんですよ。
伊藤
ええっ(笑)!
森下
知らない人同士、ギュウギュウ詰めになって、
ソーセージを焼いていたらしくて、
次の日、報道で、
「ソーセージをみんなで焼くのはやめてください」。
伊藤
おかしいー(笑)。
森下
「せっかく人と離れるために森に行ってるのに、
くっつかれると困るので、
お弁当を自分で持っていき、
自分の好きな場所を見つけて、
そこで食べてください」って。
伊藤
確かソーセージの焼き場みたいなのがあるんですよね。
森下
あるんですよ、そう。
そこに集まっちゃうの!
伊藤
まさかの「森で大混雑」。

▲森のソーセージ焼き場(焚き火場)。「写真は昔のものですが、こちらが行動制限が始まってすぐの週末に人でごった返し、焚き火のところに人がぎゅうぎゅうだった場所です」(森下さん)

森下
いまは落ち着いて、
人と距離を置いて散策できるようになりました。
森があるといいなって思ったのは、
小っちゃい子どもたちが
叫びながら走ったりできる。
余ってる力を全部振り絞って
走り回れる場所があるって、
すごくいいことだと思うんです。
伊藤
そうか。フランスのような、
昼間は外でスポーツをしちゃいけません。
みたいなことはないんですね。
森下
それはまったくないですね。
ただし、外を歩いてもいいけれど、
人には会わないようにしてください、
と言われているので、友達には会えない。
やっぱり小っちゃな子どもが友達に会えないのって
すごく寂しいじゃないですか。
学校もないし。
そこでも、国民性だと思ったのが、
道路から見える窓辺に、
みんなでクマのぬいぐるみを置こう、
っていうのが流行ったんです。
子どもたちがクマ探し、できるように。
伊藤
えぇー! かわいい!
森下
フィンランドの人たちって
恥ずかしがり屋さんが多いし、
大勢でワーッとやることはないんだけれど、
こんなふうにさりげなく窓辺に置いて、
子どもが友達に会えない代わりに、
人んちのクマを探して歩くんです。
伊藤
森下さんも窓辺にクマを?
森下
はい、置いてます。
伊藤
かわいい!
森下
いろんな人がいてね、
門のところに古いボロボロのクマを
紐で縛り付けてる人もいるって(笑)。
伊藤
恐い!(笑) でも面白いですね。
誰かが言い出したことなんですか。
森下
SNSで突然出てきたんですよ。
伊藤
楽しいですね。すぐできることだし。
森下
意外とクマのぬいぐるみって
みんな持ってるんですよね。
持っていない人のなかには、
このために手作りした人もいるそうです。
伊藤
うちもやろう‥‥と思ったけれど、
外から見えない~。
森下
これってお国柄だなぁって。
とってもフィンランドらしいです。

「ありがとう」、 パン・ド・カンパーニュ、 オンライン飲み会。

未分類

伊藤
パリの市長さんとか、
フランスの大統領は、
みんなからどう思われてるんですか。
鈴木
こんな未曾有の事態になって、
大統領の声明発表のテレビの視聴率が
70パーセントくらいだったんですよ。
そのくらい、みんな注目している。
フランスの大統領って、38歳でなった人で、
言葉の節々にエリートっぽいところが出て、
庶民から反感を買ったりすることもあったんですけど、
その大統領が「1人ひとりが責任を持って
外出を最小限に抑えれば、
経済打撃や精神的な不安を
可能な限り早く解決することができる」
というビジョンをちから強く語る。
それが人を希望に導いていますよね。
しかも「大丈夫というのは、これこれこうで、
こういう数値で、国はこうやって補償して、
経済打撃もこうで、ああで」と論理的に説明した上で、
「これを乗り切りましょう、みんなで」って言う。
本当に不安だけど、
大統領の言葉に、希望の一縷を見ます。
伊藤
安心しますよね。
不安ですもん、こっち。
補償とか、どうなってるんですか、休んでるお店。
鈴木
観光産業、それから飲食、
打撃を受けている所に関しては、
ロックダウン中の、最低8割かな、
補償されるようです。
(*註:対談が行われた4/15時点での内容です。)
伊藤
おぉー!
鈴木
一番初め、「これから国を閉鎖します」っていう
発表のときにそれを言ってました。
最初は2週間のつもりだったからかもしれないけど。
でも、みんなね、プライオリティは、
生活を、人の命を守ることだとわかっている。
だから、異議を唱える人はいません。
伊藤
そうですよね。バシッと言ってくれたんだ。
食材は? マルシェとかやってるんですか。
鈴木
マルシェは閉鎖されました。
どこか田舎の地方で少しずつ
再開はされてるみたいですけど、
全体的にはまだ9割以上はマルシェはなくて。
ただ、フランスは「食」に対する意識が高くて、
地産地消の食材を買えるお店が
私の家の近所、歩いて5分くらいの所にも
何軒かあるんです。だから食材は豊かです。
さすが農業国ですよ。
オーガニックの野菜とか、ヴァン・ナチュールとか、
青果店ではパリ近郊のお花屋さんから届いた、
出荷できなくなったお花を売っていたりとか。

▲週に一度まとめて野菜を買いに行くグロッサリー。パリ近郊の小さな生産者さんが作るビオの野菜や乳製品、自然派ワイン、お花などを扱っています。お店の中は最高でも3人までしか入店できず、お店の外には1メートル間隔の印に沿って、お客さんが並ぶそうです。

伊藤
なるほど。
朝、パンを買いに行く習慣は?
鈴木
毎朝出ることはなくなりました。
だからパン・ド・カンパーニュっていう、
大きくて日もちのする田舎パンを買ってきておいて、
それを毎日切って食べてます。
どんどん硬くなっていくんですけど、
ちょっとお水を表面につけて焼けば大丈夫。

▲「お店で頼むとスライスしてくれますが、我が家では食べる時にカットして乾燥を防ぎます。パンの保存は麻のフキンに包んで乾燥予防します」(チャコさん)

伊藤
パン屋さんは、やってはいる?
鈴木
やってます、パン屋さんはやってます。
伊藤
買うときに大変ですか。並んだりする?
鈴木
時間によりますね。
今、みんな、夕方になると出てくるので、
私は夕方を避けるようにしてます。
フランスでは社会的距離は1メートルずつの間隔、
て言われていて、ちょっと短いなと思うんですけど、
みんな等間隔で並んでパンを待っています。
野菜もそうで、午前中に行くと空いています。
伊藤
パリって、マルシェとかでも、
お店の人と買い物客が
けっこう会話をするじゃないですか。
それはどうなっているのかなぁ。
ぜったいに挨拶をするでしょう?
鈴木
そうですね。今は、お店に入れる人数を、
小っちゃなお店だと1人だけとかにしてますから、
口数は少ないかもしれないけれど
コミュニケーションはあります。
ただ、欲しいものを外から言って、
お店の人がそれを出したり、
そんなふうになっているし、
後ろに人が並んでいたら、
長々とおしゃべりすることもはばかられる。
ただ、お店を出るときに、
「今日も私たちのために働いてくれてありがとう」
ということを、
絶対に、みんな、言って帰ります。
伊藤
それを言うのはいいですね!
鈴木
本当にそういうことで気持ちがあたたまる。
気持ちがささくれがちじゃないですか、
放っておいたら。誰のせいでもないけど、
寂しい気持ちになっちゃうところを、
フランスはやっぱり田舎っぽいっていうか、
コミュニケーションがすごく上手だなと思います。
「ありがとう」をちゃんと言う。
伊藤
「ありがとう」。
それはすごく大事、本当に。
ところでオンライン飲み会は、
フランスのお友達と? それとも日本?
鈴木
混ぜこぜ。この間は、インドのジャイプール、
東京、パリの3都市をつなぎましたよ(笑)。
伊藤
すごい! 今の時代ならでは。
鈴木
あとは、ノルマンディーの義理の家族とつなげたり。
伊藤
どんな会話を? 
会ったときと同じような感じ?
鈴木
そうですね、あんまり変わらないかな。
伊藤
それは気分転換になりますね。
鈴木
うん、なる。
今もそうだけれど、
こうして顔を見ながら会話するって、
メールとは違った、
場を共有してる感がありますね。
それって、すごく大事だなと思います。
伊藤
本当に。私も最近、メールかLINEだけで
友達とのやりとりをしていたから、
「そうだ、電話しよう!」と。
電話って、最近、全然してなかったなぁ。
鈴木
たしかに。
伊藤
年頃のときは、父親に、
「いつまでしゃべってるんだ!」って
怒られたりしてたのに(笑)。
だから今は電話が新鮮。
鈴木
伊藤さんはお母様とは?
伊藤
母親の家は車で30分の所なんだけど、
「来ないでいいから」って。
姪も心配してたけど、
「あなたたちが来ると、買い物が増えるから、
来ないでいいわよ。1人なら食べるものもあるし」
って(笑)、結構あっさりしてます。
鈴木
お母さん、そっか(笑)。
伊藤
旦那様は? 
スムーズにリモートワークに移行できたんですか。
鈴木
3月末が決算期だったので、
2月、3月と、例年、仕事が大変なんですね。
それでちょうどロックダウンの直前くらいから
進めていたことがあったから、
家にこもるようになっても
ビデオミーティングが長かったし、
しょっちゅうやってました。
今はちょうどイースターのバカンスでお休みですけど、
先週くらいまでずっとそんな感じでしたよ。
伊藤
バカンスはバカンスなんですね。
日本もゴールデンウィークですけれど。
鈴木
うん、バカンスはバカンス(笑)。
伊藤さんは家にいて気をつけていることはある?
伊藤
自分が汚くならないようにしてます(笑)。
鈴木
そう思う、たしかに! 
わたしもそう。

▲「3月17日の外出制限令から2週間ほどは片付けに明け暮れていたので、ジーンズばかりでした。でも、3週目に仲良しの女ともだちとのビデオ会話がきっかけで、ちょこっと着替えて、リップをつけてみたら、気分が上がりました。人生初のロックダウンという経験は知らず知らずのうちに後ろ向きな気持ちになっていたのかもしれません。以来、朝起きたら、まずヨガをして、それから何も予定がなくても、好きな服を着るようになりました。どうしても楽だからワンピースが多くなってしまうので、最近はデニム以外のきちんとしたパンツを履いてみたり。背筋が伸びるようで気持ちがいいです」(チャコさん)

鈴木
でも伊藤さんのところは、
娘さんがチェックしてくれるでしょう?
どうなさってますか。
伊藤
私は、宅配便の人が来ても大丈夫なくらいは
身なりを整えています。
娘の方は、この前、友だちとZOOMで
おしゃべりしている時があって、
その時はいそいそメイクしてましたが、
ふだんはスウェット上下。
「着替えれば?」って言っても、
いいの、このままでって。
このままが幸せなんだって。
ほっとけばずっと寝てるし!
鈴木
若いときって、そうだったかも。
ずっと寝ていられる(笑)。
伊藤
そうだ、パリは高齢のかた、多いですよね。
おじいちゃん、おばあちゃんたち。
どうなさっているんだろう。
鈴木
ボランティアの方が地域ごとにいて、
足が不自由だったり、
高齢で1人暮らしの方の
お買い物を代行したりしていますね。
アパートの隣人の方も声をかけるようにして、
必要なものを買って
ドアの外に掛けておいてあげるとか、
助け合っています。
伊藤
みんな、極力出ないように?
鈴木
はい。このラテンの呑気な人たちが、
本当に真面目に守ってます。
伊藤
今回いろんな方と話をして思ったのは、
やっぱり自分の中でどう消化できるかですよね。
外出できないのが窮屈と思わず、
家にいることを、
どれだけ楽しいほうに持っていくか。
それが分かれ道だなあって。
鈴木
そうですね、そう思います。
ちょっとしたことでも楽しめる自分でいないと、
本当に、こう、持って行かれちゃうじゃないですか。
伊藤
外にばっかり娯楽とかを求めると、辛いですよね。
だからかたづけも楽しい! とかね。
さっき、チャコさんが言っていたように、
昔買った写真集に感激するみたいなこと、
それが大事なんだなって思いました。
鈴木
美しい世界に触れてないと、
人は生きていけないんだなって、
本当に思っちゃいました。
誰かにとっては、わからないことでもいいんですよね。
たとえば小豆を煮る、
その小っちゃなお豆を見て、
きれいだなと思う人もいるでしょうし。
伊藤
豆を煮るの、面倒くさいなって思わずにね。
鈴木
そういうことですよね。
伊藤
私ね、このあいだ、
おいしいチョコレートが食べたくて仕方なくて。
パリはショコラティエやパティスリーは
開いてるんですか。ケーキ屋さん。
鈴木
パン屋は開いてるんだけど、
ケーキ屋さんは開いてないです。
伊藤
そうか。じゃあ、おいしいチョコとかお菓子は
食べられないんだ、みんな。
鈴木
うん。だからオーガニックスーパーとかに売ってる、
カカオ70パーセントとか、
そういうチョコレートを買ってきたり。
あと、おやつは、
自分でババロアを作ったり、
パンケーキを焼いたり、
それこそ小豆を煮たりしてますよ。
伊藤
そうだ、そうだ、
作ることを楽しめばいいんだ!
鈴木
うん。夫はパンも焼いてますよ。
伊藤
すごい! 気が晴れました。
チャコさん、ありがとうございました。
なんだか安心しました。
リーダーが「大丈夫」って言ってくれるのと一緒で、
周りにいる人が安定していると、
自分もすごく安心するんですね。
鈴木
うんうん、それ、絶対、あると思う。
楽しかった!
本当に会いたいよー(笑)。
伊藤
ねぇ、会いましょう、会いましょう。
それまでお元気でいてくださいね。


「ロックダウンの影響で空気が澄み、
朝から晩まで綺麗な鳥の声が聞こえてきます」(チャコさん)

SF小説のような町、 赤い口紅、 なつかしい写真集。

未分類


東京は夕方5時、パリは朝10時。
ふたつの町をむすんで
伊藤まさこさんがオンラインで話したのは、
滞仏歴29年の鈴木ひろこさんです。
伊藤さんとは長いおつきあいで、
あだなは「チャコさん」。
右岸のアパルトマンで夫とふたり暮らし、
チャコさんはいま、
どんなふうに過ごしているんでしょう?


鈴木
わぁ、伊藤さん!
伊藤
チャコさん! こんにちは。
おはようございます、かな? 
元気そうでよかったです。
「weeksdays」では水着のコラム
書いてくださって、ありがとうございました。
鈴木
お世話になりました。
伊藤
パリの取材をした時に、
コーディネートしていただいたのが
お仕事をご一緒した最初なんですけれど
いまでもパリに行くときや、
チャコさんが日本にいらしたときなど、
仲良くしてくださって。
どうですか、今、パリでの暮らし。
鈴木
ロックダウンが5週間目に入りました。
(*註:対談は4/15に行われました。)
先週、フランス大統領が国民に向けて
「ロックダウンは5月の10日まで伸びましたよ」
というメッセージを送ったところです。
もし5月10日で首尾よく鎮静化するなら、
ちょうど今が折り返し地点ということですね。
伊藤
日本のテレビのニュースで、
ノートルダム寺院の火災から1年経ったけれど、
あたりには人が全然いないという
レポートをしてました。
鈴木
そうなんですよね。セレモニーも一切できない。
人っこ1人いない。
本当にSF小説の中にいるみたいですよ。

▲チャコさんの住んでいる建物を出ると大通り。でも、まったく車も人もいません。

▲家から5~6分のレピュブリック広場。

伊藤
ランニングすらも規制されているんですよね。
鈴木
今は、朝の10時から夕方の7時まで、
スポーツを目的にした外出は
しちゃいけないんです。
お買い物とかはできるんですけど、
お天気がよくなってきたから、
みんな浮かれて、外に出ちゃうのね。
それでジョギングする方でいっぱいになって、
そういう規制が出ました。
イースターのバカンスということもあって、
みんなが外に出て運動したくなっちゃう。
その気持ちはわかるんですけど、
せっかく今まで何週間か頑張って
乗り越えてきたのに、って。

▲家から3~4分のサンマルタン運河。セーヌ河に続いているので、普段は船の往来があるのですが、今は船が通らないので、開閉式の橋も閉じたままです。

伊藤
パリ以外のところははどんな感じなんですか。
たとえばチャコさんのご主人のご実家とか‥‥。
鈴木
彼の実家はノルマンディーですが、
フランス国中が同じルールなんですよ。
パリに限らず。
伊藤
なるほど。
3月の初めでしたね、チャコさんに
「大丈夫ですか」ってLINEしたのは。
鈴木
そう、ありがとう。すごくうれしかった。
まだね、ロックダウンしてから1週間とか、
結構早めの時期でした。
ああいうの、本当にうれしいです。
伊藤
そのとき「電気も通ってるし、水も出るし、
被災した方のことを思えば大丈夫よ!」と
チャコさんがおっしゃっていたのが印象的で。
「これを機会に、家族との絆を深めます」って。
鈴木
うんうんうん。
伊藤
あのときはまだ呑気だったんです、こっちも。
緊急事態宣言も出ていなかったし。
鈴木
私たちも一番初めは
「2週間」って言われていたんですよ。
それでその間はとにかく、徹底的にお家を
きれいにかたづけていたんです。
本とかすごく溜まっちゃっていたのを整理して、
家の中1か所1か所、場所を決めて、
今日はここ、明日はここって、
もうがむしゃらに、本当に家のかたづけ。
あとは気晴らしに運動がてらウォーキングに行ったり、
免疫アップのためと称して、
いろいろな酵素シロップを作ってみたり。
ふだんお料理はしてるんですけど、
いつもと違うアプローチで
家事をやって過ごしていました。
伊藤
2週間って言われたら、
なんていうんだろう、
ちょっと長い家の時間だって思えますよね。
だけど、ねぇ。
鈴木
そう。それが伸びて、4月15日までと言われ、
先週、5月の10日までとまた伸びて。
そうすると、気持ち的にもだんだん変わってきて。
伊藤
うんうん。
鈴木
お家をかたすこと、つまりいい環境で暮らすこと、
それからおいしいものを食べること、
それはもちろん欠かせないことなんだけれど、
自分の気分を上げることがもっと必要だなって。
たとえばずっと作業着や
運動着みたいな恰好だったから(笑)、
「嫌だわ、もうちょっと、家にいても、
自分の気持ちが上がるような服装をしよう!」と。
そりゃどこかにお出かけすることもできないし、
どこで誰に見せるわけじゃなくても、
朝起きたらまず、気持ちのいい
サラッとしたワンピースに着替えてみるとかね。
外には1日1回、1時間しか出られないし、
それも出るときはお買い物だけで、
毎日行くわけじゃなく、
1週間に1回、夫か私かどちらかが行く感じですし、
出るときはマスクだし、
だから、自分のためにちゃんとしようと。
伊藤
そうですよね!。
鈴木
赤い口紅も、全然つけてないんですよ(笑)。
伊藤
そうか(笑)! 
チャコさんのトレードマークなのに~。
鈴木
それをね、先日、オンライン飲み会で
ひさしぶりにおしゃれして、口紅をつけて。
そうしたらずいぶん気分が上がりました。
感動して、
ヘアメイクアップアーティストの草場妙子さんに
「ビューティーの力ってすごいです!」って、
LINEを送っちゃったくらい。
きれいな色を、女性がちょっと使うということ、
真っ赤じゃなくても、ちょっとだけ光るとか、
すごく大事なんだなって。

▲以前は赤い口紅をつけないと落ち着かないほど、チャコさんのトレードマークだった赤い口紅。ロックダウンに入って10日ほどはノーメイクで過ごしていたけれど、ZOOMでの女友達とのビデオ会話がきっかけで、家でも時々口紅をつけるように。イニシャル入りはパリ発の口紅専門ブランド、ラ ブーシュルージュ。左奥はシャネル。右はTHREE。

鈴木
今は手をとにかく洗うし、
アルコールで消毒するから‥‥。
伊藤
カッサカサ!
鈴木
爪もボロボロだしで、そんななか、
すこしでもきれいにしようと努力することで、
どれだけ気分が上がるか、って。
伊藤
そうですよね。
私、最近、靴を履いてないなぁと思って。
鈴木
わかる、家にいるから、靴履いてない(笑)。
伊藤
しかも季節はもうすぐサンダル。
そうだ、かかとの手入れ、しなくちゃね、とか。
それこそ草場妙子さんに、
以前、「weeksdays」で
フットケアや爪のケア、
ペディキュアの塗り方や落とし方を
教えていただいた
んですよ。
鈴木
メイクアップであったり、ファッションだったり、
なくても生きてはいけるんだけど、
その余裕っていうか、気持ちの潤いっていうものが
どれだけ大事かってことを
今すごくしみじみ感じているところです。
伊藤
自分の仕事は、人が生きていくうえで、
絶対に必要な職業、とはされていない。
でも、こういうことって
絶対必要なんだよ! って思う。
鈴木
うん、絶対、絶対に、そう思います。
パリに住んでいるから、
パリの新しいことをご紹介することが
今まで多かったんです。
ファッションのトレンドもそうですよね。
けど、これが終わった後に、
世界の人たちがどんな新しい景色を見るのかなと、
ずっと、今、思っていて。
私がパリにいて、日本の方に何ができるだろうと、
本当に考えていて。
伊藤
チャコさん、フランスに行って何年でしたっけ。
私が初めてお会いしたのが、もう15年くらい前。
鈴木
いやぁ、すごく‥‥、えぇとね(笑)、
29年‥‥ですね。
伊藤
えっ? すごい。
じゃあ、もう全然、
パリ生活のほうが長いんですね。
鈴木
うん(笑)。
伊藤
そうなんだ。
仕事への影響って、どんな感じだったんですか。
鈴木
3月に「パリコレ」と呼ばれる
パリのファッションウィークがあったんですね。
その頃、イタリアがすごいことになっていると
ニュースになっていたのだけれど、
まだ、隣の国の話で。
パリには、日本から
バイヤーさんとかエディターさんとかいらしてて、
なんとなく、どうなるんだろうと思いながらも、
ファッションウィークは開催されたんですよ。
撮影も普通にしていた。
けれども、いまは何もないですね。
雑誌『フィガロジャポン』のウェブサイト、
「madameFIGARO.jp」で連載している
「パリジェンヌファイル」以外は、延期か中止。
だから「半無職」みたいな感じですよ。
伊藤
ご主人はどんなふうに?
鈴木
彼もリモートワークですね。
かれこれ4週間、ずっと一緒です。
伊藤
仲良く?
鈴木
昼間は別々の部屋で仕事をしているんだけれど、
ランチを一緒に食べるのが今までと違うところかな。
ランチって、1人なら
「あるものでなんでもいいや」となるけど、
2人だと「どうする?」「じゃあ、作る?」って。
伊藤
うんうん。
鈴木
でもそのうち、もうお互い大人だし、
ゆるーく適当にってルールもできてきて、楽です。
ディナーはもともと一緒に食べていたんだけれど、
週に1回は、2人でアペロ大会をしてます。
シャンパン開けて、おいしいおつまみを並べて、
「これを乗り切ろう!」って。
伊藤
それいいですね!

▲平日は一人で軽く飲むというチャコさん。週末は二人でcovid-19に負けないためと称して、アペロをしているそうです。最近はZOOMで友達と一緒のことも。このときは、シャンパン、ビオワインをチーズやラディッシュ&バターで。

伊藤
パリの人のようすはどうですか。
ニュースで、夜、バルコニーを開けて、って。
鈴木
そう! 毎日夜の8時になると、
バルコニーや窓を大きく開けて、
医療関係者やスーパーで働いている人、
デリバリーの方などに、
みんなで感謝の拍手をするの。
そのとき、今まで知らなかったこと、
隣の建物の住人がどんな顔してるのかとか、
前に見える正面の部屋の方がどんな方だとか、
そういうことがわかったりして、
だんだん、自分はひとりじゃないっていう
絆が深まってきているように思います。
伊藤
ワインをどうぞ、って
窓ごしにボトルを渡している光景を見ました。
鈴木
あり得ると思います(笑)。
伊藤
その、8時にっていうのは、
どんな地域の人でも?
鈴木
そうです、やってますね。
イタリア発祥って聞いてます。
それが南フランスから入ってきて、
パリまで来て、今、イギリスでも。
伊藤
そうか。本当、大変ですもんね。
鈴木
「長いトンネルがまだまだ」って、
よく言われたりするんだけれど、
それでは不安になってしまう人もいると思うんです。
私も閉所恐怖症だし‥‥。
けれども、そう思わず、
その都度その都度、1週間ずつとか、
自分の中で節目を決めて頑張っていこう、
ささやかだけど、毎日を乗りきっていこう、
っていうふうに考えることにしてます。
あまりに長い戦いで、こんなこと初めてだから。
伊藤
そうですよね。見えないし、敵が。
自分でどう工夫するか、大事ですよね。
鈴木
思えば、私、すごくよかったのは、
本の整理をしたことで、
「あ、こんな昔の写真集、最近見てなかった!」
みたいなのが見つかったりとか、
CDも「そう、こういう曲聴いてたんだ、若い時」とか、
そういうのを思い出したこと。
「こんな世界観が好きだったんだな」って。
すごくいいですよ。
こうして家にいて自分と向き合っていると、
自分の中の引き出しを、
順番に開けていく感じがします。

▲(右)奥に隠れていたジョージア・オキーフの写真集。大好きで渡仏の時にスーツケースに入れて持ってきたほどだったのに、本棚奥で存在を忘れてしまっていたのだそう。「乾いた空気感、シンプルなアトリエ、年齢を重ねても凛とした存在感。今改めて眺めていると、本当に大切なことは何かに気付かさせてくれます」(チャコさん)(左)緑の表紙の写真集は、アメリカ人女性写真家、Terri WeifenbachのDes Oiseaux(鳥)。「彼女のワシントンDCの小さな庭に来る小鳥と花のフォトストーリーで、眺めるだけでとても気持ちが癒されます」(チャコさん)

伊藤
フランスの人たちの間でも、
これを機にかたづけ、ってあるんですか。
鈴木
実はね、フランス人って、
もともと、すっごい整理整頓好きなんですよ。
伊藤
えっ? そうなんだ。
鈴木
意外でしょう? すごいの。
仕事で、パリジェンヌやパリマダムの取材に
お宅に伺ったりすると、
すっごいきちんとしてる、みんな。
ハウスキーパーさんにお願いしてる人もいるけれど、
自分でできることは自分でやります。
クローゼットの中とか、パントリーの中とか、
すっごくきれいです。
伊藤
それは、取材したくなるような人の家だから、
に限らず(笑)?
鈴木
限らず。みんなきちんとしているの。
じつはちょっと前に引っ越しを考えて、
不動産屋さんの紹介で、
まだ住んでいるけれど退去予定というお宅を
見にいく機会があったんですね。
そうすると、結構な割合で、
整理整頓が行き届いていて。
皆さん、マニアックなくらい、好きですね。
それに、アイロンも好きですよ。
伊藤
そうなんだ!
鈴木
シーツなんて本当にホテルみたいにぱりっとかけるし。
フランスのひとって、なんだかだらしなさそうな
イメージをもたれるんだけれど、
じつは、すごくきれいにしてる。
伊藤
それは意外!
鈴木
意外ですよね(笑)。
伊藤
じゃ、フランスのお友達は、
いまどんなふうに?
鈴木
パリに残ってる友達は、わりとみんな、
楽観的にこの状況を乗り越えてるっていう感じです。
悲壮感の漂う友達は、いないかな。

恋しいお風呂、 やっぱりお菓子、 自由なペンギン。

未分類

伊藤
メルボルンでずっとお家にいて、
ストレスを感じることはある?
田中
うーん、
みんなシンプルな暮らしをしているんですね。
私は慣れてはきたとはいえ、まだ短いので、
今回のことがあるなしにかかわらず、
日常の楽しみのチョイスの少なさを、
そもそも、すこしストレスに
感じているのかもしれません。
きっと長く住んでいれば、
大丈夫だと思うんですけれど。
みんな、スポーツをしたり、
DIYでなにか手作りしたり、
そういうことをしています。
伊藤
DIY、盛んな感じがする。
田中
近所にDIYの道具がなんでも揃う、
日本のホームセンターの
もっと工事用品寄りといった
巨大なお店があるんですね。
バーベキュー道具なんて充実度がすさまじいから、
見ているだけでも楽しいんだけれど、
そこが外出自粛になってからも、
通常と変わらず、
買い物客で賑わっているんですよ。
みんな自宅で仕事だし、
空いた時間にDIYをするんじゃないかな。
この土地らしいなって思います。
伊藤
みんな自分でなんでも。
田中
家を改築したり、あらゆる工事を
自分でする人が多いので、
なんでもパーツが買えるんです。
そういうことが好きな人には
オーストラリアは最高ですよね。
友人宅も、庭の大きな木を切ったりと、
大掛かりな手入れをしてましたよ。
私たちは残念ながら得意ではないけれど。
伊藤
じゃあ、家の中でしかできない
楽しみみたいなことは‥‥。
田中
私、日本の生活だとずっとお菓子を作ってて、
ほんとに座ることもなかったくらい
体を動かしてたんだなって思うんです。
こっちに来て、ゆっくりお茶を飲むとか、
そういうことができるようになって。
伊藤
お菓子をずっと作っていたっていうのは、
お仕事も含め?
田中
仕事だけ、ですよー。
プライベートでお菓子作る余裕、
なかったです(笑)。
伊藤
そっか。そんなに作ってたんだ。

▲田中さんが作られたお菓子。ザッハトルテ。

田中
だから今、やっと「生活」が考えられる。
日本を出る前は、この生活が想像できなくて、
「お菓子を作らないで何するの? 毎日!」
って思っていたんだけれど、
今こうして改めて家のことを考えていることが
たのしみかもしれないです。
料理も、日本からたくさんの料理書を持ってきたし、
毎日それなりに、いろんな本で楽しんでるかも。
そうだ、「くつろぎ方」っていう意味だと、
日本はゆっくり浸かれるお風呂があるのが
うらやましいなぁ。
伊藤
あー。お風呂!
田中
お風呂って、すごく身近な
日本の健康法だったんだと思う。
浅いバスタブじゃなくて、
あの日本のお風呂(笑)。
肩まで浸かって、っていう。
伊藤
お風呂が恋しい、か。
旦那さんは? 中国の方ってお風呂は。
田中
シャワーですよ。
バスタブがあっても、
日本みたいに「お風呂入る」感じでは
ないと思います。
地方によって違うのかもしれないけれど、
上海の人はシャワーですね、
親戚のうちもそうでした。
中国人のお友達と話していても、
「日本はいいよね、お風呂がいいよ」って。
だからみんな健康で長寿なんじゃない? 
って言ってました。
せめて、家では、足湯をして楽しんでいます。
伊藤
ゆっくりする以外で、
もうこの際だから
今しかできないことをしようと思ったら何を?
田中
この際、乗馬に挑戦したいけど、
いろいろ考えると怖かったりもして(笑)、
なかなか踏み出せないです。
伊藤
そっか。コロナ云々の前に、
メルボルンに移り住んだ時点で
暮らしがすごく変わったっていうことだもんね。
田中
すごく変わりました。
たとえばルームシューズ、
部屋の香り、音楽。
すごく大事だなって。
生活がシンプルだし、
人間関係もまだ多くはないから、
そういうことを感じるんでしょうね。
伊藤
香りね。
田中
日本ではいつもお菓子を焼いていたから、
部屋で香りを焚いている時がなかったけれど、
今はまったくお菓子焼かない日もあるので、
生活に香りが与える影響を
すごく敏感に感じるようになりました。
それで、将来どうしようって考えても考えても、
結局行き着くのはお菓子作りなんですよ。
そこに戻っていくんです。
ほかにやりたいことを考えるよりも、
私はまたお菓子を思いっきり作って
生きていきたいなっていうところに戻りますね。
今、世界中の人が
自分の内に気持ちを向けていると思うし、
大切なものって何かなって
考えてると思うんです。
自分からどうしていくか? 
それを価値に変えていけるか? 
っていうのが前向きで大事だなって。
私にとってやっぱりそれはお菓子だな。
伊藤
そうだよね。
プライベートの時間ができて、
今、お菓子はどんなものを作っているの?
田中
こっちの材料でガッカリしないもの(笑)。
来たばっかりのときは、
何作っても、もう、ガッカリで!
伊藤
へえ~。最初に聞いたように、粉がね‥‥。
伊藤
家で仕事をすることについて、
周りの人たちはどんな感じですか。
田中
オーストラリアはそもそも
フレキシブルに働いてる人が多い印象で。
家族の誕生日だから休みます、とか。
伊藤
そうなんだ。
日本は上司や会社が言うから
休めないってあるでしょ。
そこにはお国柄の違いがあるのね。
それでもどうにかなる! 
みたいな感じなのかな。
レストランはやっていないんでしょう?
田中
開いているのはテイクアウェイ
(テイクアウト)だけですね。
高級レストランでも始めてます。
伊藤
利用してる?
田中
外でできあいのものを買うことは、今、ないですね。
というのも今の家から
わざわざ行くのはちょっと遠いんです。
都心に住んでたら利用してみたいけれど。
伊藤
へー。じゃ、100パーセント家で作ってる。
田中
そうです。だから、ちょっとくたびれてるのかも。
伊藤
自分の味ってだんだん飽きてくるもの。
私も家にいることは大丈夫でも、
だんだん味には飽きるなあと思ってる。
田中
そうそう! 飽きますよね。
伊藤
この前、娘に「今日、何食べる?」と訊いたら、
「ママ、それ訊くの、今日4回目だよ」って(笑)。
もうそのことで頭がいっぱいになっちゃって。
田中
わかります。そもそも私、
お味噌汁を作るより、スポンジケーキを焼くほうが
ずっと簡単だって言ってきたくらいですもん。
伊藤
そうそう、料理家の細川亜依さんに
ふだん何を食べてるの? と訊かれて‥‥。
田中
「キャロットラペ」って即答(笑)。
料理らしい料理をしてなかったんです。
それに、こちらにいると、
料理の勝手が違うでしょう、
食材の扱いに苦戦してます。
たとえばメルボルンで買う野菜はかなり丈夫で、
日本のようなやわらかさやジューシーさが
あんまりないんですね。
日本だったらサッサッサッて塩揉みして、
かつお節とお醤油をかけて食べるような野菜が
いっぱいあると思うんですけど、
こっちは、煮込んだりしないといけなかったり。
中華系の葉っぱは買えますけどね。
日本の乾物の良さも、改めて実感して。
昆布とか切り干し大根とか‥‥。
あと、お肉も薄切りを売っていなかったり。
伊藤
しょうが焼きが作れない。
田中
そうそう、作れないです。
お肉は基本、かたまりか、
すごーく薄いか、ミンチです。
それでも、いいところはあって、
いろんな国のものが買えるんですよ。
中華料理、インド料理、
タイ料理やベトナム料理は、
すごく作りやすいですよ。
伊藤
お米は?
田中
こちらでは、いろんな種類のお米が買えるけど、
やっぱり日本のお米っておいしいな、
すごいなって思います。
それでも日本から大切に持ってきたおひつの力で、
味もランクアップする気がして、大活躍してます。
伊藤
お酒はどう? 
ワインも有名だし、地ビールも多いでしょう。
田中
そういえば、近所に大きな
アルコール専門の大きなお店があるんですが、
ビールは1人2ケースまで、
スピリッツは2本までなど、
お酒を買う量に制限がかかっていて! 
みんな本当にすごく飲むのだなあって(笑)。
メルボルン近辺はワイナリーもたくさんあるし、
お酒は無くならないと思うんだけれど。
伊藤
そうだよね。食材はたっぷりある、
それは救いですよね。
田中
そう、すごくバラエティが豊かだし。
ベジタリアンやヴィーガンの人も多いんですよ。
お隣さんがイギリス人なんですけれど、
「ケーキでも焼いて持っていこうかな」と思ったら、
「うち、ベジタリアンです」って。
ホームパーティーでも、人が集まれば
必ずベジタリアンの方がいるから、
それを常にみんなが意識して
メニューを考えている感じです。

▲お菓子を焼いたら食べきれないの分はよくご近所さんへおすそわけするそう。今は電話で連絡したあとにポストへ。

伊藤
今、もちろんホームパーティーは
できないでしょうけれど。
田中
見つかったら警察に取り締まられます。
伊藤
そういう感じなのね。
田中
誕生日パーティーもダメだよって。
それでも、ビーチとかで
遊んじゃう人もいるから、
どんどん厳しくなってますよ。
数日家を出ていなかったので、
昨日の夕方、夕焼けがきれいだと思って、
ちょっとビーチの方に行ったら、
結構人がいたんですよ。
伊藤
やっぱりいるんだね。
田中
ビーチはクローズって書いてあるんですけど、
少し空気を吸いにっていう感じでね。
やっぱり散歩はしたいですよね。
伊藤
じゃ、行動の範囲は自分たちに任せる、
みたいな感じなのかな。
田中
そうですね。その優しさはあるかも。
伊藤
美しい場所でビーチもあるなら、
行きたくなる気持ち、すごくわかる。
ビーチのほかに、閉まっているところはある?
田中
山のハイキングコースとか、
人気があるスポットは結構前から閉まってます。
フィリップ島という
ペンギンが有名なスポットがあるんですけど、
普段は人間が観光でペンギンを見に行くんです。
でも今、誰も来ないじゃないですか。
そうしたらお店やオフィスの方に
すごい数のペンギンが来ちゃったって!
伊藤
えーっ。野生の? 
かわいい!

▲都心から一時間くらい車を走らせたところにある公園にて。

田中
かわいいですよ。
フィリップ島の野生のペンギンって、
ちっちゃくて。
野生動物は多くて、近郊でも
カンガルーやワラビーはそこかしこにいます。
残念ながらコアラには会えないですけれど。
このコロナ騒ぎで、
動物がすごく幸せに生きてるかもしれません。
伊藤
普段は人間が中心のこの世界でね。
そういえばマスクはどうですか。
田中
アジア系の人はわりとしているけれど、
そうじゃないと、していない人も多いかな。
それでも最近はしている人が増えましたけれど。
伊藤
「マスクをしましょう」とはなっていないの?
田中
マスクのことについては、あんまり。
とにかく手を洗いましょう、
人とは離れて接しましょうっていうことかな。
伊藤
そっか。
メルボルンではいつまで
おうちにいなさいって言われている?
田中
それ、私たちもよくわかってなくて。
伊藤
えっ?
田中
一応、6カ月間みましょうって
最初から言ってるんですよ。
だから、9月ぐらいまで。
伊藤
ええっ? えええっ?
田中
政府の外出自粛などは
何日までということは言われていなくて、
4週間ごとに更新する形なんですね。
でも9月までの6ヶ月間って感じで
打ち出されています。
今日は「メニーウィークス」って
首相がテレビで言っていました。
おおらかでしょう?
伊藤
ほんと!
田中
でもその首相も、最初、
まだ患者数が250人未満ぐらいのときは、
僕は今週フッティーの観戦に行くなんて
テレビで言っていたりしたんですよ。
フッティーって、オーストラリアだけの
国民的スポーツ。
ほんとはそういう、たくさん人が集まる場所は
危険じゃない? でも、首相本人が
そのくらいの意識だったんです。
伊藤
のどかだったんだ。
田中
そう。フッティーがないなんて、
オーストラリアじゃないとか言って。
ところがみるみる患者数が増えちゃったので、
もちろん今はやってないですけど。
伊藤
でもその後、ちゃんと家にみんながこもったら、
感染者数は減ってきたわけだものね。
それを目標に私たちも頑張る。
田中さん、どうもありがとうございました。
行ったことのないメルボルンだけれど、
なんだか近しい場所に思えてきた! 
久しぶりに話せてよかったです。
また連絡します。
田中
はーい、ありがとうございます。
伊藤さんも気をつけてすごしてください。
伊藤
ありがとう!

ピュアなハート、 リラックスしている人びと。 ゆたかな自然。

未分類


ながくフランスで学び、
現在はオーストラリアのメルボルンに住む
パティスリークリエイターの田中博子さん。
南半球ですから、季節は秋のはじまり。
気候がよく緑の多い
メルボルンの暮らしぶりをお聞きしました。
経度がちかいので、時差は日本プラス1時間です。


伊藤
結婚を機にメルボルンに行かれたんですよね、
田中さん。
田中
そうですよ。
そうじゃないと住む場所として
選ばなかったかもしれません(笑)。
伊藤
長くフランスにいらっしゃったものね。
どんな感じですか? 今。
田中
1カ月以上家にいますね~。
伊藤
完璧にロックダウンして1カ月以上?
田中
完璧にロックダウンしてからは
3週間ぐらいかな(*)。
(*註:対談は4/14に行われました。)
伊藤
外出はどのくらい制限されているの?
田中
エクササイズと、食料を買い出しに行くこと、
病院、仕事、この4つはいいことになってます。
でもビーチとかでくつろいでたりすると、
警察が取り締まるようになってます。
伊藤
そっちの気候は今‥‥。
田中
日本の秋ぐらい。
伊藤
オーストラリアの生活の話を聞きたいな。
そもそも、どんなところなんだろう。
田中
大陸が日本の20個ぶんととにかく広いので、
越して1年ちょっとになりますが、
まだメルボルンのあたりしか知らないんですよ。
伊藤
材料も日本で手にはいるものとは全然違うから、
あれこれ試行錯誤しながらお菓子作りしている様子を
インスタで眺めていました。
田中
そうなんです。
イタリアのものは結構入ってるんですけど、
フランスのものはとても少なくて。
バターは買えますし、
卵も違わないんですけど、
例えばヴァローナのチョコとか、
私が使っていた材料が
手に入れにくかったりします。
でもなにより違うのは粉かな。
移住してその違いに気づかされて。
だから今は研究がてら、
粉料理やパンを作ってます。

▲最近パンづくりにはまっているとか。前の晩の残り物のポークソーセージとトマトと煮込みに野菜と卵を加えて朝昼ご飯。

伊藤
粉がそんなに違うんだ!
田中
こんなに違うとは思わなかったな。
伊藤
それはずっと粉に触れてきた人だから
気づくことなんじゃない? 
私だったらあんまり気づかなさそう。
田中
お菓子を作ってきて、
正直、粉のよさに、
私もそこまで執着してなかったんですよ。
パン屋さんでもないのでね。
だけど、例えば中国のギョウザとか、
ほんとに粉と水だけで作るじゃないですか。
旦那は中国人なので、
中国料理をよく食べるから、
ウー・ウェンさんの本を見て、
中国系の粉料理をいっぱい作ってます。
オーストラリアの材料でもおいしく作れるものを、
少しずつ増やしてる感じです。
伊藤
なるほど!

▲皮をつくるのがたのしくて頻繁につくるという水餃子。

田中
だから、いっそ楽しんで、
研究って感じになってます。
パウンドケーキの本とか出させていただいて、
自分でレシピを組み立てたのに、
役に立たないんです。
日本で作っていたのと、全然同じ味にならない。
伊藤
面白いね。全然違うんだね。
一般的な食材はふつうに入手できるの?
田中
食材は大手スーパー2社が牛耳ってるんですけど、
いいものは土日に野外で開かれる
ファーマーズマーケットに行ったり。
小学校の校庭を使ったりしているんですよ。
そこで、いい生産者の方を
自分の足で歩いて見つける感じですね。
伊藤
それは今はべつに閉ざされてるわけではなく?
田中
食品を売る市場は屋内でも開いているようです。
ラッキーなことに、私の近所では
野外で開かれているタイプのマーケットなので、
そこで短時間で買いものするように心がけています。

▲野外のマーケットにて。

伊藤
ご主人のお仕事を訊いてもいいですか?
田中
うん。同時通訳です。
上海の人なので、中国語と英語の。
伊藤
じゃ、今はおうちで二人で。
田中
そうですね、フリーランスなので。
今は病院で通訳をすることとかが多いかな。
伊藤
それはどういう‥‥?
田中
いろんな国の人が住んでいるから、
英語がしゃべれなくても生活できちゃうんですね。
でも病院は困るでしょう? 
だから通訳が簡単につけられる仕組みがあるんです。
伊藤
なるほど!
田中
中国語だけではなく日本語はもちろん、
160カ国の言語に対応可能。
伊藤
通訳という仕事が特別なものではなく、
日常的に必要とされているんだ。
田中
そうですね、裁判なんかでも必要だし。
伊藤
人びとはどんな感じで過ごしていますか。
田中
オーストラリアの人ってそもそも、
すごくリラックスしているんです。
伊藤
すごくリラックス!
田中
旅行に来ていただくとわかるんですが、
店員さんもすごくニコニコしてるし、
基本すごくフレンドリーです。
高いビルが少ないし、
すぐそばにきれいな海があって、
普段から自然で癒されてるのかな。
うちの旦那は、オーストラリアには
すごくピュアなハートの人が多いんだよって言います。

▲ワイナリーエリアから眺めるビーチの景色。

伊藤
じゃ、そんなにイライラしたりしない?
田中
「この国どうなってるんだ!」
という感じは、しないですよ。
伊藤
そうなんだ。
ふだんなら観光客は多いのかな。
田中
日本人は、メルボルン、
そんなに選ばないんじゃないかな。
伊藤
あれっ、武井さん行ってなかった?
──
(編集・武井)はい、3年前の年末に。
田中
そうですか。お好きでしたか?
──
とてもよかったです。
緑も多くて、海も近いし、町もきれいで、
食材も豊かだと感じました。
コーヒーもおいしかったです。
「ロングブラック」とか
「フラットホワイト」とか、
呼び方から違うんですよね。
田中
独自のコーヒー文化があるんですよね。
伊藤
いいな。
田中さんがメルボルンツアーを企画しているから、
行きたいなってずっと思っているんです。
ヒロコプレゼンツのメルボルン。
田中
詳しくなっておきます。
伊藤
以前は、アルザスのツアーもやっていましたね。
田中
はい、2011年から旅行会社さんと
ずっと一緒にやってきた、
アルザスのジャムの妖精と言われる
クリスティーヌさんを訪ねるツアーですね。
小さい村回りと、料理とお菓子を習う、
みたいな感じで8年続けてきたんですが、
今年は私がビザの関係で外に出られないので、
じゃあ、メルボルンバージョンに
挑戦してみようっていうことで、
2月、コロナの影響が出るギリギリのときに、
無事に1回目を終えたんです。
伊藤
絶対おいしいものが食べられると思ってます。
田中
住んじゃうと目線が変わるので、
お客様を案内する中での発見も多くって、
ツアーは私にも良い機会になっています。

▲田中さんが作られたお菓子。自家製ピールのパウンドケーキ。

伊藤
今、お仕事はどうしてるの?
田中
今はツアーの仕事くらいで‥‥
フランスツアーも再開を予定しています。
ファーマーズマーケットに小さいお店を出すとか、
なにかやってはみたいな、とは思ってるんですけど。
それと、Zoomを使って、去年から
ビデオレッスンをやってみています。
伊藤
そうなんだ。
メルボルンの人たちは
その4つの理由以外では外出はせずに?
田中
みんなほんとに自粛してますね。
ほとんどの人が家で働いている。
伊藤
先日ちょっとお話ししたときに、
今の日本の状況を、
1か月前のメルボルンのようだと
おっしゃっていたけれど、
日本は、駅によっては人が大勢いたり、
通勤せざるを得ないという人も多くて。
田中
日本の友達に「会社行ってるの?」って訊いたら、
「行ってますよー」って。
伊藤
そうなの。日本は感じ方の開きがあるっていうか。
みんな、出ようと思えば出られちゃうから。
田中
ここでは、例えば隣の人はイギリス人だし、
同じ建物にはインドの人、中国の人、
みんなお国が違うんですね。
1年に何回も本国と往き来する人もいるし、
精神的にも往き来して生活をしてると思うんです。
それゆえに人の出入りが多いし、
普通の生活をしてても、たとえばスーパーでも、
いろんな国の人がいる。
そういうベースのなかで、
どこでこの病気をもらってくるかわからないわけで、
そういう意識は高いように思います。
上海の、旦那の家族や親戚も、
最初からすごく気をつけてました。
みんな旧正月も外に出ないで。
伊藤
そっか、そっか。
じゃ、普段は彼と一緒にご飯を作って、
家からあんまり出ず。
田中
そうですね。散歩ぐらいはしますよ。
伊藤
メルボルンに行ったことがないから、
街の様子が想像できなくて。
田中
都心だけに高いビルがある感じです。
でもちょっと離れちゃうと、平屋ばかりで、
高い建物は全然ないです。
ガーデンシティって呼ばれているらしく、
都心にもきれいな大きい公園がいっぱいあるんです。

▲メルボルンはガーデンシティと呼ばれていて、街の中に素晴らしい公園がいくつもあるのだとか。

伊藤
今お住まいなのは都心?
田中
40分ぐらい離れてる感じですね。
伊藤
車がないと、みたいな。
田中
そう、不便ですね。
電車も一応あるんですけど。

▲メルボルンのシンボルのようなフリンダース駅。

レモンティ、 シェイクスピアのオンライン、 ボリス・ジョンソンの手紙。

未分類

伊藤
ロンドンでは今、
コロナの検査を任意で受けられますか? 
ちょっと心配だから、というときに。
イセキ
いや、そんなに簡単ではないです。
それに、イギリスはコロナ云々の前から、
相当ひどい症状でなければ病院には来ないでください、
っていう国だから。
伊藤
風邪くらいで病院に行くと、
「ははーん?」みたいに言われるのかしら‥‥。
「お茶でも飲んでてください」みたいな。
イセキ
私は実際にそう言われた経験があります。 
昔、気管支炎で夜中も咳が止まらず、
何日も眠れなかったとき、辛くて
「GP」(General Practitioner=ジェネラル・
プラクティショナー=総合医)っていう
地域のかかりつけ医のところへ行ったら、
「紅茶にレモンを入れて飲むといいですよ」って
言われてびっくりしました。
薬ももらえずじまい。
伊藤
たしかに、風邪で病院行くのって日本人ぐらいだと、
海外在住の友達は言いますね。
それに、たとえばニューヨークだったら
医療費も高いだろうけど、
イギリスも?
イセキ
イギリスでも、私立病院の医療費は高いですよ。
でも、国営のNHS(公的保険医療制度による病院)
だったら基本的には無料。
でも、だからこそ国は病院に行く人の数を
最低限に抑えようとしています。
イギリスでは、引っ越しをしたら、
まずその地域のGPクリニックに
登録をしに行くんです。
体調が悪くなったら、登録したGPに最初に相談する。
そうするとアドバイスがもらえたり、
場合によっては薬の処方箋をだしてくれたり、
大きい病院を紹介してくれたりします。
イギリスでは、人々が緊急の症状以外で
いきなりNHSへ行く、ということはないですね。
伊藤
それで「レモンティを飲んでください」なんですね。
イセキ
本当にもう限界、という気持ちで
GPへ行ったので卒倒しそうになりましたね。
でも、私はNHSの医療技術は
日本と比べて劣っているとは思いません。
ロンドンのNHSで出産したときも、
無料なのに設備も対応も素晴らしかったです。
ただ、NHSで診てもらえるまでに、
普段はとにかく時間がかかるということ。
新型コロナウィルスの疑いがあっても、
まずはGPあるいは専門の相談窓口に電話して、
危険な状態でなければ自宅で
療養することを奨められるでしょうね。
伊藤
なるほど、そんな風なんですね。
このごろ、朝起きると、
これって夢じゃないかな? って
毎日思うんです。
嘘だよねぇ‥‥みたいな。
イセキ
そうですよね。
伊藤
先生たち、今は
学校には全然行っていらっしゃらないのかな。
イセキ
先生は家で授業の準備をされているみたいです。
伊藤
オンラインの授業っていうのはどんな感じですか。
イセキ
学校によってやり方が違うけれど、
息子の学校はMicrosoft Teamsを使った授業です。
月曜から土曜まで時間割があって、
授業時間になると画面越しの
インタラクティブレッスンというのが始まります。
先生の声は聞こえるけれど、顔を映したりはせず、
先生のデスクトップを生徒にシェアして
講義をしていく感じ。
生徒側はマイクをミュートに設定していて、
質問をしたいときは、マイクをオンにするか、
チャット機能を使います。
伊藤
そういう風に進むんですね。
それが半年も続くかもしれないなんて‥‥。
うちは娘は21歳だし、
彼女なりに1人で時間を過ごしているけれど、
ちっちゃかったら結構きつかったなぁと思います。
イセキ
だいぶ慣れてはきましたが、
やっぱりきついと思う時はありますね。
それに、4人が四六時中家の中にいると、
埃ってすぐたまるんだ、と知りました(笑)。
部屋が荒れたままだと何だか心も荒れる気がして、
掃除をなるべくこまめにしています。
伊藤
朝ご飯が終わって片づけて、
ちょっとすると昼ご飯だ、
みたいになっちゃいますよね。
イセキ
そう。そして家事をしながら
子どもの相手をしていたら、
あっ、仕事のメール返せてない! 
ってはっとして。
でも、うちは夫が家事や育児には
わりと協力的なので、
それで救われている部分はありますね。
午前中に仕事の打ち合わせが終わったら
お昼ご飯を作ってくれたり、
子どもの勉強を見てくれたりとか。
伊藤
よかった。
では、イセキさんの個人的なたのしみは?
イセキ
私個人のたのしみは、やっぱり
綺麗なジュエリーや宝石を見ることですね。
伊藤
美しいものを見ると安らぐ。
そうですよね。
イセキ
先日も、ほぼ日のコンテンツ
『イセキさんのジュエリー雑記帖』で
5月に更新するエッセイを書いていて、
調べものをしている途中で
V&Aの所蔵品の
コレクションを見ていたんですが、
ああ、目の保養だなあ、って。
伊藤
ヴィクトリア&アルバートミュージアム! 
そのサイトに行くと、美しいものが見られるの?
イセキ
大量に見られます! 
コレクションをサーチできるページがあるので。
イギリス王室の美術品を管理している
ロイヤルコレクショントラストの
ウェブサイトもおすすめです。

▲英国王室の宝物を管理しアーカイヴを公開しているRoyal Collection Trustのウェブサイトより。
ヴィクトリア女王がまだプリンセスだった頃のファーストリング。
「子どものためのリングなのでとても可愛らしいデザインですが、花びらにエメラルド、花芯にルビーを使った金製の指輪でさすがに豪華です。(イセキさん)」

▲英国王室の宝物を管理しアーカイヴを公開しているRoyal Collection Trustのウェブサイトより。
ダイヤモンドとパールがまばゆいクラウン。
「使われているダイヤモンドのカラット数を想像しただけでめまいがします。(イセキさん)」

伊藤
そっか。それはいいね。
Netflixとかは観ますか。
イセキ
うちは観ないですね。
伊藤
テレビがないのでしたっけ。
イセキ
夫婦ともにTVスクリーンが部屋にあるのが
あまり好きではないので、持っていないです。
どうしても観たい番組があるときは
プロジェクターで壁映しで観ています。
そうだ! 
ロンドンにグローブ座ってあるでしょう、
シェイクスピアの。
そこがシェイクスピアの演目を6作、
2週間ごとにローテーションで
無料公開するって発表したんです。
それは日本からでも観れるんですよ。YouTubeだから
伊藤
それは素敵!
イセキ
グローブ座のシェイクスピア作品を
世界のどこからでも観れるって、
ものすごく貴重な機会だと思います。
私は、シェイクスピア作品は
古語をあまり聴き取れる自信がなくて
劇場に行くのはちょっと敬遠していたんですが
まず今回『ハムレット』を家族で観てみました。
リビングで、晩ご飯のあと
パソコンとプロジェクターをつなげて。
映像が鮮明で迫力があって、
しかもYouTubeだから英語字幕が出るんです。
伊藤
なるほど!
イセキ
分からない箇所もあったけれど楽しかったし、
こういうことがなかったら、
改めて『ハムレット』をちゃんと鑑賞するなんて、
できなかったなぁと思って。
伊藤
「トムとジェリー」たちも観てましたか? 
夢中になって観てくれた?
イセキ
いえ、夢中にはなっていなかった。(笑)
ジェリーの方はまだ5歳だから、早々に脱落して。
伊藤
そっか、そうですよね。
イセキ
夜の7時ぐらいから観始めたから、10分くらいで
「お母さん、もう寝たい」って言い始めて。
そのときは、息子と夫だけが最後まで観てました。
伊藤
へえー。
イセキ
私は娘を寝かしつけていたので、
翌日の昼間に、改めて1人で観ました。
伊藤
それはいいことを聞きました。
そうだ、日本だとオンラインで歌舞伎をやってますよ。
時間もたっぷりあるから、いいかもしれない。
私、ふだんは家の外にいることが多かったから、
どうなるんだろうと最初思っていたのだけれど、
結構家にいられるものだなぁ、みたいな感じです。
イセキ
慣れてはきますよね。
でも私、昨日はすごく綺麗な青空だったのに、
家にいるというのがどうにもしんどくて、
家族で家の前に停めてる車に飛び乗って、
近くの無人の野原に行って、
日なたぼっこだけして帰って来ました。
いちおう、1日1回、健康を維持するための外出は
イギリス政府も(常識の範囲内であれば)
OKとしているので。
この先、もしロシアみたいに厳しくなってしまったら
どんなに辛いだろう、と思います。

▲イセキさんのInstagram @tinycrown_ltdより

伊藤
出てもいいけれどあえて家にいるのと、
出ちゃいけないで家にいるのと、
きっと全然違ますもんね。
今、私たちは、買物に出られるし。
イセキ
そうだ、ボリス・ジョンソン首相から
手紙が届いたんですよ。数日前。
伊藤
えっ、どういうこと? 
郵便で?
イセキ
郵便なのかな、これ。
こういう封筒でポストに入ってました。
切手も貼られてないし、
宛名も別に印刷されてないけれど、
Prime Ministerから、とあって、
ボリス・ジョンソン首相のサインが入ってて。
ちょうど首相が入院された日の朝に
届いたんですが。
伊藤
そこには、どんなことが書いてあるの?
イセキ
今、医療現場の人たちをはじめ
大勢の人がどれだけ奮闘しているかということ、
国がきちんと国民をサポートするから、
とにかく家にいてください、って。
伊藤
ええっ。泣けますね‥‥。
それが、テレビやネットの映像を通じて一斉に、じゃなくて、
手紙ってところがすばらしい。
イセキ
テレビでも呼びかけているけれど、
お年寄りや貧困層のなかには
携帯電話もパソコンない人もたくさんいるから。
伊藤
なるほど。あまねく、伝えたかったんですね。
イセキ
こうやって、繰り返し国民の隅々にまで
アナウンスをするということが、
イギリス政府は大事だと考えているんでしょうね。
封筒にはこういう冊子も一緒に入っていて。
「STAY AT HOME PROTECT THE NHS」
内容は、家にいないといけない理由、
新型コロナウィルスにかかると
どういう症状が出ると言われているか、
70歳以上の高齢者に対するアドバイス、
ビジネスを運営している人と
働いている人たちへのサポートについて、
あと、感染を拡げないために
どういうふうに自己隔離をしたらいいか。
最後に、手の洗い方、困ったときの連絡先。
伊藤
すごい。
お話、聞けてよかったです。
知らなかったことばかりです。
イセキさんと話せて楽しかった。久しぶりに。
イセキ
私もです。ありがとうございました。
伊藤
ありがとうございました!

オンラインで2万人待ち、 トムとジェリー、 日本語の勉強。

未分類


オンライン対談、さんにんめの登場は
日本人の夫、ふたりの子どもとロンドンで暮らす
イセキアヤコさんです。
ロンドンと東京の時差は、8時間。
東京の夕方5時は、ロンドンの朝9時。
イセキさん、いま、どうしてますか?


伊藤
イセキさん、元気にしてますか?
イセキ
元気です!
よろしくお願いします。
伊藤
2月の末、日本にいらして、
関西で展覧会をなさって。
私がそのとき京都に行く用事があったのだけれど、
行きたいなと思いながら、すれ違いで。
そして東京でもすれ違いになり、
結局会えなかったんですよね。
イセキ
そうでしたね。
伊藤
あのときって、イギリスの新型コロナウィルスの
状況は、どんな風でしたか?
イセキ
イギリスはまだ全然ロックダウンの前でした。
学校も、そのうち休みになるかもね、ぐらいで。
伊藤
まだそんなでもなかったんですね。
イセキ
はい。私がロンドンに帰って来たのは3月11日で
そのときはまだ入国審査も滞りなく、
スッとイギリスに入国できました。
でも、その前々日くらいに息子の学校から通達があって、
日本を含むアジアの指定国から家族が帰って来た場合、
14日間は絶対に接触させないでください、と。
伊藤
なるほど。生徒がその家族から感染して
学校にウィルスを持ち込む可能性もゼロではないから。
イセキ
そう。息子はいま11歳で、
昨年9月から全寮制の学校に通っていますが、
3週間ごとに週末に帰宅する規則で、
私がイギリスに帰ってきた週の週末が
ちょうど彼も家に戻ってくるタイミングで。
仕方ないので、息子と娘のことは夫に託して
私は空港からホテルに直行して
自己隔離をすることにしました。
でもホテル滞在2日目にして
息子の学校がもうコロナ対策で休校になり、
それなら私も家に帰ろう、と。
娘の小学校はその翌週から休校、
夫の会社も同じ時期に在宅勤務に切り替わりました。
伊藤
そこから1カ月ぐらい、
家族全員でお家にいらっしゃる?
イセキ
はい。かれこれ1カ月。
この先も、イギリスの学校は半年ぐらい
休みになるんじゃないかと言われています。
伊藤
えっ! ということは9月くらいまで‥‥?
イセキ
公立と私立は運営の仕方が違うし
息子の学校からも、正式に9月まで休校
と言われているわけじゃないけれど、
政府が「この状態は少なくとも
半年は続く可能性がある」と予想しています。
息子の学校は、現時点では、5月末日まで
休校が確定しています。
伊藤
じゃあ、4人家族で家にいるっていう状況が
今、起きていて、しばらく続くわけですね。
イセキ
そう。もう大変です。
うちはロンドンの小さなフラットで、
なおかつ庭がないので
これでリビングに天窓がついていなかったら
精神的にかなり参っていただろうな、
って思うくらい。
朝から晩までお互いの距離が近すぎるから
子どもたちも「トムとジェリー」状態だし。
伊藤
あはははは!
イセキ
わかります? どんな感じか。
伊藤
想像できます! 
つまりお兄ちゃんがトムで、
5歳の妹さんがジェリー。
イセキ
もう、私
「静かにしてー」って
しょっちゅう叫んでます(笑)。

▲トムはマジックの練習、ジェリーはおままごと。イセキさんの家の中での様子。

伊藤
大変ですよね。お買物は、どうしているんですか。
イセキ
私は、もともと食品の購入には
大型スーパーの通販サイトをよく使っていて。
それがいまはもうキャパオーバーで、
前代未聞なことになっています。
「あなたがアカウントにログインできるまで
2万人待ちです」って表示が出たり。
伊藤
えっ?! 2万人‥‥。
イセキ
しかも「2、3時間、このままお待ちください」。
伊藤
ええーーっ!
イセキ
だからそのページを開いたまま
パソコンで他の作業をしています。
伊藤
待ってないと買えないんですね。
イセキ
待ってないと絶対買えない。
伊藤
それでも生鮮食品は不自由なく?
イセキ
それは大丈夫です。
以前と比べて売り切れている商品が
多かったりはするけれど。
伊藤
じゃあ、全然外出はしていないのかな。
イセキ
それが、通販もすぐには届かないので、
あまり人と接触したくなくても、
近所のお店にもたまには買いにいかないと。
伊藤
そうなんですね‥‥。
イギリスは、社会保障はどうですか。
イセキ
政府がいろんな対応策を出しているけれど、
問い合わせや申し込み者が殺到していて
申請手続も大変みたいです。
夫の勤め先は、幸いまだ何も変わらずですが、
以前働いていた会社は
一時的に給与カットをしたり、オフィスで
医療用のフェイスシールドを作りはじめた
って聞きました。
伊藤
えっ? 建築関係ですよね。
イセキ
そう、建築事務所ですが、建築模型をつくる
3Dプリンターやレーザーカッティングの機械があるから、
フェイスシールドを医療現場に提供する
プロジェクトを始めたみたいで。
とにかく、夫はリモートワークで
家で仕事ができているけれど、
私の仕事には大きな影響が出ています。
普段「ほぼ日」でも販売させて頂いている
アンティークの復刻品ジュエリーは、
ロンドンの工房で職人さんに
作ってもらっているんですが、
その工房がしばらく閉鎖になったから
プロダクションが完全に止まってしまったし。
今度、5月に発売する新作ジュエリーは、
すでに完成していたのでよかったけれど
受注制作は中止になりました。
伊藤
そうですか。
もちろんロンドンのアンティークマーケットとかも
やってないですよね。
イセキ
何にもやってないです。
伊藤
だからアンティークジュエリーのほうを
買い付けに行くこともできない。
イセキ
できないです。
伊藤
そもそもそういう場所に行っちゃダメですものね。
イセキ
ただ、アンティークは、メールでやり取りして
ディーラーから仕入れることもできるので。
数はだいぶ減ってしまったけれど、
細々と買い付けはしています。
伊藤
そうですよね。
イセキ
もう1カ月以上、そういう感じです。
ところで、せっかくの対談なので、
ロックダウンになったからこそできました、
っていうポジティブなお話も
何かできたらなと思って(笑)。
伊藤
そうね! まずは元気そうでよかった。
イセキ
うん、元気ですよ。
我が家の場合は、という話になってしまいますが、
うちの息子は学校寮に入ってからというもの、
日本語を話す機会がすっかりなくなっていたんです。
同級生にも寮にも日本人が1人もいないから。
伊藤
そうなんだ。
イセキ
だから、このロックダウンは貴重な機会だと思って、
一緒に家で日本語の勉強をまたやり直して。
この1ヶ月でだいぶ勘をとりもどせました。
家で楽しめる趣味も彼なりに増えたみたいだし、
子どもって逞しいですよね。
伊藤
じゃあ、いい機会なのかもしれない、ほんとにね。
娘さんは幼稚園に?
イセキ
イギリスは小学校が4歳からなので、もう小学生。
ただ、最初の学年は1年生じゃなくて、
リセプションって呼ばれる準備学年なんです。
まだそんなに宿題も出ないし、
家でビスケットを焼いたり
おままごと遊びをしたりして
休校をのんびり過ごしています。
伊藤
インスタで見たけれど、リビングにちっちゃい
スーツケースを出して‥‥。
イセキ
そう。ある日、急に自分のスーツケースを
ひっぱりだしてきて、 
「わたし、新しい世界に行きたいの。
悪いニュースもなく、お化けもいなくて、
うさぎしかいない世界に行きたい」って。
伊藤
かわいい。かわいいけれど‥‥。
イセキ
やっぱり、子供もこの状況下でいろんなことを
感じてるんだなって思いました。
外に出たいっていう気持ちの表れなんだろうと。
先日も、リビングで手を一所懸命ぱたぱたさせてたので
何してるのって訊いたら、
「鳥さんになる練習してるの」。
私なんだかちょっと泣けてきて。
伊藤
そうかぁ。
彼女も、ニュースとかテレビとか見ているのかな?
イセキ
うちはラジオをよく流してるから、
聴いてるんじゃないでしょうか、5歳なりに。
伊藤
お住まいの周辺は、どういう感じに変化しているんだろう。
イセキ
私の住んでいるエリアは飲食店が多くて、
今は全部閉店しているから、ものすごく閑散としてます。
スーパーや薬局は開いてるんだけど、
お客さんは2メートルの対人距離を空けながら
並んでいて、相当早い時間に行かないと、
入店するのに30分‥‥もっとかな、
待っていないといけない。
皆マナーよくきちっと並ぶんだけれど、
お年寄りやキーワーカー(医療従事者など)は
長時間待つのは大変だから、
彼らが買い物できる時間帯を
スーパーが特別に設けたりしています。
伊藤
日本も最近始めてるところがあるんです。
妊婦さんやお年寄りのために。
イセキ
私はすごくいいアイデアだと思います。
伊藤
東京だと今、レストランが
持ち帰り用の料理を用意しているのだけれど、
そういう動きは?
イセキ
私の知ってる限りでは近所で1軒だけ、
それも夕方のみ。
伊藤
じゃあ、料理はほんとに家で作るしかない。
イセキ
作るしかないです。
でもね、料理はいいんです。
そんなに苦じゃないから。
私にとっては全ての美容院が閉まったことが‥‥
生死に関わることではないけれど、切実な問題で。
ただでさえ手こずっている
めちゃくちゃ毛量の多い
くせ毛のショートヘアなもので、
ロックダウンが明けるころには、
どんな頭になっているんだろう。
伊藤
そうか、たしかにそうですよね。
イセキ
夫に切ってもらうのは勇気がいるので。
伊藤
それが元で夫婦喧嘩になったりとかしそう!
イセキ
(笑)

ふたりで庭作り、 サーフボードを抱えての検査、 あたたかいコミュニティ。

未分類

伊藤
今、お家のなかでどんなことを
なさっているんですか。
おふたりで。
工藤
今はちょうど庭の手入れかな。
伊藤
そういえばDIYでいろいろ作りたいと
おっしゃってましたものね。
たしかシャワー室も手作りするって。
工藤
そう! シャワー室、できたんですよ! 
それでなぜいま庭かっていうと、
洋服屋さんは閉まっていても、
種苗店は開いているんです。
車で20~30分ぐらいのところに種苗店があって。
伊藤
へえ!
工藤
なにしろ時間があるから、
近所を歩いて、いいなと思う庭を観察して、
それを参考に仕入れに行ったりしています。
アンスリウムは、オレンジもいいけど白もいいねとか、
好きなブーゲンビリアや
ハワイのレッド・ジンジャー、
「アワプヒ」といって
昔はシャンプーに使っていた薬用植物を植えたり。
時間があるから、それで髪の毛を洗ってみようかな。
香りがとてもいいんですよ。
まだだいぶ時間がかかりそうなんだけれど(笑)。
伊藤
すごい! 私は去年の4月に雑誌のハワイロケで
まやさんにお世話になったんですけれど、
その時もいくつかのメディアの取材をかかえて、
本当にてんやわんやだったのを見ているから‥‥。
工藤
そうなんです。もう本当にせわしない生活を、
ずっとしてきました。
20年住んでいるから、
周りの人やコミュニティ、友達、
仕事を通じて知り合った人から
教えてもらったハワイのことはたくさんあって、
もらい物もけっこう多かったんだけれど、
今回のことがあって、
いろんなことを自分でできるようにしようと思いました。
そうだ、昨年いらっしゃったときに、
伊藤さん、レイをつくったでしょう?
あれ、まだ、あるんですよ。
このいろいろ編み込んでいくタイプの「ハクレイ」。
伊藤
あら! あのときの?
工藤
そうなんです。
ドライフラワーになって、
紫がより濃くなって。
ハクレイを教えてくださった先生が、
レイ作りに大切なことは一つしかないと。
それは誰のために作って贈りたいかっていうこと。
それだけをちゃんと持って作れば、
どんなお花でどんな作り方でも
ステキなものができるって言ってくださって。

▲伊藤さんがハワイを訪れたときにつくったハクレイ

伊藤
ステキな話ですよね。
工藤
そしたら伊藤さんがこれを
私にプレゼントしてくれたんです。
嬉しかった。
1年経っても、ずっとうちにありますよ。
伊藤
取っておいてくれたなんて。
工藤
今、ちょうど花が咲いてるシーズンなのに
誰も来ないっていう寂しいことに
なっちゃってるんですけれど、
こんななかでも、友達の誕生日もあれば、
お葬式もあって。
それはコロナで亡くなったんじゃないんですけれど、
ずっと闘病してた方が突然亡くなったんですね。
そのとき自分でレイを作ったんです。
今までだったら近所の人に頼んだんでしょうけれど。
これ、見えますか。
伊藤
わぁ、きれい!
工藤
ハワイのお花で、すごくいい香りで。
伊藤さんが来たときには、
このお花をたくさんもらったので、
それをお菓子にちょっとくくりつけたんです。
伊藤
そうそう! お菓子を紙にくるんで、お花をピッて。
工藤
香りも、とてもいいんですよ。
だいぶ、そういうことができるようになりました。
そんな人間じゃなかったんですけど(笑)。
伊藤
てんやわんやだった日々から、
今すごくたくさん時間があるから。
ところで、ハワイ、
社会保障はどうなっているんですか。
工藤
失業保険を払ってる人は失業手当が出ますが、
私のようにスモールビジネスは
アメリカの国の手当てが1回だけ、
1人あたり1200ドル支給されると言われています。
納税者は自動的にもらえるようになるらしいです。
伊藤
そうなんだ。
お買い物はふつうにできているの?
工藤
ロックダウンになる前に
多めに買う人はいましたけれど、
買い占めということではなかったです。
ハワイらしいなと思ったのは、
例えば缶詰のウインナーの12個入りを
1ケース持ってる人がいて、後ろに並んでる人が
「それ、どこにあったの?」と。すると
「あ、自分のがもう最後だったから」って、
もうすでにお金を払っていたんだけれど、
自分のところから3つとか4つとかパッと出して、
「はい、あげる」みたいな。
伊藤
すごい。
工藤
全然知らない人なんですよ。
でもハワイって、けっこうそういう感じ。
だから、もしかしたらいっぱい買ってる人は
誰かに頼まれたものを買ってるんだろうなと思う。
私もトイレットペーパーがなくなりそう、
ってなったときに、みんなで「何個ある?」、
「6個あげようか」って。そういう感じですね。
伊藤
へぇ!
工藤
SNSでやりとりしてても必ず最後に
「ご飯とか大丈夫?」
「トイレットペーパーまだある?」、
そういう一言がついてくる感じかな。
多分それは本当に、みんな、
それぞれのコミュニティでやっていることだと思います。
あと、やっぱりお年寄りが心配でしょう? 
マノアはけっこうお年寄りが多いから、
私も料理を届けたりしてます。
近所のおばあちゃんとか95歳だし。
伊藤
さすがに車、運転できない。
工藤
お弁当にすると喜んでいただける。
大したものじゃないんだけど。
おにぎりとか。
伊藤
私、まやさんに教えてもらうまで、
ハワイの人がこんなに
お米を食べるって知らなかった。
主食がお米だって意外で。
工藤
夕飯といったらお米ですね。
ハワイはすごく日系人が多いから、
日本の文化を引き継いでる。
家へ靴で上がらないでしょう?
伊藤
うんうんうんうん。
工藤
それも、コロナの感染防止には
いいのかもしれないですね。
伊藤
日本文化といえば、盆踊りもあるんですよね。
工藤
そう! 盆ダンスっていうんですけど、
けっこうな行事になってます。
日本の曲であの振り付けって、
ハワイの人には難しいの。
だから、教えるダンサーがいるんですよ。
各地を回って教えるダンスチームがあるんです。
浴衣も着るのが難しいから、
ハワイで独自に進化したハッピみたいのがあってね。
盆踊り専用の。
伊藤
ええっ(笑)!
工藤
これ! 衝撃でしょう?
アロハ柄。
伊藤
え、何、何? 
かわいい!
工藤
ハワイのムームーを仕立て直してハッピスタイル。
盆ダンスは7月ぐらいから9月頭ぐらいまで、
2か月間ぐらいかな。
伊藤
‥‥今年もできるといいですよね。
工藤
うん、伊藤さんにもぜひ来てほしい! 
盆ダンス、フェス的な感じだから、
いっぱい出店が出てて、
かき氷だったり、焼きトウモロコシだったり、
近所のおばちゃんが作った漬物だったり、
焼きそばやサーターアンダギーも。
楽しいですよ。
伊藤
今いちばんやっちゃいけないこと!
工藤
そうそう、そうです(笑)。
伊藤
人がいないホノルルって、
まったく想像できないなぁ。
工藤
そうですよね。
ワイキキとかアラモアナとか、
やっぱり閉められちゃってるし。
ビーチで泳ぐのはいいけど、
ビーチパークは閉められている。
一応、ロックダウンは
5月31日までって言われていますが、
ビーチパークは順次開いていくみたいです。
ハワイは今(4/14)感染者が500人くらいかな。
ドライブスルーで感染を調べるところがあるんですよ。
熱がある人は、そういう仮設で作ったところに行ける。
自転車にサーフボード乗っけて、
検査に来ている人とかいます。
伊藤
え?!
工藤
サーフィン行けるんだったら大丈夫じゃない? 
みたいに思うんだけど(笑)、
そんなふうに、ポイントポイントで
必ずクスッとさせる何かがあるんです、ハワイって。
それは場所柄だと思うんです。
ニュースってずっと見てると
ウッとしちゃうじゃないですか、とくに今の時期。
伊藤
うん、うん。
工藤
なのに、自転車乗ってドライブスルーの
検査場に行ってる人がニュースに映ったりして、
それはハワイっぽいかもしれないな。
伊藤
面白いです。
そういう話聞くだけで気持ちが明るくなります。
生活で困っていることはありますか? 食材とか。
工藤
歩いて行ける距離に食材店があるので
困ることはないんですけれど、
やっぱり日本の食材は不足しますね。
買うところは限られてるから、
そこまでは車で15分ぐらいかかる。
でも、時間があるし、人もいないから、
「あ、今日はやっぱり海苔欲しいな」と思ったら、
海苔だけ買いに歩いて行こうかな、とかやってます。
「今日はタコ買いに行こう」みたいな。
伊藤
郵便とか宅配便事情はどうですか。
工藤
郵便は大丈夫なんです、今のところ。
でも日本とハワイを結ぶ、
いわゆる今まで人も乗せながら
下で荷物運んでたエアラインの運航が
なくなってしまったんです。
民間の運送会社で独自に飛行機を飛ばしてるところは
届くと思うんですけど、
これからはちょっと届かなくなる日本の物資も
出てくるかなあ、とは思います。
納豆なんかは、冷凍で運んでいるので、
日本のものが手に入らなくなるかもしれないな。
これからの状況次第なんですけど。
でも大丈夫。今のところは。
窓を開けていれば人の声も聞こえるし、
今日、隣はバーベキューだなってわかるし。
伊藤
うんうん、そうか、なるほどね。
じゃあ、いまは、お庭づくりに夢中?
工藤
あと、スケボーを‥‥。
伊藤
スケボー!
工藤
‥‥を、やろうかなと思って(笑)。
伊藤
へぇー、そうなんだ(笑)。
工藤
って、ちょっと思ったりね。
あと、お料理もね、いろんな方のレシピでつくりたい。
今、料理教室もオンラインであるし、
逆に言えば、今だからできるのかもしれない。
料理の先生だって人を集めての料理教室で
忙しかったら、オンラインの時間もとれないだろうし、
伊藤さんとこういうふうに話すのも、
お互い忙しかったら絶対できないことだし。
伊藤
うん、確かに。
工藤
そういうので、時差はあっても、
日本とのつながりを感じてます。
料理も、知っている先生の人肌を感じるレシピだと、
日本のことも思えるし。
あと、アメリカのものでも、
いままでだったら冷凍で買ってきて揚げていた
フライドポテトを、
せっかくだからジャガイモを切って、
ローズマリーも入れて揚げてみよう、とか。
こんなこと、今までの私にはなかったことですよ!(笑)
伊藤
わあ! なんだか不思議、
思いがけず充実した暮らしの話が聞けて、
なんだか元気になりました!
工藤
そう(笑)? よかったです!
伊藤
ハワイ、みんなで行きたいな。
工藤
もうとにかく関わりがある人には、
日本・ハワイ間の航路が再開したら
第1便を予約してくださいとお願いしてます。
伊藤さんも第1便で来てください!
伊藤
(笑)本当、行きたい!
「第1便で来てね」っていいね。
工藤
でしょう(笑)?
伊藤
ありがとう、まやさん。
工藤
こちらこそ、ありがとうございました。

小ひきだし、我が家の使い方。 伊藤まさこさん編

未分類

アクセサリーボックスとして

ずっと困っていたのが、
アクセサリーの収納。
アクセサリーボックスっていろいろあるけれど
どうも自分にしっくりくるものが見つからずにいたのです。
だったら表側のことは考えず、
中だけ買ってクローゼットの引き出しに入れて‥‥、
と思って買ってみたのがこのグレーの仕切り。

時計はここ、
大ぶりのピアスはこっち。

一番問題だったバラバラになりがちなピアスは、
リング収納の溝(?)に入れたら一目瞭然。
ああこれでアクササリー問題から解放された‥‥。
やれやれほっと一息です。

ある日、ふと思い立って豆皿を収納していた小引き出しに、
この仕切りを入れてみたら、
驚くことにぴったりではありませんか!
気をよくした私は、
豆皿を別の場所へ移し、
小引き出しをアクセサリー入れにすることにしました。

4段ある引き出しの一番上はこんなかんじ。

2番目の引き出しにはネックレスと、
アクサセリーのボックス、
3番目は
ふだんあまりすることのないパールの長いネックレス。

一番下は、
サングラス入れ。

アクセサリーって、
ひとつひとつに思い出があるものだから、
こんな風に大切にしまわれているとうれしい。

小ひきだし、我が家の使い方。 [2]杉工場・事務所編

未分類

「この小ひきだしは、事務所で、
仕事用の収納棚として使っています。
デスク(1000×600)の左端に、
どーんと置いています。
なかなかの存在感です。
いまでは相棒のように愛着が湧いてきました」
と明乃さん。
小ひきだし本体の上には電話を置いて、
隣に座っているスタッフと共用しているそうです。

「デスクの上に置いているので、
パソコンを使ったり、電話をしたりと、
何かをしながらでも同じ体勢で、
すっとモノが取れて使いやすいです。
例えばワゴンだと、中のモノを取る時に
一旦デスクから体を起こして
しゃがんで引き出しを開けないといけませんが、
そういう動作が必要ありません」

たしかに! そしてワゴンの最下段って、
死蔵品がたまりがち‥‥。
手や目の高さに置く小ひきだしだと、
そういうことが減りそうです。

では順番に、中を見せていただきましょう。

1段目は、
お財布、電卓、付箋、名刺、
メジャー、ティッシュケース。
「ひきだしの中は、
使う頻度の高いものを手前に入れています」

2段目は、
書類、未処理のものを。
3段目は、
書類、こちらは処理済みのもの。
「未処理の書類は2段目、
処理済みのものは3段目に入れることで、
仕分けも分かりやすくなりました」
ああ、これもアイデア!
2段目がからっぽになれば、
すっきり、仕事が終わったしるしですね。

そして4段目には、
手帳、杉工場の製品カタログ。
この奇跡のぴったり加減がすばらしい!
明乃さん、ありがとうございました。

さて、次回は、伊藤まさこさんの使い方を紹介します。
以前は豆皿を入れていたけれど、
いまはちょっと変えたんですって。

小ひきだし、我が家の使い方。 [1]杉工場・家族編

未分類

杉工場の社長である杉寛司さんの家には、
玄関を入ってすぐ、
家族がかならず通る場所に、
この小ひきだしを置いています。
そしていちばんだいじな使いみちは、
家族それぞれの郵便うけ!

「日々郵便がたくさん届く我が家。
これまでは、郵便受けから取り出した郵便の束を、
リビングのテーブルに置いて、
それぞれが気付いた時に、
自分宛てのものを処理していました。
ようやくテーブルの上が片付いたと思ったら、
また届く‥‥という無限ループ。
いつもテーブルの端っこに郵便物があって、
ちいさなストレスゾーンでした」

なるほど、なるほど。
「はやく片づけてよ!」なんて
言いたくなっちゃいますよね。

「小ひきだしが来てからは、
郵便受けに来た郵便をそのままそれぞれのひきだしへ。
一段目が父、二段目が母、三番目がわたし(娘)。
一人一人の郵便受けにしたことで、
テーブルの上も快適になり、
一旦置ける場所ができたことで、
自分の好きなタイミングで
郵便を処理できるようにもなりました」

ああ、いいアイデア。
それでは順番に、中を見せていただきましょう。

これは1段目。
父・寛司さん宛の郵便物が入っています。
「父は持ち物が少ないので、
郵便だけをごっそりと入れています」

2段目は、おかあさんの良子さんのひきだし。
郵便物、鍵、充電器、カード、めがね。
だいじなものが全部入ってる!
「母は、ポイントカードや病院の診察券など、
〝毎日は使わないけど必要なカード〟を収納して、
使う日だけ財布にピックアップして
持っていくようにしているようです」

3段目は、娘の明乃さんのスペース。
郵便物、鍵、充電器、
イヤフォン、ハンカチ、指輪、
こまごましたものを入れています。
「母とわたしは、迷子になりがちな、
毎日使う鍵やケータイの充電器も入れているんです」

そして4段目は家族共用。
「便箋や切手など、お手紙セットを。
意外とお年玉切手などたまってます」
葉書、封筒、マスキングテープなど、
誰でも自由に使っていいんですって。
杉家、郵便が多いっていうのは、
届くだけじゃなく、送るほうも、なんですね。

(次回は、事務所での使い方編をお届けします!)

受け入れること、 鍵をかけない暮らし、 手作りのアロハマスク。

未分類


アメリカ人の夫と愛犬とともに
ハワイのオアフ島、マノアに暮らす工藤まやさん。
日本との時差は19時間、
伊藤まさこさんの暮らす東京の朝10時半は
工藤さんの住むハワイでは前日の夕方5時半です。
そんな時間にオンラインで2つの町を結んで、
1時間ほど、おしゃべりしました。
工藤さん、今、どんなふうに過ごしてますか?


伊藤
まやさん、こんにちは。
元気そうでよかった! 
この前、焼きロールキャベツを作ってましたね。
私の友達でもある料理研究家の
小堀紀代美さんのレシピで。
工藤
そう! アメリカのレシピもあるんですけど、
知っている人のレシピで作りたくて。
時間がかかったけれど、
すごくおいしくできましたよ。
伊藤
よかった! 
まやさん、今、毎日どんな感じですか。
工藤
3月26日からロックダウンになって
2週間以上(*)経ったんですけど、
この状況に慣れてきました。
(*註:この対談は4/14に行われました。)
伊藤
まやさんはコーディネーターをされてるわけですけれど、
ロケのお仕事、中止になってしまったでしょう?
工藤
最後の撮影が3月8日でしたね。
私たち、春が書き入れ時なんですけど‥‥。
伊藤
そうですよね。
工藤
大体3月の頭に全部キャンセルっていう決定が出て。
テレビの判断は早かったです。
伊藤
なるほど。
工藤
そのあと紙媒体やウェブも一気になくなって。
今、何の予定もないです。
伊藤
そうだよね。パトリックさん(工藤さんの夫)も?
工藤
彼も予定がない状態です。
ロックダウンになる前に仕事がなくなって、
この先どうなるんだろうっていう心配は、
3月いっぱいで終わりました。
そんな心配は、もうしない!
伊藤
え!? そうなの?!
工藤
今の状況ではコーディネーターの仕事って
絶対ないから、
あんまり考えないようにしているんですよ。
早く、みんなに戻ってもらえるように
なってほしいですけれど、しょうがない。
ハワイ、ホテルの人とかも、
9割ぐらい解雇になっていて。
伊藤
‥‥え? 9割?
工藤
解雇と一時解雇、両方ありますね。
でも不思議と、
バタバタってロックダウンになったので、
あんまり混乱がなくて。
伊藤
え、バタバタしてたから混乱がなかった?
工藤
ハワイで初めてコロナ感染者が出てから、
数日後にはロックダウンが決まったんです。
日本と違うのは、地方政権の人に
決められる権限が広くて、
まずホノルルの市長がロックダウンを宣言。
住んでる人が圧倒的に多いから。
伊藤
なるほど。
工藤
そしたらマウイの市長もロックダウンを宣言。
すぐ翌日、州知事も、ハワイ州全部を
ロックダウンしますって。
そこにあんまり批判もなかったし、
「どうする、どうする?」という混乱もなく、
「あ、ロックダウンか!」みたいな感じで。
伊藤
ハワイ、みんな優しくて大らかっていうイメージが
私の中にあるんだけれど、
そういう土地柄、人柄みたいなものもあるのかな。
工藤
これは本当に私の個人的な意見ですけれど、
ハワイの人って「受け入れる」んです。
受け入れることから解決へと導く、みたいな。
ハワイって、小っちゃい島で王国で、
キャプテン・クックが来たあと、
いろんな国の人が来て、
宣教師が入ってきて‥‥って、
ずっと「受け入れてきた」んですよね。
でも、そこからちゃんと
自分たちの文化を作っていってる。
例えばハワイアンキルトも、
宣教師の人たちがキルトを持ってこなかったら
ハワイでは生まれなかったものだけれど、
もうこんなふうに素敵に、
ちゃんと自分たちのものにしてるし。
伊藤
印象的だったのが、
「この木なんの木不思議な木」の、
あの大きな木。
工藤
うん、うん。
伊藤
ああいう木はもともとハワイにはなくて、
でも家畜を入れたときに日陰を作る必要があって
植えられたものなんだとまやさんに聞いて。
工藤
そうなんですよ。
伊藤
それが今やハワイを代表する木になっている。
工藤
そういうベースがあるから、
伊藤さんがおっしゃる「優しい」っていうのも、多分、
受け入れる器から自分たちで考える、
みたいな感じでやってるからでしょうね。
あんまりネガティブ感がない。
まあ、この気候がね! 天気がいいから。
伊藤
それ、すごくあると思う。
東京も、どんよりした日や雨の日もあるけれど、
いまの季節は気候がいいから、
それは救いになってると思います。
工藤
本当にそう思います。
ハワイは天気が味方してくれてる。
それから、私の暮らしているマノアは、
平屋の小っちゃい家が多く、
庭がみんなそれぞれにあるのもいいんです。

▲マノアの住宅地の様子。

伊藤
かわいいんですよね。
工藤
うちは築70年ですけど、
ハワイの昔の家って
貿易風を考えて作られているから、
ちゃんと風が通り抜ける。
ということは、風上の人の家の話が、
風に乗って全部丸聞こえなんですけれど(笑)。
伊藤
私、ビックリしたんだけど、
まやさん、鍵掛けてないでしょ、家。
工藤
出かけるときは掛けますよ!(笑)
伊藤
もちろん留守のときは掛けると思うんだけど(笑)、
家にいるときは掛けないでしょ?
工藤
うん、掛けない!
伊藤
私は閉めたらすぐ掛けるのが
習慣になってるんだけど。
工藤
東京だと絶対そうですよ。
伊藤
あと、ご近所さんといつも、
「何々、作ったよ」とかって、
おすそわけしたり、してもらったり、
そういうお付き合いがあるでしょう。
工藤
そうなんです。
だから、都市は封鎖しているけれど、
住んでる場所はいろんな意味で風通しがいい。
庭には人が出ているし、
ここはコミュニティに恵まれていますね。
ワイキキは違うから‥‥。
伊藤
ワイキキはどんな感じなんですか。
工藤
ワイキキはね、本当、通りに人がいないんですよ。
ワイキキだと、集合住宅でしょう。
眺めのいい人はいいですけど、
眺めがよくない部屋だと、
ちょっと気分が塞ぐかもしれない。
町には警察ぐらいしかいないです。
でも、歩けば海に行ける。
伊藤
そうか。海は行っていいの?
工藤
ロックダウンは、個人の価値観に
ある程度は任されてるところがありますけれど、
日本で言ってる「不要不急」を、
こっちでは「essential」と言っていて、
必要不可欠なこととして
エクササイズもしていいんです。
ただしちゃんと他人との距離は取ってください、と。
もちろん買い物に行くのもいい。
けれども、友達と数人でワイワイ行くのはダメとか、
そういうある程度の決まりがあって、
ビーチでは、のんびりはしちゃいけないけど、
泳ぐのはOKなんです。
サーフィンもOK。
伊藤
えぇ?! そうなんだ。
工藤
動いてる限りはOK(笑)。
ちゃんと人の息遣いのあるロックダウンになってる。
伊藤
へぇー。それはやっぱりちゃんと
みんながルールを守ってるからですよね。
工藤
そう、みんなちゃんと守ってます。
4、5日前に、
ハワイの人もみんなマスクつけてみようって言われて、
そしたら、みんな「えぇ?」ってなったんですね。
そもそも風邪でもマスクなんてしないから。
でも、翌日から外に出る人は
9割近くがマスクをしているの! 
スーパーに行ったら、そのなかで、
手作りのをつけてる人が6割くらいいました。
伊藤
えぇー? すごーい。
工藤
しかもみんなね、プルメリアとか、
ハイビスカスとか、チェックとか、
アロハ柄のマスクをつけて、
スーパーで買い物してるのが
めちゃめちゃかわいくて。
家にある生地で作ったんですね。
意外とみんな器用! もう私、感動して。
しかも、知人や友人に会ったら
声くらいかけたいわけだけれど、
マスクをしている姿を見たことがないから、
ぱっと見で確信が持てないのね。だから、
「ジョージ・スプリンガー?
 私はイデス・カワカミよ!」
みたいにフルネームで名乗ったりしていて。
伊藤
面白い(笑)。
工藤
初めての経験だから、みんな。
ただ、散歩とかしてると、
マスクをしてない人もいますよ。
そんなに密集してるわけじゃない場所ではね。
伊藤
まやさんは手作りマスク?
工藤
私は器用じゃないからできなくて、
とりあえずその場しのぎの、
飛行機に乗る用にストックしておいた、
普通に売ってるタイプをつけてます。
伊藤
ええっ。まやさん器用ですよ。
ロケで早朝に集合というとき、
はい、どうぞ!って
みんなに手作りおやつを配ってくれた。
いったい何時に起きてるの? 
ってびっくり。
工藤
覚えていてくださって嬉しい(笑)。
‥‥伊藤さん、私ね、
ハワイに引っ越してきてこの20年間、
ずっと人のスケジュールを作ることで
生きてきたんですよ。
つまり人のスケジュールで生活してきた。
ほぼ毎日ロケだから、
その人たちがやりたいっていう撮影の
スケジュールを作って生活をしてきた。
それが突然、自分のスケジュールで
生活するってことになって、
本当に、「わ、どうしよう」。
「私って、何もないわ!」って。
伊藤
パトさんも毎日忙しかったものね。
夫婦で同じ職業で。

耐熱皿のつかいかた(小さい方) 伊藤まさこ

未分類

オーブンにそのまま入れることのできる耐熱皿。
グラタンや野菜のオーブン焼きなど
日々の料理に大活躍なのですが、
それだけではもったいない。
私は時々「耐熱」ということを頭から追いはらい、
「オーバルの器」として使っています。

型から取り出したプリンを、
オーバルの小さい方に盛り、
上からとろりと泡立てた生クリームをたっぷりかけて、
しあげにさくらんぼをちょこん。
ふつうのプレートとはまたちがう、
新しいプリンの顔がのぞきます。

またある時はこんな風。
トマトにきゅうり、葉野菜のサラダをそれぞれ盛って、
ずらりと並べるとたのしげに。

ひよこ豆のディップを入れて、
横にパンをそえたり、
ナッツを盛ってもいいなぁ。

使い方は自由。
おだやかな白は、あらゆる料理を受け止めてくれます。

完全防備のお買い物、 家でヘアカット、 楽しいことだけのルール。

未分類

伊藤
たまに行く買い出しはどんな感じ?
仁平
行くときは大量に買う。
買占めじゃないんだけど、
食材店も
「買い物は、どうか1週間に1回にしてください」
と、張り紙をしてたりして。
毎日来られると、それだけお店の人も、
人と接するリスクが増えちゃうから、
みんな、なるべくまとめて買ってね、
という感じです。

▲3月下旬に久しぶりに食材を買いに外に出たときの写真。気づいたら花が咲いていて「春が来てるんだ」と実感したそう。

伊藤
もともと、アメリカの人って、
食材をいちどにたくさん買う印象がある。
仁平
そうだね! 
ちなみに、まとめて買うときは、
2人のほうが荷物いっぱい持てるから、
夫と「よし、じゃあ、明日行こう」みたいな感じで、
気合いを入れて出かける。
ほんと、サバイバル。
伊藤
レストランの料理のデリバリーは?
仁平
デリバリー、テイクアウト、あるけれど、
割高だから‥‥。
いま私たち、無収入に近く、
貯蓄を崩して生活をしているわけなので、
あんまり無駄使いをしたくないのね。
料理をする気力はあるから、
毎日自炊してる。

▲ある日の和朝食。

伊藤
外出するときはどんな服装で?
仁平
マスクして、
目からも感染するっていわれているから
眼鏡をかけて、帽子も被って、
アクセサリーは一切付けないで。
さらにコートやジャケットなどの上着を着て、
おっきいショッピングバックを持って。
買い物中も手袋をして。
そして買って帰ってきたときのために、
玄関に紙を敷いて、
置き場所を作っておくわけ。
ウイルスが付着してる可能性のあるものは、
全部そこに置いて。
上着はすぐに脱いで、
ちょっと離れた場所にしばらく掛けておく。
もし、ウイルスが付着していても、
しばらく掛けておくと、
不活性になるって聞いたから。
で、手をよく洗ったら、
買ってきたものを、全部、消毒する。
伊藤
徹底してる‥‥。
消毒液は、売ってるの?
仁平
未だに手に入りづらいかな。
前に買っておいた、
ウエットティッシュのような、
除菌ワイプを使って、
食材のパッケージとか、全部拭いてます。
伊藤
それくらい、しているんだ。
仁平
紙箱に入ったお菓子とかは、
紙箱を開けて中の袋を出す。
で、紙箱を捨てる。
デリバリーで届いた食材も、
全部、そうしてます。
伊藤
へぇ~。
仁平
食材店やデリバリーの人たちは、
リスクを背負って働いてくれていて、ほんとに有難い。
バイ菌扱いして、申し訳ない気持ちなんだけど‥‥。
でも、誰もが知らないうちに
ウイルスを運んでいる可能性がある。
だから基本的に対面では受け取らず、
日本で言う「置き配」なんです。
伊藤
うんうん。
仁平
食材の買出し、大好きなんだけど、今は全然楽しくない。
2メートルの距離をあけなくちゃって
気をつけながら買い物をしていると、
うっかり買い忘れちゃうものもあるし‥‥。
「ああっ、どうしよう、小麦粉忘れた!」とか、
「パスタ忘れた~!」、
「でもなぁ、もう行きたくない」。
余裕がないのね。
こないだなんて間違えて、
卵、3パックも買っちゃった。
長期保存の豆腐も、今、冷蔵庫に6個もある。
伊藤
ちょっと待って、どうやったら、間違えるの?!
仁平
食材を見つけると「あった!」って嬉しくて。
つい手を伸ばし、そんなことに。
これから毎日豆腐の卵とじ食べないと。
伊藤
(笑)そっかぁ。
ねぇ、みんなそうなの?
仁平
みんなじゃないと思うよ。
気にしてない人は、そこまでしてないし。
私のような人は、そういうことしてる。
もしかしたら、もっと徹底してる人もいる。
伊藤
ニューヨークの人たちが、
レストランを応援しようと、
寄付を募ったでしょう。
仁平
うん、うん。
すごく集まってたよ。
特にレストランがクローズしなきゃいけない、
ってなった後の1週間はすごかった。
いくら寄付されたかが可視化されてて、
ちょっとびっくりする金額の人がいた。
20ドルの人もいれば、5000ドルの人もいる、
みたいな。
私もちょっとずつ寄付してたんだけど、
さすがに自分の生活もあるので、
多くのお店にはできなかった。
こういうのは、やっぱり、
アメリカらしいなって思う。
伊藤
私は、知り合いのスナックの前売り券を買ったり、
九州の日田にある映画館の応援で、
チケットを買ったりしたよ。
いつか収まったときのための前売りチケット。
私たち、「寄付」という感覚は
アメリカ人のようには強くないかもしれないけれど、
落ち着いたときに使えますよ、ということなら、
お金を出しやすかったりする。
仁平
うんうん。ニューヨークにもそのスタイルがあるかな。
ギフトカードを売ったりとか。
あと、レストランで、セラーに保管している
ワインをお家用に販売しているところもある。
伊藤
なるほど!
仁平
今ストックしててもしょうがないし、
家賃、払わなきゃいけないから。
お酒はすごく売れているみたいね。
伊藤
わたしもワインは通販で注文した。
それから高知の知人が、
地元の野菜をとりまとめて
各地の飲食店に送る仕事
をしているんだけれど、
ようすを聞いてみたら開店休業状態だというので、
「いっぱい送って!」(笑)。
ちょっとでも動かないとって。
仁平
配送が普通に動いているんだったら、
やったほうがいいよね。
こっちでは大手の通販会社が
注文殺到で人手不足だから
すごくたいへんなことになっていると聞いて、
デリバリーの人たちを酷使させるのも
悪いなぁと思いながら‥‥。
伊藤
いつにも増して、宅配の人や郵便局の人に、
「もう、ありがとうございます!」って言っちゃう。
お菓子持たせたいくらいよ。
さすがに今はできないけど。
仁平
昭和のお母さんみたい、それ(笑)。
でもいいな、そういう意味では、
ニューヨークは殺伐としてるから。
ちょっと人間不信になりそう。
伊藤
じゃあ、逆に、今、家にいることで、
いいことってある?
仁平
いいこと?
伊藤
例えば、夫との愛が深まったとかさ。
仁平
それはないね(笑)!
伊藤
でも、いっしょにヨガやってるんでしょ?
仁平
そうなの~。べつに誘ってないのに~。
夫のヨガすごいよ。
ダウンドッグって、ポーズ分かる?
伊藤
え、分かんない(笑)。
仁平
手と足を床につけて、腰をあげて、
くの字をキープするんだけど。
それを、夫がやると、
生まれたての子牛みたいな感じなの。
膝が曲がってて、
「イデッ、イデデデェ~~」って。
伊藤
やめて(笑)。
そうだ、YouTubeもやってるじゃない?
仁平
そうそう! 髪ね。
ヘアサロンが休業中だから、
「自分で切るにはどうしたらいいですか?」
というお問い合わせがお客さんからあって。
「あ、オレ、じゃあ、YouTubeで流そうかな」
とか言いだしたのがはじまり。
伊藤
目に浮かぶ!(笑)
仁平
で、必然的に私が手伝うことになり、撮影して、
公開したんです
伊藤
これ役に立つよ! 
美容院や理容店、やっているとはいえ、
行くのをやめている人も多いから。
仁平
ありがとう(笑)。
本人はあれですっかりユーチューバー気取りだよ。

▲仁平さんが旦那さんの髪の毛をカットしたときの写真。

伊藤
おもしろいなぁ(笑)。
料理は仁平さん好きだものね、
それはストレスはないでしょう?
仁平
うん、料理が好きでよかった。
やっぱり、食べることは大事。
ここ2週間くらいかな、
救急車の音がすごく増えて。
しょっちゅう聞こえてくる。
そうすると、心がどんどん不安になる。
家からもずっと出ず、
健全な暮らしとは言えないわけだから、
どんどん、どんどん、不安定になる。
でも、美味しいもの食べると、
心が整うんだよね。
伊藤
うんうんうん。
仁平
好きなことをすると心の安定が図れる。
心が健やかになる。
それが、やっぱり大事だな。
伊藤
人の不安って、過去か未来についてなんだって。
過去の後悔か、未来はどうなっちゃうんだろうとか。
でも、今を生きてる人って、
あんまり不安に感じないんだって。
料理ってね、無心になれるでしょ?
仁平
うんうん。今に集中! だものね。
伊藤
それで、すごいリセットされる。
仁平
食べたら美味しいし、楽しいし。
それは良かったなって思ってる。
伊藤
そっか。まぁでも、なんだかんだいって、
ウメボシさんと仲良くやってる。ね?
仁平
まぁ、うん、そうだね。
伊藤
エクササイズはヨガだけ?
仁平
夫は、ランニングに出かけてたんだけど、
天気のいい日は人が結構いて
人との距離が取れないって、やめちゃった。
私はヨガのほかは、
Workout for Womenっていう、
自分の目的を入力すると、
運動をプログラムしてくれるアプリをやってる。
もともと運動する人じゃないから、
体がなまるっていう感じはないけれどね。
伊藤
うん。なるほど。
でもその救急車の話、
自分だったらと思うと、
やっぱり不安定になるんだろうなって思った。
仁平
たぶん、日本に住んでる人も、
自分の心のケアと、心の健やかさを
真剣に考えたほうがいいんじゃないかなと思うな。
私たち、最初のうちは、
規則正しい生活をしようね、とか言って、
ハリがあったんだけど、
いろんな不安や心配が重なると、
こうしなきゃ、ああしなきゃ、みたいのが、
ストレスになることに気づいて。
だから、うちは、ルールをすっごい簡単にして、
お酒を飲むのは夕方6時以降と、
毎週火曜日は、もともとヘアサロンが休みだったから、
2人とも休日ってことにして、
その日は、昼酒OKにしてる。
そういう楽しいルールだけを設けて、
あとは、お互い、好きに過ごしてる。
伊藤
そうだね、そうだね。
仁平
そうそう、買ってきたものを消毒してるって言ったけど、
「え、そうなったら、私もやらなきゃ」
とか思わないようにね。
自分がこうしたら安心できるっていうことを、
私はやっているだけだから。
同じように思う人はやればいいし、
「え? なんで、そんなことするの? 
やり過ぎでしょ?」っていう人は、
やらなくていいと思う。
いっぱい話したけど、あくまでも
「私」の話。情報に振り回され過ぎると、
心がどんどん不安になっちゃうから。
自分の心が一番安定すること、
楽しいと思えることをしてね。
ルールも決め過ぎないで、
自分の心が健やかであることを最優先して。
伊藤
それ、すごくいいと思う。
仁平
1カ月近く、家に籠ってて思うのが、それかな。
だから、だらしなくパジャマで1日いる日があっても、
全然、いいと思う!
伊藤
うんうん、そうだよね。
逆に私は、朝、片付けてちゃんとするっていうほうが
心が落ち着くから、そうしてるの。
仁平
うんうん、でしょ? 
人によって、全然違うから。
伊藤
そうしなきゃいけないってわけじゃ、
全然、ないもんね。
仁平
大前提として、外出は控えて、
人に会わないようにして、
人に接するときは
2m距離を取るっていうことを守ったうえで、
自分の心が落ち着くことをすればいいと思う。
伊藤
うん、分かりました。
すごく参考になった、
ほんとうにありがとう!
じゃあね。また、連絡します。
仁平
おもしろかったです。
ありがとうございました。
また話しましょう!

知事のツイート、 どうぶつの森。 なかなか来ないデリバリー。

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オンライン対談、ひとりめの登場は
美容師の夫と、猫1匹と
ニューヨーク・ブルックリンで暮らす
編集者・ライターの仁平綾さんです。
対談が行われたのは4/15、東京は朝の10時。
仁平さんの暮らすニューヨークは前日の夜9時でした。
深刻な状態におちいっている彼の地ですが、
仁平さん、元気に暮らしているみたいです。
昔なじみのふたりの久しぶりの会話、
真剣に、でもユーモアもまじえて、
テンション高めでお届けします。


伊藤
お疲れさまです。
元気? どう? そっちは?
仁平
元気ですよー! 
家に籠ってます。
伊藤
ニュースで見たんだけれど、
ニューヨークの地下鉄、
けっこう人が乗っている?
仁平
そう、ニューヨークは
地下鉄もバスも動いてるんです。
エッセンシャルワーカーっていう、
病院勤務の人とか、薬局で働く人、
スーパーで働く人とかが移動できるように。
でも私は、1カ月以上、乗ってないです。
伊藤
そっか。
仁平
地下鉄もね、消毒をしているというけれど、
必要があって外出をしても徒歩で行ける範囲です。

▲仁平さんの住むブルックリン。コロナが流行する前の日常の様子。

伊藤
街がロックダウンする前から、家にいた?
仁平
外出しないでください、ダメですよって
言われる4~5日前から。
私はそもそも自宅が仕事場だし、
無理に外に出なくてもいいかなぁと思って
控えてました。
伊藤
うん、うん。そうだね。
でも、ほら、ウメボシさんが。
仁平
夫のあだ名。そうそう、
最初、喧嘩してね。
美容院を閉めるべきだと言う私に、
「簡単には閉められない」って。
ある日、外出禁止になる前のことなんだけれど、
アメリカ人の近所の人とたまたま廊下で会って、
立ち話をしたの。
「どうしてる?」と言われたから、
「うちの夫は、まだ働いてる」
「あれ? 美容師じゃなかった?」
「そう」と言ったら、
「えっ?!」と叫んで、ぱっと、1歩引かれてしまった。
伊藤
えっ!
仁平
「人の近くで接する仕事なのに、まだやってるの?」
って。その時、人からはそういうふうに
思われることもあるんだなあって。
リモートワークが可能で、
早いうちから人と距離を取って
暮らしていた人たちにしてみたら、
驚きだったと思う。
伊藤
そうなんだ。
仁平
「そういう反応だったよ」って
夫に伝えたんだけど、
「そう言われても‥‥」って。
伊藤
お客さんは、普通に来てたの?
仁平
みんなけっこう駆け込みで予約をしてくださって。
しばらくヘアサロンに来られなくなるかもしれないから、
今のうちに髪を切りに行こう、みたいな。
予約も入ってたから、彼的には、
予約してくださっているのを
わざわざ断るのは悪いと。
でも私は、
「いや、やっぱり今は
自分と家族の身を守ることを
第一に考えたほうがいいと思う」と。
伊藤
どうしたの。
仁平
「このまま働き続けるんだったら、
家に帰って来ないでください」
伊藤
わぁ‥‥。
仁平
だって、そうじゃない?
伊藤
ウメボシさんを知っているだけに、
困ってる様子が目に浮かぶ‥‥。
仁平
うちには病気の猫もいるし、夫婦共倒れは避けたい。
「店を休業するか、仕事を続けるなら別居するか。
その決断ができないなら離婚する」とまで言って。
伊藤
うん、すごい。
仁平
そうこうしてるうちに、州知事から、
「ヘアサロンもネイルサロンも全部クローズ」と。
彼はホッと胸を撫でおろしていた。
伊藤
離婚回避(笑)。
自分も本当は心配だったんだよね。
仁平
分かってはいるんだけど、
難しい決断だったんだと思う。
だから州知事から「ダメです」って言われて、
オッケー、じゃあ休む! 
っていう感じで、ホッとしてた。
伊藤
日本もそうだし、世界中にそういう人、いると思う。
言ってくれれば休めるのに、
自分からはできないよ、っていう。
仁平
補償のことは、
いま解決していなくても、
後から絶対なんとかなると信じて、
とりあえず休みにするほうがいいと思った。
伊藤
その補償はどうなってるの?
仁平
緊急経済対策で現金給付が決まって、
大人1人につき最大1200ドル(約13万円)、
子供には500ドル(約5万5000円)を支給するって。
それから失業保険もあって、
解雇になっていなくても、
事業がストップしていれば、申請できる。
伊藤
物価の高いニューヨークでは、
家賃だって困るよね。
仁平
とりあえず4月は払った、
でもこのまま収入がなかったらどうしよう? って。
夫が働くヘアサロンのほうは、大家さんと交渉して、
数カ月先まで伸ばしてもらいました。
伊藤
住んでいるところは、そういうことはできないの?
仁平
まだ相談していないです。
伊藤
そっか。
その、ウメボシさんとの意識の差、
解決してよかったけれど、
周りの人とのそういう温度差を感じている人、
多いと思うんだ。
仁平さんも、インスタで書いていたでしょう?
あれ見て、そうそうって思った人、いると思う。

▲仁平さんがインスタグラムにアップしたマンハッタンの写真(以前に撮影したもの)。

仁平
反響が大きかったです。
コメントもいろいろあって、
いろんな人がシェアしてくれて。
ああ、なんか、みんなそこが辛かったんだなって。
自分が不安とかよりも、周りの人との意識のズレが。
伊藤
そうなのよ。ほんとに。
とくに近い人が、違うってなると。
仁平
けっきょく一斉に「みんなダメです」ってなって、
家から出ないでください、
出勤もダメですって、
みんなが同じ条件になったから、
意識のズレは、ちょっとなくなったかな。
伊藤
こういうときって、国にしても会社にしても、
リーダーの決断って大事だなって思って。
うちも、娘との2人暮らしで、
いわばリーダーは私じゃない? 
それで家にいましょうと決めたんだけれど、
娘のバイト先はリモートワークはできなくて、
「バイトに行かないと、給料が入らない」
って言うわけ。それで
「そっか、そりゃそうだよね」と。
私は行かせたくないわけだから、こう提案したの。
「私がお給料を払うから、私の手伝いをして、
うちにいなさい」って。
仁平
さすが。
伊藤
うちは、いちばんちっちゃい単位でそうだけど、
会社もそうだし、国もそうだよなって。
そういう人について行きたいと思うもの。
仁平
ニューヨーク州知事のツイッター
ほんとにすごくて。
「ニューヨーカーはタフだ。みんなでがんばろう」とか、
メッセージがどれも強い。
「今日の感染者は、何人です」
みたいなことだけじゃなくって、
みんなを鼓舞するメッセージが多い。
伊藤
それを毎日のように。
仁平
けっこう強い言葉で。
死者が、毎日、何百人って出るんだけど、
「その人たちには、全員、顔がある」って。
「ただの数じゃなくて、
それは、ちゃんと人なんだ」って。
伊藤
それは強いね‥‥。
仁平
こんなに休みなことって、たぶん、ないでしょ? 
もう二度とこういうことは、嫌じゃない? 
でもさ、今はもうすごく長い休みだと思って
楽しんだ方が、心の安定にいいかなと思ってる。
伊藤
うちの娘、満喫してるよ。
Nintendo Switchで
「あつまれ どうぶつの森」をやっているのね。
こうなることを予見したのか、
はやいうちにゲーム機を手に入れていて。
どうぶつが住む島に移住して、
無一文から家を建てたりして、
どうぶつたちと遊ぶらしいんだけど、
最初に住んだ部屋が、
ペルシャ絨毯の上に花柄布団、
とかだったのに、
熱中しすぎて、いまや5LDKの大豪邸なの!
すごいのよ、なんだか。
でもま、いっか! って。母としては。

▲一気に豪華になったお部屋のbefore(上)とafter(下)。

仁平
そうだよね(笑)。
伊藤
もちろんこんなに不思議な時間があることも、
経済が落ち込むことも、
私たちが生きてる間にないことを願ってる。
だからリーダーにも
「これから先は、伸びる一方だから、
今、我慢しましょう」とか言って欲しい。
仁平
家にいて、人と会わない、
外出しないだけだもん。
そんな楽なことってない! って思うようにしてる。
私たちが「明日、どこどこの病院に行って、
治療にあたれ」と言われてるわけじゃないんだから。
「人工呼吸器の使い方を今から覚えて、それをやってこい」って言われるわけじゃないんだから。
伊藤
そう! そうなのよ!
仁平
できないことをやれって言われてるわけじゃなくて、
できることをしなさいって言われているだけ。
「とにかく家にいて、人に会わないでください」
って、こんな楽なことないって思うことにしてる。
伊藤
私たちはエッセンシャルワーカーじゃないから、
とにかく家にいることさえ守れば。
仁平
それで命が守られるんだもん。

▲最近の仁平さんのご自宅の様子。

伊藤
そうだね、そうだね。
ニューヨークにいて、最近なにか変化を感じる?
仁平
この数週間ぐらい、YouTubeを見ようとすると、
「ニューヨークにお住まいのみなさん」って、
ニューヨーク州の政府から、
日本語で広告が入るの。
「ニューヨークのみなさん。
コロナウイルス感染防止のため、家にいましょう。
人と会うのはやめましょう。
人と接するときは、2mの距離をとりましょう。
どうか、ご協力をお願いします」
みたいな。
最近、インスタでも、
おんなじのが流れるようになった。
もう、徹底してるよ。
「stay home, stay home」って、
そういうの日本にもある?
伊藤
東京都は小池百合子都知事がすごく言ってる。
仁平
東京は今まで通り食材を買いに行けてるんでしょう?
伊藤
全然、行けてる。
ニューヨークは?
仁平
怖くて、あんまり行けない。
10日に1回か、2週間に1回しか、外に出ない。
それでほぼ1か月。
伊藤
そっか。

▲外出禁止になる数日前に、近所のワイン屋に行ったときの写真。ソーシャルディスタンスがとれるよう入店制限をしていたとのこと。

仁平
食材を買いにいくのは、もちろんいいんだけど、
なるべくデリバリーにしてくださいって言われてる。
人がいる場所に行くっていうのが
それだけでリスクだから、避けたほうがいいと。
ニューヨークの感染者数を
郵便番号で調べられるマップがあるのね。
チェックしたら、うちの郵便番号のエリア、
感染者数がめちゃ多かったの。
伊藤
ええー!
仁平
そういうエリアに住んでるなら、
わざわざ外に出たくない。
だから今、デリバリーに
なるべく切り替えるようにしてる。
伊藤
すぐ届くの?
仁平
フレッシュディレクトという
オンラインのスーパーがあって、
野菜、お肉、お魚、全部買えるんだけど、
届くのに2週間ぐらい待った。
しかも、もう1回頼もうと思ったら、
デリバリーの予約日が全然空いてなくて。
みんなクレームを言ってるんだけど、
オンラインスーパーも人手が足りないんだろうね。
で、夜中にアクセスすると
予約ページが開くという噂があって、
夜中の12時半くらいに見てみたんだけれど、
混んでて、全然、繋がらなかった‥‥。
伊藤
ええー。
仁平
私たちが十代のころ、
コンサートのチケットを取ろうと思って
何度も何度も電話をかけたでしょう?
それでもなかなかかからなかった、
あんな感じ。
だからスーパーのデリバリーは半ばあきらめて、
今は、デリバリーしてくれる専門店を探してます。
最近は、ブルックリンのグリーンポイントにある
フィッシュアンドロブスターっていうレストランが、
店頭で売っている魚をデリバリーし始めたから、
早速買ってみたら、うんと新鮮なのが届いて、
「ヤッタ!」って(笑)。

▲Greenpoint フィッシュアンドロブスターで購入した新鮮なサーモンをムニエルにした夕食。

耐熱皿のつかいかた(大きい方) 伊藤まさこ

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綿棒でたたいたレンコンを耐熱皿に入れ、
オーブンへ。
ほんのり焼き色がついたらできあがり。
塩やオイルで味をします。

ブロッコリー、かぶ、やまいも。
何かもう一品‥‥なんて時に
手軽にできる野菜のオーブン焼きは、
忙しい身にとってとてもありがたい存在です。

野菜とともに、
よく作るのが海老のオーブン焼き。
背にナイフで切れ目を入れ、
海老を耐熱皿に並べたら、
ごま油とナンプラーをまわしかけ、
香菜の根っこ、にんにくをのっけてオーブンへ。
レモンをぎゅっと絞り、
香菜やディル、ミントと一緒に食べれば、
どこか異国の味。

かんたんで気負いなく作れる
耐熱皿を使ったオーブン料理には、
いつも助けられています。

オーバルの耐熱皿は、
おやつの時間にも登場します。
今日はクッキーとチョコレート、それからハーブティー。

娘の部屋にこのセットを持って行ったら、
「わぁ、かわいい!」と大よろこび。
ふだん食べているものなのにね、
ちょっと工夫して見せ方を変えると、
こんなによろこんでくれるんだ。

朝昼晩、それからおやつの時間にも。
あらゆるシーンに活躍する器です。

鋼正堂のプレート、 我が家の使い方。 伊藤まさこ

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[2]春の味の大集合

春野菜のおいしい今、
「この時期をのがしてなるものか」と、
せっせと食べる毎日です。

野菜と同様、スーパーに行くたびに買うのが
今が旬のホタルイカ。
しょうゆと酒でさっと煮たり、
パスタにしたり。
和も洋もいけるところがうれしいのです。

今日は楕円のフライパンでパエリアを作りました。

炊き上がったら、
さっと茹でた菜の花と、
そら豆を合わせて春の味の大集合。

こんなとき、取り皿として活躍するのが
鋼正堂のプレートの小さいの。
直径18センチという大きさがほどよくて、
テーブルの上にいくつか並んでも
窮屈な感じにならない。
おだやかな白もいいでしょう?

ラフに盛ったら、
黒こしょうをリムにかかるようにたっぷりふって。
お皿の上を自由にレイアウトできるのは、
シンプルだからこそ。

ごはん、サラダ、パン、ケーキ‥‥。
あるととても重宝するプレートです。

鋼正堂のプレート、 我が家の使い方。 伊藤まさこ

未分類

[1]テイクアウトの料理をのせて。

我が家の食器棚の棚板は45センチ。
ちょっと奥行きがあるから、
よく使うものは必然的に前の方になります。

中でも、鋼正堂のプレート3種類は、
一番手に取りやすい高さ(そしてもちろん手前)に
置いていて、
いまや我が家の洋食器の定番中の定番。
パスタに豚肉のソテー、グリーンサラダ‥‥と
料理をえらばず、なんでも受け止めてくれる
懐の深い器だなぁと
使うたびに感心しています。

今日は、友人の料理家、坂田阿希子さんの店
「KUCHIBUE」でテイクアウトした、
ハンバーグとミロトンを盛ってみました。

お店の味が家でもたのしめるのは、
本当にありがたい。
自分で作るのとはぜんぜんちがう!
プロの味はやっぱりすごいのです。

そんな時も鋼正堂のプレートが出番。
ハンバーグとマッシュポテトなどのつけ合わせを
盛ったのは丸プレートの大きい方。

少し汁気のあるミロトンとにんじんライスは
スープ皿に。

デザートももちろんKUCHIBUEで。
プレートの小さい方に、バナナサンドをのせてみました。

いつものグラスをワイングラスに変えてみたり、
ちょっとマットを敷いてみたりして、気分は洋食屋。

器の持つ力もまたすごいのです。

完売しておりましたアイテムの、再入荷のおしらせです。

未分類

4月30日(木)午前11時より、以下の商品について、
「weeksdays」にて追加販売をおこないます。


小ひきだし

▶商品詳細ページへ

入荷するたびに人気の小ひきだし。
抽選販売で限られた数にはなりますが、再入荷します。
ぜひこの機会にご応募ください。

「この小ひきだしを使い始めてしばらく経ちますが、
リビングに置いて、
いろいろなものを入れてはいいなぁ、
使いやすいなぁと思う毎日です。
そして、美しいなぁとも思う。
置いてある姿も、
また、ひきだしの中の様子までも。

小さなひきだしですが、
これがあるのとないのとでは大ちがい。
身の回りのこまごましたものが、
気持ちいいほどすっきり片づきます。

いつも、あれない、これない、どこいっちゃった?
なんて探しものをしているとしたら、
時間が少しもったいないと思う。
ものの置き場所をきちんと決めて、
こまごましたものをひきだしにおさめたら、
ものだけでなく、
気持ちの整理整頓にもなるはず。

入れるものは、あなたの自由。
使い方も自由です。
小さいけれど、大きな役割をしてくれる、
このひきだしはきっと暮らしの役に立つはず。」
(伊藤まさこさん)


鋼正堂 丸プレート・小

▶商品詳細ページへ

とても使い勝手いい鋼正堂のうつわ。
長らく完売していた丸プレート・小が再入荷します。
お家に複数揃えておくのもおすすめです。

「鋼正堂でまず一番初めに作りたかったのがこのプレート。
私が持っていた北欧の軍ものの
(と買った時にお店の方から説明を受けました)
プラスティックのプレートがベースになっています。
軍ものですから、軽く持ち運びしやすく、
余計なデザインがほどこされておらず‥‥。
お皿の一番プリミティブな形とも言えるのではと、
見るたびにほれぼれしていたものです。
内田さんに、こういう形で毎日使える
陶器のお皿が欲しいと伝えると、
一言「分かった」と。
すぐにろくろを回して、原型となる型を作ってくれました。

できあがったプレートは、
一見とてもふつうなのですが、
使うごとに、よさがじわじわと伝わってくる。
料理の引き立て役になってくれるところがいい。
ほどよい重さがあり、手に馴染むところがいい。
こちらに気を使わせない、繊細すぎないところがいい。
一歩引いた感じのひかえめさが、
なんだかいいのです。

小さな方はパンやケーキ、
また取り皿として。
お皿の上に絵を描くように
自由に料理を盛ってみてください。
どんなものでも受け止めてくれる、
ふところの深いお皿でもありますから!」
(伊藤まさこさん)


cohanの下着

サントーニ社というイタリアのメーカーの
すぐれた編機を使い、
ていねいに織り上げた素材を使った下着が再入荷します。
デザインは、パリのオペラ座の衣裳室出身であるデザイナー、
惠谷太香子さんによるものです。

シームレスブラキャミ/ノーマルカップ
(ブラック/オークル/ホワイト/グレージュ)

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「体にフィットするけれど、
けしてきゅうくつな感じはしない。
一日中、つけていてもストレスのないブラキャミです。」
(伊藤まさこさん)

シームレスブラ/ノーマルカップ
(再入荷は、ブラック/オークルのみ)

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「お腹まわりを覆うブラキャミか、
それともブラか。
私はその時の気温や着るもので
どちらにするか決めています。」
(伊藤まさこさん)

シームレスショーツ
(再入荷は、ブラック/オークルのみ)

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「お腹とおしりをすっぽり包んでくれる、
身につけていてとても安心感ある形です。
また、しゃがんだり座ったりの動作がとても楽。
よく考えられて作られているなぁと
履くたびに感心します。」
(伊藤まさこさん)

シームレスハイライズボクサー
(再入荷は、ブラック/オークルのみ)

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「パンツをはく時に、
えらぶのは、こちらのボクサー型のハイライズ。
ラインが表に響きにくいところがいいのです。」
(伊藤まさこさん)

なお、cohanのサイズ表記は、
Sが通常のM、
Mは通常のL。
製品の性質上、お客様都合での返品ができませんので、
各ページのサイズ目安表を参考にお選びください。

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