お金をちゃんと考えることから
逃げまわっていたぼくらへ。
お金は欲しい。お金は怖い。お金はない。
お金は大事だ・・・・。
それしか、お金について考えてこなかったということは、
いつまでたっても、お金がわからないまま、
お金に振り回されて生きるって事になりかねない。
ぼくは、ここで、お金のことを、
ちゃんと考えようと思って、邱永漢さんと話をした。

単行本の「立ち読み用」として作られたページです。

【編集者の三島さんからの、臨時ニュース!】


[※ほぼ日の木村より前口上]
えー。どうもこんにちは。ほぼ日編集部の木村です。
最近、とても元気に、足しげく、毎日毎日毎日毎日、
『お金をちゃんと』の本の良さを触れまわってくれている
三島さん(25歳・体力充分・京都出身おいでやす)が、
「編集者レポート」のようなものを書いてくれました。

darlingは「『三島ニューーース!』」と名づけて更新だ」
と言っていますが・・・「三島ニュース」って!
「ゆかり」じゃないんだから。

みなさんからのメールを転送すると、
ぜんぶ読んでいる三島さん。
暑いぜ熱いぜ三島さん。

↓では、読んでくださいませ。
 (一口情報:みんな、メール出すと三島さん喜ぶよ!)

     ★     ★     ★

『お金をちゃんと考えることから
     逃げまわっていたぼくらへ』
を編集しました、みしまと申します。こんにちは。

遅れましたが、ご注文いただいたみなさま、
ほんとうにありがとうございました。
編集作業まっ最中にいただきましたみなさんのメール。
それを励みに最後を仕上げられたくらい、嬉しかったです。
正直申しまして、唐突ですけど
この本をぜひビッグベストセラーにしたいんです。
そのためにぼくがやろうとしていることを、
その理由から、すごく個人的な立場で
包み隠さず述べてみました。
ちょっと長いですが、お付き合いいただければ嬉しいです。


・「本の職人宣言!」

どうすればいいのかなぁ……
秋のある午後、他の先輩編集者たちが出払った
閑散としたフロアー。
ポツンと残されたぼくは、
目を窓に向けながらそうつぶやいた。

どうしたら
もっと多くの人たちに読んでもらえるんだろう?

書籍の出版部に配属になって、約一年。
反響がないわけではないが、
もっと多くの人に読んでもらいたい。
編集作業を進めていくうちにどんどんと募る
その本への愛着心。
いっぱいの人と分かち合いたい!

本を作るたびにその思いは抑えがたくなる。
『お金をちゃんと考えることから
    逃げまわっていたぼくらへ』
が動き出したころには、爆発寸前、になっていた。

ふと視線を机に戻すと、そこには単行本になった
『あのくさ、こればい』
何気に手を伸ばしカバーを見た瞬間、
全身にびびっと落雷が走った。
目に飛び込んできたのは、
「ニュースの職人宣言!」

これだ。
悩むことはない。自信をもって、
一つ一つの作品を作り上げていけばいい。
丹精こめてつくった作品は、
読者の方にも伝わるはずだ…。

原稿というダイヤモンドの原石を
宝石に近づけるお手伝いをする。
そしてそれを多くの方々にお届けする。
もちろん、
できる限りの光を放つダイヤモンドのかたちで。

その宝石を自分流に身に付けてもらって、
ハッピーになってほしい。
そのお手伝いができれば、最高だ。
決めた。
目指すは、「本の職人」、だ。


・現実

原稿整理、打ち合わせ、
装丁の依頼、校了、見本、発刊…。
新しい本の度に繰り返されるこのサイクル。
校了までの過程を少しも手を抜かずに、
きっちりとやり遂げる。これが職人としての基本だろう。
そう思って日々本の編集作業にあたっていたが、
何かが自分の中で物足りなかった。

冬のある日、寒風吹きすさぶ海岸で、
鳥越さんをみつけた。
といっても、もちろんテレビのなかで。
鳥越さんは、髪を乱しながらも必死にマイクを握り、
海上婦人警官の原因を追っていた。
確かに興味深い事件だった。
しかしその光景をみたとき、
ぼくの関心は鳥越さんその人に移っていた。

どうしてこんなところにいるんだろう?

そのとき鳥越さんが
こんなことを書いているのを思い出した。
「現場にこだわるからこそ、ニュースの職人なんです」

現場かぁ。
もちろん社内には「売るプロ」がいるわけで、
ぼくの仕事は「つくるプロ」であるはずだ。
でも「つくるプロ」にとっても、
読者の方々の手にわたる現場という意味で、
書店も大切な現場になる。
そう悟ったぼくは、原稿整理から発刊までのサイクルに、
一つの項目を加えてみた。

書店での紹介。

こうして
『お金をちゃんと考えることから
      逃げまわっていたぼくらへ』
を片手に、書店での紹介がはじまった。


・「はじめての書店訪問」

発刊日当日。
はじめて訪れた先は、旭屋書店池袋店(東武百貨店7F)。
店長へのご挨拶のあと、はやる心で新刊本のコーナーへ。
山のような新刊本のなかで一際浮かび上がる文字を発見。



あった!
『お金をちゃんと考えることから
      逃げまわっていたぼくらへ』が
ついに店頭に並んでる。
当たり前だけど、書店に並んでいることが嬉しかったぁ。
しかも、目立つ!
10メートル離れたところからも
「お金」の文字が際立ってる。
南伸坊さんの素晴らしい装丁、大成功!
しかとこの目で確認したところで、
つぎは旭屋さんの担当の方に直接売り込み。

単刀直入に聞いてみた。
「この本の反応はいかがでしょうか」
「まだ書店に並んだばっかりなので、なんとも…」
(じつにごもっとも)
まったく愚問を発してしまいましたが、
気をとりなおしてこの本の紹介をする。
「じつはこの本、『ほぼ日』で事前予約をしましたところ、
 ネットでは考えられないような
 すごい数の注文がきました」
「おお、そうですか」(好反応)
すかさず同行したうちの書店担当者もフォローをいれる。

「『経済ってそういうことだったのか会議』
 のようなつくりしてるんです。なっ(とぼくへ)」
「うっ!!!」

必ずしもそうはいえないんだけど、
とちょっぴり詰まりながらも、
「あの本はどちらかというとビジネス寄りですが、
 これは生活のレベルから
 『お金』のことを論じておりまして」

そうだそうだ。
以前イトイさんからのメールにこんなのもあったな、
と思い出す。

>ま、もともと、最初に邱永漢さんに会おうと
>考えたときから「計画」は
>スタートしていたようなものだから、
>構想3年、とも言えるわけで、
>実に「動機」のある本だとも言えるわけですよね。

それを思い出して、
「構想3年の作品ともいえるんです」
と付け加えてみたり。
「『金持ち父さん、貧乏父さん』
 の影響も大きいみたいです」
などなど、いっぱいいっぱいの紹介をしたり。

そんな支離滅裂な説明にも、担当のTさんは
「わかりました」と
非常にかんじがよい対応をしてくださった。
そして「よろしくお願いします」と
最後のご挨拶をして今回の売り込み終了。

はじめての書店訪問で最初はちょっと緊張したけど、
なんだかとても面白かった。
自分の担当した本への思いを自分のことばで
書店の方に直接お伝えできるって素晴らしい。
職人へ一歩近づけたかな。
そう思いながら気分よく、
他の売り場をてくてく市場調査していると、
再びTさんが声をかけてくださった。何だろう?

じゃじゃーん。
(ぼくの心の効果音は、そうでした)
店頭の一番目立つところに
平積み展開されているじゃないですか。



おおー。(心は感涙)

旭屋さんのスピーディーかつ
めちゃめちゃ嬉しい対応に、感動の嵐。
さいさき、じょうじょう。
こうしてたくさんの希望を胸に、
「本の職人」の旅ははじまったのでした。
ビッグな夢を追いかけながら。

にっ。

     ★   ★   ★

[※ほぼ日・木村によるあと挨拶]
いやあ、三島さん、力がこもっていました。
俺、人のことは言えないけど、アンタも熱いねーー!!!
(あ、今日もそとまわりの結果メール待ってるよ。
 おいどんも、読者メール転送しちゃるけん)

12月下旬から、超特急で
この熱きココロの25歳三島さんと、
興奮しがちなわたくし23歳木村とで編集をしたから、
この『お金を』本のスタッフが、邱さん&darlingも含め、
全員、暴走まちがいなしの雰囲気なの、わかるでしょ?

それに、なんか三島さん、
「旅は、はじまったばかり」みたく書いてるし、
どうも再び「三島ニューーース」くれるみたいだよ?!
えっと、まあ、ほどほどな気持ちで、
第2回・三島ニュースをお待ちくださいっ!!

『お金をちゃんと』本は、
アマゾンでベストセラー3位に入ってるし、
つい昨日、電車の中で熱読している人を、
PHPの方が通勤中に見かけたという情報も蟻(あり)。

<つづく・かも>

この対談本への激励や感想などは、
メールの表題に「お金をちゃんと」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。

2001-03-09-FRI

第1回 糸井重里より、はじめに。(その1)

第2回 糸井重里より、はじめに。(その2)

第3回 お金は怖いものでした。

第4回 お金のことを、考えてみたくなりました。

第5回 息子には一年分のお金をあげましたよ。

第6回 おこづかいは、いくらあげてましたか。

第7回 男の子と女の子ではお金の教育が違います。

第8回 子どもにはぜいたくを教えるべきです。

第9回 不良少年は、ちょっと早いだけでしょう?

第10回 お金は汚いものなんでしょうか?

第11回 今のお金の哲学のもとは、徳川時代だと。

第12回 今まで、お金を学ぶ機会がなかったんです。

第13回 お金をちゃんと考えたい人たちからのメール。

第14回 腕があれば、生きていけるのでしょうか?

第15回 倹約さえしていれば安心なのでしょうか?

第16回 お金は、貧乏人には大きく見えます。

第17回 欲望のはかりなおし(感想メールから)

第18回 「運」という言葉をたくさん使いますよね。

第19回 人間は、自分の見たいものしか見ないです。

第20回 株式上場をするほど落ちぶれていないです。

第21回 事業って、作品のようなものなんでしょうねえ。

第22回 おもしろすぎます、お金メールが。

第23回 自営業の人たちのメール、すごいです。

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