お金をちゃんと考えることから
逃げまわっていたぼくらへ。

第21回 事業って、作品のようなものなんでしょうねえ。



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ではさっそく、今日の立ち読みにまいりますっ。

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【事業って作品のようなものなんでしょうねえ。】

糸井 確かに、上場をすると、
守りの仕事もとても増えますよね。
上場をすると、
自分がひとりでやっていた時の逆を、
ぜんぶやらなきゃいけなくなるんです。


個人事業に毛の生えた企業になら利益を出すな、
お金を使えと
税理士の先生にアドバイスをされていたのが、
冒険はするな、節約して利益をあげろ、
と何から何まで逆になるんですから。
糸井 ガマン仕事が増えますね。
手足をしばられて生きるようなものですよ。
糸井 そう考えているということは、
事業って、邱さんにとっては
作品のようなものなんでしょうねえ。


小説を書くように、
事業のここをこうしたらこうなって、
ここでは思いがけないことが起きて、
俺がこう考えたからこそ
その時にこうした……。

話をうかがっていると、
そういうプロセスのほうが、
お金儲けよりも邱さんの中では
重視されているように思えます。

邱さんの手がけるひとつの企業の歴史は、
一冊の小説のようにさえ見えますもの。

だから、たくさんの会社を
邱さんはおつくりになったのでしょうか?
ええ。まあ、そうでしょうね。
糸井 そういう意味では、
邱さんは企業という作品を、
量産してらっしゃいますよね。

でも、邱さんの上場についての考えは、
まっとうでうれしいなあ。
おもしろいです。

世の風潮としては、ずっと
株式の店頭公開が
ブームみたいになっていて、若い人たちは、
「何をしたいか」というよりも先に
「上場する」ということを目的
にすえて
発言をしていますもの。
ことに最近のように、会社を売るために
会社をつくるという考え方には、
同調できませんね。
糸井 お金の神様ですら、反感を感じるんだあ。
ぼくも、そうだったんです。
……まあだいたい
普通の神経の持ち主だったら、
そうだと思うんですよ(笑)。
でも、お金のことを
きちんとわかっている人に
そう言ってもらえると、スカッとしますよ〜。
うれしいなあ。
聞いていて、気持ちいいですよ。
お金の亡者のような人を
ぼくはたくさん見てきているから、
お金のためなら手段を選ばない人よりも、
金のことなんか考えないで
一所懸命やっている人のほうが、好きですよ。
糸井 じゃあ、そこの点では
間違いなく俺は好かれますね(笑)。

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このあと、人の雇い方、
お金の使い方、事業の行い方、
という話に、話題は移っていきますぜ。

実際の本でそれが読めることも、
あと数日のここでの本の紹介も、
どうぞ、楽しみにしていてくださいね!

2001-02-20-TUE

TANUKI
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