お金をちゃんと考えることから
逃げまわっていたぼくらへ。

第5回 息子には一年分のお金をあげましたよ。


お金について逃げまわっていた、というのは、
子どもの頃から、お金に対して考えることに
慣れていなかったとも言えるわけで・・・。
そんなところから、邱さんとdarlingは喋るよ。

前回のつづきで、子どものお金の教育について。
具体的な話に、入ってまいりました。

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【息子には一年分のお金をあげましたよ。】

ぼくは、自分の子どもに対して、
「お金はこういう風に使いなさい」
というふうには教えません。
自分で覚えろというか……。
糸井 邱さんでも、教えないんですか?
どこのうちの親でも、
自分の子供に対しては、将来のために
「むだづかいをされたら困る」
という気持ちを持っていますよね。
そうすると親は、ああしたらいかん、
こうしたらいかん、と言いがちなわけです。

でも、ぼくは、人に言われて覚えるのと
自分で覚えるのとは、わけが違うと思う。
言っても仕方がないところがあると思います。

例えば、サラリーマンの親だとしたら、
ひと月にもらうお金の額が決まっている中で、
その範囲内で暮らすものだというところで、
生きているわけでしょう?
糸井 そういう前提条件を動かせないところで、
サラリーマンは暮らしていますから。
そうすると、サラリーマンの親は、
その前提条件を踏み外さないように、
ということを第一にして、
子どもにお金のことを教えよう
とするわけですよね?
だから、おこづかいをあげる時にも、
どう使うかを干渉してしまいがちで。
糸井 なるほど。
でもぼくはね、
干渉してはいかんという考えなんです。
自分で覚えろと。

だから、例えば、うちの息子が
アメリカに留学に行くときにもそうしました。

普通だったら、サラリーマンをやっている親は、
毎月仕送りをしますよね。
「あるお金の範囲内」で暮らせというように。

でも私は、一年分のお金をあげましたよ。
糸井 おお! 俺もそういうことを
一度はやってみたかったけど、
実際には、できていなかったなあ。
ぼくがどうしてそうしたかには、理由があります。

一か月の間の仕送りだと、
たとえむだづかいをしても、
最後の一週間だけをパンと水で暮らしていれば、
飢え死にはしないわけです。
でも、もし一年分を
早くに使ってしまったとしたら、
あとの残りを生きられない
ですから。
糸井 怖い。
だから自然に、
自分で調節するようになりますよね。
糸井 つまり邱さんはお子さんに、
お金に対する免疫力をつけさせたんですね。
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1年ぶんのお金を管理するところからはじまる、
お金の使い方の教育の話、次回につづいていきます。
おっと。立ち読み感想メールも、紹介だ!


・早く読みたい。
 邱永漢さんの考え方を参考にして
 お金の神様にはなれないけれど
 お金の仏様になれたらなーと思ってます。

・前書きを読んだだけでもうわくわくしています。
 本当に楽しみにしています!

・大学2年生です。
 金をどう使うのが最良なのか?
 自分はどんな生活をしたいのか?
 と考えていたので、読んでみようと思います。

・最近『金持ち父さん、貧乏父さん』という本を読み、
 お金に興味を持ち始めたところでしたので、
 私にとって、がっつぅ〜んなタイムリー企画です。


※つづきは、また明日にお届けしますね。

2001-02-04-SUN

TANUKI
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