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ほぼ日刊イトイ新聞

2020-09-18

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・糸井重里著の『かならず先に好きになるどうぶつ。』
 という本が出てて、これを読んでいました。
 すべてじぶんで書いたことばばかりなのに、
 「ああ知ってるよ」と思わないで読めるのが不思議です。
 そのときそのとき書いたことばって、いつのまにか脳の、
 他人のことばと同じ場所に仕舞われるのでしょうかね。
 じぶんの本を読んでいるひまがあったら、
 買ったままになっている本を読めばいいのにと思っても、
 ついつい、考えなしに目の前の本を読みはじめてしまう。
 吉本隆明さんが2002年に出した
 『ひきこもれ』という名著があるのですが、
 これはだれにでも読めるし、だれにでもわかるはずの、
 ただの常識とちがう、ほんとうのことが書かれた本です。

 「ひきこもり」という現象が、困ったこととして
 世間で語られているとき、『ひきこもれ』が出ました。
 2020年になったいま、この本が、あらためて
 「コロナ後の世界を生き抜く必読書」というコンセプトで
 新装版として新たな出版社から刊行されました。
 目の前にこの本があったので、ついつい
 「これ、よかったんだよなぁ」と思って読みだしたら、
 かつて読んだときよりも、ずっと心に響くのです。
 ことばそのものは、知っているはずなんです。
 前にも読んでいるし、同じ内容のことを、
 直接に、吉本さんの口から出たことばとして
 聞いたこともあるからです。
 でも、時代がやっとここまで追いついたのか、
 書かれたことばがお酒のように熟成されたのか、
 ぼくの理解が多少なりとも、ましになったのか、
 ほんとうによく響いてくるのです。

 「ひとりの時間」を持つということ、
 こまぎれに分断されずに集中して考えられる時間が、
 人にとって、とても大事なことだということが、
 本のメインの内容だとは言えます。
 でもその他に、たくさんの「世間の常識」と離れている、
 それでいてとても得心のいくことが書かれています。
 しゃべったことを編集者の方がまとめた本ですから、
 整然と理を述べていくような体裁ではありません。
 でも、すごいのです、よく読めばわかります。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「ほぼ日の学校」、吉本隆明さんに話してほしかったなぁ。


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