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ほぼ日刊イトイ新聞

2021-09-24

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「朝令暮改」という四字熟語のことは、
 たぶんたいていの人が知っていますよね。
 朝に出した命令とか方針を、夕方にはもう改めること。
 「えっ、こうやれっていうから、やりはじめてたのに、
 もう、ちがう方法でやれっていうのかい!」
 と、不平を言う人の挿し絵とかが入りそうな感じですね。
 このことば、みんなが知っているし、
 世間にはよくあることのように語られているのですが、
 よく思い出してみると、ぼくはほとんど経験したことない。
 朝の令が、夕に改というのは早すぎるにしても、
 3日だとか1週間だとかで「朝令暮改」があったこと、
 どうにも思い当たらないんですよね。

 一般的に、「朝令暮改」ということばは、
 命令に確固たるものがないとか、一貫性がないとか、
 浅い考えで方針がころころ変わるだとか、
 あんまりいい意味で使われてないのですが、
 ぼくは「朝令暮改」をやってみたくてしょうがないんです。
 朝、決めたことがあるとして、それをですよ、
 わざわざ、夕方にはもう改めるなんて、
 「朝の方針をよく止めた」ということで勇気がある。
 そして、「夕方、新しい考えが生まれている」のは、
 前の考えにとらわれずに、状況に合わせて柔軟に
 考え続けてきたからこそでしょう。
 「朝令暮改」と言われるような重要な転換ができたら、
 あるいは、それをあえて決断するようなことができたら、
 それはもう、「たいへんにたいしたもの!」です。

 一般的に、実際の「朝令暮改」があんまりないのは、
 日本の組織やらが、朝に出した考えを乗り越えて、
 暮に改めさせるようなアイディアを出せないからでしょう。
 いったん決まったことをそのまま一貫して押し通すことが、
 いいことだとばかり思い込んでいるので、
 夕方までに新しいことを考えないでいるからです。
 「このまま行け」がいい場合もあるのは事実でしょうが、
 どんな時代でも、状況の変化や新たな情報によって、
 「このまま行けでいいのか?」と、
 切実に考えなくてはならない場合がたくさんあります。
 そのときに「朝令暮改」ができるようなリーダーが、
 ほんとうは、たくさん必要なんだと思うんですよね。 

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ぼくも臨機応変、融通無碍に「朝令暮改王」を目指します。


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