お気に入り記事の保存はアプリが便利!

ほぼ日刊イトイ新聞

2020-08-11

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・家のテレビを新しくしたものだから、
 昔はめんどうだったことが、簡単にできるようになった。
 ネットフリックスも、アマゾンプライムも、フールーも、
 ダゾーンも、ユーチューブも、他のいろいろも、
 面倒な操作なしに見られるようになった。

 ずっと前に、友人のひとりが
 「このごろは、テレビでユーチューブばかり見てる」
 というふうなことを言っていた。
 それはそれでおもしろいのかもしれない、
 と思いもしたけれど、じぶんとしてはそのままだった。
 しかし、それが簡単にできるとなったら、
 早速、あれこれ探しはじめて、やがて、
 ビートルズの「ルーフトップ・コンサート」を見つけた。

 1969年の寒い時期に、アップル・レコード社の屋上で、
 突然行われた伝説のライブ演奏である。
 ぼくは映画『レット・イット・ビー』で見たのだが、
 それは、いろんな意味で感慨深いライブだった。
 世界一有名なバンドが、街のまんなか、
 じぶんたちのビルの屋上で、突然にコンサートを始める。
 もちろん法律的には問題のある行為だったろう。
 通行人たちは屋上を見上げ、
 警官たちはその違法な演奏会を制止しようとする。
 しかも、このころ、メンバー間の仲も良くなくて、
 どことなく互いがよそよそしいのが画面からもわかる。
 ところがこのコンサート収めた映画は、
 他のビートルズ映画とちがって録画ソフトが買えない。
 正式に許可されたDVDは販売されていないのだ。
 ところが、ユーチューブには、なんと、
 このコンサートの模様を記録したビデオがあったのだ。
 それは映画の映像とちがって、ほぼ固定された
 あまり画質も音質もよくない記録映像ではあったが、
 「伝説」を確認するには、それでも…いや、このあたりの
 ことについては書きはじめたらきりがないので
 省略して先を急ぐことにする。
 見ていて思ったのは、「情報」を見ているということ。
 映画で見て胸を震わせた「ルーフトップ・コンサート」は
 「表現」だったが、いま見ているのは「情報」なのだ。
 大画面のモニターで見ても、情報と表現とはちがうなぁ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
ときには「情報でいいや」ということもあるんだけどねー。


ここ1週間のほぼ日を見る コンテンツ一覧を見る