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ほぼ日刊イトイ新聞

2021-09-21

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・「うのみにする」のはいけないと言われます。
 漢字で書けば、「鵜呑みにする」です。
 鵜という鳥が、咥えた魚をそのまま丸呑みするところから
 できたことばだとは思うのですが。
 他の鳥はもっとよく噛んで食べるかどうかについても、
 ぼくはよく知ってはいませんけどね。
 鵜のほうも、これが魚だということを知っているのだから、
 そのままごっくんと呑み込んでも大丈夫だと、
 わかっているんじゃないでしょうかね。

 うちの犬を見ていると、わりと「うのみ」はしてません。
 ちょっとかじってみたり、一度口には入れても出したり、
 安心でおいしいとわかっているもの以外は、
 考えなしに呑み込んでしまうようなことはしません。
 それが、ぼくのような親しくて信頼に足る人物が、
 手のひらに乗せて口先に持っていったものでさえ、
 なのですから、実に慎重なやつだなぁとは思います。

 ふつう、「うのみにする」ということばは
 文字通りに食べものを呑み込むことには使われていません。
 「情報」だとか「考え」だとかについて用いられます。
 情報や考えをそのまま「うのみにする」と、それが
 「まちがった情報」だったり「危険な考え」だったときに、
 なかなか取り返しのつかないことになったりもします。
 だから「うのみにする」のはやめなさいと言われます。
 でも、よく思い起こしてみると、
 人は、毎日の暮らしのなかで「うのみ」を繰り返してます。
 いちいちちょっとかじってやめたりしていると、
 情報がスムーズに取り入れられないからでしょうね。
 だから、ある程度信用している人やメディアからの情報は、
 考えも疑いもしないで「うのみ」にしているのでしょう。
 「うのみにする」のが危険でいけないとしたら、
 どうすればいいのだろうと、考えてみたんですけどね。
 リスさんやなんかの「ほほぶくろ」じゃないけど、
 いったん溜めて「間を取る」というのがいいのかなぁと…。
 「すぐに呑み込まない」、3秒でもいいから、
 じぶんの持っている情報やら考えやらと照合する。
 そして、呑み込んでからも「ぺっ」と吐き出せるように、
 そういう練習をしておくことかなぁとか考えたんです。
 あとは「うのみ禁止」と、こころに刻んでおくことかなぁ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
感情に輪郭をつける、というようなことも言えるのかもなぁ。


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