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ほぼ日刊イトイ新聞

2024-06-24

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・テントウムシは、一般的にかわいいと思われている。
 しかも、アブラムシなどを食べてくれるから益虫である。
 アブラムシは、残念ながら農作物を食べるから害虫だ。
 そして、テントウムシによく似たテントウムシダマシは、
 どれだけ益虫に似てようが害虫である。
 ダマシとまで名付けられているし人間に憎まれている。
 アブラムシもテントウムシダマシも草食で、
 テントウムシのほうは肉食である。
 ここでは肉食のほうが、草食よりよろこばれている。

 小鳥なども、一般的にかわいいと思われている。
 ツバメは害虫を食べてくれるから益鳥である。
 だけど、たぶん益虫も食べているという気がする。
 フクロウはネズミやモグラを食べるから益鳥である。
 スズメも害虫を食べるから益鳥ということになっているが、
 稲そのものを食べるということで害鳥にも数えられる。
 ぼくらが名前を知っているさまざまな鳥が、
 それぞれ害鳥であるか益鳥であるかについては、
 すぐに答えられる人はそんなにいないような気がする。
 ちなみに鳥類は、生き残った恐竜でもあるらしい。

 まぁ、いまの時代だと、害虫と益虫、害鳥と益鳥、
 というような分類は「人間の都合で決めたもの」と、
 たくさんの人がわかりつつ、虫や鳥を見ているのだと思う。
 ただ、現実は、おそらくもっともっとややこしいもので、
 虫も鳥も、爬虫類や哺乳類のどうぶつたちも、
 それぞれにキャベツや、テントウムシや、イナゴや、
 フクロウや、ネズミや、マムシや、リスに生まれただけだ。
 そして、それぞれの生きものは、
 それぞれに備わった性質や特長を生かして「一生」を送る。
 でも、そのそれの「一生」がぶつかりあうことも、
 害を与え合うことも、なかなか避けられない。
 食われるキャベツや、食われるテントウムシダマシや、
 食われるネズミなどを主人公にしたマンガがあったら、
 食う側の生きものはぜんぶ「悪いやつ」になるだろう。
 しかし、食う側が主人公だったら、まるまる逆になる。
 そうなんだよなぁ、すべての生きるものが
 幸福な一生を送れることなんて、ほんとはないんだよな。
 無数にある別の問題を、ひとつの公式では解けないように。
 さて、人間は「益動物」ですかね、「害動物」ですかね?

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
人間がいた時代、ということを語る時代もいずれはくるよね。


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