お気に入り記事の保存はアプリが便利!

ほぼ日刊イトイ新聞

2021-07-29

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・よろしくお願いします。
 ぼくらは、毎日、「よろしくお願いします」と言っている。
 書いた文字として言っていることもあるし、
 声に出してよろしくお願いしますと言っている場合もある。
 テレビなどを見ていると、だれかが紹介されるたびに、
 その人が、必ず「よろしくお願いします」と挨拶をする。
 とにかく、あらゆる場面でみんながよろしくお願いする。
 そして、それを聞いている人は、言われたからといって、
 「よろしくお願いされてやろう」と思うこともなさそうだ。
 これだけこの挨拶があたりまえになっているということは、
 もう、いっそすべて省略してしまってもいいのではないか、
 という考えさえ思い浮かんでしまう。

 かつて、ヤンキー系の人たちの「よろしく」を英訳したら、
 どうなるだろうと考えたことがあった。
 そのときの、ぼくの答えは「Do the best!」であった。
 「しっかりやれよ!」ということになるかなぁ。
 「お願いします」の部分を省略すると、そうなりそうだ。
 また、あえて、絶対に「よろしくお願いします」と言わずに
 日本という国で社会生活を送るとしたら、どうするか? 
 これも考えてみたのだけれど、なかなかわからなかった。
 もう「しくよろ!」とか言っちゃいたくなる。

 しかしねぇ、日本ではこんなにみんながひっきりなしに
 「よろしくお願いします」と言ってるのに、
 他の文化圏では、それなしに社会は成り立っているようだ。
 ほんとに、よろしくお願いしないのかい? 
 英語に、それにあたることばはないとは聞いていたが、
 あらためて翻訳ソフトに入力してみたら、なんと、
 すっきり「Thank you」と出てきたではないか。
 あっ、そうなのか、そういうことか。
 飛行機のなかでのアナウンスとかで、そういえば、
 最後にたしかに「サンキュウ」と言ってるわ。
 さらに、中国語で調べたら「謝謝(ありがとう)」だって。
 なるほどなぁ、ぼくは、これからは
 「よろしくお願いします」を言うとき、
 なんとなく「ありがとう」の意味をこめて言ってみよう。
 その「ありがとう」はなにかの結果に言うのでなく、
 これから起こることについての「ありがとう」としてだ。
 「よろしくお願いします」は、「ありがとう」の予約だ。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
オリンピック観戦中も感染対策を、よろしくお願いしますね。


ここ1週間のほぼ日を見る コンテンツ一覧を見る
ほぼ日の學校
吉本隆明の183講演
ドコノコ
ほぼ日アプリ
生活のたのしみ展
TOBICHI東京
TOBICHI京都