組織を作るとショートケーキのいちごをあげることが嬉しくなるよね。
第9回 気休めの、鬼
- 糸井
- この間うちのラジオでね、
みんな気休めのことを悪く言い過ぎるよって話をして。
気休めあってこその人生だし、
気休めで元気になったらそれでいいんだよ、人間なんだし。
みたいなことをね、
とっさに口から出任せで言ってたんだけど、
結構そうだなと思って。

- 糸井
- お相撲さんとかがさ、
「お相撲さん触らしてください」とかあるじゃない。
別に触って何になるわけじゃないし(笑)、
お相撲さんだってめんどくさいなって
気持ちもあると思うんですよ。
でも触らしてくださいって人がいて、
触って喜んでいる人がいることに、
なんかちょっと似てる気がして。
- 古賀
- はい、はい。
- 糸井
- だから俺なんかはもう、
気休めの鬼を目指す、って言い切ってね(笑)
- 古賀
- あはは(笑)

- 糸井
- 僕は昔からよく、自分のお通夜の席で
みんなが楽しそうに集まってるのを想像するんです。
「あの人の周りには楽しい人がいるから、
あの人が死んだときに集まる人は楽しい人だ」
って思われたら、
僕がどのくらい楽しかったかわかるじゃないですか。
- 古賀
- そうですね、うん。
- 糸井
- もちろん家族だけで小さくやりますって
お葬式も、それはそれでいいと思います。
僕はでも、誰がいてもいいよっていうお葬式を
すごい望んでるんですよね。
来た人にはお葬式にかこつけて
遊んで欲しいというか、
僕自身が最後まで触媒でありたいというか(笑)

- 古賀
- そっかぁ、なるほど。
確かに結婚式は僕と奥さんが主役で、
僕たちをちやほやして下さいってことを
強要する場ですけど(笑)、
でもお通夜とかお葬式は、
もう僕はいないけど君達楽しんで下さいって。
その違いは大きく違いますよね。
- 糸井
- そうですね。
僕はお葬式用の写真って
絶えず更新してますからね。
- 古賀
- えっ、そうなんですか(笑)
- 糸井
- うん。今は2枚候補があって、
今日死ぬとどちらかになるんです。
それはもう人にも言ってあるし。
僕は自分のお葬式をものすごい楽しみにしてるんです。
その未来に向かって、今日を生きてるんですよ。
それはなんか、なかなかにいいもんですよ。
- 古賀
- そうなんですねぇ。
- 糸井
- お葬式に来てくれる人にね、
「お金で済むことなら…」
「おお、すごい、金一封が!
あっなんだ50円か」
「50縁がありますように…」
みたいな、シャレにもならないな(笑)
- 古賀
- ふふふ(笑)
- 糸井
- 古賀さんも、僕の歳までの間が
ものすごい長いですから、
いっぱい面白いことがありますよ。
- 古賀
- それは楽しみです。
- 糸井
- 楽しみだと思うんですよ。
そう楽しみにされるようなおじさんでいたいですよね。

- 一同
- 今日はありがとうございました。