糸井重里
・奈良のクマちゃんを訪ねての『黄昏』が、たのしい。
ぼくは、その場にいてしゃべってた本人でもあるのだが、
時間が経っているし、読者としてたのしんでいる。
まだまだ連載は30回以上も続くらしいので、うれしい。
たしかに、ずいぶんしゃべったから長くもなるだろうよ。
南伸坊さん(シンボー)とは、
初対面からずっと和やかな付き合いが続いている。
それはそうだろうよ、いかにも見ればわかることだ。
しかし、篠原勝之さん(クマちゃん)のほうは、
荒くれ者界のさらに強面(コワモテ)みたいな人だし、
はじめのうちは怖かった、と思われそうだがそうでもない。
最初から、自然に仲よくしてもらっている。
口論やケンカの絶えない新宿ゴールデン街にいつもいて、
荒っぽいので有名な唐十郎さんのところの、
用心棒みたいな場所にいた人なんだから、そりゃ怖いよね。
そういう役割の人だということは知ってはいたけれど、
至近距離にいるかぎりは、実に気のいい人だった。
いまだから、そう言っても理解されるのだろうが、
当時はやっぱり実際に身体を張ってた迫力はあったよ。
クマちゃんといて、なんとなくほっとするのは、
「寛容」というか、いい意味でまとめて肯定しちゃう感じ。
しょうもない話だとか、まじめな話をしているとき、
ほんとに軽く「あ、そっか」と飲み込んでしまうのだ。
クマちゃんの「あ、そっか」はいいんだよなぁ
まずは、「あ、」と気付いたぞ、と。
そして「そっか」と納得したから、それでよし、と。
これに、篠原勝之なりの味付けとして、
(まぁ、思えばどうでもいいかもしれねぇな)が隠し味。
ぼくは、こんなふうに「あ、そっか」を言える人を、
他に知らないような気がする。
世の夫や妻が、親や子が、ぜいたくを言えば、他人同士が、
「あ、そっか」ということばをもっと使うようになったら、
世界平和は、もう一歩や二歩くらい近づくだろうと思うよ。
人によっては、この「あ、そっか」な「寛容」が、
いい加減に思えて大嫌いだという人もいるかもしれないが、
人間ならではの「生き味」は、そういうところにあるのさ。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
「生き味(いきあじ)」…いま思いついたナイスな造語です。
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