にぼしいわしのいわしさんが
話したい人と話すシリーズ、
第2弾に登場いただいたのは、
金属バットの友保隼平さんです。
いわしさんの頼れる先輩芸人である友保さん、
おふざけ半分で語ってくれた
「トゥルーストーリー」のなかに、
ほんもののリアルが見え隠れしました。
ヒリヒリします、芸人魂です。お楽しみください。

この対談の動画は 「ほぼ日の學校」でご覧いただけます。

(いわしさんのアフタートークもあります!)

>友保さんプロフィール

友保隼平(ともやす・しゅんぺい)

1985年大阪府生まれ、芸人。
お笑いコンビ「金属バット」の
ツッコミ担当。
相方は小林圭輔。
THE SECOND ~漫才トーナメント~
2023・2024・2025・2026年のファイナリスト。
第61回上方漫才大賞奨励賞受賞。

>いわしさんプロフィール

伽説いわし(ときどき・いわし)

1992年大阪府出身。
お笑いコンビ「にぼしいわし」の
ツッコミ・ネタづくり担当。
相方は香空(きょうから)にぼし。
2024年、「女芸人No.1決定戦 THE W」にて
コンビで優勝。
2025年、個人事務所、株式会社A-Dashiを設立。
エッセイ『しょぼくれおかたづけ』発刊。

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第4回  営業はムズい

友保
いわしの夢はどうなのよ。
「こんなふうになりたい」みたいなこと、
あるの? 
いわし
いまの話のあとに
真面目に言うのもあれですけど、
私はほんとに全国回りたいです。
友保
へー! ツアーで? 
いわし
はい、ネタのツアーで。
ネタしたいんです。

友保
いいよね! 
わしいまやらしてもろてんのよ、
「漫才ブーム10年間ツアー」
全国回るやつ。
めっちゃ楽しいよ、あれ。
いわし
いいなあー。
全国も回りたいし、単独ライブに、
もっとたくさんお客さんが来てくれるように
なりたいです。
金属さんは、集客には苦労したこと
なさそうですよね。
友保
あんたなに言うてんのよ、そんなことない。
いわし
「喫茶 亀」で
童貞祭りしてたじゃないですか。
友保
「亀」のときも、はじめは
夫婦ふたりしかおらんかったからね。
いわし
ああ! あのご夫婦。
大阪に有名なご夫婦がいらっしゃるんです。
友保
「ワッハ上方(かみがた)」で
インディーズライブやったときも、
客ほぼゼロやってさ。
いわし
そうなんですか。
「勝手にライブして!」って、
怒られたこともあると聞きました。
友保
あったよ! 
勝手にやったわけじゃなかったのに。
まあ、そのとき俺らに理不尽に怒った人、
ちゃんと天罰下ったらしいよ。
いま、なんか日本海側で、
日が沈むまで石を持つ仕事してるらしい。
いわし
大変や! 石持つ仕事。
友保
そう、おっきい石持って、
ずっと日本海向いて立ってるらしいよ。
いわし
金属さんのライブを
許可せんかったから(笑)。
友保
そう。罰が下ったらしい。
不倶戴天の敵やからな、あいつは。
いわし
もういいですって。
(ほぼ日スタッフに)まだ時間あるんですか? 
ああ、よかった、やったー!
友保
ありがてえ。
いわし
ありがたい。
まだ、いっぱい聞きたいことあるんです。
友保
なんでも聞いてよ。
いわし
うれしい。
でも、さっきからときどき嘘が‥‥
友保
トゥルーですよ。
アホなこと言わんといてください。
いわし
すみません。
噂で、「祇園花月」での
ライブの出番が終わった友保さんが、
「ウケんかったわ」って言ってたと聞いて、
友保さんってやっぱり、
ウケることをすごく
重視されてるんやなと‥‥
友保
そりゃそうやろ。
いわし
それも、真剣な感じで言ってたと。
普段のふざけてる感じじゃなくて。
友保
神妙な顔な。
いわし
「スベッてもいいやん」みたいなときも
あるじゃないですか。
友保
そんなことないって(笑)。
俺、「一生懸命」の「生」を「笑」にして
「一笑懸命」って書いちゃうタイプやで。

いわし
そうなんですか! 
「スベッてもいいから、
自分たちのおもしろいと思うことが
できればいい」という感じなのかと
思っていました。
でも、神妙な面持ちで「スベッた」と
後輩芸人に言ってるようなところが、
金属バットさんが
おもしろい理由なんやなって、
このあいだ話してました。

友保
誰とそんな話すんねん(笑)。
祇園花月の平日の寄席ってな、ほんまに、
致死量のスベりをするの。
いわし
そうなんですか。
でも、そんな重い空気のなかでも、
拍手笑いをとるぞという気合いで挑んで
いるんですよね。
友保
いや、ムカついてるね。
いわし
まあまあまあまあ。
友保
なんで早起きして、京阪電車乗って、
こんなスベらなアカンねんって。
いわし
ははははは。
友保
にぼしいわしでも、
スベッたことはあるやん。
いわし
もちろん、もうもちろん。
友保
そんなスベりはね、全然手前。
いわし
ええ! 
でも、私らも営業で
めちゃくちゃスベるんですよ。
友保
おわ! 営業な! 営業ムズいよな。
いわし
むっちゃスベッて楽屋に帰ってきたら、
マシンガンズさんとか
目合わしてくれへんくて(笑)。
友保
あははは。なんでやねん。
いわし
さすがにスベりすぎて、かわいそうすぎて、
なんの言葉も
かけられへんかったらしいです。
友保
血だらけなんや(笑)。
祇園花月はね、全員それやから。
誰も目合わへん。
いわし
前のコンビがスベッてるのを見て、
ネタ変えたりしますか? 
友保
変えてるよ、泣きながら。
いわし
あははははは。
友保
あー! スベッてる怖ーい!って(笑)。
一同
(笑)

友保
でも、吉本のええところは、
師匠いてはるから、スベったら
師匠に責任なすりつけたらええねん。
いわし
ははははは。
その、泣きながらネタを変えるときは、
友保さんから小林さんに提案するんですか。
友保
俺からよ、もう、ボロボロ泣きながら。
「こばちゃん、かまへん?」って(笑)。
一同
(笑)。
友保
「わし、きょう生きて帰りたいねん」って。
小林は小林で、袖でナイフで
ハム切りながら、
「俺もこの舞台終わったら結婚するんだ」
って言って。
いわし
あははははは! 
友保
あいつはあいつで死亡フラグ立ててんねん。

(一笑懸命、明日に続きます)

2026-05-07-THU

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    『しょぼくれおかたづけ』
    伽説いわし

     

    芸人らしくて人間らしい、
    葛藤や生々しいもがきが綴られた
    いわしさんの初エッセイです。
    連載とあわせて、お手にとってみてください。