担当・トミカ
第6回 世間の判断基準
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樋口くん自身のこと聞くから特殊になっちゃうのかな。
世間一般だと、「女の子」って分類は生物学上だけじゃないと
思ってる人たちがいるわけじゃん。
なんでだろうね。
- 樋口
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自分が優遇されたいからじゃない?
ちやほやされる方が人生楽しいじゃん。男でも女でも。
世間一般の「男」と「女」に当てはまってる方が
マジョリティなんだから、楽じゃん。
だから、女の子は女の子らしくするし、
男は男らしくするんじゃない?
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同調圧力みたいな?
まあ、そうね。なるほど。
- 樋口
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だから、男と女っていう定義を持ってる人が
お前は女じゃないって分類をするのは、
自分の中の定義から外れてるからそういうってだけで
そういう意識を持ってる人じゃないとわからないっていう。
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そこで、私は樋口くんも、「女」っていうものを
具体的に分類してるのかなって思って聞きに来たら、
ただ単に生物学的に女に分類されるやつは
だいたいめんどくせえっていうだけで(笑)。
- 樋口
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うん。「男」と「女」っていう定義はないよ。
男子校出身者が一番ないんじゃない?
単純に生物学的に男と女が分かれてるってことは
進化の過程で何か理由があって分かれてるってことじゃん。
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それは有性生殖ができるからじゃないの。
多様性で生き残る子孫を増やすためでしょ。
- 樋口
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そう。多様性なだけなのに、人間は頭でっかちすぎて
無駄なことを考えすぎてるじゃん。男女平等とか。
何を持って平等とするの?って思う。
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まあ男と女を定義するのはやめたいよね。
けどさ、社会はそうじゃないじゃん。
動かないからさ、社会は。
- 樋口
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でも、トミカの中でも男と女って定義があるんじゃないの。
女の子らしい女の子に憧れてるって言ってたじゃん。
定義がなかったら羨ましいとか憧れるとか何にもなくない?
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だから、それを自覚させられたのが飲み会とかで
女の子らしい女の子が優遇される現状を知ったことなの。
- 樋口
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でもそれが優遇されてるって思うのは
相手と同じ判断基準を持ってるからじゃない?
だからあっちが有利でこっちが不利って思うんだよ。
いいと思う基準が相手と同じってことだと思う。
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まあ、確かに。
じゃあ、この「女の子らしい女の子って何?」って疑問も
私が勝手に思ってるだけってことか。
- 樋口
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うん、そういうこと。

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でも、「喪女」っていうのかな。
女の子の一部に、女の子として扱われなかったことで
コンプレックスを持ってる女子っているじゃん。
多分私はそれなんだよね。
- 樋口
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うん。
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だからそもそも世間が持つ、女の子じゃないっていう目線は
なんなんだろうなって。
- 樋口
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女の子扱いされないことでコンプレックスを抱いてるなら
女の子扱いされてる子と同じようにすればいいじゃん。
そしたらその男たちは女の子扱いしてくれるよ。
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うーん。それはまさにそうだと思うよ。
けど、そんな簡単に解決したくはないんだよなあ(笑)。
- 樋口
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うーん。
そういう話になる、と思うんだよな。
俺はそういう風に分類してる人じゃないから
よくわからないけど。
女の子として扱われないことに傷つく時点で
扱わない相手と同じ判断基準で物を見てるんだから
扱ってもらえるように変わればいいし。
嫌ならもういいやって、基準を捨てればいいし。
まあ、その基準ごと変えたいと思うなら
もう、なんかの活動をするしかない(笑)。