担当・トミカ
第2回 横綱と露出狂
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私がユキにインタビューを頼んだのは、
年末に電車の中で話したことが印象的だったからなの。
- ユキ
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何話したっけ?(笑)
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私は今まで生きてきて
おもしろ担当として、ウケを取れるように
相撲を取って天下を狙うような人生だったけど
本当はランウェイを歩く、
なんとかコレクションみたいなキラキラの方向を
目指さなきゃいけなかったんじゃないか、みたいな。
その、お相撲さんの土俵にいる女の子なんて
いないよねっていう(笑)。
- ユキ
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え、私なんて言ったっけそれ。
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ユキは私が横綱を目指すことを応援してくれた。
- ユキ
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(笑)
トミカは今も相撲を取ってるの?
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取ってる、かな。
なんか、女の子として生まれたら
女の子であることを正解とする、じゃない?
可愛くて細くてキラキラしてて、
まあ特定の男性がいてっていうのを。
私が正解にしてるのかな。
世間も正解としてる?
- ユキ
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まあ、そうだね。
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そこから離れすぎたっていうか。
あーあれが正解だったのかみたいな。
- ユキ
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社会的に?
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そうそう。
正解への憧れはあるけど、
なんかそこに向かいたいっていう行動力がない。
- ユキ
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行きたいわけでもないっしょ?
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うん。
私は女の子になりたくない自分も自覚してるけど
それが最初の「女の子って何?」につながるっていう。
- ユキ
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うん。
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なんかお悩み相談みたいになっちゃった(笑)。
- ユキ
-
そうだね(笑)。
なんか、話の流れから逸れるけど
最近思ったのは、今まであんまり女の子らしくしないまま
長谷川くんを好きになったから、自分の趣味よりも先に、
長谷川くんの趣味に合わせたんだよね。
- ——
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え、そうなの。
- ユキ
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自分の好きな服っていうのもあんまりなくて、
可愛いって思う服はあるけど、自分に似合うかわからない。
それなら、長谷川くんの好みを買うか〜って。
- ——
-
へー!知らなかった!(笑)
なりたい女の子がいるわけじゃないんだ。
- ユキ
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うん。強いて言えば長谷川くんの好みの女の子に
うまいことうまいこと寄せて行こうって感じ。
でもそれ以外で自分の好きな服装もするけどね。
人に見られたときにいい感じになればいいかなみたいな。
- ——
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女の子磨きみたいな言葉あるじゃん。
あれって特定の男の子によく思われたいじゃなくて、
女の子にも女の子として評価されたいっていう気持ちと、
一般の男の子から可愛く思われたいっていうのが
混在してるじゃない。
ユキは、そういう女子力向上とかじゃなくて、
長谷川くんの好きな子になるっていう感じなんだ。
- ユキ
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うん。ごめんね。
もっとキラキラした女の子のサンプルが必要だったね。
- ——
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でもそういう子とはあんまり会話しないから
インタビューするのも難しいんだよね(笑)。

- ユキ
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無理して会話してもね。
- ——
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ちゃんと書けないと思う(笑)。
じゃあ、ユキは女子力を磨いてる人に対しては
女の子だなあって思う?
- ユキ
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女の子って感じじゃないかな。自分へのご褒美みたいな。
インスタグラムで、頻繁にネイルの投稿してる人も、
自分のモチベーションをあげてるんだろうなって思う。
私も髪の毛をトリートメントしたいなとか思うのは
それだけのお金を自分にかけてるっていう興奮…?(笑)
ただの髪の毛に1万円かけることにテンションが上がるから
それの爪版かなみたいな。
……なんか上手く言えなくてごめんね。
私も偏ってる人だから(笑)。
- ——
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いや全然。
自分とは違う考えだから、面白い。
ユキは、自分が女の子じゃないって思ったこともないし
そもそもそういうことを考えたこともないし、
女の子らしい女の子に対して僻んだりもしない人なんだね。
- ユキ
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うん。
小学2,3年生の時にあいつらが……
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え?
- ユキ
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露出狂が、ね。
性自認みたいなのはその時にはすでにあったのかな。
- ——
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私は見せつけられる側の性なんだって感じたってこと?
- ユキ
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私だけじゃないよ。別の子もなんだけど。
1度や2度ではない(笑)。
最初は公園だったかな。1日に何回も遭遇するの。
中学の時は通学路の途中とか。
別だと……
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うわー、もういいわ(笑)。
- ユキ
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バリエーション豊かでしょ。
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取り締まられてるの?それは。
- ユキ
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うん。でもイタチごっこみたいな感じ。
女の子エピソードで強烈なのはそれかな。
- ——
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うん。強烈(笑)。
じゃあそういう経験を経て、今、
長谷川くんに恋してる、と(笑)。
- ユキ
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そして、ガールズバーでバイトしてる、と。
- ——
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あっ!そうだ!
その話、詳しく聞きたい(笑)。