タカハシヨシヒコ コップ屋の高橋禎彦さん。2016 宙吹きのガラスのコップ、販売します。アルファベットはしおきも!

コップ屋の高橋禎彦さん。2016

宙吹きのガラスのコップ、販売します。アルファベットはしおきも!

9月下旬に予定していたワインのコップの販売について。

  • こんにちは、「ほぼ日」武井です。
    9月下旬に販売を予定していた
    高橋禎彦さんの「ワインのコップ」ですが、
    高橋さんの工房のガラスの窯に不具合があり、
    修繕に時間がかかることがわかりました。
    原因は窯の天井部分から落下した炉材で、
    石のようなものがガラスに混ざってしまったそうです。
    取り除きながら作業していたそうなのですが、
    小さく混ざってしまったのが取りきれなくなり、
    やむをえず窯の炉を止めることに。
    せめてワインのコップを
    つくり終えてからと考えていた高橋さんですが、
    このままでは仕事にならないということで、
    修繕にとりかかることになりました。
    おそらく年内いっぱいはかかるその修繕のこと、
    またガラス工芸と「設備」のことなどをふくめ、
    どんな状況なのかは、近々高橋さんの工房をたずねて、
    レポートをしたいと考えています。
    そのときに、具体的に販売がいつ頃になるのかを
    高橋さんと相談して、お伝えしたいと考えています。
    秋の食材がではじめて
    赤ワインのおいしい季節になってきたというのに、
    こんなご報告で申し訳なく思います。
    もうしばらくお待ちください。

    ほぼ日 担当 武井義明

  • こんにちは、高橋禎彦です。
    お待ちくださっているみなさま、
    ほんとうにごめんなさい。
    いまの状況としては、ようやく耐火セメントの
    型ができあがり、来週に流し込み、
    ひと月くらいかけて乾燥し、予熱をして、
    12月に作業を再開できたらと考えています。
    どうかお待ちいただけたらと思います。

    高橋禎彦



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販売方法

今回の販売は受注方式。
2016年4月28日(木)午前11時より受け付けます。
各アイテムにつき上限数に達したところで
販売を終了いたします。
お申し込みいただいたぶんを制作し、
7月下旬に発送いたします。

※販売方法が異なるため
 「ほぼ日ストア」で販売している他の商品と
 一緒にご注文することはできません。
※この商品は海外に送ることはできません。

手づくりのガラス製品について高橋さんからの「知っておいていただきたいこと」。

ガラス素材について

ぼくのコップは一個一個、手で作っています。
だいたいの大きさはねらっていますが、
型で作るように均一にはできません。
ガラスの素材はバリウムが含まれたソーダガラスです。
つやとハリが出るようにバリウムがはいっています。

その原料に、毎日制作の時に出る
切り端や竿についたガラスなどを混ぜて溶かします。
ずっとそれを繰り返すので鉄分が混ざっていって、
若干緑色になっています。
その具合もそのときでいろいろです。
大企業の工場などでは、鉄が混ざらないように、
竿についたガラスは廃棄したり、
色を溶かす時だけに使います。
ぼくのところでは、捨てるガラスが多くならないように、
なるべく溶かして使います。
その緑色もきれいだと思います。

ガラスの表面にたまに、脈理とよばれる筋のような、
または点のような跡が見られます。
これは完全に混ざりきっていない部分が、
薄く吹くことによって現れてきたものです。
これも大企業的には廃棄の対象ですが、
現れ方によっては、雰囲気とも景色とも
いえるかなと思っていて、
ぼくはそんなにきらいじゃないです。
小さな泡についても同様です。
あまりにも主張していると思うものは間引いていますが、
もし気になるようでしたらお取り替えいたします。

コップの取り扱いについて

ガラスのコップは、窯から出てきたときが
いちばん無垢できれいなんです。
そのあと、手でさわるだけで、油分がついてきます。
しばらく戸棚の中においてあると、
特に、空気中の水蒸気がある場合、
表面が曇ってくることがあります。
是非洗って拭いて、ぴかぴかにしてあげてください。
ぴかぴかなら、いつまでもテーブルに登場するはずです。

ウチでは日常的には、激落ちくん、
などの商品名で売られている
白い、洗剤のいらないスポンジを愛用しています。
ぬるま湯でこれを使って一回こするだけで、
油分も完全にとれてぶりっとした感触になります。
全部の表面がこすられていればすぐにきれいになります。
布巾などの上に伏せておけば、それだけでもオッケーです。
ガラスを拭くための布、も売られています。
これは、めがね拭きの布を大きくしたような材質で、
ちょっと湿らせて拭くだけでも抜群にきれいになります。
ちなみに、通常の木綿の布巾などで拭くと、
かえって糸埃がついてきれいになりにくいです。

食洗機で洗っている方もいるようです。
機種によっては手で洗うよりきれいになると
言っている方もいました。
乾燥するときに水滴の跡がついてしまうとの
報告もありますので、気にする方は注意してください。

花瓶として、水をいれたままにしていると、
蒸発していくときに、ガラスの内側に
カルシウムのような白いものが付着して、
とれなくなります。ご注意ください。

お湯を入れても大丈夫?

このガラスは耐熱ガラスではありません。
経験的には、やかんの熱いお湯を入れると、
やっぱり割れます。
お湯で割れる、のは熱のショックです。
ガラスの温度とお湯の温度差、の問題です。
もともと作ったときは熱いものなので、
ゆっくり熱くするのは平気なんです。
焼酎を入れてあるところにそっと注ぐくらいは大丈夫です。
お酒を入れてレンジでチン、も経験的には大丈夫です。
紅茶のポットから淹れる、のは割れた場合もあります。

以上、とても長くなりましたが、
末永くかわいがってやってくださいね。

9月頃の予定で、「ワインのコップ」を限定販売します。

2014年に高橋さんとつくったワインのコップ。
今回のTOBICHI②でも大好評でした。
こちらは、1点1点のかたちが、かなりことなりますから、
「お気に入りの1点」を選んでいただけるよう、
あらかじめ高橋さんに制作を依頼しています。
大中小の3タイプを各100個ずつ、
できあがるのは秋ごろの予定です。
9月オープンを予定している販売ページでは、
1点ずつ画像でご紹介し、好きなものを選んで
お求めいただけるようにと考えています。

2016-05-13-FRI

商品写真:大江弘之
インタビュー、その他の写真 ほぼ日刊イトイ新聞