高橋禎彦さんはガラスの作家です。 空中で竿を回しながら溶けたガラスに息を吹き込み、 遠心力を使って成形していく 「宙吹き」という技法でつくった器やオブジェは、 ガラスなのに、やわらかくてあたたかな印象で、 飲み物を入れる器は、ふしぎなくらい、おいしく感じる。 そんな高橋さんの技術と発想と作品は とても高く評価されていて、 ことし3月、東京国立近代美術館工芸館で 大規模な展覧会をひらいたほどです。 http://www.momat.go.jp/CG/takahashi2011/index.html (これは、現役の作家としては  とてもめずらしいことなんだそうですよ。)  その高橋さんが、「コップ」だけを並べる、 ちいさな個展をひらくことになりました。 洋服を試着するように、「試飲」ができるという、 なんとも気さくな展覧会になるそうです。 その開催を前に、高橋さんの工房を たずねてきたようす、どうぞ、ごらんください。 東京国立近代美術館工芸館での高橋禎彦さん展覧会
高橋禎彦さんのプロフィール
 
 
 
 
 
 
「コップ屋 タカハシヨシヒコ」展のページ
高橋禎彦さんのホームページ
「パノラマ」の高橋さんの紹介ページ

「まるで、ダンスをしているか、
 音楽を奏でているみたいだ」と、
高橋さんの製作現場を知るひとは言います。
うごきに無駄がなく、躊躇なく、
次の一手が自然に出て、
空気や、遠心力を味方につけて
「ぶわっ」と一気にかたちができてゆく。
できたかたちをいじることは、ほとんどなく、
ガラスが持っている力をそのまま出す。
そんな高橋さんのガラス製作現場です。
動画でごらんください。 高橋禎彦さんのプロフィール

ガラスの「宙吹き」という技法は
紀元前に地中海地方で発明されたもの。
そんな古い技法にもかかわらず、
“個人が、小さな窯で”
つくることができるようになったのは、
1950年代のアメリカで、でした。
いっぽう日本のガラスは明治維新以後、
「瓶」と「板ガラス」という産業に特化し、
工場以外には、ガラスのつくりかたを教える
教育機関もない状態が長く続きます。
つまり、日本のガラスは、
学びたくても学べないものとして、
つい最近まで、歩んできたのでした。

1958年生まれの高橋さんが大学に入った年、
アメリカに遅れること十数年、
多摩美術大学にガラスのコースが誕生します。
そこで学んだ高橋さんは、さらにドイツで修業、
日本にもどって窯をひらきます。

次回から2回にわけてのインタビュー、
どうぞおたのしみに。

2011-06-17-FRI
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