SLEEP
「ほぼ日」は
<寝グルメ>を
提唱します!

人間の三大本能のひとつ「睡眠」についての大特集です。

【寝グルメ宣言・草案のもとのメモ下書き】
食も性も、くどくどしつこくねちねち語られているのに、
なーにゆえに「睡眠」の快楽は話題にのぼらないのか?!
料理に歴史があり、性に奥義がある(らしい)。
それはどちらも、「文化」として語られ、
人類の発展に寄与してきたと認められている。
くいたいやりたいで、世の中は大忙しじゃ。

だが、寝ないで生きられる人間はいない。
この世に生を受けたとたんに赤子は眠りをむさぼり、
永久に至る眠りのうちに人間はあの世に旅立つ。

人生の3分の1を眠って過ごす私たちが、
どうして眠りの快楽を語らずにきたのか。
「眠りは生産的でない」と考えられてきたからである。
このイデオロギーこそが、いま、乗り越えられるべきだ。
「くいたいやりたい」で経済が活性化することなど、
とっくに承知の助じゃ!

これからは、人類本能の暗黒大陸「眠り」の研究だ。
快眠の開発、変眠の発見、眠文化の確立のために、
すべてのこころある読者は、立ち上がるのじゃ!

1 眠欲肯定
2 眠度向上
3 人眠主権

これが、(ちょっと文体変わっちゃってるけど)
「ほぼ日」の提唱する<寝グルメ>への道標である。

いやあ、ポカポカしてきましたね。春眠の季節だあね。
万年寝不足のオイラJAROは、
最近、眠気に拍車がかかってます。
さて、今回は「許されるならもう一度・・・」。
禁断のにおいがプンプンする二度寝についてのメール
2通から紹介します。

 

HOW?資料#024

「ことわざって言い得て妙です」

僕にとっての<寝グルメ>について報告します。
それはやっぱり『二度寝』ですね。
結婚した現在、平日の仕事に行かねばならぬ朝に、
無意識のうちに目覚ましを止めて
zzz・・・。
なんていう、ある種反社会的な『二度寝』ではなく、
休日の『二度寝』なんです。
まず前日は適当な時間に寝ます。
翌日(休日)は眠い目をこすりながら
朝5時ごろ起きます。
で、新聞を読んだり、カメに餌をあげたり、
早朝のお天気番組やニュース番組を見たりします。
すると、自分としては
「早起きは三文の得」な気分なわけです。
晴れていて朝日が部屋の中へ射し込んでくるような朝だと
なおさらこの感覚は倍増します。

それから8時ぐらいになると
適度な空腹感に見舞われると共に、
妻も起き出してきて朝食です。
起きてから時間も経っているし、
なにしろ『三文』を得た気分になっているわけですから、
おいしく、気分良く朝食がいただけます。
「ごちそうさま」
自然とそんな言葉が口から出てきます。
だって気分がいいですもの。
その後ソファーで、
休日特有の日和見的なTVなんぞを眺めていると、
自然と気持ちのいい満腹感が
僕を優しく包み込んできます。
気がつくとソファーで横になって眠っているのです。
ん〜、なんて気持ちが良いのでしょう。
早起きと『二度寝』という、一見
相反することを一度にしてしまうなんて・・・。

起きた後の気分も良く、残りの休日の時間も
有意義に過ごせること間違いなしです。
こんな『二度寝』はいかがでしょうか?

渡部孝二

 

寝グルメ委員会のコメント
うーん、安眠と早起きで家庭円満。
おまけに健全な二度寝でストレス知らず。
ところで、先日、ある健康雑誌の眠りの特集で、
『質のよい眠りを得るためには恋人と同じベッドで
寝ないこと』。
なんて書かれてありましたっけ。
なんでも相手がたてる音や寝返りの際の動きが、
安眠のさまたげになるらしいです。
そういえば以前darlingさんも
新婚さんにおけるダブルベッドの不必要性を
唱えていましたね。
というより、説教していたなぁ、
「ダブベ」で寝ているという新婚さんに。
眠りに他者は不要。それはオイラのモットーでもあります。
たまにならいいような気もしますが・・・。

 

HOW?資料#025

「禁断の眠りはのりしおの味」

僕が一番美味しいなあと感じる眠りは「二度寝」です。
再び寝てはいけない、起きなきゃ、仕事に行かなきゃ、
でもさっきヘンな夢は一体なんだったのだろう?
気になるからもう一回寝ちゃえ、
もうどうにでもなっちゃえだめな俺、
という葛藤を意識モーローの中で
やるわけです。その間約1分半。
「寝ちゃえ!」と決定した時の
うしろめたい味のコクはなかなかのもの。
次の日胃がもたれるのわかっていながらコイケヤの
「のりしお」を二袋食べてしまうような、
そんな禁断の味です。

二度寝をもっと美味しくするのはなんと言っても休みの日。
自分がウイークデイに起きている時刻に
わざと目覚ましをセットしておくのです。
そして次の朝、いつものように目覚ましが鳴ります。
モーローとした意識の中、
平日と休日の区別なんか付きはしません。
とりあえず目覚ましを止めてから布団の中で数秒考え、
気付くわけです。
「ああ、今日は休みじゃないか!」と。
この瞬間、ブルーな気分から
いきなりハイにくわーっと急上昇ですよ。
感情Gの急激な変化が二度寝のおいしさを増幅させます。
前日、下ごしらえをするので
平日のうしろめたい味とはまた違った
“寝かせた味”になります。
これもぜひおためしください。

YAMA

 

寝グルメ委員会のコメント
『鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス』。
これが私の日課です。
「目覚ましが鳴るまでは寝ていられる」。
「あと何分か? まだだいじょうぶだろう」。
時々、時計を盗み見たりしながら
時がくるのを待ちます。
でも、毎晩、寝る前に目覚ましが鳴る時間を
気持ち遅らせたりするセコイ自分を見るにつけ、
欲望の深さを反省する毎日でもあります。

そういえば、
「今日、クルマの調子が悪くてさあ。
 ディーラーに寄ってから来るから」。
電車通勤なのに一週間連続で同じ言い訳をしていた
先輩を思い出しました。

HOW?資料#026

「降車寸前までのパラダイス」

私は、寝るのが大好きです。
ふとんの中で寝るのはもちろん、
「あまりよくない」ことでしょうが、
ほとんど毎日電車で寝てしまいます。

長年の電車通勤で習得した、
「降車駅直前で目を覚ます」
(これを習得した人は多いと思いますが)、
というワザを使い、熟睡します。
45〜50分という長丁場なので必ず
文庫本等持ち歩いており、読んでいるうちに寝てしまう、
という感じです。

肩こりのひどい時は、その睡眠で
少し解消しますし、周りのいや〜なオヤジのことも
忘れてられます。

ただ、いびきをかいてないだろうか、
おならをしていないだろうか…
とちょっと気になるこの頃です。

うさこ

 

寝グルメ委員会のコメント
早朝に出かけることの多い釣りでは、
運転しなくて済む電車がいい、とオイラはよく思いますね。
宝くじ企画で1億5000万円当たったら
運転手付きのほぼ日マイクロバスを提供する予定ですから、
その日が来るのが待ち遠しいです。

ところで、オイラがこの前電車で目撃したのは、
時折ゲップをしながら熟睡しているオヤジでした。
これが女性でなくてよかったと思うと同時に
胃の内容物をいつ吐き出されるか、
気がきではありませんでした。
周りの人に迷惑はかけたくないやーね。

HOW?資料#027

「呼吸から得られる快眠」

寒い夜や、気がたかぶって
なかなか寝付けないときなど、
わたしがいつもするのが腹式呼吸です。
自律神経訓練というのだろうか???
darling さんもどこかで言われていたように
記憶しているのですが、呼吸法はよいですよね。
はっきりとリラックスの効果があります。
正式な形がどんなものか詳しくは分かりませんが、
わたしがやっているのは、
・鼻から吸って口から吐く
・呼吸は細〜く、静かに、ゆっくり
・吸い込んだ空気は肺でなく、お腹にためる
 (横隔膜を動かして呼吸する)
という程度です。

この呼吸は結構苦しいです。
でもがんばって少しするとまず体が温かくなります。
手足のすみずみまで血が行き渡ります。
寒い夜でも、しばらく続けると汗をかくくらい。
それと力が抜けます。

プログラマをしてるわたしは目が非常に疲れるのですが、
まぶたの緊張がとけるのがはっきり分かります。
視神経が休まる感じです。
苦しくともさらに虫の息を続けると、
今度は吸い込む空気が甘く感じられてきます。
何というか、すがすがしくて甘みのある空気というか。
清涼なのは森の空気に似てますが、
それよりは柔らかく甘く、かといって、
くだものの香りほど甘ったるくないし生々しくない感じ。
普段の生活では触れることのない空気なのです。

これはどういう現象なのだろうかと
自分でも不思議に思います。
脳のどこかが酸欠に近い状態により
刺激されるのでしょうか。
あるいはそういう空気のきれいな別の場所に
空間移動しているとか?
あるいは鼻毛が一時的に伸びているとか。
ワッサワッサと・・・。
ともかく、これはわたしにとって
最大級にきもちのいい瞬間です。
体がフンワリと、甘いさわやかな空気の中に
浮かんでいるイメージなのです。
そんななかで眠りにつくのが、
わたくしの寝グルメなのでございます。

金子 芳恵

寝グルメ委員会のコメント
現在掲載中の婦人公論井戸端会議
『絶対音感とダイタイ敏感』のなかで、
利き水をされるゲストの前田學さんの特異な才能に
多くの反響が寄せられました。
オイラも感化されたひとりです。
ところで、連日のヘビースモークとアルコールで
弱り切ったオイラの味覚でも
この呼吸法で触れたことのない空気を味わえるのかなあ。

----------------------------------------

そうでした“夢”ですよ。
「そんなことも知らなかったの?」
と指摘されそうですが、以前買ったフロイトの夢判断って、
性欲の役割をかなり強調しているものだったんですね。
心理学者の間でも賛否があるらしいですし。
まあ、そんなむつかしいことは抜きにして、
(抜きにせざるを得ないというべきかな)
近々、夢について語りたいと思います。

◆とろりとおいしい眠りはいかが?

寝グルメを読んでの感想などは、
メールの表題に「寝グルメを読んで」と書いて、
postman@1101.comに送ろう。

1999-03-07-SUN

HOME
ホーム


いままでのタイトル

1998-11-09  資料#001〜#002
1998-11-17  資料#003〜#004
1998-11-22  資料#005〜#008
1999-01-06  資料#009〜#011
1999-01-13  資料#012〜#016
1999-01-30  資料#017〜#019
1999-02-21  資料#020〜#023