気仙沼のほぼ日便り

12月23日。
祝日。
さむいけれど、快晴。
すこし雪がちらつく青空の下。

PM 12:01

「アンカーコーヒー&バル 田中前店」オープンです。
待ちわびた人々がひとりずつ店内へ。
「いらっしゃいませー!」
笑顔、笑顔、笑顔。

PM 12:01というふしぎな時間に開店したのは、
この日が暦の上で「先負」だったから。
「先負」の日には、漁も午後の船出になるのだとか。

見えないセイルを仮の店舗にびしっと張った
アンカーコーヒーも、
この日は午後の出航にしたというわけです。

アンカーコーヒーは、
「やっちさん」の愛称で親しまれている
小野寺靖忠専務の会社、
株)オノデラコーポレーションが運営するお店です。

港の赤いたてもの。
アンカーコーヒーは、街のみんなの憩いの場でした。
漁に出る前の漁師さんが立ち寄って
一杯のコーヒーを飲んでゆく‥‥
そんなお店だったそうです。

3月11日、
気仙沼市内に2店舗あったアンカーコーヒーは、
津波により全壊しました。
製菓工房とコーヒーの焙煎工房も、被災しました。

そこから、
いちにちも早い復活をめざしての、この日です。

9カ月が経って、
その憩いの場所がようやく戻ってきたのです。
仮設店舗とはいえ、
アンカーコーヒーが帰ってきた。

「ほんとは赤い外装にしたかったんですよねー」
やっちさんは、
ちょっと残念そうにそう言います。
でも、全身からは、うれしさがあふれるように‥‥。

「従業員のみなさーん、
 元気にあかるくまいりましょー!」
やっちさんのかけ声に、
「はーーーい!」と応えるスタッフ勢。
お客さんたちもついでに、
「はーーーーい!」

大げさな言い方かもしれませんが、
こんなに、こんなにすばらしい賑わいを、
ぼくは今まで経験したことがありません。

さて、もう一度。

「アンカーコーヒー&バル 田中前店」オープンです。
待ちわびた人々がひとりずつ店内へ。
「いらっしゃいませー!」
笑顔、笑顔、笑顔。

やっちさんのお父さんもうれしそう。

やっちさんのお母さんも、お姉さんも、
従業員のみなさんも、みんながこの日を待ってました。

やっちさんの息子さん、
しゅんすけくんはゴムまりのようにはしゃいでます。
(お父さんに食べられちゃってる)

あれ?
宮城県庁の山田康人さんだ!
きょうは奥さまとご一緒ですねー。
左の男性は様々なお手伝いをされている小林さん。

オープンしてほどなく、
ここのコーヒーが飲みたかったお客さんたちで、
すべてのテーブルがいっぱいになりました。

「おめでとうございまーす!」

「ああ、ありがとうございます!」

挨拶にお忙しいやっちさん。

もちろん、コーヒーを飲みました。
まずはドリップコーヒー。
ああ‥‥おいしい。安心のおいしさです。

そして、アンカーコーヒー自慢の
エスプレッソマシンでつくった、ラテも。
‥‥この、ラテ、絶品!
ミルクに合うエスプレッソを抽出することで、
この味をつくっているのだそうです。
いやー、おいしい、ほんとにおいしい。

ラテに感激していたところに、
元気な女性がやってきました。
「開店おめでとうございます」

左の写真で言いますと、赤い壁を背に手を振る、
白い上着の女性です。

やっちさんに聞いてびっくり。
この女性は、
「そろそろ恋バナとかしたいな」
と言っていた、まさしくその方なのだそうです!

え? なんの話?
という方も少なくないことでしょう。
ぜひ、こちらをお読みください。
6月16日に糸井重里が書いた「今日のダーリン」です。
ほんとうにぜひ、お読みください。

‥‥いかがでしょう。

「そろそろ、コーヒーでもゆっくり飲みながら、
 女友だちと恋バナとか、したいな」

そう言っていた女性が、こんなにすてきな笑顔で、
アンカーコーヒーにやってきたのです。

やっちさんが言いました。

「さあ、場所はできたからね。
 好きなだけ恋バナをしてください。
 あとはあなた次第ですよ、と(笑)」

チェックのシャツにキャップ姿の
おしゃれなおじいさまもやってきました。

ひとりでやってきて、
音楽を聴きながらコーヒーを飲む男性もいます。

受験勉強をはじめる学生さんも。

老若男女。
港町のコーヒーショップは、
こんなにも幅広い人々に親しまれていたんですね。

お子さん連れのお母さんに、
すこしだけお話を聞きました。

「わたしたち、震災の日の午前中にも
 アンカーコーヒーにいたんです」

久しぶりに食べるここのドーナッツが、
ほんとうにほんとうに、おいしいと。
またこれを食べられることが、うれしいと‥‥。

お客さんは、まだまだひっきりなしに訪れます。
あんまり長居はご迷惑というもの。
ぼくらは日帰りで東京へと戻りました。

やっちさん、またかならず遊びに行きますね!

「アンカーコーヒー」について、
くわしくはこちらのHPをどうぞ。

ブログ「アンカーコーヒー クルー日記」は
こちらからどうぞ。

最後にもうひとつ。

この日のアンカーコーヒー訪問には、
イラストレーターの福田利之さんも同行しました。

福田さんとアンカーコーヒーで、
またすてきな企画があるのですが‥‥
それはまた別のお話。
2012年、あらためて発表しますね!

ほぼ日からの、気仙沼観光ガイド、
「はじめての気仙沼」
今日は、2日目をご案内します。

2日目の朝は、ぜひ、早起きをしてください。
理由は、いくつかあります。

・朝市、朝日

まず、その日が日曜日なら、
「日曜朝市」が開催されている可能性があります!
わたしも、まだ行ったことはないので
噂で聞いたことしかないのですが、

「野菜や鮮魚が格安!」
「おいしそうな名物たい焼き!」

と聞いただけで、いつか行きたいとジリジリしています。
わたしが日曜朝市の存在を知ったのは、
コヤマ菓子店の5代目、
小山裕隆さんのblogから、なのですが
こちらのblogに載っている
白い霧「けあらし」も、なんと、幻想的なっ!
たいへん気になるっ!と思っています。
(けあらしとは、山の冷たい空気が
温かい海面上に流れ込んだときに
水蒸気の急激な蒸発によってきる霧のことだそうです。)

ちなみに、コヤマ菓子店さんは、
1101の気仙沼のほぼ日のオープンの時にも
1110の社長の誕生日にも、
気仙沼のほぼ日にケーキを作ってきてくれた
ほぼ日の仲良しさんです。
我社では、
もなかクッキー(社内通称、モッキー)が人気。
ぜひ、お店にも立ち寄ってみてくださいね。
(ちなみにコヤマ菓子店日曜定休です。)

日曜日でなくても、がっかりすることはありません。
気仙沼は、太平洋側に面している場所、
つまり、だいたいの場所から、
すばらしい朝日を拝むことができます。
これからの冬の季節、
日の出の時間はけっこう遅いので
お寝坊さんにもチャンスです!
もしもあなたが宿泊したホテルに
ステキな温泉がついていたら
そこから見る日の出は、
思わず手を合わせたくなるはずですよ。
宿泊される方は、
ぜひ、日の出の時間をチェックしておいてくださいね。

・安波山

朝ごはんをすませたら、
市街地から車で5分の
安波山もいいかもしれません。
「気仙沼のほぼ日」で、
大島の写っている写真の多くは
この安波山から撮影したもので、
「安波山」はその文字の通り、
「波を安める」という意味から名付けられたそう。
気仙沼市街地や港が一望できるこの山から
船の安全や、漁の成功を祈願する山として
多くの市民に親しまれています。
わたしたちほぼ日のメンバーは、
気仙沼に新しい人を連れてくるたびに、
この山に何度も足を運んでいるのですが、
はじめてよりも回数を重ねてからのほうが、
さらによさが増してくる、
そういう眺望じゃないかと思っています。

山頂まで行っても、30分ぐらいですし、
途中に展望台もあるので、
気持ちのいい朝の、
ちょっとした山歩きにもおすすめですよ。
ちなみに、安波山までの道は
はじめての人には、
ちょっと運転がたいへんな細い道もありますので
自信のない方は、どうかお気をつけて。
また、展望台までの道がわかりづらいかもしれないので
その時は、地元の人に遠慮なく聞いてください。
みなさん、親切に教えてくださると思います。

1日目に、気仙沼湾の西側を回ったなら、
2日目は、東側、唐桑半島へ出かけましょうか。
リアス式海岸の
荒々しいリアスっぷりをたっぷり感じられるのは
こちらのスポット。

・巨釜・半造
(おがま・はんじょう、または、おがま・はんぞう)

唐桑半島の北東にある、
大理石の海食によってできた
奇怪な岩、石、が連続する宮城県の名勝地。
打ち寄せる波の中にそそり立つ、
高さ16mの「折石」は、
明治三陸津波(1896年)のさいに、
先端から2m折れたことからついた名前、
また、遊歩道でつながっている「半造」のほうは
奇怪な形の石にぶつかって
湧き上がる波のしぶきが、
グラグラ沸き立つ釜のよう、
ということから、その名がつけられました。

気仙沼市街地から、車で40分ほど、
現地では1時間もあれば、
両方とも回ることができますので
「これぞ! リアス式海岸!」という
陸中海岸国立公園の中でも、
見所の一つとして有名な景色を、ぜひ、ご堪能ください。

・御崎(おさき)

唐桑半島の先端にある岬。
岬の周辺にある松林の遊歩道を抜けると、
断崖絶壁に囲まれた岩の間を
波が侵入してくるようすを見ることができます。
大きく開けた太平洋のコバルトブルーの海の色は、
気仙沼湾とはまた一味ちがった印象です。

ちなみに、唐桑半島の道沿いには
「唐桑御殿」を呼ばれる
豪華な入母屋造りの日本家屋が点在しています。
こちらは、遠洋マグロ漁の拠点として有名な気仙沼の
1年近く家を空ける漁師さんたちのご自宅です。
次の航海までのひととき、
「広い家で、寝たい。」という漁師さんの願望と、
航海でお父さんが留守の間
「家族がいい暮らしができるように」という
あったかい思いやりでできています。
わたしたちも、一度、
お邪魔させていただいたことがあるのですが
広いおうちの、一番眺めのいい場所に
海の方に向かって神棚を祀るお部屋がありました。
人の力をこえた大きな海とともに
ずっと生きてきていた気仙沼の人々の、
信仰の深さを感じた瞬間でした。
広いご自宅ですので、
震災後、ボランティアの拠点として、
使われていたところもあるようです。
この御崎までは、市街地から車で40〜50分。
巨釜・半造からも30分ほどのところにあります。

・唐桑ビジターセンター

こちらも、わたしはまだ行ったことはないのですが
御崎神社の近くにある唐桑ビジターセンターでは
ボランティアや各新聞社・市民の方々から提供された
気仙沼市内、唐桑地区の震災の写真が
約300枚展示されているそうです。
展示のようすが載っている、
こちらの
南三陸&気仙沼を体感!“来て見て浜ライン
のblogには、地元の人ならでは情報が満載です。
気仙沼に行かれる方は、
こちらのblogもぜひチェックしてくださいね。

・漁火パーク

ドライブの休憩には、
標高220m早馬山にある、漁火パークへどうぞ。
唐桑半島の東側、太平洋の大きくて広い海と
唐桑半島の西側、気仙沼湾の穏やかな海と
両方一度に見ることができますよ。
360度見渡せるパノラマの絶景には
気仙沼から、車で40分ほどの陸前高田市や
さらにそこから15分ほどの大船渡市も、
見ることができます。
気仙沼を拠点に、あちこち行ったかたは
ここからの景色もセットでどうぞ。
わたしはまだ見たことはないんですけど、
ここからは、朝日だけじゃなく
きっと夕日も綺麗じゃないかという気もします。

わたしが行ったことある場所で、
いまご紹介できるのは、このくらいなのですが
東北新幹線の一ノ関の駅の近くにある
平泉・中尊寺金色堂(世界遺産に登録されましたね!)や
その間にある猊鼻渓厳美渓室根山など
気仙沼から車で1時間ぐらいの範囲まで広げると
まだまだ見所はたくさんあると思うので
それは、これから少しずつ行って見てきて
また、ご紹介できればと思います。

4回にわたってお届けした
ほぼ日からの、気仙沼ガイド
「はじめての気仙沼」は、今回でいったん中締めです。
他には、気仙沼湾の魚市場周辺なども
歩いて見ていただくのもいいかな、
とも思っているのですが、
それはまた別の機会に
地元の人から、ご案内してもらおうと思ってます。
記事の準備がととのいましたら
ご紹介させていただきますね。

それでは、また次回。

さて、昨日に引きつづいて、
本日も、はじめて気仙沼に行く人のための、
ほぼ日からの気仙沼ガイド
「はじめての気仙沼」をご紹介します。

昼ご飯を食べて、お腹いっぱいになったところで、
日が落ちるまで約3時間と考えると、
そんなに遠くへ行くことはできません。
たいへん悩ましいのですが、
カーナビの目的地を、
岩井崎に設定してみてはいかがでしょうか?

・岩井崎

気仙沼市の中心部から約10km。
道路状況にもよりますが、
市街地から20分〜30分ほどのところにある
気仙沼湾の入り口の岬です。
潮が岩肌にぶつかり、吹き上がる、
潮吹き岩という岩があります。

気仙沼市街地から岩井崎に向かって
車で走っているときに、
目に入ってくる景色は、
決して、やさしいものではありません。
気仙沼は大島が
天然の防波堤になって守ってくれた、と、
以前に書きましたが、
ここは、その大島がちょうど切れているところ。
つまり、たいへん波が高かった
(20mとも言われています)ところです。

岩手県から宮城県北部までの海岸線一体を占める、
陸中海岸国立公園の最南端にあたる岩井崎には、
地元出身の力士、
第9代横綱・秀の山雷五郎の銅像があります。
雷五郎さんが見据える方向は、
偶然にも、震源地の方向だそうです。

近隣にある、ラグビーで有名な向洋高校も
津波の大きな被害にあい、
いまは、気仙沼高校の
第二グラウンドで授業中とのこと。
岬の近くにあった墓地も、
重い墓石とその土台をバラバラにしてしまうほど、
大きな津波が押し寄せてきていたようです。
わたしたちが行ったときには、
ふたたび、人の手によって、
きれいに並べられていました。

月並みな言い方ですが、
わたしは、これを見たときに、
人が持つ力は、大きくも強くもないかもしれないけど、
やっぱりすばらしいと、心から思い、
明るい光の指すほうを向いて、
歩いて行こうと思いました。

すぐ南には、日本一海水浴場に近い駅
「大谷海岸駅」があります。
夏がくるたび、たくさんの海水浴客でにぎわい、
きっとよろこばれた場所だろうと想像されます。
美しい海と、津波の大きな傷跡、
その光景を交互に見て、
それらを同時に説明する言葉を、
わたしは持ち合わせていませんが、
時間があれば、そのまま少し南の
南三陸町へも足を伸ばしてみてください。

一言で、東日本大震災と言っても、
場所によって、被災の状況は、
ほんとうにバラバラです。
それぞれの場所で、
少しずつ感じることはちがうのだろうと思います。

ちなみに、わたしたちが行ったときは、
数台のダンプカーの往来とすれちがいましたが、
今後、本格的な工事がはじまると、
大型車両の通行のため、
一般の車両についての制限があるかもしれません。
行くべきかどうか悩まれた場合は、
警備や工事関係者の方の出す指示や
周辺状況に注意しながら、どうか安全運転で。

それから、こうした状態で、
被災地への観光をすすめることについて、
いろんなご意見があると思いますし、
あって当然だと思います。
わたしも、その疑問は、
ずっと持ちつづけていたので
このガイドをはじめるにあたって、
気仙沼の知り合いに聞いてみました。
「気仙沼に観光に来てください。」
って、言ってもいいんですかね?と。
返ってきた答えはこういうものでした。

「いわゆる観光で人が期待するようなものが
 あるかどうかはわからない。
 けど、いまいる場所で見れないものを
 見たいとか、感じたいと思って
 気仙沼に行くなら、それは、ここにはあると思う。」

「理由なんか無くたっていい。
 気仙沼に来てくれるだけでいいんです。
 それだけで忘れられてないって思えるんです。」

また、糸井重里が、
ある取材中に言った言葉を借りると

「考えることは、感じること。」

震災のあと、
これからどうしていけばいいかを
全部わかったという人は、
たぶんいないと思うのです。
でも、これからのことを、
少しでもわかりたいと思ったり、
考えたいと思っている人は、
現地に足を運んで、感じること、
それが、考えるきっかけになるのでは、と思います。

わたしのようなものが、
えらそうに、すみません。
そろそろお腹がすいてきたので、
ホテルにチェックインして一息ついて、
次のご飯に出かけましょうか!

・夕ご飯

昨日、ランチでご紹介したお店
夕ご飯の候補として、
引き続き、おすすめできますので、
そちらもあわせて、見てくださいね。
料理のおいしさを説明できる文章力を
わたしが持ち合わせていないので
お店の詳細の説明は控えますが、
イメージ的には、
上に名前のあるお店が大勢でわいわい、
下に行くほど、大人向けといった感じです。

◯ぴんぽん
◯第二笑口会議処
◯和醸酒 一杯屋 梟
◯唐や

そうそう、気仙沼に限ったことじゃないですけど
よい観光客になる秘密をもうひとつ!
飲食店に限らず、お店やホテルに入ったら
お店の人と、ひとことふたこと、
なにか会話してくださいね。

旬の魚のおいしさ、オススメのおみやげ、
行くべきところ、地震の時どうだったか、など
地元の人に教えてもらうのがいちばんです。
前を向いて歩きはじめている
気仙沼の元気な人たちと話すと
不思議なもので、
こちらが元気をいただくことが多いものです。

ご飯を食べたら、ホテルに戻って
早めに寝ましょうか。

「次の日は、ちょっと早めに、出かけます。」

それでは、また次回!
(少しまた、お時間をいただきます。)

本日は、気仙沼にはじめてきた人が
こう回るといいのでは?という
ほぼ日なりのおすすめルートをご紹介します。

ほぼ日なりの、と言ってみたものの
実は、われわれほぼ日乗組員が
地元の斎藤茶舗の息子さんである
斉藤道有さんに
ご案内いただいたときのルートを元に、
わたしの勝手なおすすめや思いつきを加えて
ポコッと生まれた即席のルートですので、
一般的な観光ガイドとは
紹介の仕方が、ちがうかもしれません。

そのあたりは、
ツッコミどころが満載で、
情報のかたよりのある気仙沼ガイドです!
という前提で、読んでいただければ。

ちなみに、気仙沼には、震災前から
観光コンベンション協会による
観光ガイド
があります。
ご自分のコース作りに、あわせてご参照くださいね。

さて、具体的なご紹介の前に、
気仙沼に限らず、
これからの季節、国内旅行に出る方に、
覚えておいてほしいことが、ひとつ。

「冬だから、4時半になると、陽が落ちる。」

さいきん、ほんとに陽が落ちるのが
早くなりましたよね。
東京を朝の7時に出て、
11時に気仙沼に着いた場合、
陽が落ちるまでの間は、6時間足らず。
1日目は、
そんなにたくさんは回れないということを
心に刻んで出発しましょう。

今回は、車での移動を想定して
いくつかの場所をご紹介します。
一ノ関から、車で、気仙沼に入る場合、
国道284号線というルートを通ります。
このルート沿いにある外すことができない、
さいしょのおすすめポイント!

道の駅かわさき

国道284号線に「道の駅かわさき」があります。
農家の方々が新鮮な野菜もさる事ながら、
まず、ここに売っている「金時まんじゅう」!
気仙沼ではなく岩手県のお菓子ですが、
とてもおいしいです。
お帰りのさいには、ぜひおみやげに。

・フルセイルコーヒー

ほぼ日が一押しするのは、
その「かわさき」横のシェル石油GS併設の
「フルセイルコーヒー 岩手川崎店」です。
便利なドライブスルーもできますし、
店内飲食も可能です。

被災前、こちらのフルセイルコーヒーは、
気仙沼にあるアンカーコーヒーの
フランチャイズの店舗でした。
気仙沼市内の2店舗が津波に流され、
スタッフさんの職場を失っていたところ、
フランチャイズのオーナーから申し出があり、
運営が気仙沼の本部の
アンカーコーヒーに委託されました。
現在は、気仙沼のスタッフが
車で50分ほどかけて、毎日、通勤しています。
元気なスタッフさんたちの笑顔には
そういう物語も含まれています。

こちらのお店は、
コーヒーも、ラテも、クロワッサンも、
ソーセージサンドも、
どれもおいしいので、
運転の小休憩やドライブのお供に
ちょこっと立ち寄り、をおすすめします。

ちなみに、12月23日に気仙沼市内で仮設店舗
「アンカーコーヒー&バル 田中前店」もオープン予定、
それに先駆け、仙台の一番町にも
「フルセイルコーヒー 一番町店」もオープン!
とのことですので、
こちらも、あわせてどうぞ。

・気仙沼駅

車で気仙沼に入る場合も、
一度、気仙沼駅によって行くと、いいと思います。
気仙沼観光コンベンション協会
気仙沼ガイドマップが手に入ると
そのあとの行く場所の位置関係が
かなり把握しやすくなるので。
駅にある気仙沼市観光キャラクター
「ホヤぼーや」顔出し看板での撮影もお忘れなく。

・鹿折唐桑駅(ししおりからくわえき)

順調に運転して、気仙沼市内に入ったら、
カーナビの目的地を
JR「鹿折唐桑駅」に設定してみてください。
震災当時、大きな火災があったエリア、
駅は、港から約800mのところにありました。
瓦礫が撤去されて、基礎工事だけ残っているところ、
錆び付いた車がまだ残っていたりすることから
広範囲にわたって被災にあっていることが
うかがい知れます。
陸前高田に通じる東浜街道は
迂回や盛り土の上の通行を
しばらくの間、強いられていましたが
2ヶ月ほど前でしょうか、
ようやくアスファルトが引かれていました。

ここはまだ、建築制限のかかっている場所で、
駅もいまはありません。
「鹿折唐桑駅」のあった
気仙沼の北にある大船渡に続くJR大船渡線や
気仙沼の南からやってくるJR気仙沼線などの
海岸線沿いの鉄道網は、
大変に長いスパンで復興の目処がたっていない
と聞いています。

・ランチ

あなたが、11時に気仙沼に入った場合、
そろそろ、お昼ごはんを食べなくてはなりません。
行きに国道284号線のフルセイルコーヒーで
じゅうぶんに腹ごしらえして、
ランチなしで、まだまだ回る!
という選択肢ももちろんあるんですけど
やっぱり、気仙沼に来たら、
おいしい魚を食べたいですよね!

というわけで、いくつかのおすすめを。

◯港町レストラン「鮮」

水産物のおみやげが充実している
「お魚いちば」の横にあるレストランです。
気仙沼湾の内湾に面している場所ですので
近隣を船を見ながら少し歩いたりしたあと
ランチをするなら、ここがおすすめです。

◯気仙沼復興商店街

もうまもなく、12月24日にオープンする
地元の商店街の仮設店舗です。
港町気仙沼のメインストリート
「南町商店街」には
被災前、140店舗が軒を連ねていました。
そのうち、51店舗が入る予定の
地元の商店街だけの仮設店舗ですので
床屋さんや学習塾、花屋さんなども、入っています。
いわゆるお土産物屋さんは、
そんなに多くないかもしれないのですが、
お寿司屋さんが2店舗ありますし、
飲食店もたくさんありますよ。
地元の商店街のお店に
購買というかたちでの確実な支援ができますので、
お昼ごはんのついでに、お買いものもぜひ。

◯復興 屋台村 気仙沼横丁

こちらは、一足お先にオープンしている
赤い提灯が目印の屋台村。
飲食店と物販がメインです。
お寿司からイタリアンまで
幅広くいろんな飲食店がありますよ。

あとは、単純にわたしが行って
とてもおいしかった気仙沼の市街地の方にある
お寿司屋さんを2店舗ほど。

◯大寿司
◯鮨智

わたしがおいしいお寿司を
表現する技術を持っていないもので
どうおいしかったか、ということを
具体的に書けないのですが
両店とも夢中でペロリと食べた、
ということだけお伝えしておきます。

他にも、もっとたくさんあると思うので、
行ってみておいしかったおすすめのお店は
また、メールで教えてくださいね。

お腹いっぱいになったところで
午後のルートをご紹介したいのですが
文字数が多くなってきたので、
次回につづきます。

「気仙沼、行ったら、お魚食べようね!」

それでは、また明日ー!

今回から「気仙沼のほぼ日」を読んで
気仙沼に行きたくなった人のために
ほぼ日なりの気仙沼ガイドを
何日か連続で更新します。

年末年始のお休みに、
ゆっくり時間をとって
どこかに行こうと思っていたみなさん、
予定に空きがありましたら、
ぜひ、気仙沼もその候補地に入れてくださいね。

題して「はじめての気仙沼」!

第一回の本日は、
気仙沼への行き方と宿泊についてご案内。

「気仙沼ってどうやって行くの?」
と、東京近郊に住む友人に聞かれたら、
わたしはこう答えています。

「東北新幹線で、東京駅から
 岩手県の一ノ関駅まで行って
 そこからレンタカーか
 JR大船渡線で気仙沼駅へ。」

もちろん、夜行バスや飛行機など
それ以外の方法もあるとは思うのですが、
ひとまず、東北新幹線を軸にご説明します。

東京から一ノ関へは、約2時間半。

そこからレンタカーを借りて、
気仙沼への移動は、
さらに1時間半、とみておいてください。
レンタカーの手続きやなんかで、

意外と時間がかかるのと
これからの季節、
路面が凍結する可能性がありますからね。
運転には、じゅうぶんご注意を。

JR大船渡線の場合も、
一ノ関から気仙沼まで1時間15分ぐらい。
つまりどちらも、東京から、
約4時間と思ってください。
東京を朝の7時に出たら、
午前11時ごろ着きます。

東北新幹線以外のルートについては、
こちらの観光コンベンション協会のページ
ご参考になさってくださいね。

レンタカーとJR大船渡線、
どちらがオススメかというと、
気仙沼市内に入ってから自由に動ける、
という意味では、

もちろん、車!

なのですが、
その気仙沼市内に入ってからのことを考えると
通行可能な道が、震災前より限られていますので
時間帯と場所により、渋滞があったりします。
また、市内で回る場所やタイミングによっては
冠水している場所もありますし、
盛り土によってできた道路もありますので
運転に自信のない方は、
JR+観光タクシーを、ぜひ検討してください。

気仙沼市内に入ってから
地元のタクシーを利用して、
おすすめの観光ルートをお願いして
街を回るというのも、ひとつの方法です。
空いてる時間や予算によって、
運転手さんとお話ししながら、
おすすめルートをひと回りというのも、
なかなかいい時間と
お金の使い方なのではないかと。

それに、JR大船渡線が通るルートは、
古き良き日本の原風景といった感じで
ほんとにとってもいいですよ。
地元では、山汽車と呼ばれているだけあって
「ギギギギーーーーッ」という
音もたのしめます。

新幹線との接続がよければ、
JR大船渡線に一度乗ってみて欲しい!
でも、市内の移動を考えると
運転できる人は、車のほうが便利!
という矛盾した状態で、
両方おすすめしておきます。

それから、宿泊については、
こちらのサイトが参考になります。

◯気仙沼復興物産市 宿泊施設案内

いや、もう、びっくりするぐらい
営業再開中の宿泊施設が
たいへんわかりやすくまとまっています。
わたくし、自分でまとめようと思っていたので
たいへん助かりました!
復興物産市さん、ありがとうございます!
こちらのページでは、オンラインショップで
気仙沼のさまざまな名産を
購入することもできますので、
宿泊希望以外の方も、ぜひどうぞ。

ちなみに、たびたび気仙沼を訪れている
わたしたちの感覚では
気仙沼市内の宿泊施設は、
工事関係、警察関係、報道関係、視察・仕事関係、
ボランティア関連などのかたで
予約がいっぱいの場合があります。
日にちが迫っていて、
「それでも、気仙沼に行きたい!」
という場合には
新幹線の駅のある一ノ関周辺や、
気仙沼から南に車で1時間ほどのところにある
「南三陸ホテル観洋」への宿泊も
移動可能範囲ということで
あわせて、ご検討ください。
(車での移動が必須になりますが、
 南三陸ホテル観洋から観る朝日は
 ほんとうにすごいっ!ですよ)

今回はいわば、気仙沼に入る前の準備の回に
なってしまいましたが、
ひとまず、

「気仙沼、そんな遠くないんじゃない?
 行ける、行けるよね? 行けそうだねっ!」

というところまで
いっしょにイメージを持っていただければ。

行けるなら、行ってみたいな、気仙沼!
それでは、また明日!

「気仙沼のほぼ日」のページデザインが
今日から変わりました!
気がつきました?
えっ! わからなかった?!
そもそも、今日、はじめて読んだとか?

はじめてのかたも、おなじみのかたも、
ようこそ「気仙沼のほぼ日」へ!
本日から、新コーナーが追加されましたよ。

ひとつめは、トップページの右半分、
かわいいアイコンが目印の、
「港のスズメさん便り」。

気仙沼の地元の人たちから、
ご近所さんとのあいだで話に出てくるようなこと、
たとえば、季節や街の変化、
新店、移転のこと、店頭にならぶお魚や商品のことを、

「ピーチクッ! パーチクッ!」

と、気軽にたのしく投稿していただくコーナーです。
11時に限らず、投稿があったらの随時更新で
最新の4つだけが読めるようになっています。
時間が経つと、過去の投稿は、
読めなくなってしまうので、
どうぞ、お見逃しなく!

ちなみにいまは、ほぼ日の何人かの知り合いに
こちらの投稿をお願いしているのですが
postman@1101.com に届くメールで
「これは、スズメさんっぽい!」というのがありましたら
こちらのコーナーで紹介させていただきますね。

もうひとつは、
トップページの下のほうへ
ずずずいと進んでください。

存在感のある、イカしたシブーいロゴ
「三陸新報」
の文字が目に入りましたか?
気仙沼にある約25000世帯のうち、
ほとんど(一説には、90%とも!)の世帯が
購読しているという、

地元の新聞「三陸新報」より、
毎日の記事の中から
最新の3つのトピックスを
お読みいただけるよう
WEBページへのリンクをしています。

戦後まもなくスタートして以来、
気仙沼市、南三陸町を主体として
地域に密着したニュースを提供する
歴史ある新聞社「三陸新報」と
インターネットの黎明期より、新聞を名乗って、
かれこれ14年の「ほぼ日」が

満を持してのコラボレーションです!
関係各位のみなさま、
多大なるご協力、ありがとうございまーす!

このふたつの新コーナーの登場にあわせて
ページデザインも、ちょこっと変更になりました。
これからも、「気仙沼のほぼ日」を
どうぞよろしくお願いします。

明日からは、ほぼ日なりの気仙沼ガイド
「はじめての気仙沼」がはじまります。
どうぞ、おたのしみに!

気仙沼に行ってみて、おどろいたことは
まだまだあります。
今回は、まとまりなく列挙していきます。

・ほんとうに魚がおいしい。

全国の魚を食べくらべたわけじゃないのですが
気仙沼の魚は、ほんとうにおいしいです。
そして、気仙沼では、量もさることながら、
たくさんの種類の魚が食べられます。
地元の人に聞いた話をまとめると
こういうことじゃないかと思います。
____________________

気仙沼港のある三陸沖は、
黒潮(日本海流)と親潮(千島海流)がぶつかる。
海流がぶつかるところは「潮目」と呼ばれ、
ぶつかりあったところには、いろんなものがたまる。
たまるところには、プランクトンや小魚などの
餌もたまるので、魚が集まる。
単に魚が集まるだけでなく、
両方の海流に生息する魚が獲れる。
さらに、それぞれの海流の中でも
一番端っこまでやってきた魚なので
とても元気がいいのが獲れる。
よって、三陸沖は世界三大漁場に名を連ねるほど
すばらしい漁場である。
____________________

地元では、高級魚よりも、
「旬」の魚がいちばんおいしいと
みなさんおっしゃっていて
その季節にあわせて
家庭の食卓に並ぶのだそうですが
わたしが気仙沼と東京を行き来している
この2ヶ月間だけでも、
数えきれないぐらいいただきました。
どういったものかと言いますと、
サンマ、カツオ、マグロ、イカ、サバ、サケ、
アワビ、ツブガイ、メカジキ、タコ、ウニ、
甘エビ、ヒラメ、タイ、など‥‥。
竜宮城のごとく、
さまざまな旬の魚たちに出会いました。
さらに、

「これから冬に向って
 カレイやタラの白身魚、牡蠣もあるんだよ。
 あと、ナメタガレイは外せないよ。」

という、有力な情報を聞いていたりもするので
わたしは、この2ヶ月間で、
すっかり気仙沼の魚のおいしさに
はまってしまい、
魚の名前を書いているだけで
お腹がすいてくる、そんな状態です。
あ、あと、ワカメとか、塩辛とか、
海苔とか、ホヤとか
ごはんのお供的なものも、すごくおいしいです。

・漁師さんのことを尊敬している。

漁師さん、とくに「船頭さん」のことを
街のみなさんが尊敬しています。
船頭さんというのは、
渡し舟で、向こう岸に
連れて行ってくれる人のことではなく、
気仙沼では、「漁労長さん」のこと。
船長さんが、
その船の運行について指揮を執るのに対し、
船頭(漁労長)さんは、
漁の指揮、船団の指揮を執ります。

つまり、漁労に関するすべての権限を持った人で
とってもエライ!ということらしいです。
斉吉商店の和枝さんが
船頭さんがどんなふうに尊敬され、愛されているか、
語ってくださっていたコラムもありますので
あわせて、こちらもどうぞ。

・同級生が仲がいい。

ほぼ日が気仙沼でお世話になっている人が
どんどん広がっていまして、
それぞれの方々のつながりを聞いてみると
「同級生です。」
そんなことがたくさんあって、
うすうすは感じてはいたのですが
とても説明の上手なメールが届いたので
ご紹介します。
_______________

気仙沼のあたりの冬の特殊行事といえば、
歳(とし)祝いでしょうか。
男女ともに、数え歳の本厄の年の2月ごろに、
中学校単位で厄払いと同窓会をするのですが、
それを歳祝いと言います。

そして、その前年のお盆に、同じメンバーで、
亡くなった同級生たちの供養をしつつ
同窓会をするのですが、
そちらは物故祭といいます。

私は大学から東京に来てしまい、
2月の気仙沼なんて寒くて嫌だなと、
歳祝いを欠席したら、母にもの凄く怒られたので、
地元にとっては大切な行事です。
その後、同じメンバーで還暦祝いもします。
(w@n2)
_______________

w@n2さん、ありがとうございました。
つまり、20代、30代、40代は、だいたい10年おきに。
そこから、ちょっとあいて、還暦でふたたび集まると。
なんというか、

ほんっと、仲がいいね!!
気仙沼の人たちはっ。

・朝日と夕日と空と星がきれい。

わたしが地方出身者なもので、
日本の田舎の
朝日や夕陽、空と星のうつくしさについて
「どこもきっとすばらしい」ということは
否定する気はまったくないのですが
それでも、気仙沼はすごくいい!ですよ。

水平線から登る朝日の力強さ、
山の向こうに沈む夕日のやさしさ、
澄んだ空気のなか見上げる、たくさんの星、
どれもいいです。
気仙沼から車で数十分のところにある
岩手県の室根山には
天文台もあるんですよね。
冬季は雪で通行止めになるらしいので
冬になる前に行きたいなぁと思っています。

とめどなく、おどろいたことを
列挙して行きましたが、今回はこれでおしまいです。

次回は、「気仙沼のほぼ日」を読んだり、
「気仙沼においでよ」を聴いたりして
気仙沼に行きたくなった人向けに
行き方、食べもの、見所、宿泊、などについて
ご紹介をしようと思っているのですが
情報をもう少し集めたいので、
ちょっとだけお時間をいただきます。
地元のかたや、
出身者のかたからのおすすめ情報も
ひきつづき、お待ちしております。
それでは、また。

気仙沼にはじめて行ったときは、
あまり気がついていなかったのですが
3度目ぐらいでしょうか、
「これは‥‥。」と、
おどろいたことのひとつに
冠水というのものがあります。

辞書によると、冠水とは
「洪水などによって、
 田畑や作物、道路が水をかぶること」。
気仙沼市の発表によると
市の浸水面積は市域の5.6%。
そして、その一部は、いまも冠水しています。
地元の人に聞いたところ、
そのほとんどが、水産加工業をはじめとする
お店が立ち並ぶ商業地や住宅地だった
とのことです。

プレートが移動しているとか、
地盤が沈下しているとか、
ニュースやテレビで目にして
頭で知っていたつもりになったことが
この冠水を目にすると
体に突きつけられるような感覚があります。

冠水の理由は、いくつかあるのでしょうが
そのひとつには、
地盤沈下しているということがあげられます。

気仙沼の地盤沈下の高さは、
大きなところで、マイナス74cm。(※)
ダイニングテーブルとか事務机より
ちょっと高いぐらいですね、
その高さ分、広い範囲で、
土地が沈下しているということになります。

冠水は、その日の潮汐によって、
しみ出す水の量がことなります。
なので、気仙沼に行ったひとが
必ず目にするものではないのかもしれません。
しかし、満潮は日に二度あり、
大潮は月に数日間あるという自然の摂理も
また、現実です。

一度、意識してから
あちこち見ていると
そのときは冠水していない場所でも
以前はなかったとおぼしき場所に
藻が発生している、
つまり、そのときたまたま水が引いている状態
の場所があることや
海と自分の高さの位置関係がなんかおかしい
ということには、気がついたりします。

そしてなにより
冠水しているところの近くにある道路は
トラック何台分(何十台、何百台分)もの
土砂が運ばれ、人々の力で盛り土をして、
やっと通れるようになっているところだ、
ということにも、気がつきます。
盛り土の高さは、50cmぐらいから
高いところでは、1m近くでしょうか。

盛り土で道路を作ることはできても
浸水した気仙沼の一部のエリアは、
いまも建築制限が解除されておらず
(先日、来年の3月までの
 建築制限のエリアが発表されました)
被災した方々が、
同じ場所で事業を再開するのは
難しい状況にあります。

わたしたちがすでに知り合っている
気仙沼の地元の人たちの
あたたかさや明るさ、
内面からにじみ出る強さにふれるたびに
3月11日より前からの知り合いだったような
親しみや懐かしさを感じることがあるのですが、
個人的には、冠水を見ると、
「ああ、こういうことがあって
わたしたちは知り合ったんだな」と
現実に引き戻されます。

そして、同時に
気仙沼のほぼ日で、できることはそう多くはない。
けれど、
できることから少しずつやっていこうと
あらためて、思ったりしています。

津波の大きな傷跡の残る船や建物、
瓦礫、自動車に目を奪われていて
すぐには、
気がつくことができなかったのですが
冠水という現実が大津波の跡として
いまも残っているということを
お伝えしたいと思い、
今回は、冠水のことを書きました。
それではまた、次回。

(※参考:
 国土地理院
 平成23年
 東北地方太平洋沖地震に伴う
 地盤沈下調査

前回書きました
「気仙沼に行ってみて、おどろいたこと」
のつづきは、まだまだあるのですが
本日は、
「先日、糸井重里が気仙沼に行った日」のことを少し。

11月15日、イトイをはじめとして
ほぼ日の何人かのスタッフが
気仙沼市のとなり、南三陸町を訪れました。

「宮城県本吉郡南三陸町」、
平成の大合併により
志津川町と歌津町が
ひとつになってできた町です。
わたしたちは、
ふんばろう東日本支援プロジェクト西條さん
にお誘いを受け、
南三陸町の「ミシンでお仕事プロジェクト」を
見学させていただきました。

朝7時に東京駅を出て、東北新幹線で
岩手県の一ノ関駅に向かい、レンタカーを借りて
車で約1時間の南三陸町にある「ホテル観洋」へ。
(ちなみに、写真1枚目は、
 別の機会に撮影した
 ホテル観洋から見える朝日の写真です。)
南三陸町「ホテル観洋」の女将さんにごあいさつをし、
お昼をいただきながら、震災当時のお話を聞きます。
その後、「ミシンでお仕事プロジェクト」の会場へ。

第4弾となる、
このワークショップでは、
前回までにワークショップに参加した人が先生となり、
今回の生徒さんに教えるのだそうです。
ミシンを前にした、お母さんやお姉さん、
おばあさんやおじいさんたちが、
先生役の人や隣の席の人と
ワイワイガヤガヤ話しながら

「ダダダッ、ダダダダダダッ、ダダダダダダダダダッ」

と、音を立てて、手を動かしている光景は、
ほんとうにあたたかい雰囲気が漂っていました。

あらためて、家庭科のミシンの授業ってすごいですねぇ。
何年間ものあいだ、ミシンに触ってなかったとしても、
ほんの何分か教わっただけで、
使い方やコツを思い出す人が大半なんですもの。

その後、場所を移動し、わたしたちは、
南三陸町で、とても大きな被害を受けた
志津川付近を歩きます。
その中でひときわ目を引く

「よみがえれ故郷
 ふんばれ
 南三陸町」

の文字が。

こちらは、震災前
地元のかただけでなく
観光客のかたにも有名なお店
「さかなのみうら」さん。
鮮魚、乾燥海産物の商店を
地元で営んでいらっしゃった店主の三浦さんは
3月に現地調査に訪れた西條さんに出会い
「ふんばろう東日本プロジェクト」の現地拠点として
高台にあるご自身の倉庫とトラックを使って
物資の仕分けと配送を担っておられました。
行政の手が届かない、小さな避難所、
集会所、個人宅を1件1件回っておられたそうです。

鉄骨だけになってしまった
「さかなのみうら」から見える
冠水した土地と破れた堤防、
すごい高さのがれき、
ほんの数台のショベルカー。
海に反射するまばゆい陽の光とともに
目に焼き付いたこの光景のことを、
一緒に行ったスタッフは
だれもきっと忘れないだろうと思いました。

さらに場所を移動して、お伺いした
「さかなのみうら」仮店舗には
地元のみなさん、全国のみなさんからの
あたたかいメッセージと
新鮮なお魚がならんでいましたよ。

このあと、「気仙沼のほぼ日」で行われた
西條さん×糸井の対談のようすは、
いづれ近いうちに、
ほぼ日のページでご紹介する予定です。
南三陸町のみなさん、またお会いしましょう。

それでは。

ナカバヤシです。
やっと落ち着いて
ページが更新できるようになりましたので
何日か連続で更新します。

気仙沼に行ってみて、おどろいたことが
いくつかあります。

まず、ほんとうに、自然が豊かなこと。
リアス式海岸という名前を
いつかの社会科の授業で習った記憶があっても
「ああ、これがそうなのか」と
体感したことがあるという人は、
その何割かにとどまるのではないでしょうか。
知らない人のために
あえて簡潔に言いましょう。

海と山、どちらもすごいよ、リアス式。

山地が沈水し、平地が少ないその地形は
複雑にギザギザに入り組んだ入江のおかげで
波が低く水深が深いため、
豊かな漁港となることが多いそうです。

その大きな自然の恵みに対して、
湾の入り口に比べて、
奥のほうが狭くなっている入江では
波が通常の高さの何倍にもなって、
津波の大きな被害が出る、ということを
これから先、試験に出ることがなくても、
わたしたちは、きっと忘れないだろうと思います。

気仙沼は、
その三陸リアス式海岸の中にありながら
さらにもうひとつ特徴があります。
湾の入り口に、9キロ平米ほどの
大島という島があって
すでに出会った気仙沼の人たちが
「大島が天然の防波堤となって、
 気仙沼を守ってくれた」と言っていました。

たしかに、わたしが訪れたことがある
他の被災地、大船渡、陸前高田、
南三陸町と比較すると
気仙沼を襲った波は
少し低かったのかもしれない
と、感じることはあります。

しかし、波の高さだけで、
被害の大きさや人々の心の痛みを
語ることができないのは
震災後のニュースを目にしていたら、
想像に難くないはず。
気仙沼湾は、この大島を
ぐるっと取り囲むように形成されているので
ありとあらゆる場所から、角度から
大島を見ることができます。

この気仙沼のページで
島のような、山のようなものが写っていたら、
それは結構な確率で、「大島だ」と、
地元の人がそれを語るとき、
あふれださんばかりの愛情を持って語る
あの「大島」のことなんだな、と、
思ってもらったらいいなと思います。
興味を持ったかたは、地図で
「気仙沼」を探していただくと
ああ、こんなに近くに島があるんだなと
わかっていただけるのではないかと思います。

最後に「気仙沼のほぼ日」がはじまる少し前に
読者の方からいただいた、メールをご紹介します。
__________________

みなさんは、気仙沼大島へは行かれましたか?
大島は気仙沼から
フェリーで20分の距離にある美しい離島です。
3.11の津波で、全島を引き波が襲った所で、
救助の手が及ばず、米軍の空母が
「ともだち作戦」と銘打ち救助にあたった島です。

また、津波で倒された重油タンクから発火した
気仙沼一帯の大火災の飛び火で
4日間に渡り山火事が続きました。
当時島に残されていた高齢者と子供たちにより、
夜を徹した鎮火作業がつづけられ、
なんとか難を乗り越えたと聞いています。

大島の亀山に鎮座する大島神社にご縁があり、
何度か支援に訪れています。
10日ほど前に3か月ぶりに訪れましたが、
復旧が進まぬ様子でした。

漁業を生業とする島の船は流され、
漁場である海は瓦礫と重油に汚染され、
漁師のみなさんは小さな島で行き場を失っています。

大島の山の急斜面には、
山火事で焼けただれた立木が危なげに残されています。

支援に訪れるたび、
大島神社の小松宮司と奥様が
快く迎えてくださいますが、
とても明るいお人柄のお二人も、
島の明日を思うと・・・と肩を落とされます。
冬が近づくにつれ人の足が遠のき、
離島は取り残されてしまう、と
島のみなさまが不安に駆られているとのことでした。

年末にまた島を訪れ、仮設住宅に住む方々と、
リースやお飾りをつくるワークショップをしたい
と考えています。

機会があったら、ほぼ日の皆様も
大島を訪れてみてください。
(Ayako)
__________________

Ayakoさん、メールをありがとうございました。
ほぼ日のスタッフはだれもまだ、
大島には行ったことがないのですが
近いうちに、ぜひ、行きたいと思っています。

今回は、大島を中心に写真を掲載しています。
気仙沼の事務所の立ち上げのために
足を運んでいた2ヶ月ぐらい前の写真も
入ってますので
最近のものばかりではないのと、
あと、もしかしたら、
気仙沼のことを
まだよくわかっていないわたしが
大島だと思い込んでいる
写真があるかもしれません。

行ったことない人はあらゆる角度からの大島を、
地元の方は、まちがい探しのように
ご覧いただければ、うれしいです。
(そして、ちがっていたらおしえてください。)

気仙沼に行って、おどろいたこと、
他にも、たくさんあるので、つづきは、また。

【11/24追記】
その後、気仙沼出身の方から
メールをいただきまして、
このうち1枚の写真は
確実に大島でないことが判明しました!
正解は、あえてここには載せませんので
気になるかたは、ぜひ行ってみて
自分の目で確かめてみてください。