気仙沼のほぼ日便り

ナカバヤシです。
やっと落ち着いて
ページが更新できるようになりましたので
何日か連続で更新します。

気仙沼に行ってみて、おどろいたことが
いくつかあります。

まず、ほんとうに、自然が豊かなこと。
リアス式海岸という名前を
いつかの社会科の授業で習った記憶があっても
「ああ、これがそうなのか」と
体感したことがあるという人は、
その何割かにとどまるのではないでしょうか。
知らない人のために
あえて簡潔に言いましょう。

海と山、どちらもすごいよ、リアス式。

山地が沈水し、平地が少ないその地形は
複雑にギザギザに入り組んだ入江のおかげで
波が低く水深が深いため、
豊かな漁港となることが多いそうです。

その大きな自然の恵みに対して、
湾の入り口に比べて、
奥のほうが狭くなっている入江では
波が通常の高さの何倍にもなって、
津波の大きな被害が出る、ということを
これから先、試験に出ることがなくても、
わたしたちは、きっと忘れないだろうと思います。

気仙沼は、
その三陸リアス式海岸の中にありながら
さらにもうひとつ特徴があります。
湾の入り口に、9キロ平米ほどの
大島という島があって
すでに出会った気仙沼の人たちが
「大島が天然の防波堤となって、
 気仙沼を守ってくれた」と言っていました。

たしかに、わたしが訪れたことがある
他の被災地、大船渡、陸前高田、
南三陸町と比較すると
気仙沼を襲った波は
少し低かったのかもしれない
と、感じることはあります。

しかし、波の高さだけで、
被害の大きさや人々の心の痛みを
語ることができないのは
震災後のニュースを目にしていたら、
想像に難くないはず。
気仙沼湾は、この大島を
ぐるっと取り囲むように形成されているので
ありとあらゆる場所から、角度から
大島を見ることができます。

この気仙沼のページで
島のような、山のようなものが写っていたら、
それは結構な確率で、「大島だ」と、
地元の人がそれを語るとき、
あふれださんばかりの愛情を持って語る
あの「大島」のことなんだな、と、
思ってもらったらいいなと思います。
興味を持ったかたは、地図で
「気仙沼」を探していただくと
ああ、こんなに近くに島があるんだなと
わかっていただけるのではないかと思います。

最後に「気仙沼のほぼ日」がはじまる少し前に
読者の方からいただいた、メールをご紹介します。
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みなさんは、気仙沼大島へは行かれましたか?
大島は気仙沼から
フェリーで20分の距離にある美しい離島です。
3.11の津波で、全島を引き波が襲った所で、
救助の手が及ばず、米軍の空母が
「ともだち作戦」と銘打ち救助にあたった島です。

また、津波で倒された重油タンクから発火した
気仙沼一帯の大火災の飛び火で
4日間に渡り山火事が続きました。
当時島に残されていた高齢者と子供たちにより、
夜を徹した鎮火作業がつづけられ、
なんとか難を乗り越えたと聞いています。

大島の亀山に鎮座する大島神社にご縁があり、
何度か支援に訪れています。
10日ほど前に3か月ぶりに訪れましたが、
復旧が進まぬ様子でした。

漁業を生業とする島の船は流され、
漁場である海は瓦礫と重油に汚染され、
漁師のみなさんは小さな島で行き場を失っています。

大島の山の急斜面には、
山火事で焼けただれた立木が危なげに残されています。

支援に訪れるたび、
大島神社の小松宮司と奥様が
快く迎えてくださいますが、
とても明るいお人柄のお二人も、
島の明日を思うと・・・と肩を落とされます。
冬が近づくにつれ人の足が遠のき、
離島は取り残されてしまう、と
島のみなさまが不安に駆られているとのことでした。

年末にまた島を訪れ、仮設住宅に住む方々と、
リースやお飾りをつくるワークショップをしたい
と考えています。

機会があったら、ほぼ日の皆様も
大島を訪れてみてください。
(Ayako)
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Ayakoさん、メールをありがとうございました。
ほぼ日のスタッフはだれもまだ、
大島には行ったことがないのですが
近いうちに、ぜひ、行きたいと思っています。

今回は、大島を中心に写真を掲載しています。
気仙沼の事務所の立ち上げのために
足を運んでいた2ヶ月ぐらい前の写真も
入ってますので
最近のものばかりではないのと、
あと、もしかしたら、
気仙沼のことを
まだよくわかっていないわたしが
大島だと思い込んでいる
写真があるかもしれません。

行ったことない人はあらゆる角度からの大島を、
地元の方は、まちがい探しのように
ご覧いただければ、うれしいです。
(そして、ちがっていたらおしえてください。)

気仙沼に行って、おどろいたこと、
他にも、たくさんあるので、つづきは、また。

【11/24追記】
その後、気仙沼出身の方から
メールをいただきまして、
このうち1枚の写真は
確実に大島でないことが判明しました!
正解は、あえてここには載せませんので
気になるかたは、ぜひ行ってみて
自分の目で確かめてみてください。