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勉強サイド

勉強の夏、ゲームの夏。2017

yoko.hasada

42.195キロ

2017/08/25 14:32
「ひとつ、好きな話をしてもいいですか?」

どうぞ、どうぞ。

「メキシコオリンピックで
メダルをとった君原選手が、
42.195キロを思うと
気が遠くなりそうですけど、
辛い時は「次の電信柱まで」と
思うようにしていたそうです。
次の電信柱までって、
かなりリアリティがありますよね。
ひとつひとつ辿り着いたら、
達成できそうな気がします。
勉強もそういうものだと思いますね。」

たしかにそうですね。
それでも勉強が苦手な場合は‥‥。

「好きな領域から
勉強するのがいいと思います!
でも苦手なことよりも、問題なのは、
そういう教えを聞く素直さが
あるかどうかですね。
素直なのは、大切ですよ。」

はい!
yoko.hasada

肯定すること

2017/08/25 14:45
お次は、同業の方からの質問です。

ーーー
塾の先生を初めて約半年です。
宿題をしてこない子がいます。
親に怒られるから、
来ることはくるけど、の生徒たちです。
受験対策の塾でもないし、
さしあたって自分の中に
目的や目標が持てず、
勉強そのものにも
面白さを感じていないのだろうな……と
思います。
人に希望や夢を持たせるって
難しいですね。
やればできる子たちに、
なんとかしてあげたいのですが。
ーーー

これは悩ましい質問ですね。
三浦先生、いかがでしょうか?

「全部宿題をやってこなくても、
3問やってきただけでも
充分立派なことだと思います。
なので、
どうやって褒めるのかが、
一番大事ですよね。」

どうやって褒めるのか、ですか。

「僕もどうやって褒めようか、
いつも一生懸命考えますね。
人に希望や夢をもたせることは
たしかに難しいのだけど、
それは、現実を否定して、
理想を実現しようとするからかもしれないですね。
理想を持つことはいいことですが、
今の現実をちょっと変えること、
それも立派な、理想への歩みです。
結果ばかりに目がいきますが、
人生はプロセスが大切。
自分がちょっと変わることも、
実はとても尊いことだと思います。」

なるほど。
いま、ジーンときました。

「だから、僕ら講師は
そのちょっと変わったところを見逃さずに、
一生懸命褒めるべきだと思います。
何かをする、考えるって、
すごいことじゃないですか。
1問やってきたことを否定しない。
次の日は、3問やってくるかもしれませんよ。
そうやって毎日が積み重なると、
もしかしたらすごいことが起こるかもしれないです。」

そうですね、
肯定していくことは
とても大事なことですね。
なんだか、
うれしい気持ちになりました。
yoko.hasada

お魚を焦がしても、
子どもの問いを聞こう

2017/08/25 14:47
「だから、先生は問われたら、
疑問を持つ、ということを肯定して、
同じ無知な位置に立って、
問いと向き合うことが大切ですよね。

僕の姉が言った言葉で、
お魚を焦がしても子どもの問いを聞き、
正面向いて答えよう、と。
子どもの悩みをつまらないものと
決めつけないで、
問われたら一緒に問う。
そうすると彼らは、
問うことを一生やめません。」

大人だから、子どもだから、
そんなこと関係ないですよね。

「大人は知っている立場に
立ちたがりますけど、
子どもも子どもなりに
答えを持っています。

セミはなんでなくの?と聞かれて、
子どもに聞き返しますよね。
そうすると、わかった、と言う。
お母さん、お母さんって
ないているんだと言うんです。
なぜなら、
自分もお母さん、お母さんと
思ってなくから。
セミと自分を重ねているんです。
科学的には違うかもしれませんが、
とっても美しい考え方だと思います。」

素敵なお話しですね。
みんな自分なりの、
問いと答えを持っているものですね。
yoko.hasada

三浦先生の
座右の銘

2017/08/25 14:50
三浦先生は、
小林秀雄さんも、蓄音機も、
好きでたまらない気持ちが
いつもあふれていますよね。

「漢字学の白川静さんが
おっしゃった、
『狂(きょう)・癡(ち)・愚(ぐ)』
という言葉があります。
狂=なりふり構わず没頭し、
癡=好きなことに溺れ、
愚=動きが鈍い動物のことを
指すのですが、
動きが鈍い分、その空間を、
誰よりも味わえるのだそうです。
僕の座右の銘です。」

はあー。
素敵な言葉ですね。

あの、個人的に聞いてみたいことが、
どうしたら勉強を好きになるのか?
と問われたら、
三浦先生ならどう答えられますか?

「女の子を好きになるように、
勉強を好きになるんだと思います。
目的なんてわからなくて、
なんともいえないものも、
世の中にはあると思います。」

た、たしかに。
そうですね。
yoko.hasada

僕も同じ!

2017/08/25 15:00
最後に、
小学校5年生からの
可愛らしい質問です。

ーーー
私は小学校5年生の女の子です。
いつも勉強や宿題など
やることは頭ではわかっていて、
35分になったらやろうと
決めても、
その時間がくると、
45分になったら、
50分になったら、
と、どんどん先にのびていって
なにもできないまま
1日がおわってしまいます。
どうしたらいいですか?
ーーー

三浦先生、どうですか?

「僕も同じです。」

あははは。
三浦先生もそうですか。
私も同じです。

「いいものを見つけると、
みんな寄り道しちゃいますから。
人生はそういうものですよね。」

なんだか、安心しました。
勉強するって、おもしろいですね。
三浦先生の授業、
とっても遊びに行きたいです!

「ぜひぜひ、来てください!
おもしろいですよー。」

いやあ、
貴重なお時間をいただき
ありがとうございました。

おでんも
「美味しい〜!」と感動いただきました。
またぜひ、いらしてください!
masahiro.tanaka

3人目は、江洋先生です!

2017/08/25 15:00
さて勉強の夏、つづいての先生は
中国の浙江省出身で、
現在、早稲田大学大学院の修士2年生の
江洋(こうよう)先生です。
先生、おねがいします!

「よろしくおねがいします」

江洋先生は、
まさにもうすぐ発売スタートの
「ほぼ日手帳2018」
中国で販売するためのあれこれを
手伝ってくれているひとです。

中国語、日本語、英語の3ヶ国語が話せて、
中国でもいい大学をでているらしい、
という噂を聞きつけて、今回「勉強の夏」に
登場していただくことになりました。

そうなんですよね?
「はい。語学は3ヶ国語ができますね」
(にこにこ)

すごく物腰のやわらかい、
そして仕事の早い、江洋先生です。

それでは江洋先生に聞いたお話を
ご紹介していきますね。
masahiro.tanaka

江洋先生とほぼ日、
そもそものきっかけ。

2017/08/25 15:05
勉強の質問のまえにひとつ教えてください。

江洋先生は、そもそもどういう経緯で
ほぼ日手帳の仕事を
手伝うようになったんでしょう?

「本当にたまたまなんです。
実はほぼ日手帳って、
すでに中国の人たちの間でも有名で、
わたしもすこし前にほぼ日手帳を
使ってみたくなったんですね。
それで、そのときはもう日本で暮らしていたので
『ほぼ日手帳の直営店があるらしい』と聞いて、
TOBICHIにお邪魔したんです。
そうしたら、中国語ができる人を探していた
ほぼ日のさんに声をかけられて、
いろいろ話をしたんです。
その流れで働くことになりました」

うわ、完全に偶然だったんだ。

「そうです。奇跡みたいな感じ(笑)」

いまこんなに全面的に手伝ってもらってるのにね。

「そうなんですよ。
あと、もうひとつびっくりしたのが、
わたしはもともと日本語の勉強として
糸井さんの『ボールのようなことば。』
買って読んでいたんです。
糸井さんが誰なのかは知らなかったのですが、
短い文章なのに、おもしろいから、
語学の勉強にぴったりで。
で、TOBICHIで買ったほぼ日手帳を
パラパラと見ていたら、
巻末に『糸井重里』と入っていて、
『わ、この本の人が作ってたんだ!』って。
そういうことがいろいろあって、
働かせてもらってます(笑)」

なんだか、ほぼ日のことをすごく理解して
ほぼ日手帳の中国語版の仕事をしてくれているから、
とても助かっているんですが、
それが、偶然の出会いからはじまっているとは‥‥。

「なんだかふしぎな偶然ばっかりなんです」

おもしろいですね。
‥‥では、本題の勉強について、
いろいろと質問させていただきますね。
masahiro.tanaka

江洋先生の経歴と、いまやっていること。

2017/08/25 15:10
ではまずはかんたんに、
江洋先生の経歴を教えてください。

「わたしは上海よりすこし南にある
浙江省の出身で、高校まではそこにいました。
それから中国の江南大学に大学し、
日本語を専攻したんです。
日本語は大学に入ってからはじめました」

江洋先生は完全に日本語がぺらぺらですが、
勉強をはじめたのは大学入ってからなんですね。

「そうですね、まだまだ勉強中ですけれども。
あと、わたしは大学3年生のときに1年間、
岐阜大学に留学したんです。
そのおかげもあると思います」

そして、大学院から日本在住?

「はい、早稲田大学の大学院に進学が決まり、
日本に引っ越してきました。
東京に暮らして1年半ですね」

大学院ではどんなことを
専攻しているんでしょう? 日本語?

「専攻は言語学と教育学で、
日本語と中国語の作文の違いについて
研究しています。
ただ、その論文は英語で書いています」

日本語と中国語の違いについての研究をし、
英語で論文を書いている。

「はい、大学4年間で
まったく英語をやらなかったので、
英語を忘れないようにと思って
そういう環境に身をおくことにしました」

ほーーーー。
江洋先生は語学が
けっこう好き、ということでしょうか。

「好きですね。おもしろいです。
高校のときの得意科目は、英語と歴史でした。
語学と文化が好きなんです」

なるほど。
masahiro.tanaka

江洋先生と受験勉強。

2017/08/25 15:15
あの、こんなことを聞くのもなんですが、
江洋先生の通っていた江南大学というのは、
やっぱりいい大学なのでしょうか。

「そうですね‥‥中国国内の大学ランキングだと
40番以内には入っています。
なかなかいい大学だとは思います。

政府が1995年に100の大学に
重点的に投資をしていくことを決めた
『211工程』というのがあるのですが、
その100の大学の中には入っています。

まあ、さらに厳選された
トップ中のトップの大学だけが
選ばれた『985工程』というものもあって、
そこには入っていないのですが」

ちなみに中国の大学受験者数って
毎年どのくらいなんでしょう?

「900万人以上です」

きゅ、900万人‥‥。
ほーー、知らないことばかりで
おもしろいです。

「ただ、わたしはとにかく
勉強ばかりしてきたタイプではなくて、
けっこうのんびりしていて」

はい、のんびりしてて(笑)。

「高校1、2年のときには
学生委員会をやったり、合唱団に入ったり、
勉強以外のことばかりやっていました。
ちゃんと受験勉強をしたのは
高校3年生になってからです」

そうなんだ、じゃあ高校2年生までは
そんなに勉強してなかった?

「そうですね、先生とかからよく
勉強しろと言われてましたけど、
合唱団をすごくやっていたから
『別にいいじゃん』と思ってて。

ただ当時は反抗期で、先生から
勉強しろと言われるのがいやで、
あるとき、徹夜とかをして、
ものすごく勉強したことがありますね。
そうしたら、実際に成績があがって
何も言われなくなりました。
そういうことはありました」

反抗期で、先生をだまらせるために
猛勉強‥‥かっこいいです。
そして高校3年生からは?

「あるていど、努力しました」

江洋先生、言い方は控えめながら、
真剣に勉強した感じが伝わってきます。
masahiro.tanaka

中国における大学受験の話。

2017/08/25 15:25
中国における受験って、
日本の受験とは違うものでしょうか?

「そうですね、中国の大学って全部国立で、
日本のように各大学ごとの試験はなくて、
全国共通の試験1回だけで
行けるところが決まるんです。
どれだけ勉強した人も1回で人生が決まる。
そういう厳しさはあると思います」

そのときは、浪人する人もいるの?

「超トップクラスの北京大学などに
行きたいような人とかは、
浪人する人もけっこういますね。
そのあたりは日本と一緒かもしれません」

ふむふむ。

「あと中国と日本の違いとしては、
中国の高校では、受験に関係ないことは
まったくやらないんです。
どの高校も、その試験で良い点をとるための
カリキュラムばかりやるんです。
進学校だと特にそうです。
日本ほど部活動とかをやったりしません」

なんだか、日本の環境よりも
ずっと厳しそうですね。

「もしかしたらそうかもしれません。
そういう環境もあってか、中国の大学生たちは、
総じて真面目という気がします。
日本の学生は、とくに学部生などだと
遊びまくる人もいますけど、
中国の学生たちは、みんなけっこう
しっかり勉強している印象があります。
プレゼンテーションをするときに、
中国の人は文字量が多いんです(笑)。
遅刻もあんまりしないですし」

それは、大学の勉強が就職のときに
けっこう影響するということでもある?

「影響しますね。それもあると思います」

ほーーー、面白いです。

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