昨年、一昨年とたいへん好評いただいたので、
ことしもやります、年末年始の恒例企画、
「私のほぼ日プレイリスト」。
ほぼ日刊イトイ新聞の膨大なアーカイブの中から、
「音楽のプレイリスト」をつくるみたいに、
おすすめコンテンツを選んでしまうこの企画、
今回の選者は、ほぼ日刊イトイ新聞の読みものを
編集している、10人の書き手の乗組員です。
ということで、3年目のテーマは「自薦」!!
24年のほぼ日ヒストリーの中から、自ら担当した、
とっておきのコンテンツをたっぷりご紹介します。
12/26(月)から1/5(木)まで11日間の毎日更新。
この年末年始に、どうぞおたのしみください。

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8 武井義明のプレイリスト 2023-01-02-MON

鼠穴から青山経由、神田錦町まで

こんにちは、ほぼ日の武井義明です。
あけましておめでとうございます!
きょうはぼくの「ほぼ日プレイリスト」をごらんください。

ぼくはもともと紙媒体の編集者だったんですが、
縁あって1999年4月に「ほぼ日」に来ました。
あれから‥‥えっ、23年と8か月?!
そんなになるのかぁ。
思い起こせば最初の仕事は
「日々の更新の校正(誤字脱字修正)」でした。
そのうちいくつかのコンテンツを先輩乗組員から引き継いで
担当するようになりましたっけ。

当時の社名は「有限会社糸井重里事務所」、
東麻布の4階建ての一軒家を「鼠穴」(ねずあな)と呼び、
毎日合宿するみたいにしてコンテンツをつくってました。
でも創刊のために糸井さんが準備していた企画
(たっぷりあったんですよ!)も
だんだん尽きてきてしまい、
明日更新するコンテンツがないぞ!
どーする? おれたち?!」と気づいて、
緊急企画会議をひらいたりも、したっけなあ。

それからたくさんのコンテンツをつくってきましたが、
どれもこれも思い出深いものばかりです。
ではまいりましょう!

 

「第1回 ほぼ日マンガ大賞」で、大賞を受賞した
たかしまてつをさんによる4コママンガの連載です。
ある春の日、「アタシ、変わるわ!」と、
みずから「ブタ子」から「ブタフィーヌ」へと改名した
乙女(ブタじゃないのよ!)が主人公。
彼女と同居する「おじさん」との暮らしは、
やがて、いろいろな人をまきこみ、
夢の中のもうひとつの国の冒険譚や、
現実世界でのおじさんの恋物語、
それから「いまの暮らしになるまで」の、
壮大なストーリーもつまびらかになり‥‥と、
実に大河ドラマのような壮大な物語、
あるいは少年ドラマシリーズのような不思議が
展開されてゆくのです。
じつに2000話! いまも読めますから、ぜひ。

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音楽系コンテンツいろいろ

 

 

矢野顕子について、坂本龍一くんと話そう。

大瀧詠一さんと、トリロー先生の話を。

細野さん、慶一さんと、トリロー先生の話を。

大村憲司を知ってるかい?

中島みゆきさん、おひさしぶり。

5人のBeautiful Songs

ボサノバをつくった男。

いろんな人が出てるでしょ? すごいんだよー。
「ほぼ日」にはいっぱいある音楽系のコンテンツから、
いくつかあげてみました。
「トリロー先生」こと
三木鶏郎さんについて語るシリーズは、
トリロー先生のお弟子さんでもあった
CM音楽プロデューサーの
故・大森昭男さんがキーパーソンでした。
大森さんについてはこちらのコンテンツもどうぞ。

https://www.1101.com/cm_ongaku/

 

読者のみなさんの「自炊のレシピと知恵」をあつめ、
壮大な自炊のアーカイブをつくろうというコンテンツ。
自称99歳の「自炊老人」が場を仕切り、
テーマにそってじゃんじゃん届くメールを
毎日のように紹介していきました。
初回シリーズはパスタ。なぜなら「安いから」。
連載がつづき、レシピがだいぶあつまったところで、
どこか出版してくれませんか? と問いかけたら、
角川書店さんが手を挙げてくださって、
リリー・フランキーさんとのコンビで単行本化されました。
のちに2冊の文庫本にもなりましたよ。
レシピって、古びないから、
いままさに「何つくろうかなぁ」というかた、
読んでみてね。

 

イラストレーターの矢吹申彦さんのことは、
森山直太郎さんのCDジャケットで知っているというかたも
いらっしゃるんじゃないかな。
「ほぼ日」では「伊丹十三特集」でご登場いただきました。
ご自宅にお邪魔して「芋たこ」をごちそうになったんです。
そのお家も、すばらしく素敵で、
「まんなか、どうやって拭くんだろう」というくらい
巨大なテーブルを囲んで、ゆっくりお話をききました。
矢吹さんは2022年10月にご逝去。
またお会いしたかったな。

 

ジャックラッセルテリアのルーシーが
3びきの子犬(ニコ・サンコ・ヨンコ)を育て、
みんなが巣立っていくまでのものがたりを、
著者イワサキユキオさんが撮り続けた写真と
キャプションで構成した、紙芝居のようなコンテンツです。
「ニコ」がもらわれていったのは、糸井家。
のちに「ブイヨン」として活躍するあのこです。
ウェブ版一気読みはこちらからどうぞ。

https://www.1101.com/say_hello/pre/pre_01.html

 

こちらも「写真とキャプション」で構成したコンテンツ。
映画「めがね」の公開時、
そのなかの料理をつくっているのが
「かもめ食堂」の人だと知って、
その人に会いたい! と、取材を申込んだのです。
それが、フードスタイリストの飯島奈美さんでした。
「飯島さんのごはんが食べたい」という、
公私混同きわまれりない発想ではじまった
コンテンツだったのですけれど、
食べてよかったですよ!
だって飯島さんの料理にノックアウトされたところから
いまの「ほぼ日」での飯島さんの大活躍があるんですから。
このとき感動した「おにぎり」は、
「ほぼ日の學校」でムービーでごらんいただけますから、
そちらもぜひ!

https://school.1101.com/lecture/4

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これで「沼」に入りました。

 

 

写真がもっと好きになる。

写真で深呼吸。

写真についてのコンテンツも「ほぼ日」にはいっぱい。
「写真がもっと好きになる。」は
写真家・菅原一剛さんの「写真」についての連載です。
写真を撮るってどういうことなのか、
また、写真を見るってどういうことなのか、
ていねいに綴ってくださったシリーズ。
ぼくはこの連載を通じて菅原さんに写真を教わって、
いまやすっかり写真が趣味になりました。
そして、毎日1枚、写真を掲載しつづけてくださったのが
仁礼博さんの「写真で深呼吸。」です。
「生活」が「写真」と紐付いている仁礼さんの写真、
葉山から糸島への移住生活のようすを知るのも楽しかった。
音楽ライブの撮影でも有名な仁礼さんなので、
意外なミュージシャンもたくさん登場しているんですよ。

 

これも「写真とキャプション」のコンテンツ。
ヘルシンキ在住のムーミン研究家・森下圭子さん、
パリ在住の写真家・松井康一郎さんといっしょに
フィンランドの夏と冬に「かっこいいおじさん」を
探して旅をしたようすです。

 

同居していた同性の恋人「つねさん」が、ある日、急逝。
「ジョージさん」がその事実をうけとめるまでの
一連の出来事と気持ちを綴ったエッセイです。
そもそもは、冒頭で話した「最初の企画会議」でうまれ、
2000年に始まったコンテンツが
「新宿二丁目のほがらかな人々。」で、
ジョージさん、つねさん、ノリスケさんの
尽きないかと思われたおしゃべりは
2016年まで続き、いったん中締めになっておりました。
その途中で「わたしのデパート!」など
いろんなスピンオフ企画もうまれたんですが、
3人のおしゃべりは中断したまま。
「またなにかトピックがあったら、
おしゃべりしてくれる日が来るかも?」
なんて担当編集としては思っていたんですが、
かなわぬ夢となりました。

 

単行本『ほぼ日刊イトイ新聞の謎。』をつくるのに
年表を書き起こしたのをきっかけに、
毎年、創刊記念日に「この1年」をふりかえる年表を
つくって発表するようになりました。
でも、年々、トピックが増え、この年表づくりが
たいへんな時間を要するようになり、あきらめました。
最初は1日でつくれてたんですよ。
それが3日かかり、5日かかるようになって、
「こりゃ‥‥ほかの仕事に支障がでる」と。
それだけ「できること」が増えたんですね。いいことだ!
なのでここで紹介するには
非常に中途半端なコンテンツではあるんですが、
創刊から13年間の足跡、
「こけつまろびつ」な大騒ぎの様子をどうぞ。
‥‥ということで、選び切れないまま選びました。
お時間のあるときに、どうぞ。

2023-01-02-MON

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