ほぼ日の20年以上蓄積された読み物のなかから、
いろんな人にいろんな切り口で
「音楽のプレイリスト」をつくるみたいに、
おすすめのコンテンツを選んでしまう企画です。
去年の年末にはじめてやってみたところ、
たいへん好評だったので、今年もいろんな人に
お願いしてつくってもらいましたよー。
12人の方がつくった「ほぼ日のプレイリスト」、
年末年始にのんびりおたのしみくださいー。

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3.中前結花さんのプレイリスト

2021年、さみしい時に肩を抱くように
寄り添ってくれたコンテンツ

 >中前結花さんプロフィール

「はじめまして」の人も「ご無沙汰しています」の人も、
こんにちは。
「ほぼ日」では、何本かエッセイを書かせてもらったり
していて、もしかすると覚えてくださっている方が
いるかもしれません。(いると、うれしいなあ)

突然ですが、わたしは「12月」のファンです。
ソワソワとしたり、しんみりしたり。
どきどきしたり、振り返って悔しくなったり。
なんだかとにかく胸が忙しくありませんか。
年末といえば、3年前に
ペットボトルキャップとわたし。
というエッセイを、書かせてもらったときも
公開されてたくさんのご感想をいただいているときも
とにかく胸が、忙しなくハラハラとしていました。
わたしはそんな12月が、大好きなのです。

けれど、去年、そしてこの年末は、
いつものそれとはまた、
ちょっと違うもののように感じています。
この2年、きっと誰もが特別な月日を過ごしました。
悲しいこと、思い通りにいかないこと、
会えずにいるままの人。
それでも一生懸命頑張ってる人に胸を強く打たれたり。

そんなここ2年の中で、
さみしいなあ、不甲斐ないなあ、と胸がぎゅっと苦しいとき
肩を抱いてくれるように寄り添ってくれたコンテンツを
選びたいと思いました。

良かったら、読んでみてください。
みなさんも、あったかくして年末を過ごしてくださいね。


70歳、初めての手帳にある夢と
いつかの夢のこと。

ひとり部屋で過ごす時間が長くなって、
わたしがいちばんに感じたのは、
「どんなに頑張った日も、さぼった日も誰も見ていない。
わたしが覚えていなければ、もしかすると今日という日は
なかったことになるかもしれない」
という大きな不安でした。
だけど「書くこと」はそんな不安を紛らわせてくれます。
「日記」って本当にいいものだな、
と改めて思わせてくれたこの記事を
もう1度読み返したくなりました。


ほぼ日の塾 発表の広場
ぼくの幼馴染

わたしも、この記事を書かれた方と同じように
「ほぼ日の塾」を卒業しているのですが、
残念ながら、この那須野さんのことは直接存じ上げません。
以前にも「素敵なお話だなあ」と読ませてもらって
いたのですが、今年突然にまた思い出したのです。
友だちや大切な人たちと
会えない時間、別々の毎日を生きているということを
なんだかすごく不安に思ったとき、
会えることも大切だけど
「会えない時間が変えてくれること」
「次に会えたときにどんな関係になりたいか」
それも同じぐらい大切なものだよなあ、と
思わせてくれるラブレターのような読みものでした。


自分に言い聞かせたい
おちつけ のことば。

“「おちつけ」は自分が自分に言っていることで、
他者のないことばなんだなと、
ぼくの中で解釈しなおしたんです。”
という糸井さんのことばがとても印象的です。
実は今年この「おちつけ」と書かれた掛け軸を買って、
わたしも部屋に飾るようになったんです。
普段、周りの人からはずいぶん「のんびり屋」だと
言われるのですが、心の中はいつも大忙しで、
この言葉がお薬です。
「ちょっと、落ち着いてみよう」
壁にかけられた掛け軸を見つめながら、
心をぐっと沈めて、
「さて、本当のわたしはどう思ってるんだ?」
近ごろはそんなふうに考えてみるようにしています。


marikomikuni」Story&Snap
「新しい発見が、うれしい。」
吉田真子さん

実はこの記事の、取材と執筆は今年わたし自身が
ご縁あって担当させてもらったものです。
吉田真子さんという女性に出会って感じたことは、
「これが、健康ということなんだろう」
ということです。
はじめて会うわたしにもマスク越しにわかるほど、
丁寧に微笑みながら挨拶してくださって、
やるべきことも、やりたいことも存分に
楽しんでらっしゃることがひと目でわかりました。
「このスカートって、何色と言うんでしょうねえ」
とわたしがつぶやくと、
「うーん、空色!!」
と答えてくださって、よくその「空色!!」の声を
いいお天気の日に思い出してとても気分が良くなります。
わたしもこんな女性になれたらいいな。


観たぞ、東京オリンピック!
「はじまりのごあいさつ。」

友人におしえてもらい、何度も何度も読みました。
世の中がこんな状況になってから、
「賛成派」「反対派」という言葉や、
何かを責めたり、誰かが責められていたり……
というのを本当によく目にするようになりました。
けれど、わたしは「ずるい」のです。
誰と話していても、「どちらの気持ちもわかるなあ」ばかり
言っているように思います。
そして、それはきっとどちらの気持ちも本当は
何ひとつわかっていないのだとも思います。
そんな自分やそんなことを考える状況が辛いなあ、
というとき、このコンテンツの「ごあいさつ」を読んで、
じんわりと目が濡れて涙がたまりました。

わたしは頑張っている人が好きです。


2019年2月26日の「今日のダーリン」

糸井さんが、休まず毎日書いておられる
「今日のダーリン」ですが、このコンテンツは前日までしか
さかのぼって読むことはできません。
たった2日間しか読めなくて、
この記事ももうどこからも読めないのですが、
わたしはこの日の記事にずっと励まし続けられています。

稚拙な要約をしてしまっては、本当は台無しなのですが、
2019年2月26日の「今日のダーリン」には、
・人間ほど成長の遅いどうぶつはいない
・だけど、1日単位でも成長していて
・みんな成長の途中で、急ごしらえしなくても大丈夫
大まかには、そんなことが書かれています。
その言葉と、それからそれを当時
「本当だねえ」
「気づいてなかったことがあるかもねえ」
と、大好きだった人と話した思い出が、
わたしもいつもちょっとあたたかくしてくれます。
だから、やっぱり今日もわたしは欠かさず
「今日のダーリン」を読んでいます。

今年のわたしはいまいちだったかもしれないけれど、
来年は、わたしの1年もみんなの1年も
うんといい年になるといいなと願っています。

2021-12-27-MON

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