私は4ヶ月前に、転職のため愛媛から東京へ引っ越した。
この柄、「柑橘がさね」は愛媛の職場でお世話になった
手ぬぐい好きの【パートさん】へ贈ることにした。
私が退職する日に「赤い豆絞り」の手ぬぐいをくれた人だ。
手ぬぐいと一緒にこんな手紙を添えてみた。
【手紙:私→パートさん @愛媛】
パートさんへ
お久しぶりです。お元気ですか?
私は新しい職場にも慣れて、なんとかやっています。そして突然ですが、手ぬぐいを贈ります。
私が退職するとき、パートさんに手ぬぐいをいただいたのが
とても嬉しかったので、次は私から贈りたいと思いました。この柑橘柄、たまたまお店で見つけて、
パートさんの顔が浮かびました。愛媛には柑橘柄のお土産品がそこらじゅうにあるから、
すでに見飽きちゃったかもしれませんが、
やっぱりこの柄を見ると、愛媛のみんなを思い出します。
あと、東京のスーパーで柑橘を見つけると、
つい産地が気になって、愛媛県産だと嬉しくなるんです。そんな私からの「愛媛がちょっと恋しいなぁ」の気持ちを
込めて、この柄を贈らせてください。柑橘の「きつ」には「吉」という意味合いがあるそうです。
柑橘が何枚にも重なった「柑橘がさね」は、柑橘を
波柄に合わせて「良いことが続きますように」という
意味なんですって!良いことが起こるといいなぁ。絵柄に一目惚れするのも良いけど、
意味合いを知るとまた、見方が変わって面白いですよね。私にとって手ぬぐいは、大好きな人の顔が浮かぶ
お守りのような存在だなぁとつくづく思います。それで、もし、よかったら、パートさんにとって
「手ぬぐいとはどんな存在か」教えてもらえないでしょうか?こちらから勝手にお贈りしておいて、厚かましいのですが。
自分の手ぬぐい愛を見直していると、ほかの方の
手ぬぐい愛について、知りたくなってしまって…!手ぬぐい、使ってもらえると嬉しいです。
そう、こちらから勝手に贈っておいて、
厚かましいとは思った。それでも、
「あなたにとって手ぬぐいとは」を
3人、全員に聞いてみたかった。
すると、みんな素敵な返事をくれて、
このやりとりがここに載ることも、快く承諾してくれた。
【手紙:パートさん→私】
ポンちゃん(と呼ばれている)手ぬぐい、届きました。
暖かな陽だまり色の柑橘柄、嬉しかったです。
お手紙もありがとうございます。「良いことが続きますように」
この柄に込められた意味と、
私のために選んでくれた気持ちに
じわじわと心が暖かくなります。そして、「私にとって手ぬぐいとは」
なんだろうな。手ぬぐいはずっと好きで、今でも集めています。
最近ではいろんな場所で売っているのを見るけど、
色々買うのではなくて、お出かけや旅の記念に、
その町やできごとに縁のあるものを買おうと決めています。こうして文字にしてみると、
私にとって手ぬぐいは「縁」だなぁと思います。
ポンちゃんと、こうしてやりとりができることも
縁だと思う。それが一番嬉しい手ぬぐいの縁です。柑橘柄の手ぬぐい、使い始めは、
私の「ハレノ日」にしょうかな。
みかん色が淡くなるまで、大切に使います。
ありがとう。
「縁」という言葉にどきっとした。
そして、本当にそうだなと思った。
ほぼ日の塾で「手ぬぐい」のエッセイを書かなければ、
パートさんへ、こうして
手紙を書くこともなかったかもしれない。
あの時、プレゼントしてもらった手ぬぐいが、
私たちを繋いでくれた。そして、
私から贈った手ぬぐいもまた
これからの私たちを繋いでくれるような気がした。
手ぬぐいとは「縁」
(つづきます)
