伴野さんは酒が弱い下戸なのに、
酒豪の高嶋さんとはいつも飲みにいきたいと
心のなかで思いつづけていることを、
今回の取材でこっそり告白してくれました。
さっそく高嶋さんに伝えたところ、
「じゃあ、こっちに来ちゃいなよ!」
というわけで、急遽、
対談の場を設けることにしました。
舞台は高嶋さんのホームである
静岡県沼津市の飲み屋街。
久々に酒を酌み交わすというふたりに、
いろんなことをざっくばらんに
語り合ってもらいました。
飲む人になっても、
酒づくりへの想いは熱く濃く。
今回の対談で発覚したそれぞれのキャラと、
ふたりの凸凹コンビっぷりにもご注目ください。
ちょっと笑えます。
(まずは大通りをプラプラ歩いている)
- 高嶋
-
お! お世話になっている松浦酒店さんが
今日は角打ちをやってる。
まずはここで軽くビール飲もっか。
- 伴野
-
うん、いいよ。
ちょっとずつしか飲めないけど(笑)
お兄ちゃんと
(伴野さんは大学時代から高嶋さんをこう呼んでいる)
飲むのしばらくぶりだね。
- 高嶋
-
そうかもしれないね。
まずは沼津のベアードビールから
はじめますか。
カンパイ!
- 伴野
-
カンパイ!
(おそるおそる口をつける)
いや〜沼津ってはじめて来たけど、
都会だね。
- 高嶋
-
え? はじめて来たんだ。
そうか。こっちで会ったことなかったね。
沼津はいい飲み屋がたくさんあって、
楽しいよ。
- 伴野
-
いいよね。
お兄ちゃんて
いつも楽しそうだもんな〜。
- 高嶋
-
なんだよ(笑)
伴野くんは楽しくないの。
- 伴野
-
う〜ん。楽しいのかなあ。
よくわかなんないよ。
今年の酒はどうだったの?
- 高嶋
-
いつもと変わんないよ。
うちはさ、つくりたい方向性っていうのが
はっきり決まっちゃっているから、
あとは、
どれだけ辛くきれいな酒がつくれるのか、
毎年ブラッシュアップしているところ。
そっちはどうなの。
- 伴野
-
どんどんよくはなっていると思う。
でも、なんかな〜もっとこう。
うまくいえないんだけれど。
- 高嶋
-
真面目にいい酒つくってるんだから、
いいじゃないのそれで。
- 伴野
-
キラキラしてないんだよね。
もっとキラキラした酒がつくりたい。
- 高嶋
-
なにいってんの、もう酔ってる?(笑)
伴野くんの真面目な性格から、
都会のきらびやかな女みたいな
キラキラ感は出てこないでしょ。
- 伴野
-
そういうキラキラじゃないんだ。
透明感があって、
わ〜って感じ。
うちの酒はもっとキラキラするはずなのに、
自分の問題なのかな・・・。
- 高嶋
-
いいんだって、そのままで。
キラキラがどういうのか
僕にはわからないけど、
だってうちはその真逆の酒だからさ。
- 伴野
-
でも、お兄ちゃんはキャラ立ちしてて、
うらやましいよ。
いつも前のめりでさ。
僕ってぜんぜん自己アピールできないし、
最近はよく影が薄いっていわれるし。
- 高嶋
-
伴野くんもじゅうぶんキャラ立っているよ。
このさ、
及び腰キャラがいいじゃん。
- 伴野
- カッコ悪いよ、それ(笑)
- 高嶋
-
かといって、
がんばってやってますみたいなのを
見せつけるのもイヤじゃん。
変な自己アピールはいらないよ。
- 伴野
- うん。
- 高嶋
-
一番大切なのは、
いい酒つくっているかどうかなんだし、
伴野くんはシーンを意識しすぎだと思うよ。
あ、ビールなくなった。
次に行こう。
- 伴野
- うん、相変わらず飲むの早いね(笑)
(つづく)
