ミリオンセラーの、あとの景色は。

第7回 釣りも、ドラクエも、スーパーマリオも。
- 古賀
- 仕事、辛いです。
- 糸井
- めんどくさいしね。
- 古賀
- (笑)
- 糸井
- 仕事から逃げるために、
『Twitter』が流行っているようなもんですから。

- 一同
- (笑)
- 糸井
- でもさ、
それはやりたくてやってるから、いいんですよ。
苦しくて、辛くて、めんどくさいのも含めて、
楽しくてやっているわけだからさ。
- 古賀
- うん。
まさに、そうです。
- 糸井
- 僕はね、『ほぼ日』を始めたとき、
釣りをするような面白さが、
そこにあったんです。

- 古賀
- 釣りですか?
- 糸井
- はい。
釣りにハマってたときって、
冷静に考えると、もうムチャクチャなんです。
たとえば、早朝から千葉に住んでる友人を、
車で迎えに行って、釣りを終えたら、
最終電車に間に合うように送ってあげて。
そこから家に帰って、また仕事はじめて(笑)。
- 古賀
- ああーー(笑)
ちょっとその感じ、分かる気がします。
- 糸井
- でも、
そういうムチャクチャなことや、
バカらしいことも含めて、楽しかったんです。
そのときの気持ちが、
ちょっと形は変えているけれど、
実は今の仕事の面白さに、
似ているんじゃないかな。
- 古賀
- …うん、すごく分かります。

- 糸井
- ひとつひとつの仕事については、
ずぅっと「ああ、嫌だ嫌だ」って、
言い続けてるんだけどね(笑)
- 古賀
- (笑)
でも、僕もたとえば、
仮に三連休で休んでいるとしても、
やっぱりもう1日半ぐらいで、
仕事のことを考えちゃって。
- 糸井
- 考えるだろうなぁ。
- 古賀
- でもそれは、
ワーカホリックなのかっていうと、
ちょっと違っていて。
- 糸井
- そう、違うの。
ワーカホリックとは、違う。

- 古賀
- なんていうか… 子どもの頃に、
ドラクエやスーパーマリオにハマっていた感じと、
あまり変わらない気がするんです。
- 糸井
- そういうことだよね。
- 古賀
- ドラクエの世界でも、
面白さと辛さが、両方あって。
早く竜王のいる場所に行きたくても、
目の前には、
スライムと戦う日々が続くわけであって。
- 糸井
- ドラキーとかね(笑)
- 古賀
- そうです、そうです(笑)
だから、目の前で片付けなくちゃいけない
問題や敵のひとつひとつは、
めんどくさくて、辛いんです。
でもそこを、クリアするために動いてく。

- 糸井
- それでそのあと、
大きな喜びが待っているかというと…
- 古賀
- それもそれでまた、
最後まで、分からないんですけどね(笑)
- 糸井
- (笑)
- 古賀
- それでも、目の前にある問題は、
解かずにはいられないというか。
それも含めて、そのゲームの楽しさですし。
仕事に関しても、そういう感覚に
近いのかもしれません。