- 古賀
- ぼく、ミリオンセラーというのを初めて経験して
ひとつわかったのは、
『嫌われる勇気』という本のこととか、
その本がミリオンセラーになったこととか、
みんな全然知らないんですよ。
ミリオンセラーって、
経験してみる前はもっと、
あまねく人たちのところに届くものだと
思っていたのですが。 - 糸井
- ミリオンセラーだ、ミリオンセラーだ、
って大騒ぎされるからね。 - 古賀
- なのに、みんな全然知らないし、
誰にも届いていないんだなって。 - 糸井
- それでも、100万部という数字の持つ
信用度や発言権がありますから、
次のボールを打つときにそれが掛け算されることで
打ちやすくなりますよね。
ぼくはいつだって一山当てたいです。
ラクになりたくて仕事しているわけだから。 - 古賀
- それ、よくおっしゃってますよね。
- 糸井
- 仕事が苦しくてしょうがないんですよ。
面倒くさいし。 - 古賀
- 『ほぼ日』を始められた頃に、
「働くのが流行っている」と
書かれていましたが、
当時と今とは、仕事に対する感覚は違いますか？
- 糸井
-
あの頃も、我慢はしていたんだと思います。
釣りって、前日に一緒に行く友達の分まで
釣りのセットを用意して、
糸を巻き直して使えるようにして、
車を運転して迎えに行くんですよ。
これって、たいへんなことですよね。
たいへんなことを我慢してやっている。
でも、それをやりたくて、
楽しくてやっているわけだから、
いいんですよ。それと同じで、『ほぼ日』を始めたとき、
釣りをするときのように面白いと思ったんですよ。
まだ、『ほぼ日』という名前もない頃から、
これは面白いぞ、と思っていた。
それこそ、千葉に住んでいたやつを
終電に間に合うように車で送っていって、
帰ってまた仕事して、
とか、そういうことが楽しかったんですよね。
- 糸井
- 形を変えながらも、
今でも似たようなことを思っています。
今も昔もずっと、仕事ひとつひとつについては、
ああ～～～嫌だ嫌だ、ですよ（笑）。
- 古賀
- ははははは。まあ、そうですよね。
ぼくも、本を書くの、嫌です（笑）。
- 一同
- （笑）。
- 古賀
- 楽しくないです。
- 糸井
- 楽しくないですよね。
- 古賀
- うん、楽しくないです、本当は（笑）。辛いです。
- 糸井
- 辛いですよね。
仕事から逃げるために
Twitterが流行っているんだから。
- 糸井
- あの、さっきからついつい、
ぼくばかり喋っていますけど、
永田さん、大丈夫なんでしょうかね。 - 永田
- 大丈夫です。いい感じ。
- 糸井
- そうなんですか。
締めますか。
でも、「仕事嫌いなんだよね」で終わるのもね。 - 古賀
- （笑）。