おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson953
やらない掛け算

「ひと月980円か、お手軽だな。
いや待て待て、年間にすると、
980×12=11760円、ばかにならない。
だったらそのお金で、これも買えるし、あれもできる…」
で、結局やらない。

「やらない掛け算」を、よくするようになった。

計算してスパッと答えが出たはずなのに、
どうしてだろう、スッキリしない。

やらない掛け算は、私には似合ってないのではないか?

少し前、

東大に娘さんを合格させた御母様が、
テレビで秘訣を語っておられた。
毎日、娘さんと一緒に風呂に入り、
娘さんの髪を洗ってあげ、ドライヤーで乾かしてあげたそうだ。
受験が済むまでずっと。

「髪を洗って乾かすのに毎日80分。
毎日80分かかっていたら、合格しない。」

そうおっしゃる御母様が、かっこよくて、考え方が光って。
事実、娘さんはその80分を、毎日勉強にあてて
合格したのだし、私は感化されていた。

その日から困ったことが1つ起きた。

ロングヘアの私は、
髪を洗ったり乾かしたりにかかる時間に
罪悪感を持つようになった。

さらに先日とうとう身近な人が、
長い髪をバッサリ、切ってしまった。

「1日80分、1週間で560分、
年間にすると、なんとまるまる20日分も、
風呂に入って髪を洗い乾かしてる計算になる」
と、その目はまっすぐ自分に注がれた。
ズーニーさんもバッサリ切れば楽よ、と。

忙しいのに私、毎日毎日そんな無駄をしていていいのか?

掛け算の数字は、あまりに強く、正しく、負けそうになった。
ここ十年以上よぎりもしなかった、髪を切ろう、
という考えが、リアルに浮かんできた、そのとき、

「未来に逃げてはいけない。」

学生に教えてもらった言葉が、はっきりと浮かんできた。
例えば、老後が不安だから貯蓄しなければ、という理由で、
いまやりたいことから目をそらし、逃げてはいけないと。

いま、は今だ。

どんなことだって、月にすれば、年間に換算すれば、
スゴイ量になる。

けど、それって、年間総量みたいなもので、
いまを犠牲にしてないだろうか?

好きな人に会いに行く人は、1日30分でも喜んで、
それが年間にするとバカにならない総量になるから
会わないなんて考えないものだ。

私も、長い髪を洗い乾かすのもルンルンで、
時間を計ろうなんて思いもしなかった。

ずっと長い髪に憧れていた。でも、
幼い頃は、給湯やシャワーの設備がないために、
おとなになってからは、くせ毛のせいでのばせなかった。
ずっと長い髪に憧れてきた。
やっと、設備も美容技術も追いついて叶った。

長い髪は、私の自己表現だ。

そうか、あの親子がかっこよかったのは、
東大にどうしても入りたい、という目標があって、
そのための掛け算であり、効率化だったからだ。
掛け算して無駄を省くことで、コツコツ夢に近づいていく。
それが、あの親子の自己表現だったのだ。

そして、私にとって、
髪をのばしているという状態そのものが目標。

自分がいいと思う髪型をするために、
何か計算をすることはあっても、逆はない。
ばくぜんと掛け算をし、出てきた大量の数字に
負けてしまってはいけない。

いま、は今だ。

きょう30分とれるかとれないかは、やっぱり、今日だ。

今月の980円はやっぱり、今月だ。

今月の980円は、年間の11760円と一緒にされるが、
やっぱり違う、別物だ。
一緒にする頭も大切だが、別物として見る目も要る。

サブスクリプションの時代、
私が「やらない掛け算」をしている間に、
人々は、「いま」をどんどんつかみに行く。

年間を想って、総量を想って、
やりたいことを手放す掛け算は、
表現をライフワークにする私には、似合わない。
学ぶべきは、いまを生きる子どもの感覚ではないか。

「いま、が変化すれば、未来も変わる」

と、自戒をこめて私は思う。

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「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.com までメールでお送りくださいね。
★仕事のご依頼はここに送らないでください。
山田ズーニーtwitter( @zoonieyamada )へお願いします。
または山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をおたずねください。

 


表現して人とつながる勇気のレッスン!



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河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
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責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。


●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

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*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。


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「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
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題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
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連絡先をお問い合わせのうえで、
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ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
 無料で聴けます

 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。


『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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