おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson948
苦手というバカの壁をつくっていた私へ

先日、パソコンを買いに行った。

これまでの私と、ハッキリ違っていたのは、
「私、機械、苦手なんです」「文系なんです」と
卑怯な予防線をはらなかったことだ。

苦手と言わない。それだけで、見える景色がまるで違う。
もっと早く気づけばよかった、

「苦手というバカの壁」を自分でつくっていた私に。

ことの発端は、ここに書いたコラム「伸びない心」だ。

文章表現教育に携わっている私は、
ほんとうの意味で文章が書けない人など見たことがない。
書く前に、テーマについて丁寧に「考える」ことをすれば、
だれでも書けることを、目の当たりにしている。

事実、おとといの文章表現講座でも、
初心者も含め、受講者全員が、わずか4時間で、
独自の主題を見つけ、心を揺さぶる文章を書き上げた。

にもかかわらず、世の中には、
「私、文章苦手なんで」、「人前で表現するとか絶対ムリ」
と、ろくに向き合いもせずに
避けて通り続ける人がたくさんいる。

もしも、会社で、

5年目になっても、
自分が担当する仕事を、「私、苦手なんで」と、
ろくに向き合いもせず、避けて通り、
先輩や後輩に押しつけ続ける人がいたら、
きっと、みんなあきれるだろう。

私が会社に新入社員で入った時も、
5年目社員といえば、ものすごく仕事ができる
スーパープロフェッショナルに見えた。
5年もたてば、人は成長する。

なのに、文章苦手で避けて通る人は、

5年たっても、10年たっても、20年、50年たっても、
話すのが苦手、書くのが苦手、と言い続ける。

いつになったら、
「さすがに毎日、毎日、言葉はつかっているんで、
もう、ひととおり、話す・書くはできます」
と言うんだろう?

そんな気持ちでコラム「伸びない心」を書いていたら、
私が、私に言った。

「自分だって、苦手と言って逃げてるじゃないか。」

初めて自分用にデスクトップのパソコンを買った日から、
もう20年になる。なのに、私といったら、
いつまで赤ちゃんのように、
「私、機械オンチなんで」「文系なんで」
「PCわかんないんで」
と言い続けるのだろう?

これまでパソコンを買うときはいつも、
機械に詳しい人に頼って、押しつけて、
めんどくさいあれこれを全部決めてもらって買っていた。

なんて醜い。

20年あれば、パソコンの講座だって行ける。
大学だって、大学院だって、分厚い説明書の読破だって、
パソコンを教える先生にだってなれる。

なのに自分は、20年前のまま。

つくづく反省し、今回は独りでパソコンを買う腹を決めた。
事前に説明を読み、わからないことは調べ、予習した。

20年前と違って、ユーチューバーさんが、
パソコンのことを、とても詳しく、わかりやすく、
動画で説明してくれる時代になっていた。

当日、私は「苦手」と言わず、店員さんと向き合った。

すると、店員さんも、ちゃんと一人前に扱ってくれる!
意外だったのは、自分が案外「わかる」ことだ。
すこし難しい説明も、感覚的にぴん!とくる。
さすがに毎日、毎日、つかっているものだ、経験がある。

「たったこれだけ!!!!!?」

拍子抜けした。
パソコンを買うために、私が決めることは、わずかだった。

たったこれだけのことを20年も、逃げて、避けて、
人に依存して、醜くなってきたのか、私?
そんなに恥をかくのが恐かったのか、私?

あの初めてデスクトップを買った20年前こうしていれば、
そこを起点に、つぎつぎ知識も入ってきて、
進化し続けるパソコンへの理解も広がって、
もっと使いこなし、もっと自由で、
もっと楽しかったろうに。

苦手というバカの壁、もう自分で自分につくりたくない。

苦手が近づいてきたら、無理やりにでも
「できるかも」と言ってみる。これは、
学生から教わった「良い“かも”を翔ばす」切り換え方。

「できるかも。私にも案外うまくやれるかも。」

次に、そいつのいいところを探す。
今日一つ、次の日もう一つ、とコツコツ見つけていく。

そしてもう苦手と言わない。

きょうも私は、未知の前にノーガードで立つ。

ノーガードは、新しい風も知識も入ってきて超きもちいい、
と私は思う。

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「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.com までメールでお送りくださいね。
★仕事のご依頼はここに送らないでください。
山田ズーニーtwitter( @zoonieyamada )へお願いします。
または山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をおたずねください。

 


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。


●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。


ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
意志が芽生える。

さらに、

言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
 無料で聴けます

 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。



『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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