おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson946
VS.(バーサス)にならない

VS.(バーサス)にならないように、心がけている、

仕事でも、私生活でも、
コミュニケーションのスタンスとして。

無自覚にVS.のポジションにいると、
自分の正しさで相手に勝とうとしてしまう。

新米の頃は、わたしは、
学生の疑問や反論に、対応するのが苦痛だった。
言葉をつくしても、相手のスッキリ感が無い。

それが、ある時から、うまく進み始めた。

自分でも理由がわからなかったが、

先日、

テレビ番組で、
アナウンサー養成をやっていて、
一触即発、見ているこちらまでギクリ! と
息を飲む場面があった。

「ちがう!」
「いや、そっちこそちがう!」

という感じで、
アナウンサー学校の生徒と、元知事が、
言い合いになったのだ、

インタビューの訓練で。

訓練と言っても、全国放送、本物の元知事、
生徒は、緊張するし、いいとこ見せねばならない。

その生徒は、よく勉強していたのだろう、
元知事との事実認識の食い違いを見つけ、
「それはちがう」とツッコんだ。
でも、元知事だって沽券がある、
「そっちこそちがう」と言い返し、険悪なムードに。

それを見ていた講師のベテランアナウンサーが、
あちゃー、やってしまったな、という顔で、ひと言、

「バーサスになってるわー。」

インタビューする人は、「引き出さなければ」いけない、
元知事から、本心や、視聴者が聴きたがっていることや、
意外な顔や。

なのに、その生徒は、
無自覚に「対決のポジション」についてしまっていた。

自分ではまったく気づかずに、
VS.(バーサス)になっていること、ある。

そうか! 新米の頃うまくいかなかったのはそれだ。

新米の頃って、自信が無い、
学生の質問に答えられるか不安だ。
下手なことを言って、相手に突っ込まれたら、
信頼を失うのでとても恐い。

だから、ガッチガチに理論武装して、
知らぬ間に、対決姿勢になってしまっていた。
これだと、どんなに正しい完璧な回答をしたとて、
相手を自分の正しさで打ち負かそうとすることになり、

負かされた方は、いい気がするわけもなく、
勝った方とて、恨みを買ったり、仕返しされたり。

VS.のポジションに、双方が幸せになる出口はない。

生まれて初めて大学の教壇に立った日から、
たしか、10年目くらいだったかなぁ、
はっきりと、自分の意識が変わっていたことを
自覚した瞬間があった。

いつものように、講義おわりで学生が質問してきたとき、
自分の中から、はっきりと、こんな声がつきあげてきた。

「私で、何か、お役に立てますか?」

その時期にはもう、質問に答えた後、
学生は、スッキリ晴れた顔をするようになっていた。

「こっちが正しい」、「いや、こっちこそ正しい」。

いまでも時々、
身内とごはんを食べる時や、
親しい友達たちと飲み会のような時に、
知らず知らず、バーサスになっていることがある。

せっかくの楽しい席で、どうしてVS.になるんだろう?

いかん、いかん、と気づいて、
自分のポジションを組み替える。
すると楽しい時間になっていく。

VS.(バーサス)ではない。

コミュニケーションのスタンスは、
VS.になってしまっては、
勝っても、負けても、幸せにはならない。

with together 一緒に。

「私で何かお役にたてますか?」

いつもそんなポジションで人に向かう。
学生や生徒には特に。

まず、聴く。

きょう、誰かと向かい合うあなた、

「あなたと相手はどんなポジションにいますか?」

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「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.com までメールでお送りくださいね。
★仕事のご依頼はここに送らないでください。
山田ズーニーtwitter( @zoonieyamada )へお願いします。
または山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をおたずねください。

 


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河出文庫

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他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
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2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。


●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

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*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。


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山田ズーニーワークショップ型実践講座、
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「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
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題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
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連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
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ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
 無料で聴けます

 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。



『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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