おとなの小論文教室。

受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。
ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。
さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson936
読者の声―正直と、自然体と。

愛情が強いからこそ、つい、りきんで、
ケンカになってしまう、ことはありませんか?

私も、盆、母とケンカになってしまった。

たまに里帰りし隙あらば親孝行したい私と、
「高齢で何もしてやれないのが不甲斐なく
隙あらば全力で役に立とう」とする母と。

りきんでいた。

りきんだら自分の表現はできない。

飾ったり、我慢したり、盛ったり、しているうち、
表現はどこか「自分を偽った」ものになる。

偽れば、疲れる。溜まればストレスになる。

家族の前でこそ平常心。正直に、自然体で。

という先週のコラムにお便りが届いた!

<手を抜いてるつもりなのに>

今まさに
いやほんと、今まさに。
子供に爆発してしまったとこです。

毎日毎日、手は抜いてるんですけど
そんなにいいお母さんでもないんですけど
私なりに頑張って、子供は大好きなので
子供のために子供のために。
こんなに頑張ってるのに。

何やってんだ。

それを、わかってって言ってもしかたないのに。
っていうか、子供のためにとかいって
ほんとは自分の満足のためにやってるのに。

それを、押し付けて
子供に気を使わせて

自然でいるときは、
そんなこと思いもせずにできることなのかな。

いいお母さん。
子供のために。

呪縛にとらわれすぎているのかも。

(T.N)

ズーニーです。
「いいお母さんの呪縛」、わかるっー!

私も帰省するとき、
スーツケースよりずっと重い、
「親孝行」の重荷を、
誰からも頼まれてないのに、
勝手に背負って、つぶれそうになってる。

ここから自由にならなければなあ。

<つい言いすぎてしまって>

りきみすぎると失敗する。

私の場合は、思ったことを言葉にしすぎて、
逆に真意を伝えそこねてしまう。

私も故郷を離れての生活で、帰省は年に1回。

帰省中は、
年老いた母と同居している「姉弟二人」との
コミュニケーションを重視しすぎて、
会話が濃密になりすぎ、数年前までは、
ケンカになることも少なくありませんでした。

ある時、
弟と言い合いになってしまった私に、
姉から

『たまにしか会えないのにケンカしないで。
お母さんがかわいそう。』

といさめされ、ハッとしました。
とても申し訳ない気持ちで
心が苦しくなるほど反省しました。

私が帰省しているのは、
母と姉弟に元気な姿を見せるためなのに、

その人たちに、醜悪な姿をみせ、
悪い言葉を投げかけている自分がとても情けなく、
恥ずかしさでいたたまれない気持ちでした。

気持ちを伝えることは、
何10年も生きていても失敗の繰り返しだなぁ。

近頃は、年を重ねたおかげもあり、
少しは加減の要領がわかってきましたが。

(P.N.I)

ズーニーです。
「言い過ぎると真意が伝わらない」、
痛いほどわかるっうー!

私もつい言い過ぎてしまう。
たまにしか会えないから、
会えなかった月日のぶんも、
ここ逃したら当分会えないだろうぶんも、と。

母との仲直りはおもいがけずやってきた。

お盆、実家の台所の照明がつかなかった。

母に聞いてみると、
母はそのことを遠慮して誰にも言えず、
ずっと暗がりのなかで料理をしていたそうだ。

私は、母が不憫で、不憫で、
心のやるせないメーターが振り切れそうだった。

「お盆に、子や孫やたくさん人が来たというのに、
みんな気づかないなんて、誰にも言えないなんて、
ずっと暗がりで料理してたなんて、
母はどんなに心細かったろう‥‥」

自分でも信じられないチカラが出て、

猛暑のなか、遠くにある電気店まで、
母を連れ、バスで、出かけていった。

事前に計画を練った。

母が熱中症にならないよう対策もばっちりした。
母が心から気に入る照明を母自身で選べるようにした。
元が故障しているかもしれないので電気工事から、
照明の取り付け、旧照明の引き取り、
あとにのこる段ボールなどのゴミの始末まで、
高齢の母が一瞬も寂しい想いをしないよう、

一度、文章に書いて考えた。

書いてから行動したので、
自分でも驚くほど、テキパキと動くことができた。

東京に帰ってしばらくして、

「ありがとう!!!!!」

という、もの凄く明るい母の電話がきた。

ひさびさに台所に電気がついた!と。
あまりにもしゃれた照明でウチじゃないようだ!と。

古い和式の釣り下がる蛍光灯の照明が、
LEDの天井にはりつくおしゃれな最新式照明になって、
ぐっと天井が高く、ぐっと部屋が広く、
ぐっとオシャレになったと。

母も嬉しくて、私も嬉しくて、
嬉しい! と嬉しい! で一瞬にして通じ合った。

自分が想ったとおりになった‥‥、

「あっ! それは、書いたから!」

それは、電気屋さんに書いたメモだったけど、
それでも、ちゃんと考えて、
「こうしたい、こうしてほしい、
こうはしないでほしい」を、
過不足なく伝えたメモだった。

工事に来た人もちゃんとそのメモを持っていた。

そうだ、大切な人のことだからこそ、
親孝行という名のエゴに突っ走りがちな私だからこそ、

立ち止まって、考えなければならない。

それには、書くことだ。
どんなにりきんでうわすべってるときでも、
書けば、考えることができる。

「私たちには、
書くという想いをカタチにする装置がある。」

考えて出た言動は、つくづく本意が表れて、
気持ちいいなあ! と私は思う。

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「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.com までメールでお送りくださいね。
★仕事のご依頼はここに送らないでください。
山田ズーニーtwitter( @zoonieyamada )へお願いします。
または山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をおたずねください。

 


表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。


●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=699

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。


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「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
意志が芽生える。

さらに、

言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

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自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
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人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
 無料で聴けます

 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。



『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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