おとなの小論文教室。

感じる・考える・伝わる!
受験のテクニックとして、小論文の書き方を勉強した?
その後は、ナイスなテキストを書いていますか?
考えること伝えることの愉快を、ここで味わいましょう。

ありがたいことに、小論文というものを
考えたり、たのしんだり、たくさん読んできた
カジュアルで優しい先生がいるんです。

さぁ、山田ズーニー先生、お願いしまーす。

Lesson910
 読者の声 ― 先週の「光」について

才能がなくてツラくて辛くて辞めたようなことも、
後から、

楽しかったなあ! 好きだったなあ!

と気づくことがある。

「なぜもっと結果を気にせず純粋に、
行為そのものを楽しめなかったのか?」

そんな先週のコラム「光」に
読者は何を想ったのか、
さっそくおたよりを紹介しよう。

<30年の想い>

18歳から洋服販売をしています。
今、47歳。
気がつくと30年。

服の販売を通して
いろんな方の人生にも触れてきました。

お客様の思いに触れることが一杯あります。

私なりに最良だと思う服と
その人の最良だと思う服への思いを
見つけ出すお手伝いをしてきました。

それは素晴らしいことです。私の天職です。

でも、ほんとのとこ。
私は、本当に服が大好きで

これかわいいよね~!

これの、ここみてみて!
この着心地!
これを、作った人のこの工夫!

この、ステッチ~!!

この、色~!!!

だけで、接客したかったんだなぁ。
と、先週の「光」を読んで思い出しました。

なんか、慣れてしまって忘れてしまっていたものを
思い出したような気がします。

(だるまゆき)

<「どうする」の呪縛>

手芸で、
出来て喜んでいるとき

「それ、作ってどうするの?」

と言われるのが一番嫌だった…。

頂点を極めて人に教えられるほどになるわけもないし、
雑誌に投稿したってのるレベルでもない。

どうするか決めないと作ってはいけないのだろうか?
使えるもの、役に立つものしか
作ってはいけないのだろうか?

ずっと長い間、
この「どうする」の「呪縛」から離れられなかった。

「好き」

という純粋な気持ち。

ああ、これだったんだなって
自分の中で腑に落ちました。

どうもしなくても「好き」でいいんだよね。

(こげぱん)

<夢中で追って来たからこそ>

今年、デザイナーの仕事を辞めます。

仕事として6年、
学生時代も含めると
8年広告デザインのことを考えてきました。

こんな仕事があるんだと知った途端、パッと世界が開け、
そこからもう夢中で、ずっと楽しかったです。
これが私の天職だ! と何度も思いました。

しかし、ある時から全く
楽しく感じなくなってしまいました。

「売れるデザインはこれ」
「流行りはこれ」
「こういう勉強しなきゃダメ」

私の思考の自由が無くなっていく。

ついていけなくなった自分が本当に嫌になりますが、
ここで終わりだと思わず、希望をもって、
私の純粋に楽しめる何かを探します。

(しおの)

<本当に大事なのは>

妻は、学生時代、本気でバレーボールをやり、
何度か全国大会にも出場しました。

周りはすごい実績だと評価するのですが、
本人は「全然自分は大したことない」と言います。

それは、上には上があると身をもって知っているから、
そして、いじめやしごきも受けてきたからです。

ロンドンオリンピックの日本がメダルをとった試合で、

なぜ相手は読まれてるのに
同じ人ばかりにアタックさせてるのか、と聞いたところ、

「負けたことがないから。」

と答えてくれました。

「今までこのパターンで
日本に負けたことがほとんどないから、
劣勢になった時にどうしたらいいか分からない。
そうなるとエースにすがるしか手がなくなるし、
その方法しか考えられなくなる悪循環にはまってる。」

「だからそうならないように、
前もって一度負けとくのが本当は大事。」だと。

そういう痛みをどれだけ経験して
彼女は鍛えられたのだろうと思わされました。

また、近所のママさんバレーに入った時、

「この人たちに勝ちの喜びを伝えたい、
誰も知り合いのいないところで不安だった時、
私を受け入れてくれた人たちだし。
私がこのチームの人たちに出来るのはそれくらいだから。」

と言っていました
人とのかかわり方もバレーを通じて学んだようです。

本当に大事なのは、
真剣に取り組んだ現場で学んだ「価値観」や「態度」です。

そういうものは簡単には揺らがない、
その人の背骨になっている。

ただ、目立たないものだけに、
熾烈な競争の中で、結果がすべてだと思ってしまうと、
見過ごしてしまいます。

だからこそ「外」に、
出て行く必要があるのではないでしょうか。

(たまふろ)

好きなものを追うルートって、
意外にガッチリ決められてることも多い。

たとえば、ある音楽が好きになって
追って行こうとすると、

「ライブに行くならファンクラブに入らないと
チケットとれないよ」となり、

会費を払ってファンクラブに入り、
ライブのチケットを買い、
グッズを買い、
つぎのCDが出て、また買い…と、

好きを追って行くルートが出来上がっていて、
それを支える組織や仕組みがきちんと整っている。

それはとってもありがたいことだ。
なきゃ困る。多くの人に役立ってる尊い仕事だ。

しかし一方で、ただ好きで追っていたはずの人が、

投票でその人を上位にするために、
あるいは握手会に当選するために、
CDをたくさん買い、

いつのまにか競争に巻き込まれ、
消費システムにからめとられ、
お金は無くなり、部屋にはCD・グッズがあふれ、

「自分はこんなふうに好きを追いたかったんだろうか?」

ぽかん、と虚しくなってることもある。

たとえば音楽ひとつ、
自分の想いから起こして、オリジナリティを持って、
追いたいように追えないものだろうか?

きょうの最後にこのおたより、最後の一文がこの人の光だ。

<わたしの光>

私のブログに
「コメントがついた」と、ケータイに通知がきました。

ブログを書き始めて以来、初めてのコメントです。

慌てて開き、読んでみると、
それは少し辛らつな私への批判でした。

「頭が悪い」などと書いてあります。

人からの評価が気になる私のもとに、
決して温かくないコメントが届いてしまいました。

泣くだろうか。

落ち込むだろうか。

コメントを読み終わったとき、
私の心は乱されず、涙も出ず、冷静でした。

なぜ「気にしい」な私が冷静でいられたのでしょうか。

私が大切に書いてきたブログに、
嘘偽りがひとつもないからです。

私の真実を書き留め、
そこには見栄も、脚色も、不必要な謙遜も
なにもありません。

そこだけは譲らず、
自信を持って公開したからこそ、
他人に罵られても動揺しないのだと気付きました。

表せることの喜びをかみしめ、
これからもひとつひとつ、歩んでいきます。

(shizuka)

※2月13日(水)の「おとなの小論文教室。」はお休みです。


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表現して人とつながる勇気のレッスン!



『理解という名の愛がほしい。』
河出文庫

会社を辞めた私がツラかったのは、まわりが
平日の昼間うろうろしている
無職のおばさんと見ることだった。

それまで仕事をがんばって経験を積んできた
他ならぬ私をわかってほしい。

この発想・考え・想い・感性が、
かけがえなく必要とされたい。

理解という名の愛がほしい。

「理解されたいなら、自分を表現しなきゃだめだ。」

やっとそう気づいた私は、
インターネットの大海原で
人生はじめての表現へ漕ぎ出した。


山田ズーニーワークショップ満員御礼!

いったんウェイトリストを締め切ります。

2017年6月開講したワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」
にたくさんのお申込みをありがとうございました。

大好評で即日満席、
2期、3期、4期と増設するも追いつかず、
1年待ちのウェイトリストのみ受け付けておりましたが、
現在までに12期分のお申込みがあり、
2年待ち以上の方が出てくる見込みが強くなりました。

責任を持って対応するため、
ここでいったんウェイトリストを締め切ります。

言葉の表現力をつけたいと
申し込んでくださった方々の想いを大切に
受け入れを進めてまいります。


●この講座に対するすべてのお問い合わせはこちらへ。

お問い合わせ先 
毎日文化センター東京 TEL03-3213-4768

http://www.mainichi-ks.co.jp/m-culture/each.html?id=491

2018年以降、東京開催、詳細未定、1年待ち。

*「ほぼ日」へのお問い合わせはしないでください。
*コラムの感想メールでお問い合わせはしないでください。


ワークショップ型実践講座
「伝わる・響く!言葉の表現力をつける」

――3回で一生ものの書く力・話す力が育つ

書くことによって、人は考える。
自分の内面を言葉で深く正しく理解する。
そのことにより、納得のいく選択ができるようになり、
意志が芽生える。

さらに、

言いたいことを、相手に響くように伝えられるようになる。
インターネット時代に、広く社会に
説得力を持って自分の考えを発信できるようになる。

書く力=想い言葉で表現するチカラを鍛えれば、
自分を知り、自分を表現することができる。

自分の想う人生を、この現実に書いて創っていける。

あなたには表現力がある。

山田ズーニーワークショップ型実践講座、
2017年6月東京で開講しました!


「おとなの小論文教室。」を読んでのご意見、ご感想を
ぜひお送りください
題名を「山田ズーニーさんへ」として、
postman@1101.comまでメールでお送りくださいね。

注:講演など仕事の依頼メールは、
上記アドレスに送らないでください。
山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)に
直接ご連絡いただくか、
山田ズーニーの本を出している出版社に
連絡先をお問い合わせのうえで、
ご依頼くださいますようおねがいします。


★出演情報などお知らせのあるときは
 山田ズーニーのtwitter(@zoonieyamada)にも掲載します。



『半年で職場の星になる!
 働くためのコミュニケーション力』
 ちくま文庫

あなたが職場の星になる!コミュニケーション術の決定版。
一発で信頼される「人の話を聞く技術」、
わかりやすい報告・説明・指示の仕方、
職場の文書を「読む技術」、社会人としてメールを「書く技術」。
「上司を説得」するチカラ、通じる「お詫び」、クレーム対応、
好感をもたれる自己紹介・自己アピールのやり方。
人を動かし現場でリーダーシップを発揮する表現力から、
やる気が湧き・上司もうなる目標の立て方まで。
この1冊で仕事のフィールドで通じ合い、チームで成果を出していける!
自由はここにある!


ラジオで、山田ズーニーが、
『おかんの昼ごはん』について話しました!

録音版をぜひお聞きください。
「ラジオ版学問ノススメ」(2012年12月30日~)
 インターネット環境があれば、だれでもどこからでも
 無料で聴けます

 聴取サイトは、http://www.jfn.co.jp/susume/
 (MP3ダウンロードのボタンをクリックしてください)
 または、iTunesからのダウンロードとなります。


ほんとうにおかげさまで本になりました!
ありがとうございます!


『おかんの昼ごはん』河出書房新社
「親の老い」への哀しみをどう表現していいかわからない
私のような人は多いと思います。
読者と表現しあったこの本は、思い切り泣けたあと、
胸の奥が温かくなり、自分の進む道が見えてきます。
この本が出来上がったとき、おもわず本におじぎをし、
想いがこみ上げいつまでもいつまでも本に頭をさげていました。
大切な人への愛から生まれ、その先へ歩き出すための一冊です。



『「働きたくない」というあなたへ』河出書房新社
「あなたは社会に必要だ!」
ネットで大反響を巻き起こした、おとなの本気の仕事論。
あなたの“へその緒”が社会とつながる!



『新人諸君、半年黙って仕事せよ』
―フレッシュマンのためのコミュニケーション講座(筑摩書房)
私は新人に、「だいじょうぶだ」と伝えたい。
「あなたには、コミュニケーション力がある」と。
            ――山田ズーニー。



『人とつながる表現教室。』河出書房新社
おかげさまで「おとなの小論文教室。II」が文庫化されました!
文庫のために、「理解という名の愛がほしい」から改題し、
文庫オリジナルのあとがきも掲載しています。
山田はこれまで出したすべての本の中でこの本が最も好きです。



『おとなの進路教室。』河出書房新社
「自分らしい選択をしたい」とき、
「自分はこれでいいのか」がよぎるとき、
自分の考えのありかに気づかせてくれる一冊。
「おとなの小論文教室。」で
7年にわたり読者と響きあうようにして書かれた連載から
自分らしい進路を切りひらくをテーマに
選りすぐって再編集!



▲文庫版でました!
 あなたの表現がここからはじまる!

『おとなの小論文教室。』 (河出文庫)


ラジオ「おとなの進路教室。」
http://www.jfn.co.jp/otona/

おとなになっても進路に悩む。
就職、転職、結婚、退職……。
この番組では、
多彩なゲストを呼んで、「おとなの進路」を考える。
すでに成功してしまった人の
ありがたい話を聞くのではない。
まさに今、自分を生きようと
もがいている人の、現在進行形の悩み、
問題意識、ブレイクスルーの鍵を
聞くところに面白さがある。
インターネット、
ポッドキャスティングのラジオ番組です。



「依頼文」や「おわび状」も、就活の自己PRも
このシートを使えば言いたいことが書ける!
相手に通じる文章になる!

『考えるシート』文庫版、出ました。



『話すチカラをつくる本』
三笠書房

NHK教育テレビのテキストが文庫になりました!
いまさら聞けないコミュニケーションの基礎が
いちからわかるやさしい入門書。



『文庫版『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
ちくま文庫

自分の想いがうまく相手に伝わらないと悩むときに、
ワンコインで手にする「通じ合う歓び」のコミュニケーション術!


『17歳は2回くる―おとなの小論文教室。III』
河出書房新社


『理解という名の愛が欲しいーおとなの小論文教室。II』
河出書房新社


『おとなの小論文教室。』
河出書房新社


『考えるシート』講談社


『あなたの話はなぜ「通じない」のか』
筑摩書房



『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
PHP新書

内容紹介(PHP新書リードより)
お願い、お詫び、議事録、志望理由など、
私たちは日々、文章を書いている。
どんな小さなメモにも、
読み手がいて、目指す結果がある。
どうしたら誤解されずに想いを伝え、
読み手の気持ちを動かすことができるのだろう?
自分の頭で考え、他者と関わることの痛みと歓びを問いかける、
心を揺さぶる表現の技術。
(書き下ろし236ページ)



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