YAMADA
はじめての落語。春風亭昇太ひとり会

「なんなんだ、この人のおもしろさは!
 なんなんだ、この人の軽さは!」
つねづね落語のおもしろさを伝えたいと思案していた
糸井darling重里が、思わずもらしたそんな感想。
まだ落語のおもしろさを知らないという人に、
「ほぼ日」は春風亭昇太さんを
自信をもっておすすめいたします。
ほんとうに、自信たっぷりです。満々です。
9月12日、六本木ヒルズで開催される
「春風亭昇太ひとり会」
その打ち合わせの風景を、ゆっくりご覧ください。
あ、落語のおもしろさを十分理解しているという人も、
どうぞいらしてくださいね!

※大好評をいただきました
 『はじめての落語。春風亭昇太ひとり会』が
 CDブックになりました。
 くわしくはこちらをご覧ください
 (2005年3月24日追記)

第8回 心からの、落語のすすめ。



糸井 昇太さんの理想とする落語家の姿っていうのは
どういうものになるんですかね?
昇太 う〜ん、だから、けっきょく、あれですよね、
落語家って、すごく、その、
好き嫌いがあるわけじゃないですか。
糸井 ええ。
昇太 「オレ、この人が好きだけど、キミはどう?」
っていうときに、「こいつ嫌いだよ」
っていうことはいっぱいあるんですよ。
だから、要するに、100パーセント
ウケる落語家なんかいないんですよね。
糸井 うん。
昇太 となると、ようするに、
その人間が好きかどうかってことなので。
糸井 そうですね。そうなっちゃいますよね。
昇太 ええ。だからこう、その、人間力みたいのがね、
もしあるとしたら必要なわけで。
そういう意味でいうと、
(笑福亭)鶴瓶師匠なんかは、
その人間力を持ってる人だから、
もう、おもしろいんですよ。
糸井 そうなんですよね。
だから、これからあとの鶴瓶さんはもう、
上手になるばっかりですからね。
トータルに最高のものに
なるかもしれないですよね。
昇太 そうですよ。これはもう、
すごいことになるかもしれないですよ。
糸井 宝物になる可能性がありますよね。
昇太 あります、あります。
糸井 でも、昇太さんもその意味ではさ、
やっぱり目指すはそういう場所でしょ?
なりたいな、っていうのは。
昇太 そうですねえ。やっぱり、なんかこう、
おもしろいことじゃない言葉も、
この人のフィルターを通すと、
なぜかおもしろくなってるみたいなのは、
理想なんですよ。だから、たとえば、
「ナス」っていうことばだけで笑える人。
糸井 あ〜(笑)。
昇太 べつにその単語はおもしろくなくても、
「牛が‥‥」なんて言ったときに、
なんかおもしろい、みたいな。
最終目標があるとしたら、そこなんですよ。
糸井 昇太さんのなかにも、それはありますよね。
昇太 それをやれればね、
いちばんいいなと思ってるんですよ。

糸井 今度企画する「ひとり会」でも、
そのあたりは期待してもらっていいですよね。
たぶん、たくさんの人が来て、
この企画を落語の「入口」にすると思うので。
昇太 そうなってくれるといいですね。
糸井 昇太さんを「入口」にしてくれると
いいなあと思うんですよ。
だって、ぼくは、ものすごく落語のことをね、
好きになってほしいからね。
だから、素直に入ってきてほしいんですよ。
勉強から入ってったら、
落語って、間違える可能性がありますから。
そもそもぼくは、なんで落語に
縁があるかっていったら、ラジオなんですよ。
ぼくは年寄りに育てられたから、
小さいときに、ラジオから絶えず
落語が流れてたんですよ。
で、ほんっとにおもしろいと思ったんです。
昇太 うんうんうん。
糸井 だから、「おもしろい!」っていう
素直なところから入ってこられて、
よかったなって思うんです。
昇太 そうですねえ。あの、ぼくは、
「落語を聴いたことがない」
っていう人たちに対しては、
「とりあえず日本に暮らしてるから、
 いいじゃない、1回くらい」
っていう言いかたをしてるんです。
糸井 あー。なるほどねえ。
昇太 へたしたら、日本人のなかでも、
1億人ぐらいは落語を聴かずに
死んでいくんだと思うんですよ。
糸井 そうですねー。
昇太 それは、ちょっとあまりにも
もったいないじゃない、っていう。
ま、聞いた結果、合う合わないがあるから、
おもしろくないってこともあるかもしれない。
ま、すごく合って、「おもしろい!」って
言ってくれるかもしれない。
それはわからないけど、死ぬ前に1回ぐらい、
生の落語、聴いてもいいんじゃないの?
っていうふうに思うんですよね。
糸井 はぁ、はぁ、なるほどね。
昇太 それ、ぼくね、はじめて歌舞伎を
観たときなんかにそう思ったんですよね。
もちろん落語もそうなんですけど、
「へたしたら、生涯、これを聴かずに
 死んだのかもしれないな」と思ったらね、
ちょっと怖くなったんですよ、ほんとに。
糸井 うん。うん。
昇太 だから、
「長生き」っていう観念があるとすると、
長い時間を生きるっていうことも、
たしかに「長生き」なんだけど、
いろんなものを見たっていうことも、
ま、「長生き」のなかに入ると思うんですよ。
糸井 ああ、ああ、そうですよね。
昇太 ま、寿命は決まってるはずだから、
だとしたら生きているうちに、
いろんなものを、自分の興味以外のものも、
たくさん見ようって思って、
ま、ぼくはいちおうがんばってるんですけど。
なかなか難しいことではあるんですけど。
だから、とりあえず、あの、一度。
ま、落語を聴いたことない方は、落語を、
とりあえず聞いてみてちょうだいっていう。
糸井 そうですよねえ。
昇太 そうだと思うんですよね。
だから、ま、つまんなくてもいいじゃない、
っていうことです(笑)。そんな、あの、
自信ないわけじゃないんですけど(笑)。
たとえあなたがつまんないと思ったって、
いいじゃない、1回ぐらい、っていう。
糸井 うん。そのすすめかたは、とってもいいですね。
しかも、そんなふうに言って、
「悪い気はしない」っていう人は、
いま、とっても増えてると思うんです。
だから、まあ、
「日光を観ずに結構と言うなかれ」ってことで。
昇太 はい(笑)。
糸井 今日はどうもありがとうございました。
昇太 ありがとうございました。

第一回ほぼ日寄席「春風亭昇太ひとり会」の続報は
随時こちらのページでお知らせします。
どうぞお楽しみに!

いままでの昇太さん
春風亭昇太&糸井重里対談

2004-08-05 春風亭昇太ひとり会。
2004-08-06 落語とお芝居の違い。
2004-08-07 落語は食っていける。
2004-08-09 落語家どうしの話。
2004-08-10 落語家を目指した経緯。
2004-08-12 落語のよさって?
2004-08-14 特別な、志ん朝師匠。



「春風亭昇太ひとり会」

2004-08-02 六本木ヒルズで
「春風亭昇太ひとり会」をやります!
2004-08-17 公演準備も着々と進行中。
2004-09-09 インターネットでも
「はじめての落語」生中継をやります!
2004-09-10 『アリーナ席』ってどこの席?
2004-09-11 インターネット中継は
ブロードバンド・ナローバンド対応です。
2004-09-12 いよいよ今日、18時30分より
六本木ヒルズよりインターネット生中継。
感想をお待ちしております!

※おかげさまでチケットはすべて完売しました。
 どうもありがとうございました!(2004-09-12)


第一回ほぼ日寄席
「春風亭昇太ひとり会」

開催日時
 2004年9月12日(日)
 ・追加公演 開場11:30 開演12:00 
 (・昼の部 開場14:30 開演15:00 
  ・夜の部 開場18:00 開演18:30 )
 ※公演内容は同一ものとなります。

会場
 六本木アカデミーヒルズ40
 (六本木ヒルズ森タワー40階)
 ※会場へのアクセス方法はこちらをご確認ください。

チケット
 ペアチケット 7,350円(税込)
 (お一人3,675円、2枚単位の販売です)
 ※今回の「春風亭昇太ひとり会」は
  ペアチケットのみのお取り扱いとなります。

チケットの詳しい購入方法は
こちらをご確認ください。

主催:東京糸井重里事務所 / ほぼ日刊イトイ新聞
協賛:六本木アカデミーヒルズ
協力:森都市未来研究所

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postman@1101.comまで、
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2004-08-16-MON

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