続・大村憲司を知ってるかい?
大村真司が聞く、父親のすがた。
98年冬、しし座流星群の夜に永眠した、
この、ひとりのギター弾きの遺した
4枚のソロ・アルバムが再発されます。
ギタリストになり、21歳になった長男・大村真司が
父親をよく知るひとびとのところに
大村憲司の話を聞きに行きました。

Musician's Musicianといわれる大村憲司って、
どんなことをしていたのか、何をぼくらに残したのか、
同じ仕事を選んでしまった息子が探しに行きます。


真司くん、いま、どうしてますか。


大村真司くんから、
「父のむかしの音源が、CDになって再発されました。
 よかったら、聴いてみてください」
というメッセージとともに、
「ほぼ日」宛てに3枚の紙ジャケットのCDがとどきました。
「ギター・ワークショップ」という、
1977年、78年、80年にリリースされたLPが
リマスタリングされた、というのです。

「ギター・ワークショップ」は、
故・大村憲司さんをはじめ、
渡辺香津美さん、森園勝敏さん、
山岸潤史さん、秋山一将さんら
名だたるギタリストたちが参加したシリーズで、
サポートメンバーには山下達郎さん(コーラス)、
村上秀一さん(ドラムス)、坂本龍一さん(キーボード)、
小原礼さん(ベース)、矢野顕子さん(ピアノ)、
高橋幸宏さん(ドラムス)‥‥などなど、
そうそうたるミュージシャンがそろっています。
まだ20代か、30代前半だった彼らの演奏が
たっぷり詰まっているんです。

ギタリストだったお父さんとおなじ、
音楽の道をこころざした大村真司くんは、
いま、どんな気持ちで、これを聴いているんだろう。

そんなことが気になったものですから、
真司くんに、あらためて、書いてもらいました。
そして、もし興味がありましたら、
憲司さんの遺した音楽を、
もういちど聴いてもらえたらな、と思います。
では真司くん、よろしくおねがいします。


どうも、お久しぶりです。真司です。

今回は、僕の父達の
「ギター・ワークショップ」
1、2、3が再発したので、
みなさんにお知らせしに来ました。

僕自身はと言えば、
自分のやっていたバンド(Lightfoot)が
メジャーデビュー直前で活動休止になったので、
SchonというバンドでCDを出したり、
今は新しく始めるThe Brightonというバンドを含め
3つのバンドをやってます。

良い音楽を追求するには
厳しい時代かもしれないけど、
修業の身としてはそれぐらいが丁度いい!
って言い聞かせて頑張ってます(笑)。

ここ何年かは同世代の仲間と
ずっとバンド活動ばかりだったので、
最近はまた色んなセッションに
参加したいなーとも思ってます。

自分の話はさておき、
「ギター・ワークショップ」をとりあえず一聴。

う、うまい‥‥
多分みんな20代か30代前半でしょう。

この時代の音を聴くと、
いつもゆるんだ自分の帯を締められる気持ちになる。

みんな技術だけではない
「何か」をそれぞれに持っている。

きっとそれが今の時代には
「ありえない」空間を作り出している。

スタジオ録音なのに、別次元。

みんなの音楽旅行を容易にしてくれます。

スタジオ版も凄いけど、やっぱりVOL2かな?
ライブは外せない。
俺たち世代にはこれをスタジオ版と間違えるヤツが
いるぐらい、凄い。

とにかく、この音たちは
語り継がれていかなくちゃいけない。
そう思います。
今はパソコンでクリック一つで音楽が買えたり、
そういう音楽的な部分がとても軽視されている時代。
でも、そんな時代に生まれたからこそ、
このギター・ワークショップを聴いて
凄いって思う事が大切になってくると思います。
本物は色あせないし、また聴きたくなる。
そう願う人が増えれば、必ずまたそんな時代が来る。
オレはそれを大勢の人と共感したい!

みなさん、聴いてみて下さい。
そして、自分で聴くだけでなく、
是非周りの人に聴かせてあげて。
日本にもこんな凄い人達いたんだぜって。
それをリアルタイムに聴きながら育った人たちにも、
オレはリスペクトを覚えます。
確実にみんな耳がいいから。

大事なのは、伝える事。
息子世代にも、どんどんそれを教えてあげてください。

よろしくお願いします!

大村真司



ギター・ワークショップ Vol.1
憲司、香津美、勝敏&潤史
BRIDGE 080 定価 2625円(税込)


ギター・ワークショップ Vol.2
憲司、一将、勝敏&潤史 ライブ
BRIDGE 081 定価 2625円(税込)


ギター・ワークショップ Vol.3
憲司、一将、勝敏&潤史 ダイレクト・ディスク
BRIDGE 082 定価 2625円(税込)

────────────────────

P.S
僕の尊敬するアーティスト、
浅野さん(G)、タカさん(dr)、
hotokeさん(vo、g)の3人が、
Blues Powerというband で
THIS IS THE BLUES POWER
というCDを出しました!
ベースレスという男らしい編成で
日本最高峰の音を鳴らしてます。
タワレコブルースチャートで
ハウリンウルフを抜き一位でした。
これもかなり聴いてみて欲しいです!


真司くん、どうもありがとうございました。
またいつか、活動の様子、聞かせてくださいね。

2007-05-20-SUN

「CAMINO」のCD第2弾!


ほぼにちわ!
大村憲司さんののこした音源について、追加情報です。

大村憲司さんが率いるCAMINO(カミーノ)の
発掘ライブ音源「CAMINO/LIVE1976」が
発売されたことは、前回の更新でお伝えしましたが、
これに続く第2弾が発売されたんです。
70年代クロスオーバー・ブームのはしりとなった
「バンブー」(大村憲司・小原礼・村上ポンタ・林立夫・
ジョン山崎・浜口茂外也・今井裕)の直後、
さらにブルース色を強めたブルース・ロック&
ファンク・セッション・バンド「カミーノ」。
前作「CAMINO/LIVE1976」では、
カミーノの本質を知っていただきたい! という主旨で、
ブルース・ナンバー中心の構成でしたが、
今回は、カミーノのさらなるディープで
シリアスな部分を追及した内容となっています。

今回はとくにバンブー時代からの名曲で
自身のソロにも収録された「Bamboo Bong」の
オリジナル・フル・バージョンをはじめ、
オリジナルナンバーを3曲収録しました。
弾きまくる大村憲司さん、
その艶っぽいギターが
目一杯楽しめる内容となっています。



CAMINO(カミーノ)「Deep Inside of CAMINO」
品番:EGD-6
レーベル:BRIDGE INC.
\2,667(税抜)/\2,800(税込)
2005年2月25日発売

[収録曲]
Medley
(Have you ever loved a woman
 〜Little Queenie〜Fuether on up the lord)
真空(大村憲司)
Bamboo Bong (大村憲司)
Sweet Little Angel
ほか

CAMINO(カミーノ)
大村憲司(G.,Vo)/是方博邦(G.)/小原礼(B.)/村上ポンタ秀一(Ds.)

Produced by 小原 礼
リマスタリング・エンジニア:中村宗一郎

お求めはBRIDGE-INC.のホームページからどうぞ。

2005-03-07-MON
大村憲司さん参加
「CAMINO」のCDが発売されます!



ほぼにちわ! このコンテンツを更新するのは
とても久しぶりです。
(「大村憲司‥‥さん、って誰?」
 というかたは、まず、ぜひ、
 アーカイブからごらんくださいね)

きょうはニュースをひとつ、お届けします。
「日本ロック史の空白を埋める」
と言われた、大村憲司さん参加のバンドの
貴重なライブ音源がCDとなって、
今日、発売されます!

バンドの名前は「CAMINO」(カミーノ)。

 大村憲司‥‥ギター
 小原 礼‥‥ベース
 村上ポンタ‥‥ドラム
 是方博邦‥‥ギター、

というそうそうたるメンツによる
セッション・バンドなんです。
そこに浜口茂外也、井上茂(シーチャン・ブラザーズ)も
参加した1976年のライブ音源が、
リマスタリングされ、復刻となりました。

「CAMINO」は、1970年代のクロスオーバー・ブームの
はしりとなった「バンブー」を前身に誕生した
ブルース色を強めた、
ブルース・ロック&ファンク・セッション・バンド。
当時、“泥臭さ”を売りにした、
関西のウェスト・ロード・ブルース・バンドや
ソー・バッド・レビューに対し、
大村さんたちは、東京で、
よりファンクネス、ファンキーさを追求した
音楽シーンを展開していました。
それが「カミーノ」なのでした。



CAMINO (カミーノ)
「LIVE 1976」
BRIDGE-INC.より11/18発売。
EGD-3 ¥2800(税込価格)¥2667(税抜定価)
Produced by 小原 礼
リマスタリング・エンジニア: 中村宗一郎
コーディネイト:大村聖子

1)Further on up the road
2)Introducing Camino
3)Key to the highway
4)Everyday I have the blues
5)I call your name
6)Laughing dog (オリジナル)
7)Tropicana blues (オリジナル)
8)Stormy Monday
9)Season of the witch 
10)The sky is crying

表の黄色のロゴがキュートですね!
曲順も絶妙です。
音はきれいな音、実物よりいい音で
収録(修正)されてるCDが多い中、
いろんなぬぐえない雑音が‥‥
これがまた臨場感があってよかったです。
あの元音源がここまで改良されたのは驚きです。
歪みも音のバランスの悪さも
'76!! を物語ってて‥‥
かえって新鮮に思ってくれる人が
多いといいなと思います。
知らない世界の人にはなにかが垣間見れるのでは?
私達は大枯れ
(入力間違いだけどこの言い方気に入った)
少なかれ『その時代』を生きたことが
「誇り」「優越感」「宝物」になってると
実感しています。

大村聖子



お求めはBRIDGE-INC.のホームページからどうぞ。

このページへの激励や感想などは、
メールの表題に「大村憲司」と書いて、
postman@1101.comに送ってください。

2004-11-18-THU

はじめに。

沼澤尚1:アスリートであることと、音楽家であること。

沼澤尚2:沼澤尚がしたかった、 大村憲司のプロデュース。

宮沢和史1:俺らが切り開いてきた道を。

宮沢和史2:先輩たちの姿が、免疫みたいに体に入ってる。

高橋幸宏1:毎日一緒にいた。兄弟みたいだった。

高橋幸宏2:憲司がいないからね、 憲司が必要な曲は、 もう、作らないんだ。

大貫妙子1:彼には彼の、確固とした、ゆずれない何かがあった。

大貫妙子2:「あ、憲司さん呼ぼう」って、いまだに、思うんだ。

野口広之:大村憲司さんの遺した4枚のアルバムをすべて解説します。

松下久その1:憲司さんには、たくさんのことを教わりました。

松下久その2:いつか、ちゃんとわかる日がやって来るからね。

大村憲司さんのソロアルバム
販売窓口を「ほぼ日」につくりました。
(終了しています)

大村憲司プロフィール



おおむら・けんじ Omura Kenji
ギタリスト。
1949年5月5日、神戸生まれ。
 
1969年 ヤマハ・ライト・ミュージック・コンテストの
ロック部門で優勝。
ちなみにこの時のフォーク部門の優勝は
赤い鳥(総合グランプリも)、
2位はオフコースだった。
 
1970年 渡米し、留学。留学中、アマチュア・ナイトで
フィルモア・ウエストのステージに立つ。
フィルモア・ウェストのステージに立った
唯一の日本人となる。
 
1971年 帰国し、“赤い鳥”のレコーディングに参加。
72年、“赤い鳥”正式メンバーとなる。
同時期に村上秀一も赤い鳥入団。
 
1973年 村上とともに脱退し、
“エントランス”結成
(メンバーは、大村、村上、山村隆夫、
 ベースは後に高水健司に)。
五輪真弓のバックを務める。
 
1974年 再び渡米。3ヶ月間滞在し、
ジム・ケルトナーらとセッションを重ねる。
帰国後、セッションバンド“バンブー”結成
(村上秀一、林立夫、小原礼、ジョン山崎、
 今井裕、浜口茂外也)。
 
1975年 来日中のサンタナとスタジオ・セッション。
サンタナからアメリカに来るように誘われる。
深町純“21stセンチュリー・バンド”の
レコーディングに参加。
 
1976年 “カミーノ”結成(村上秀一、小原礼、
 是方博邦)。
吉田美奈子バンド結成(大村、村上、坂本龍一、
高水健司、松木恒秀、佐藤博、土岐英史)。
 
1977年 深町純トライアングル・セッションで
ブレッカー・ブラザーズと共演。
 
1978年 『ギター・ワークショップ』に参加。
ソロ・アルバム『ファースト・ステップ』
(東芝EMI/プロデュース:深町純)、
『Kenji Shock』
(アルファ/プロデュース:ハービー・メイスン)
を発表。
本格的なソロデビューの年となる。
 
1979年 坂本龍一カクトウギセッション参加。
“松岡直也&ウィシング”に加入。
 
1980年 YMOのサポート・ギタリストになり、
国内&ワールドツアー参加。
自著「大村憲司ギターテクニック」発売
(リットーミュージック刊)。
 
1981年 ソロ・アルバム『春がいっぱい』発表。
アレンジャーとしても頭角を現す。
中村哲、浜口茂外也との作業多し。
長男、真司誕生。
 
1982年 大村プロデュースの山下久美子
「赤道小町ドキッ」がオリコン2位を記録。
 
1983年 4枚目のソロ・アルバム『外人天国』発売。
石川セリのツアー・サポート。
 
1984年 矢野顕子「オーエスオーエス・ライブ」。
 
1986年 井上陽水「クラムチャウダー」
全国ツアーのサウンド・プロデュース。
 
1989年 高橋幸宏「Absolute Ego Dance」ツアー。
 
1992年 “カミーノ”再結成ツアー
(村上秀一、是方博邦、青木智仁)。
矢野顕子「SUPER FOLK SONG」ツアー。
下田逸郎と全国ライブハウスを旅回り。
 
1994年 遊佐未森武道館コンサート。
沢田研二コンサートツアー。
柳ジョージのアルバム・プロデュース。

以降も、浅野祥之、近藤房之助、沢田研二、
高野寛、高橋幸宏、Char、沼澤尚、
HAIR CUTS、宮沢和史、柳ジョージ、
遊佐未森ら、多くのコンサート・ツアーや
アルバムに参加。
 
1997年 4月、プロ活動25周年記念ライブ
 (六本木ピットインと
  神戸チキンジョージで各3日間。
  大貫妙子、高水健司、遊佐未森、
  渡辺香津美らが参加)。
 
1998年 7月、大村憲司&徳武弘文
  with Dr.K Project・ライブ盤
  『クロスエコー』(BMG)発売。
8月、近藤房之助、Char、バカボン鈴木、
  村上秀一と九州・沖縄ツアーを敢行。

同年12月に予定されていた
オーチャードホールでの
大貫妙子コンサートを果たせず、
11月18日、しし座流星群の夜に
肝臓疾患で永眠。
享年49歳。


2001年
大村憲司を知ってるかい?
2年前の冬、短い生涯を閉じた、
あるギタリストの話。

2001-03-23 コンサート実行委員・永田純さんの話
2001-03-24 番組プロデューサー・佐渡岳利さんの話 &
ギター・マガジン編集長・野口広之さんの話
2001-03-25 ドラマー・沼澤尚さんの話 &
キーボード/バンマス・中村哲さんの話
2001-03-26 シンガー/ピアニスト・矢野顕子さんの話 &
長男・大村真司さんの話
2001-03-27 放映前にいただいた、ほぼ日読者からのメール
2001-03-28 放映と前後して届いた、ほぼ日読者からのメール
2001-03-29 放映後に届いた、ほぼ日読者からのメール
2001-03-30 さらに、ほぼ日読者からのメール
2001-04-13 その後、寄せられた、ほぼ日読者からの手紙


大村憲司プロフィール写真撮影=鈴木 淳
大村憲司プロフィール写真/ギター写真撮影=大熊一実
協力=大村聖子/ギター・マガジン編集部

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