ほぼ日の學校 ただいま製作中!あたらしい學校ができるまで。

kosuke.deki

チャップリンと大野さんと

2021/06/21 18:00
「ほぼ日の學校」の
次なるリアルイベントは、
ずばり「ディズニーとチャップリン」。

エンタメ界の2大巨頭の
知られざる師弟関係を解き明かす授業です。

講師をつとめていただくのは、
日本で唯一「チャップリン研究家」の
肩書きを持つ、大野裕之さん。
チャップリンはもちろんのこと
映画・演劇をはじめカルチャーに精通し、
大阪弁の語りがとっても魅力的な方です。

ここで少し、個人的なことを
お話しするのをお許しくださいませ。
講師の大野さんは、
今回の授業を企画担当した
わたくしの、高校の先輩です。

いまから15年前、
わたしが高校生のとき、
卒業生代表として、大野さんが
講演に来られました。

「へえ、チャップリンのことを
研究してる人がいるんだ」

なんとなく席につくと、会場のスクリーンに
チャップリンの代表作
『モダン・タイムス』の
冒頭シーンが映し出されます。

ずんずん進む、白い羊の大群。
それと対比されるように
地下鉄口からどんどん出てくる労働者たち。

あ、前に図書館で借りて
観たことあるな‥‥と思っていると
舞台袖から大野さんが登場し、
語りはじめました。

「いま、白い羊の大群が出てきましたよね。
実はそのなかに、1匹だけ、
黒い羊がいたんです。気づきました?」

いや、気づきませんよ‥‥?
大野さんは話を続けます。

「羊の群れと労働者は、
どちらも同じ方向に走っていましたよね。
労働者が、家畜にたとえられている。

この対比は、誰でも考えつくんです。

大事なのは、ここからです。
白い羊の群れに1匹だけ、黒い羊がいた。
つまり、どんな色・個性を持つ者でも、
同じ方向に走らされてしまうのです。
次のシーンの労働者たちの中にも
“1匹の黒羊”は、いるはずです。
でも、すべて十把一絡げにされてしまう。
これが現代=モダン・タイムスの本質です。
そこまで描くのが、
チャップリンなんです」

いや‥‥めっちゃおもろいですやん!!
あれから15年経っても、覚えています。
映画を観るおもしろさ、
作品を読み解くたのしさ、
チャップリン作品の底しれぬ深みを
教えてくれた講演でした。

おそらくきっと、今回はもっと、
刺激的な話が飛び出すはず。
だって、ディズニーとチャップリンですよ?
エンタメの巨頭が揃い踏みですよ!?

ああ、今からたのしみだ。
リアル会場も、配信もございますよ。
ぜひ、お見逃しなきよう!