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宮本茂 × 糸井重里、対談2005

 

任天堂は京都にあって、
宮本茂さんも京都にあるので、
そこから突然、ニンテンドーDSのような
「新しいおもちゃ」が届くと
ぼくらは「いつの間にこんなものを?!」と
驚いてしまうわけですが、宮本さんの話を聞くと
多くのことがすとんと腑に落ちるのです。
宮本茂さんを、糸井重里が訪ねました。
これまでのこと。これからのこと。
そして、ぜんぶの根っこのようなこと。
全9回のゆったりとした対談をお届けします。
担当は「ほぼ日」の永田です。

糸井 十字キーやボタンをなくしてしまおうか、
みたいな話を、宮本さんは
制作の現場でもふつうにするんですか?
宮本 あ、けっこうしてますよ。うん、それは。
糸井 ああ、そうですか。いいですねー。
宮本 その意味では、うちの現場は、
すごく健全に進んでると思いますよ。
糸井 そうすると、どんな会話になるわけですか?
「いやいやいやいや」って、
止められたりするんですか?
宮本 いや、もうどっちかいうと、
「やりましょうよ!」
みたいな人が多いですから。
「うん、やりましょうよ」って。
糸井 ああ、最高ですよ、それは。
それでどうなっていくんですか? その話は。
「ほかの人の立場もありますよね」っていうのは、
オトナだから当然わかってますよね。
宮本 そうですね、うん、それは。
糸井 たとえばそれを売る人だっているわけだから、
アドバンスのソフトが遊べない
っていうことになったら
「いやー、営業の人は困るでしょうね」
ってことは想像がつきますよね。
宮本 うん。だからもちろん、実際には、
そういうことにはならなかったんですけど、
「これが売れたらつぎでやりましょうよ」
みたいなことは言ってましたね。
糸井 健全だね。
宮本 だからまあ、子どもじみたことも言うけど、
きちんと話し合って。
糸井 はー。その意味ではもう、子どもっぽい話は、
出し尽くすくらいまでしゃべって。
宮本 ああしたい、こうしたいっていう話は
けっこう出し尽くしてると思うんですけどね。
で、やっぱり、だいたいほら、そういう話って、
最低1年半ぐらい前に準備しとかないと
ダメじゃないですか。
「やりたい!」って言うて
来月売れるかっていうと、
絶対できないですからね。
だから、だんだんこっちもオトナになってきて、
少し早めに考えるようにはなってきてますけど。
糸井 でもそれ、宮本さんは昔から
そんなふうに言ってましたよね。
「考えたらすぐやりたい!」みたいに。
宮本 もう、いまでもそうですけどね。
考えたらすぐやりたい。
でもまあ、ものをつくっていると、
「考えたらすぐやりたい」
っていう人が多いほうが、
ぼくは健全やと思ってるんですけどね。
糸井 ぼくもそう思う。
宮本 けどやっぱり、それだけじゃ
関係する人に迷惑がかかるので、
ま、少し調整役に入る歳に
なってきたのかなって(笑)。
── でも、宮本さんはそれを忘れないですよね。
その、実現しなかったことを。たとえば、
「十字キー取っちゃおうか」っていうのは、
考えとしてなくしちゃったわけじゃなくて
どっかに置いてあるんですよね。
宮本 あ、それはずっと残してある。
そういう話がね、こう、山になってます(笑)。
だから、『nintendogs』なんかも、
ずいぶんいままでに話したことがあるし、
『ピクトチャット』なんかもそうです。
古い話が山ほどある。
糸井 うん。思えば、
お絵書きソフト的なものっていうのは、
宮本さんはずーっと言ってたことだよね。
宮本 そうです。もう、ずーっとやってきてて(笑)。
糸井 しつこく言ってきたよね(笑)。
── スーパーファミコンでは
『マリオペイント』がありましたし、
64DDでは『マリオアーティスト』の
シリーズがありました。
宮本 うん。ペンディングになったものもあるし。
ああ、多いですね(笑)。


続きます!
2005-03-09-WED