ほぼ日の20年以上蓄積された読み物のなかから、
いろんな人にいろんな切り口で
「音楽のプレイリスト」をつくるみたいに、
おすすめのコンテンツを選んでしまう企画です。
去年の年末にはじめてやってみたところ、
たいへん好評だったので、今年もいろんな人に
お願いしてつくってもらいましたよー。
12人の方がつくった「ほぼ日のプレイリスト」、
年末年始にのんびりおたのしみくださいー。

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8.仁科勝介(かつお)さんのプレイリスト

半歩前に進む勇気をもらったコンテンツ

 >仁科勝介(かつお)さんプロフィール

ほぼ日と出会って、
たくさんの元気や勇気をもらいました。
湧き出るようなコンテンツの数々に出会い、
幅広いジャンルの方々を知り、
何十人もの隠れファンになり。

ほぼ日コンテンツは、
登場する方も、
編集をする方も、
ありのままなように感じます。
自分をより良く見せたいのが人間、
ってものですが、
ほぼ日ではお互い、
そうあろうとしない。
向き合って、さらけ出して、
言葉に嘘をつかない。
笑い話だって、尽きません。

だから、「本音で語ろう」
というほぼ日全体の雰囲気が、
ぼくは大好きです。
裸足になれる気がするんです。
ほぼ日というふかふかな土を、
裸足で駆け抜けていく感じ。

人生山あり谷ありだけど、
やっぱり大丈夫だよ。
そんなことより、
世界はこんなに広いんだ。
思い切って声を出したい気分、
やっほー!

と、いろんなコンテンツを読んで何度、
心が軽くなったことでしょう。
人を知り、童心にかえり、
その先にあるやさしさ、つよさ、
たのしさ、おもしろさを教えてもらった。
それが、ほぼ日という場所でした。

背伸びせず、半歩ずつ前に進んでいく
勇気を分けてもらったコンテンツ。
5つ選びました。


縄文人の思い。

「縄文人の思い」について、
個人的にも気になっていました。
「生きがいって何だろう?」という
ありがちな疑問を突き詰めてみたとき、
「遥か昔、縄文人の生きがいは、何だったのだろう?」
に、たどり着いたんです。
縄文人は毎日ハッピーだったのかな、みたいな。

新潟県津南町に在る縄文文化の体験施設
「なじょもん」の佐藤さんによる、
縄文人の日常の推測、 とても面白いです。
頭が良く、環境に適応する能力があった縄文人。
自然と共生した1万年の感情は、
文章としては残されていません。
だからこそ、火焔型土器などから
縄文人の思いに、思いを馳せる佐藤さんに、
とても共感しました。
縄文人も現代人も、同じ人間同士です。


目標を、達成しやすくするヒント。

予防医学の本などを出されている
医学博士の石川善樹さんと、
糸井さんの対談。
“目標達成”について、
ぼくなら「ほぉ〜」
としか返事できないような
石川さんの頭の回転の早さに、
毎回すぐ「それってつまり‥‥」と、
糸井さんがどんどん
分かりやい例を繰り出すことで、
テンポのよいラリーがつづきます。

「こうすれば目標が達成できる」
みたいな話にぼくらは弱いですが、
まずはちいさな目標を、足元から。
という身近なヒントを、教わりました。


つくりつづける。考えつづける。

ミナペルホネン皆川明さんと、
糸井さんの公開対談。
考え抜かれた皆川さんのこぼれる言葉に、
ハッとさせられます。
「洋服がどんな記憶になるのかまで
考えることが『デザイン』なのでは」
と話す皆川さん。
その言葉に対して、
「文章や音楽でも同じだね」
と答えた糸井さん。

二人の共通解が見えてくるとき、
アートやデザインの本質に
自分も少しだけ近づけたような
感覚になりました。
突き詰めた考えの先にある、
目に見えないものを、形にさせていく力。
勉強になる対談でした。


接点、仲介する者。

齋藤陽道さんの写真が大好きです。
齋藤さんが難聴だから、ではなく、
写真そのものが、心から好きです。
なので、ほぼ日で齋藤さんの
コンテンツを見つけたとき、
2012年の記事でしたが、
貪るように読みました。

滞在4時間の日帰り沖縄ライブで、
齋藤さんが撮ったスミンさんの写真。
耳栓をしたカメラマンさんと、
補聴器を外した難聴のカメラマンさんの写真。
写真という視覚情報に対して、
たくさんの方が対話を重ね、
向き合ったコンテンツです。
定期的に、読み直しています。


魂はどうか自由でいてほしい。

訪問診療医の小堀鷗一郎先生と、
糸井さんが「死」について語った
「いつか来る死」
という書籍の刊行記念イベント。
撮影を担当した幡野広志さんも、
座談会に登場しています。

冒頭、小堀先生の鋭い切り出しによって、
早速幡野さんの「死」に対する
率直な思いが語られる部分から、
3人のバランスが、とにかく絶妙で。
全然油断できないですし、
ズバッ、ズバッと、
生と死が、語られていきます。

そして最後には
「魂の自由」が合言葉となり、
スパッと終わりを迎える潔さ。
重たい話というより、
日々のシンプルな生き方を、
教えてもらえる記事だと、
ぼくは思っています。

2022-01-01-SAT

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