ほぼ日の20年以上蓄積された読み物のなかから、
いろんな人にいろんな切り口で
「音楽のプレイリスト」をつくるみたいに、
おすすめのコンテンツを選んでしまう企画です。
去年の年末にはじめてやってみたところ、
たいへん好評だったので、今年もいろんな人に
お願いしてつくってもらいましたよー。
12人の方がつくった「ほぼ日のプレイリスト」、
年末年始にのんびりおたのしみくださいー。
わたしをつき動かす、
よくわからない情熱
北の庄(きたのしょう)
福井県庁(北ノ庄城/福井城)のお堀をネタにして、
北の庄名義で送った投稿がはじめて採用されたので、
なんとなくそのまま北の庄を名乗っている。
投稿名は固定だったりそうでもなかったり。
長く名前を借りているわりに、
幼い頃よく遊びに行っていた丸岡城に比べて
北ノ庄城への思い入れが薄いことを反省し、
さらっと観光案内ができるレベルを目指して勉強中。
2008年8月。
中国で‥‥オリンピック‥‥
参加国は、何の順で入場してくるんだろうか‥‥?
という素朴な疑問から、
「北京五輪 開会式 順番」で検索して
ほぼ日にたどりつきました。
再び北京で五輪が開催されようとしているこのタイミングで
こうしてお目にかかる機会を得ましたこと、
巡り合わせだなぁと笑っちゃっております。
こんにちは。
北の庄と申します。
読者です。
ほぼ日を読んでいると
たびたび「いま、情熱に触れている」と感じるコンテンツに
出会います。
インタビューで語られ、時に生業につながり、
そのひとを強く彩る情熱は、字を追うだけで胸が熱くなり、
力をもらえるような気さえして、
ああ、読めてよかったなぁと反芻しながら
ページを閉じます。
しかし、
燃えたぎるような感情の熱は、
簡潔にまとめて自己紹介に使えるような
アウトプットしやすいところにだけ
都合よく宿ってくれるものでしょうか。
語るたびに「なんで?!」と聞かれ、
共感は得られないだろうなぁ‥‥とおずおず表明すれば、
やはり共感は得られない。
なんなら本人も「好き」ということ以外を
うまく説明できない。
情熱というほどの熱があると思っていないのだけれど、
語り出すとびっくりするほどなめらかに口がうごく。
そんなよくわからないところに灯る情熱の炎があることを
わたしは知っています。
そして、この『よくわからない情熱』が
じわじわと集まってあふれだす場としてのほぼ日をこそ、
愛しているのです。
ことばでうまくまとめられない、
けれども何か底知れない熱を感じるコンテンツで
プレイリストを作ってみました。
おたのしみいただければうれしいです。
かぼちゃをくり抜いて、置く。という中継です。
‥‥。
ええと。
かぼちゃのランタンってありますでしょう?
ハロウィンの。そう。
ジャック・オ・ランタンとかいうやつです。
オレンジのかぼちゃをおばけの顔みたいにくり抜いて、
中にローソクを入れて。
15分くらいですかね。ふつうに作ると。
あれを予定時間60分で作って、
置く様子を中継するのです。
なぜそんなことを?
なんでそんなに時間をかけて?
ねぇエンドロールってなに?
わかりません。
わたしにわかることは、
かぼちゃの中が空洞だということだけ‥‥。
『投稿』という遊びについて、
だいぶ長い間、
ぎゃー!
変なテンションで変なことを書いたら載ってしまった!
という気持ちが強くあったのです。
平常心で何かを書いて、送って、載って、たのしい!
というおだやかな遊び方ができるようになったのは
このコンテンツの中盤だったでしょうか。
おもしろいんですよ。投稿。
載ったらもちろんうれしくておもしろいけれど、
載らなくてもそれはそれでおもしろい。
誰かの投稿を読むのも好きなのでたまに読み返すのですが、
何度読んでもこどもはさいこうだな。と思います。
この『さいこう』を書き留められるのは、
みていたあなただけなのだから、
お。と思ったら気軽に書いてみてください。
小ネタ劇場はトップページの下の方で、
静かに新しい投稿を待っています。
「宵越しのパンツは、はかない」
ずっとこのフレーズが忘れられないのです。
下穿きに明確な信条など持ったことのない人生でした。
復権とか説得とか、
そんな単語と白いブリーフが結びつくなど、
考えたこともなく。
ありますか? ないでしょう。
寄せられた回答は12,000にのぼるそうです。
12,000の圧をね、ぜひ感じていただきたいと思います。
こどもの頃、新しく大学ができるから。と作られた
団地に住んでいました。
窓の外には川と牛舎と広がる田んぼ。
県外からやって来て知り合いも土地勘もなく、
買い物にも不自由するような場所で、
同じ年ごろのこどもを抱えたハハたちは固く団結し、
時が経って引っ越しや転勤で散り散りになりはじめた頃、
疎遠になってしまうのが惜しいと
近況を集めたミニコミ誌のようなものを作りました。
今でも続いているので、
母の「今度は何書こう?」の相談に乗るのですが、
自慢っぽくなるのはヤダ。
おんなじことばっかり書いてるって思われるのヤダ。
私は孫を使わない主義。
暗いことはねぇ、書いてもしょうがないかな?
などなどの怒涛の要望によって
出す案を片っ端から却下され続けてそろそろ30年。
『ふつうの主婦』が定期的に原稿を寄せている
このコンテンツの凄みが胸に響きます。
生活を大切にするからこその、
さまざまな制約を越えてきた文章だと
勝手に尊敬しているのです。
そして純粋に、レシピがわかりやすくて
写真が丁寧で好きです。
たまに眺めているだけでは我慢できなくなって、
お菓子を作ってみたりしています。
パスタがおいしそうなんだよなぁ。
義務教育という期間の間、
学校がニガテでキライで本当にキライだったので、
おんなじような気持ちでいる誰かの力になれないかなぁと
特別支援学校の先生を目指していた時期がありました。
わたしが知っていた狭い認識の範囲では
「明るく」「まじめ」で、
「意欲的」な「やさしい」人は、
働く場所をみつけるのは
そう難しくないはずだったのですが、
そうじゃ、ないんやなぁ。
社会、むずかしいなぁ。
出たこともないモンが、
教えれることなんてあるんやろか。
というところにつき当たって、
わからんからまずは社会に出てみよかと
就職したことを、このコンテンツで思い出しました。
「まずは」の時期は終わったぞ。
さぁ、何ができるようになった?
という問いと、じんわりした熱が、
心の中に、ある。のです。
さてさて、2008年夏季五輪北京大会の入場は結局
『国名の漢字の一文字目の画数が少ない順』
だったのですが、
オリンピックがどの国で開催されても
一番最初に入場してくる国はギリシャです。
青と白の横縞に白い十字の旗がフィールドに翻ると、
これから始まる熱戦の予感に鼓動が高まり、
血潮がめぐり‥‥、
いえ。脱線は横に置きまして。
切り取られる風景の1枚1枚が印象的で、
このコンテンツがきっかけで、
ギリシャが行ってみたい国になりました。
地中海で南国で、
カラリと晴れ上がって
ただただ抜けるように青いのだろうと思っていた
ギリシャの空は、
升ノ内さんのイラストを通して見ると、
どこかわたしの馴染んだ北陸の空のような
すこし沈んだ色の気配があって、
いつかほんとうのギリシアの空を見上げて
感じてみることができたらなぁと思いながら、
アテネの天候と時刻を眺めています。
時差7時間(サマータイムあり)ということは、
19時開始の試合を日本で観ると深夜1時ですね。
ちょっと寝不足がきびしいけれど、
仕事に邪魔されず観戦できるなぁ。
‥‥‥親愛なる観たぞ民のみなさま、
ビンドゥンドゥンはもうご覧になりましたか?
2021-12-29-WED
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イラスト&タイトル:あーちん
あーちん
2002年生まれ。9歳のとき、お母さんのすすめで
「ほぼ日マンガ大賞2012」にエントリーし、
約1000通の応募のなかから見事入選。
小学生漫画家として、『くまお』の連載をスタート。
初の単行本『くまお はじまりの本』を出版。
2年半の連載の後、小学校卒業をきっかけに、
『くまお』は246回で終了。
続く、中学時代は、好きなたべものを描く
『たべびと』を連載。
終了までに144品のたべものを描きあげた。
現在、日本の北のほうで、大学生活エンジョイ中の19歳。