もくじ
第1回偏見が氷のように溶けた。 2019-03-19-Tue
第2回優しさは力の中にある。 2019-03-19-Tue
第3回絶対に休まないということ。 2019-03-19-Tue
第4回先生が夢を叶えない理由。 2019-03-19-Tue
第5回してきたことを、迷ってはいけない。 2019-03-19-Tue

NHKで10年以上、報道番組のディレクターをしていました。今はサイボウズという会社で働きながらいくつかの複業をしています。
パラレルキャリアでワーキングマザー。
ほんとうのことを、ありのままの自分で伝えていける人になりたいと日々試行錯誤中です。

Be free!</br>私を自由にしてくれた人。

Be free!
私を自由にしてくれた人。

担当・三木 佳世子

第5回 してきたことを、迷ってはいけない。

三木
私、先生が描いてくれた
窓のない家に座ってるやつ、忘れられなくて。
先生
最近描かないんだよね。
最近描かないんだけど、こういう絵だよね。

三木
そう、それです。
先生
お前たち、窓もドアもない家の中にいるよって。
マスメディアに外を見られないように取り巻かれて。
音楽なんかもそうだろ?
世界に色んないい音楽あるのに、それを聞かされない。
お前らはこれで満足しろってあてがわれてる。
この外に何があるかも、みんな興味を持たない。
大学に入ったら、窓をあけて外を見るんだよって。
三木
懐かしい‥‥。
先生
それを聞いて、慶應に入った女の子が探したっていうの。
サークルで、自分の知らない音楽をやっているところを。
そしたら、フォルクローレ研究会っていうのがあって、
フォルクローレって言うのは
アルゼンチンあたりの南米の音楽なんだけど‥‥。
三木
「コンドルは飛んでいく」とか?
先生
そうそうそうそう。よく知ってるじゃない。
三木
うふふ、あれすごい好きです。
先生
なんでそういう音楽に、今の高校生は触れる機会がないの?
世界には色んな音楽があるのに、届かないんだよ。
三木
自分が興味あるものだけを、ネットで調べるようになって、
偶然の出会い、みたいなのが少ないかもしれないですよね。
先生
そう、窓から光が入ってこないの。

三木
なんでなんだろう。
先生
うーん。
外から新しい光が来るよりも、
この方がやっぱり居心地がいいから。
三木
うーん。
先生
もう、自分たちの世界だけ。安全な世界だよ。
三木
私はずっとこの、外からの光を届けたいと思って、
NHKで番組作ってたんですけど。
なんか、届いてるのか届いていないのか、
だんだん分からなくなってきちゃって‥‥。
おじいちゃんおばあちゃんは
いっぱい見てくれているんだけど(笑)。
先生
中には届く子がいると思って、発信しないと。
みんなはみんな無理だから。
三木
そっかぁ‥‥。
先生
今本当にそうだと思うよ。
私が当たり前だと思っていることを言った時でも
拒絶反応を、持つ子もいるし。
むしろ、興味がないことに触れたとき、
多くの子どもは拒絶反応を示すね。
でも、中には「えぇ!?そんなことがあるの!」って
新鮮な感動を覚える子もいるから。
三木
そうなんですね。
届くと信じて、伝えることが大事なんだなぁ。
先生
私が常に子どもに求めているのは、
あくなき知的好奇心と、新鮮な感動。
初めてのことに興味を持って「もっと知りたい」
「そうだったのか!」といって、感動する心を持つこと。
三木
大人でもそうですよね。
先生
何歳になってもそうだよ。あくなき、知的好奇心。
いやぁ、実はね、ここ3日間‥‥。
三木
どこに行ってたんですか?
先生
京都に行ってたんだよ。京都一人旅。
三木
いいですねぇ。
先生
京都は、神社・寺を回って。
もう何度も京都に行ってるんで、
今回は初めての所に行こうと思って、
3日間2万歩ずつ歩いてきたの。

三木
めっちゃ歩いてきましたね。
先生
山の中腹くらいのところに行ったりね、大変なんだよ。
でもね、そこの教えとかから学ぶことがいっぱいある。
新鮮な感動が今もある。
おみくじ引いてね、そうするとね、
そこから学ぶこといっぱいある。
三木
ええー。
先生
今までやってきて、
色々反省することもあるし、迷うこともある。
けれども、ある神社で引いたおみくじに、
まさにそういうことを的確に書いているのがあって。
〝今までやってきたことに対して、迷ってはいけない〟と。
三木
ほー。
先生
〝さらにそれを努力すべし〟と。
三木
沁みます。
先生
いやぁ、これで良かったんだっていうね。
だから教材もどんどん新しくしてるって言うのはね、
新しいことを教えているというわけではなくて。
子供がどんどん変わってきてるじゃない。
だから、今の子どもに分かりやすいように変えている。
三木
常に更新し続けてるんですね。
そうそう、私、先生に最後に聞きたかった事があって、
「未来はエンプティキャンバス」っていう言葉は今も
みんなに言ってるんですか?
先生
んんと、あんまり言わないかな。
三木
えー!
先生
というよりもほら、教材の最初のページに載せているから。
三木
あれ、教材の一番最初のページに?
えーっ、あーっ、ほんとだすごーい!


先生
ね、夢は叶う全図だよ。
三木
ほんとだ!すごーい!!書いてある。
先生
だから今は口では言ってないけれど。
みんなこのことは分かってる。
そう、夢は叶う。未来はEmpty canvasなんだよ。
三木
すごい。私、本当にこのウイニングに通って、
この言葉に出会えて、そこで人生が変わった、
自由になれたって思ってるんですよね。
先生
Be freeだね。
三木
先生、今日会えて本当に良かったです。
ありがとうございました。
先生
今度はお返ししてね(笑)
三木
はい。お返しもします。
いつか飲みにも連れて行っていただきたいです。
先生
はいはい。またの機会でね。

(終わります。最後までお読みくださり、ありがとうございました)

写真・佐野 嘉紀